ザク (機動戦士ガンダムSEED DESTINY)
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ザクウォーリア、ザクファントムを初めとするザクシリーズは、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』以降のコズミック・イラ(C.E.)世界に登場する架空の兵器(モビルスーツ・略称MS)。宇宙世紀に登場するザクについては(ザクI、ザクIIを参照。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 機体解説
ザク=ZAKU(Zaft Armored Keeper of Unity= "鎧に身を固めたZAFTの統一の保護者" )は、ユニウス条約締結後プラントで開発された次世代MS群「ニューミレニアムシリーズ」(サウザンドシリーズ)に属するMSである。当初は量産機としては初の核動力MSとして設計されていたが、ユニウス条約で定められた「ニュートロンジャマーキャンセラーの軍事利用の禁止」を受け、従来のバッテリー駆動方式に設計変更された経緯を持つ。
最大の特徴はバックパック換装機構「ウィザードシステム」を備えている事である。使用目的の異なる数種類のバックパック型オプションパーツを戦局に応じて換装する事で、単一の機体を様々な局面に対応させる事が出来る。このシステムはユニウス条約において定められた「連合・ザフト両軍の保有MSの上限の設置」への対抗策でもあり、用途を限定した所謂局地戦用機の生産台数の抑制にも貢献している。
パワーや機動性等、MSとしての基本性能は軽装時においても前世代機のゲイツを凌駕しており、同じく前大戦当時の最新鋭機であった地球連合軍のGAT-Xシリーズをも上回るとされる。又、操作性にも優れており、平均的技量のパイロットでも高い基本性能を充分に引き出すことが可能である。
稼働時間や生産コストなどの理由からPS装甲の採用は見送られたが、肩部に固定装備されたシールドで機体前面をカバーするのみで単機での大気圏突入をも可能とする等、通常装甲のMSとしては特筆すべき耐熱性及び堅牢性を有する。ただし、作戦行動に支障をきたす程度の損傷を負う可能性は高く、機体そのものが大破する可能性も看過できる程低くは無いため、ザク単機での大気圏突入はアクシデント等で止むを得ず行う場合を除いてまず行われない。
ザクウォーリア | ||
型式番号 | ZGMF-1000 | |
所属 | ザフト | |
生産形態 | 量産機 | |
頭頂高 | 17.19m | |
全高 | 20.5m (ガナーウィザード装備時) 20.4m (ブレイズウィザード装備時) 19.1m (スラッシュウィザード装備時) |
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本体重量 | 73.09t | |
全備重量 | 91.11t (ガナーウィザード装備時) 89.59t (ブレイズウィザード装備時) 86.49t (スラッシュウィザード装備時) |
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武装 | ・MMI-M633 ビーム突撃銃 ・MA-M8 ビームトマホーク ・対ビームシールド ・ハンドグレネード×4 |
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主な搭乗者 | ザフト軍一般兵 ルナマリア・ホーク アスラン・ザラ ディアッカ・エルスマン シホ・ハーネンフース |
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ザクファントム | ||
型式番号 | ZGMF-1001 | |
所属 | ザフト | |
生産形態 | 量産機 | |
頭頂高(ブレードアンテナ含む) | 19.37m | |
全高 | 19.1m (スラッシュウィザード装備時) 20.4m (ブレイズウィザード装備時) |
|
本体重量 | 78.93t | |
全備重量 | 88.1t (スラッシュウィザード装備時) 91.2t (ブレイズウィザード装備時) |
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武装 | ・MMI-M633 ビーム突撃銃 ・MA-M8 ビームトマホーク×2 ・対ビームシールド×2 ・ハンドグレネード×4 |
