テイクオーバーターゲット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
性別 | 騸 |
---|---|
毛色 | 鹿毛 |
品種 | サラブレッド |
生誕 | 1999年9月27日 |
死没 | (現役競走馬) |
父 | Celtic Swing |
母 | Shady Stream |
母の父 | Archregent |
生産 | Meringo Stud Farm |
生国 | オーストラリア |
馬主 | ジョセフ・ジャニアック |
調教師 | ジョセフ・ジャニアック(豪) |
競走成績 | 23戦13勝 豪州:18戦11勝 英国:3戦1勝 日本:2戦1勝 |
獲得賞金 | 約3億1649万円(円換算) 187万1100豪ドル +15万1255英ポンド +1億2285万4000円 |
テイクオーバーターゲット(Takeover Target)は、オーストラリアの競走馬で、2006年スプリンターズステークスを始め、G1競走を4勝している。父・Celtic Swing(主な勝ち鞍:1995年ジョッケクルブ賞)の父であるダミスターは、2001年スプリンターズステークスを制したトロットスターを輩出した。
北半球に位置する日本の競馬では、1月1日から12月31日を1シーズンとするが、南半球に位置するオーストラリアでは8月1日から翌年7月31日までを1シーズンとするため、年齢表記も8月1日で切り替わる。本馬はオーストラリアの競走馬であるので、以下、本稿での年齢表記は同国での表記に従う。よって、1月から7月の年齢については日本での表記と異なる点を注意されたい(1月から7月の年齢は日本より1歳若い表記となる)。
目次 |
[編集] 来歴
既に3歳の暮れを迎えていた2003年7月18日にオーストラリア・ニューサウスウェールズ州で行われたセリ市「ウインター・サラブレッド・セール」で、馬主兼調教師のジョセフ・ジャニアック(Joseph Janiak、1947年6月13日 - )によって1250豪ドル(約11万円)の安値で購入された[1]。膝の故障を抱えていたためデビューは4歳の2004年4月と遅かったが、以来7連勝でG1優勝馬に登りつめた。
その後は6連敗を喫するが、2005年12月のG3競走を6馬身差で勝利すると、2006年グローバル・スプリント・チャレンジ(以下GSC)初戦のライトニングステークス(G1)まで3連勝し、G1競走2勝目を挙げる。続くオーストラリアでのG1競走2戦を3着・1着とすると、イギリスに初の海外遠征を行い、GSCの第3戦・キングズスタンドステークス(G2、w:King's_Stand_Stakes)と第4戦・ゴールデンジュビリーステークス(G1、w:Golden_Jubilee_Stakes)に中3日で出走し、その20日後にはジュライカップ(G1)にも出走し、それぞれ1着・3着・7着でイギリス遠征を終えた。
GSCの総合優勝を目指し、シリーズ第5・6戦が行われる日本に遠征し、来日初戦となったセントウルステークスを先行して2着とすると、スプリンターズステークスではスタートして先頭に立つとそのまま逃げ切り、2着のメイショウボーラーに2 1/2馬身差で勝利し、シリーズ最終戦の香港スプリントを待たず、2006年GSCの総合優勝を決めた。
11万円という破格の安値で購入された同馬はこれまで3億円余を稼ぎ、出走を予定していた香港スプリントに勝利した場合、同競走の1着賞金である684万香港ドル(約1億300万円)に加え、GSCのボーナス100万米ドル(約1億1700万円)の合計約2億2000万円をさらに獲得することができたが、レース当日の薬物検査で禁止薬物である黄体ホルモン(ステロイドの一種)が検出された為、出走取消となった[2]。
[編集] 調教師のエピソード
本馬を管理するジャニアックは調教師ながらタクシードライバーでもあった。オーストラリアでは、専業調教師として生活できるのはごく一部の人間だけであり、ほとんどの場合他の職業と兼業するのが普通である。ジャニアックも例外ではなく、一時期は朝はパン屋、昼は馬の調教、夜はタクシードライバーとして生活するほど苦しく、調教師を辞めることすら考えたほどである。しかし現在はテイクオーバーターゲットの賞金で馬を厩舎に10頭所有できるほどになった。ジャニアックも「テイクが人生を変えてくれた」と語っており、まさにこの馬が彼の人生を変えたといっても過言ではない。
[編集] 競走成績
- 2003/2004シーズン(4歳)
- 6戦6勝
- 2004/2005シーズン(5歳)
- 5戦1勝、主な勝ち鞍:サリンジャーステークス(豪G1)
- 2005/2006シーズン(6歳)
- 10戦5勝、主な勝ち鞍:ライトニングステークス・ニューマーケットハンデキャップ(以上豪G1)
- 2006/2007シーズン(7歳)
- 2戦1勝、主な勝ち鞍:スプリンターズステークス(日G1)
通算成績~23戦13勝、2着2回、3着3回、着外5回(2006年10月1日現在)
[編集] 血統表
テイクオーバーターゲットの血統 ミスタープロスペクター系/アウトブリード | |||
父
Celtic Swing 1992 黒鹿毛 イギリス |
*ダミスター Damister 1982 黒鹿毛 アメリカ |
Mr. Prospector | Raise a Native |
Gold Digger | |||
Batucada | Roman Line | ||
Whistle a Tune | |||
Celtic Ring 1984 鹿毛 イギリス |
Welsh Pageant | Tudor Melody | |
Picture Light | |||
Pencuik Jewel | Petingo | ||
Fotheringay | |||
母
Shady Stream 1994 栗毛 オーストラリア |
Archregent 1981 鹿毛 カナダ |
Vice Regent | Northern Dancer |
Victoria Regina | |||
Respond | *カナディアンチャンプ | ||
Reply | |||
Merry Shade 1989 芦毛 オーストラリア |
Spectacular Spy | Spectacular Bid | |
Lassie Dear | |||
Parasol | Sostenuto | ||
Mary Poppins F-No.22-b[3] |
[編集] 出典
- ^ 本馬が購入されたセリの結果 - William Inglis and Son Limited~ロット番号284を参照
- ^ 本馬の出走取消を伝える記事 - 日経ラジオ社
- ^ 血統表 - Pedigree Online Thoroughbred Database
[編集] 参考文献
- プロフィール - 日本中央競馬会(JRA)
- ニューマーケットHの結果を伝える記事 - Australian Breeding & Racing Magazine~4番目の記事を参照
- GSC概要 - グローバル・スプリント・チャレンジ(日本語)