ストロマトライト
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ストロマトライト(Stromatolite)は、藍藻類(らんそうるい・シアノバクテリアとも)の死骸と泥粒などによって作られる層状の構造をもつ岩石のことである。特に、内部の断面が層状になっているものを指す。
化石となったストロマトライトは世界各地で発見されるが、現生のものはオーストラリア・シャーク湾(ハメリンプール)やセティス湖など、ごくわずかな水域のみで発見される。
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[編集] 概要
ストロマトライトは藍藻類と堆積物が何層にも積み重なって形成される。
この繰り返しで、ストロマトライトは徐々にドーム型に成長していく。成長速度は非常に遅く、1年に数mm程度しか成長しない。
[編集] 分布
藍藻類は原始的な細菌で、過酷な環境でも生息できる。ストロマトライトは海水域・淡水域の両方、地球上のあらゆるところにあった。また、最古のものは約35億年前に存在していた。
先カンブリア時代には世界各地に存在し、地球に大量の酸素を提供したとされる。しかし先カンブリア時代末期(6億-8億年前)に、その数は大きく減少した。理由としては、ストロマトライトを餌にする生物が出現したためと考えられている。
ストロマトライトが現生するオーストラリアのシャーク湾は、砂漠に囲まれた閉鎖的な海域である。水の蒸発が激しく潮流が緩いため、外海の海水よりも塩分濃度が高い区域が存在し、そこの海岸部にストロマトライトが並んでいる。塩分濃度が高いため藍藻類の捕食者となる貝類や甲殻類のみならず、他の生物もほとんど生息できない。よってストロマトライトは現在まで残り、成長を続けている。
[編集] 研究
古くからこの岩石の存在は知られていたが、1883年にJ.ホールがそれを「クリプトゾーン」(Cryptozoon)と名付けた。しかし当時は、これらが生物によりつくられたものかどうかは不明だった。その後、似たような構造は「エオゾーン」や「コレニア」と呼ばれた。
1908年にはE.カルコウスキーが縞状炭酸塩岩をギリシア語のstroma(bed cover)とlith(rock)からストロマトライト(Stromatolite)と名付けた。19世紀後半から20世紀初頭にかけて、このような縞状の岩石が様々な呼び方で呼ばれたが、カルコウスキーはそれらをまとめてストロマトライトと呼ぶようにした。この頃、これらの岩石は藍藻類によって形成された化石だと言う学者も現れたが、ストロマトライトは淡水域・海水域の両方で形成されたとは考えられていなかった。
1960年ごろになると、オーストラリア西海岸のシャーク湾(ハメリンプール)で現生のストロマトライトが発見された。だがこの発見は、現生ストロマトライトと化石ストロマトライトを区分するかどうかということで、ストロマトライトについての定義をあいまいなものにした。その後、ストロマトライトについての研究は大きく前進し、多くの研究成果が出た。しかし、ストロマトライトについては未解明な部分もあり、今後それについての解釈が変わる可能性も否定できない。
なお、ストロマトライトの断面にある縞模様から、当時の一日の長さが推測できる。