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主な搭乗者 | レイ・ザ・バレル イザーク・ジュール ディアッカ・エルスマン ハイネ・ヴェステンフルス イライジャ・キール カイト・マディガン リーカ・シェダー |
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[編集] ザクウォーリア
ザクウォーリアは一般パイロット用に供給された標準機で、最も多く生産された機種である。基本的に『ザク』と言えば、大抵は本機種を指し、上級機のザクファントムも含めた広義の『ザク』を指す事は稀である。
右肩に1基のスパイクを持つ曲面アーマー、左肩に対ビームコーティング仕様のスパイクシールドを装備し、機体形状は左右非対称。従来のザフトの汎用主力MSと違いトサカ状のセンサーは持たず、頭部は非常にシンプルなデザインとなっている。また、耐弾防御のみならず体当たり攻撃に用いられるスパイクアーマーは、前大戦当時オーブからプラントへと亡命した技術者よりもたらされた超高硬度金属が用いられているという。
通常の機体色は濃淡2種の緑のツートン。エース級パイロットはパーソナルカラー変更が許されており、ルナマリア・ホーク機は赤色である。ミーア・キャンベルのライブ仕様ザクウォーリアは、右肩にハロのマーキングを施したピンク色に塗装されていたが、これはイベント用の大道具扱いであり、軍の規定とは関係ない。(しかし、メサイア攻防戦でこの機体が後方支援として使われていた)
尚、CD『機動戦士ガンダムSEED DESTINY COMPLETE BEST』のデジパックジャケットには、シールドが右肩に付き(左肩はスパイクアーマー。MS-06ザクと同じ構成になっている)頭部にブレードアンテナを取り付けたガナーザクウォーリアも描かれている。
「ウォーリア」とは英語で「戦士、武士、闘士」の意。
[編集] 劇中での活躍
普及機とは言え、C.E.73年時点ではようやく本格配備が実施されたばかりの最新鋭機だった為、初期はルナマリア・ホーク等のザフトレッド、ディアッカ・エルスマンを初めとするエース級パイロットに優先的に供給されていた。
また、アスラン・ザラもアーモリーワン襲撃やユニウスセブンの破砕作業に際して本機に搭乗している。彼等はこの機体で、ファントムペインに強奪された3機のセカンドステージシリーズ、カオス、アビス、ガイアと互角以上の戦いを繰り広げている。無論彼らの技量あっての事であろうが、セカンドステージシリーズに搭乗していた3人も、エクステンデッドと呼ばれるいわゆる強化人間であり、MSパイロットとしての水準はコーディネイター以上と推察される(ブーステッドマンと異なり対人戦闘能力に特化した強化人間である可能性がある為MSの操縦連度に関しては未知数である事も考慮する必要がある。)。総合的に見て、ザクの機体性能はセカンドステージシリーズに迫るものと考えて間違い無いものと思われる。但し、ガイア、カオス、アビスを圧倒していたザクのパイロットはアスラン、イザーク、ディアッカと前大戦からMSを操縦し、慣れていたために対応できた可能性もある。
中盤以降は量産が進み、地上、宇宙を問わず各戦線で見られるようになるが、それに伴い劇中での扱いも軽んじられるようになり、いわゆる「やられメカ」に成り下がってしまった。
[編集] ザクファントム
ザクウォーリアの上位機種。頭部に追加されたブレードアンテナにより通信、指揮統制、情報処理等の強化が図られており、主に指揮官クラスのパイロットが搭乗する。右肩にもシールドが装備され、左右対称の機体構成となっている。性能的にはウォーリアと大差無いが、一部にやや高品質な部材を用いているらしく、ザクウォーリアとパーツの互換性があるかは否かは不明。
ウォーリア同様、エース級パイロットは機体色をパーソナルカラーに変更する事が許されているが、このファントムは指揮官クラスの「優秀な」パイロットが搭乗する場合が多く、相対的にカスタム機の割合も多い。レイ・ザ・バレル機は白、イザーク・ジュール機はスカイブルー、ディアッカ・エルスマン機は黒灰色、ハイネ・ヴェステンフルス機はオレンジにそれぞれ塗装されている。搭乗者不明ながら、第9話では紫色の、また第45話では黒色にファイヤーパターンに描かれた機体も確認されている。尚、第48、49話では通常のザクウォーリアと同じ緑のザクファントムが多数登場している事から、基本色はウォーリア同様の緑であるらしい。
