スライダー (変化球)
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一般的には投手の投げた腕の逆方向へ曲がる(滑ると表現される)ボールであるが、それ以外の変化を持つスライダーも存在する。
また、差はあれど確実に若干の縦変化も伴う。
開発者はメジャーリーグのボブ・フェラーと言われている。日本のプロ野球で最初に投げたのは藤本英雄。
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[編集] 投法
スライダーの投げ方には色々な方法がある。例を挙げると、
- 人差し指と中指を薬指の方へずらして握る
- カーブの握りをずらす
などである。
リリースはチョップをするようにする、中指からボールを切るように投げるなどがある。総じて「球を切るように投げる」と表現されることが多い。
投球フォームによっても変化が変わることがある。特にスリークォーターやサイドスローから投じる際には、元々の球筋に横変化が加わるためとんでもない変化球となることもある。
オーバースローの選手ではダルビッシュ有(日本ハム)、新垣渚(ソフトバンク)、西口文也(西武)らが有名。
サイドスロー・スリークォーターの選手では石井弘寿(ヤクルト)、ジェフ・ウィリアムス(阪神)、林昌樹(広島)らが有名。
[編集] 高速スライダー
スライダーの中でも、こと高速で変化する球種は高速スライダーと呼び区別する場合もある。
伊藤智仁(元ヤクルト)、清水直行(ロッテ)、岩瀬仁紀(中日ドラゴンズ)のものが有名。
[編集] 縦スライダー
スライダーには真下に落ちる物もある。投法はスライダーの握りからジャイロリリースで投げる。
大塚晶則(テキサス・レンジャーズ)のものが有名。
[編集] マッスラ
スライダーだが、よりストレートに近い。スライダーほどは曲がらないが、スライダーよりも速い。カット・ファスト・ボールに近い。
[編集] スラーブ
スライダーだが、よりカーブに近い。スライダーよりよく曲がるが、カーブよりは速い。カーブとスライダーの中間の変化。
[編集] ジャイロボール疑惑(カットボール)
松坂大輔(ボストン・レッドソックス)がメジャーリーグに移籍する際、アメリカでは「マツザカはジャイロボールを投げる」と報道され大変な話題となった。しかし、ジャイロボールの原理に沿っていなく、握りもリリースのスライダーであり、本人はカットボールのつもりである。
しかし松坂本人にもよく分かっていない様子で、本人曰く「ジャイロを投げたと言われているがあれはカットボール」だそうであるが、詳細は不明。ジャイロボールの項目も参照。
[編集] ゲーム内でのスライダー
実況パワフルプロ野球内では、スライダーは真横に曲がっている。前述の通りこれは厳密には正しくない。(ゲーム中ではシュートも真横に変化している。)これは打撃の際はどうしても二次元的になるための処置(ゲームバランスの調整のため)だと思われる。
また同ゲーム内ではVスライダー(vertical=垂直の頭文字)、Sスライダー、Hスライダー(High speedの頭文字だろうか)というものがあるが、Vスライダーは縦変化でまさしく縦スライダーであり、Sスライダーは斜め(横変化で少し落ちる)変化でこちらは現実のスライダーである。