「ファントム」とは「幽霊、亡霊、幻影」等の意。
[編集] 劇中での活躍
ウォーリア同様C.E.73年では、配備が開始されたばかりの先行機であり、ザフトレッドやそれに匹敵するエースパイロット、歴戦の熟練パイロットたちが優先的に使用している。
第2話~第3話において、レイ・ザ・バレル機は軽装状態のまま奪取されたセカンドステージシリーズやネオ・ロアノークのエグザスと渡り合った。イザークのスラッシュザクファントムは、アスラン機との連携によってセカンドステージシリーズを圧倒する戦いぶりを見せた。又、ハイネのブレイズザクファントムは、開戦時のプラント防衛戦で戦艦数隻やMSを撃破する多大な戦果を挙げている。
[編集] 武装
- MMI-M633 ビーム突撃銃
- MMI(マイウス・ミリタリー・インダストリー社)製のビームライフル。ザクシリーズの主力装備。連射性能に優れ、ビーム弾をバラ撒く事で弾幕形成に効果を発揮する一方、命中精度も高い水準を維持している(※)。映像作品としてのガンダムSEEDシリーズに登場したビーム砲では、恐らく初めて、着脱式=使い捨てのエネルギーカートリッジ方式を採用しており、エネルギー源を機体ジェネレーターに依存しない。又、ゲイツ等のライフルと比較して小型で取り回しにも優れる。総合的に見て、あらゆる面で優れた完成度を誇る傑作(※)と言える。なお、ジンの使う「突撃機銃」と違い、本銃は普通に「突撃銃」という銃種である。
- (※但し、プラモデルHGシリーズのインストでは、命中精度はそれほど優れていない、との解説がされている)
- MA-M8 ビームトマホーク
- シールド内に収納されているハンドアックス状のビーム発生デバイスを持つビームサーベル系兵器。主に格闘兵装として使用されるが、トマホーク(投擲用斧)の名が示す通り、ビームブーメランの様な投擲武器としても使用可能。
- 対ビームシールド
- 3基のスパイクを持つ対ビームコーティングシールド。球状関節のアームによって肩部フレームに接続されており、運用にマニピュレーター(手)を必要としない為、銃とトマホークを同時に使用する等、より柔軟な運用が可能となる。
- ウェポンラックも兼ねており、裏面にはビーム突撃銃の予備カートリッジを2基、内部にはビームトマホークを収納可能。
- ハンドグレネード
- MS用の手榴弾。腰部左右に2発ずつ、計4発マウント可能。炸裂弾、焼夷弾等種類も多彩。
[編集] ウィザードシステム
本機最大のセールスポイントであるバックパック換装システム。用途の異なるウィザードを戦況や作戦目的に応じて交換する事で、ザクという単一の機種に複数の機能を持たせる事に成功している。
その特性や運用方法が地球連合軍のストライカーパックシステムと酷似しており、開発に当たってはストライクやテスタメントの開発データを参考にしたものと思われる。
インパルスのシルエットシステムは、自律飛行によって戦場に到達し現場での換装までも可能としているが、ウィザードシステムにはこの機能は無く、換装には母艦ないしは基地の専用設備が必須となる。これは、インパルスが「新開発の兵装交換システムの柔軟性を検証する」為の試験機であるのに対し、ザクは軍制式の実戦配備機であり、より容易で確実な運用方法が求められた為であろう。
本システムはザクのみならず、ドムトルーパーやバクゥハウンドにも同規格のコネクターが実装されており、装備の互換性が図られている。また、本来はストライカーパックシステム規格(セカンドソース)採用のアストレイアウトフレーム(アウトフレームD)は、マルチパックとよばれる変換アダプターユニットを使用する事で、ウィザード、シルエットいずれのシステムのバックパックの装備も可能としていた。
[編集] ブレイズウィザード
ブレイズウィザード | |
型式番号 | /M |
重量 | 16.5t |
武装 | ・AGM138 ファイヤビー誘導ミサイル×14(×2) |
高機動戦闘用に開発されたウィザード。大推力のスラスターやバーニアを多数備え、装備機の機動力を飛躍的に高める事が出来る。また、小型のミサイルを大量に搭載し、広範囲目標の制圧や弾幕形成による撹乱に威力を発揮する。地上部隊のザクにも多く装備されているが、単独での飛行能力は持たない。
劇中では主にレイ・ザ・バレル、アスラン・ザラ、ハイネ・ヴェステンフルス、ディアッカ・エルスマン等のザクが使用している。汎用性を犠牲にする事なく総合的な性能向上を実現しており、劇中でも最も多く登場している。
"ブレイズ"とは火炎、劫火の意。
- AGM138 ファイヤビー誘導ミサイル
- ウィザード両先端部に搭載される小型ミサイル。サイズの割にはかなり高い威力を有し、通常装甲のMS相手なら充分な威力を発揮する。計28発ものミサイルを同時発射可能で、弾幕形成にも効果的。
[編集] ガナーウィザード
ガナーウィザード | |
型式番号 | /A1 |
重量 | 18.02t |
武装 | ・M1500 オルトロス高エネルギー長射程ビーム砲 |
遠距離砲撃用に開発されたウィザード。大出力のビーム砲と専用のエネルギータンクのみで構成される。
劇中では主にルナマリア・ホーク、ディアッカ・エルスマンのザクウォーリアが使用しているほか、エターナルを追撃した艦隊やレクイエムの中継点を攻撃したジュール隊にもガナーウィザードを装備しているザクウォーリアが多数見られた。
ガナーウィザードを装備したザクファントムは「FINAL PLUS」においてのみ登場している。
"ガナー"とは射撃手、砲手の意。
- M1500 オルトロス高エネルギー長射程ビーム砲
- ウィザード右側方にマウントされる長射程ビーム砲。本来対艦・対要塞攻撃用の火砲であるが、対空、対MS射撃にも十二分に対応できる発射速度を持つ。
- 砲身の全長がMSの身長を越える為収納時には砲身とストックは折り畳まれており、射撃時はザクの右肩後方から右脇の下を潜らせる形で展開される。
- かつてのGAT-Xシリーズに搭載された超高インパルス砲と同等の破壊力・射程距離を有しつつ、信頼性や連射性能の点で上回る。又、射撃に要するエネルギーは全て付属の大容量エネルギータンクによって賄われる為、機体の稼働時間を圧迫する事も無く、総発射回数においても優れる。
- 本砲の直撃を受けたストライクルージュは、防御態勢をとったにも関わらず、シールドもろとも左腕が消し飛んだ。
[編集] スラッシュウィザード
スラッシュウィザード | |
型式番号 | /K |
重量 | 13.4t |
武装 | ・MMI-M826 ハイドラガトリングビーム砲×2 ・MA-MR ファルクスG7ビームアックス |
近接格闘戦用に開発されたウィザード。重量は13.4t。機動性を損なわないように軽量に設計されている。
劇中では主にイザーク・ジュールが使用している他、第2・3クールOP、オーブ侵攻(オペレーション・フューリー)、レクイエム攻防戦の際にも、これを装備したザクウォーリアが数機確認されている。
格闘戦に特化しており運用に熟練が必要な事、また、コンセプトの重複するグフイグナイテッドが制式採用された事等から、劇中での出番は他の二つのウィザードより格段に少ない。
"スラッシュ"とは切り刻む、斬撃の意味。
- MMI-M826 ハイドラガトリングビーム砲
- ウィザードに2門装備されるビームガトリング砲。複数の砲口から順次ビームを発射する事で高い連射性能を実現しており、ビーム兵器による面制圧という非常に強力な攻撃が可能な反面、有効射程はそれ程長くない。斬撃戦闘に移行する間の敵機牽制が目的と思われる。左右の砲それぞれにMMI-M633 ビーム突撃銃と同規格のエネルギーカートリッジを1つ使用する。
- MA-MR ファルクスG7ビームアックス
- 長柄の斧の形状をした接近戦用兵装。高出力のビーム刃を形成し敵MSを対ビームシールドごと切り裂く。劇中でもアビスのビームランスやカオスの巡航機動防盾等、対ビームコーティングされたデバイスを難無く両断していた。収納時には柄を短縮し腰部背面にマウントされる。
[編集] ノクティルーカウィザード
ノクティルーカウィザード | |
型式番号 | /AAL |
重量 | 不明 |
武装 | ・144cm大型魚雷×2 ・マーク13ホーミング魚雷×4 ・M25 対潜爆雷×8 |
『ガンダムSEED DESTINY MSV』に於いて設定された強襲揚陸用ウィザード。水上スキーのプレートと肩部に装着する可動翼、水上・水中用センサー内蔵のセイルフィンがセットになっており、ウィザード装着以外にも肩部、頭部パーツの換装作業を要する為、両肩にシールドを持つザクファントムとの相性が良い。
水中から浮上して両足に装備したスキーで水面上を高速移動し、海岸線や浅水部の敵に対し強襲を敢行する。
"ノクティルーカ"とはラテン語で夜光虫の意味。
[編集] イージーウィザード
ドムトルーパーが装備するウィザード。詳細はドムトルーパーの項を参照。
[編集] ナイトウィザード
オリジナル仕様ドムトルーパーが装備するウィザード。詳細はオリジナル仕様ドムトルーパーの項を参照。
[編集] ブースターウィザード
イライジャ専用ザクが装備する専用ウィザード。詳細はイライジャ専用ザクの項を参照。
[編集] ケルベロスウィザード
バクゥハウンドとの連携運用を想定して開発された高機動近接格闘型専用ウィザード。詳細はケルベロスバクゥハウンドの項を参照。
[編集] バリエーション
[編集] ザク量産試作型
ザク量産試作型 | ||
型式番号 | ZGMF-X999A | |
所属 | ザフト | |
生産形態 | 試作機 | |
全高 | 不明 | |
重量 | 不明 | |
装甲 | フェイズシフト装甲 | |
武装 | DFX-25 高周波ブレードトマホーク×2 大口径レールガン×2 対ビームシールド |
|
主な搭乗者 | コートニー・ヒエロニムス |
ザク量産試作型は『ガンダムSEED DESTINY MSV』に於いて設定されたザフト軍の試作MS。(型式番号:ZGMF-X999A)
前大戦後開発されたZGMF-1000ザクのプロトタイプ。型式番号から通称「9ザク(キュウザク)」、またはザク999(トリプルナイン)とも呼ばれる。
本機はX09A~X13Aで完成を見たNジャマーキャンセラーを搭載し、量産機としては史上初の核動力MSとして研究開発が進められていた。また核エンジン搭載によって膨大な電力供給が可能となり、外装を全面的にPS装甲としている。1000型との相違点はジンタイプ等に見られるトサカ状の頭部複合センサーやモノアイレール中央の支柱、肩部シールドがまだ採用されておらず両肩がスパイクアーマーとなっている点等が挙げられるが、動力部以外の基本構造はほぼ同一である。試作機は様々な仕様を含め計47機が製造され、南米地方にて実戦に使用された機体も存在したと言われる。
この内の1機は、高周波振動により敵機を破壊するトマホーク及び大口径のレールガンと、核エンジンからの豊富なエネルギー供給あってこその実験的装備を備えた機体であった。この機体はザフト兵器設計局ヴェルヌ局所属のテストパイロットコートニー・ヒエロニムスによって試験運用された。
しかしC.E.72年3月10日、ユニウス条約の締結を以ってNジャマーキャンセラーの軍事利用が禁止された事により、計画は中断を余儀無くされる。しかし兼ねてからその基本スペックの優秀性は高い評価を受けており、通常のバッテリー動力に改修し各部形状を変更した新世代の機体群「ニューミレニアムシリーズ」として開発は再び続行された。尚、条約以前に製造された47機は全機が解体・廃棄されたと伝えられているが、連合の非公式記録によれば条約締結後も何度か目撃されているようである。加えて、解体された機体から回収されたNジャマーキャンセラーの稀少物質(ベースマテリアル)はニュートロンスタンピーダーに転用されている。
[編集] コマンドザクCCI
コマンドザクCCIは『ガンダムSEED DESTINY MSV』に於いて設定されたザフト軍の戦域通信指揮統制型MS。(型式番号:ZGM-1000/R4)
ニュートロンジャマーにより電波通信が侭ならないので作戦に応じて無線通信を円滑化すべく開発された戦域通信指揮統制用ザクウォーリア。基本的に非武装機である為、型式番号から「Fight」(=戦闘型)を示す”F”の文字が省かれている。運用には2機以上の護衛機が必要になる。アンテナガンと肩に装着されたパラポナアンテナが特徴であり、内部構造も通常のザクとは異なる。
[編集] ザクスプレンダー
ザクスプレンダーは『ガンダムSEED DESTINY MSV』に於いて設定された分離式機動コクピット・動力性能実証型MS。(型式番号:ZGMF-X101S)
インパルスのコアスプレンダーの有効性を検証すべく分離・合体機構を付加されたザクベースの実験機。
しかし本機のコアスプレンダーはインパルスに比べて戦闘機と呼ぶには余りにかけ離れており、コクピットブロックに小型の可変翼を付け加えた簡素なものであった。上半身、下半身を構成するチェストフライヤー、レッグフライヤーはインパルス同様推進力による動力飛行が可能だが、当然空力的に優れた形状とは言えず、滞空時間は十数分程度に過ぎない。尚、本機はデュートリオンビーム送電システムの実験も兼ねており、頭部にビームの受信装置を持つ。
生産数2機の内、1機は耐久試験の結果大破・破棄され、残りの1機はアーモリーワンに保管されている。
[編集] プロヴィデンスザク
プロヴィデンスザク | ||
型式番号 | ZGMF-X3000Q | |
所属 | ザフト | |
生産形態 | 試作機 | |
全高 | 不明 | |
重量 | 不明 | |
武装 | MA-BAR76T 高エネルギービームライフル GDU-X4 突撃ビーム機動砲×8 GDU-X7 突撃ビーム機動砲×2 MA-M8 ビームトマホーク×2 対ビームシールド×2(オプション) |
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主な搭乗者 | リンナ・セラ・イヤサカ |
プロヴィデンスザクは『ガンダムSEED DESTINY MSV』に於いて設定されたザフト軍の新型ドラグーン性能実証型MS。(型式番号:ZGMF-X3000Q)
その名が示す通りに第2次ヤキン・ドゥーエ攻防戦で猛威を振るったプロヴィデンスのドラグーンをザクに実装した機体で、レジェンドの試験機ともなった。設計当初はウィザードのみで対応する案もあったが、ドラグーンの性能を最大限に発揮する為に機体本体にも大幅な改修が施された。
動力源は核エンジンで、ハイパーデュートリオンシステム(ただし、他の機体のハイパーデュートリオンシステムは、頭部の受信システムを使用した外部からデュートリオンビームの供給例がなく、機体内で核エンジンのエネルギーを用いてデュートリオンビームを生成していると思われる為、それらとは別物或いは試作型と思われる。)を搭載(核エンジンを使用するためのNジャマーキャンセラーは、ユニウス条約に抵触する為、機体ナンバーからは核エンジン搭載を示す「A」が取り払われている)。頭部にはデュートリオンビームの受信システムが搭載され(他の機体では使用された事は無く、設定の考察ミスの可能性がある。)、胴体と手足はレジェンドに類似した形状を持つ。レジェンドを髣髴させる10機のドラグーンは、パイロットの空間認識能力に依存する事無く実戦レベルでの運用を目的とした試作型であり、背部のGDU-X7はそのままレジェンドに継承されている。
機体カラーは黒を基調に赤いストライプでエッジが塗り分けられている。テストパイロットはプラント統合開発局局員リンナ・セラ・イヤサカで、彼女は前大戦時プラントに移民した元モルゲンレーテ嘱託社員でもある。メサイア攻防戦に実戦投入され、多大な戦果を挙げており、オーブ軍のエース、タキト・ハヤ・オシダリの搭乗するオオツキガタと交戦している。
- MA-BAR76T 高エネルギービームライフル
- 背部のコネクタに接続される大型ビームライフル。ライフルの両サイドにビーム突撃銃のエネルギーカートリッジを装着出来る。
- レジェンドに装備されたMA-BAR78Fは本兵装の改良型で、機体本体からエネルギーを供給するタイプになっている。
- GDU-X4 突撃ビーム機動砲
- 量子通信によって遠隔操作可能なビーム砲。砲自体が鋭利なブレードになっており、砲撃以外に打突による直接攻撃も想定しているが、実体ブレードでは威力不足と判断されたのか、或いは対象との衝突時の内部機構への負担を考慮してか、レジェンドにはビームスパイクを内蔵したGDU-X5が採用された。
- GDU-X7 突撃ビーム機動砲
- レジェンドガンダムの項目参照。
- MA-M8 ビームトマホーク
- シールドに内蔵されるビームトマホーク。
- 対ビームシールド
- 両肩のアーマーに接続される対ビーム仕様のシールド。ザクウォーリア、ザクファントムと同一の装備で、着脱が選択式となっている。装備時はシールドと背部の円形ユニットが干渉し合う欠点があるが、取り外した場合には予備のエネルギーカートリッジや格闘兵装であるビームトマホークの携行が不可能となる制約が発生してしまう。
- レジェンドではビームライフルのエネルギーを機体本体から供給し、脚にビームジャベリン、手にビームシールドを備える事でこの問題に対処している。
[編集] ホスピタルザクウォーリア
ホスピタルザクウォーリアはザクのバリエーションの1つである機体。戦闘用では無く文字通り病院としての機能を搭載した機体である。
背部に様々な医療設備、器具を内蔵したコンテナを搭載しており、ザク自身の動力を使う事で発電施設が無い場所でも簡易の病院施設として機能する。車両やヘリには進入不可能な場所でも医療設備を運搬出来る為、戦地や局地では非常に重宝される。ユニウスセブン落下後の地球にも多数導入され、各地の被災地で活躍した。元ザフトのエースパイロットであるミハイル・コーストもこのホスピタルザクを駆って各地の被災地を渡り歩いた。
[編集] 専用機、カスタム機
[編集] ミーア・キャンベル専用ライブ仕様ザクウォーリア
慰問コンサートのため、ラクス・クラインに扮したミーア・キャンベルが使用したザク。彼女のシンボルカラーとも言うべきピンクで塗装されており、胸部には「LOVE」の文字が、右肩にはハロの、左のシールド部には黄色の星がマーキングされている。無論彼女自身が搭乗しているわけではなく、舞台装置として使われただけで操縦者は別にいる。最終話ではメサイヤから出撃した。小説版では「そのあまりの派手さ」でタリア・グラディスに眩暈を感じさせている。
[編集] イライジャ専用ザクファントム
サーペントテールのイライジャ・キールの専用のザク。それまで専用のカスタムジンを愛機としていたイライジャだが、DESTINY ASTRAYにおいてカイト・マディガンの攻撃から叢雲劾を救うためにカイトの攻撃の矢面に立ってしまい使用していたジンが大破してしまう。その後、カイトよりジンを壊したお詫びとして彼のコレクションの1機であるザクファントムを譲り受け、それ以降はこの機体を使用している。
通常は左側にしかシールドを装備していない為ザクウォーリアと誤認されがちだが、型式番号ZGMF-1001が示す通りザクファントムのカスタム機である。しかし頭部のブレードアンテナはバスターソードに換装され、右肩のシールドも備わっていない為、実際はウォーリアに近い機体と言える。
この機体は最大の特徴として部分部分にフェイズシフト装甲を搭載している。通常時の装甲は灰色一色だが、アクティブ時は灰色のボディの一部がジン改に近いパターンに赤く染まる。このPS装甲は、過去のイライジャの戦闘データを分析した結果から、イライジャが最も攻撃を受けやすいとされる部分に施されている。また、任意に発動可能な為エネルギー消費を抑えるのにも一役買っている。
腰部と脚部にはジン用のミサイルポッド等の追加兵装がマウント可能。ジン時代から装備している頭部のバスターソードは、新たに対ビームコーティングを施された。
- ブースターウィザード
- ザクのカスタマイズに合わせて作られたウィザード。大きく展開する事で推力と機動力がアップし、短時間なら大気圏内での飛行も可能である。
[編集] マディガン専用ザクファントム
フリーのプロモビルスーツパイロット、カイト・マディガンが所有するコレクションのひとつであるザクファントムのカスタム機。カイトが入手した当時、ザクファントムはザフト内でもごく一部にしか配備されておらず、軍の機密に属するこの希少な機体(現在判明しているだけでも、イライジャに与えたものとノクティルーカ用のザクも含めて3機)をどうやって彼が入手したかは明らかにされていない。
最大の特徴は両肩に装備されたブレードシールド。その名の通り、剣としても盾としても使用できる他、ガトリング砲も内蔵されている完全複合武器である(この手の複合武器は複数の条件下で対応出来る反面、搭乗者の高い技量が要求される。カイトのパイロットとしてのレベルの高さが窺える)。
この他腰のサイドアーマーにも同種のシュナイダーアーマー(こちらはシュナイダーナイフとアーマー機能の他に、隠し武器としてグレネード弾も装備)を装備している。またカイト愛用ビーム実弾複合リボルバーのホルスターとも交換可能である。
もちろん、各種ウィザードも使用可能である。
これとは別に、マディガン専用のノクティルーカザクファントムも存在する(マディガン専用ザクファントムは改造個所が多すぎる為、ノクティルーカに変更が利かない為)。
[編集] アイザック専用ザクウォーリア
ザフト軍ジュール隊所属パイロットアイザック・マウが海底基地“ラガシュ”にて受領したザクをカスタマイズした機体。
ラガシュに配備されたザクは一般部隊の機体と異なり、頭部、胴体がネイビーブルーの専用カラーに塗装されている。アイザックに与えられた機体も同様の配色だが、背部には以前の乗機であるケルベロスバクゥハウンドより引き継がれたケルベロスウィザードが装着されている。更にウィザードのより円滑な運用を可能とする為、左肩シールドは右肩と同様のスパイクアーマーに換装されている。
[編集] 関連項目
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