テグザー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『テグザー』 (THEXDER) は、8ビットパソコン全盛期に発売されたゲームアーツ初作品のアクションシューティングゲーム。1985年に発売開始以降、絶大な人気を誇った。
目次 |
[編集] 概要
飛行機形態に変形可能なロボット「テグザー(綴りはTHEXDERだが、未来は発音が違うという設定)」を操作し、小惑星ネディアムの磁力線発生装置を破壊するという内容で、全16面+裏16面(画面の色合いが暗めになり、敵がやたら丈夫になる)。
滑らかなアニメーションと高速な8方向スクロール、戦略性の高さ、広大なマップ、FM音源(PC-8801版)によるBGMが人気を呼び、特に最初に発売されたPC-8801mkIISR版では、PCG機能のない同機でもこれだけのゲームが作成できるということと、FM音源の威力を大いに見せつけることとなった。のちに8ビット御三家を含む主要な8ビットパソコンに移植され、それらの機種でも人気を獲得、当時珍しく日本国外でも注目され移植ソフトが発売された。
[編集] 発売機種
- PC-8801mkIISR : 1985年4月
- 同機躍進のキラーソフトとなった。
- PC-8001mkIISR : 1985年6月
- PC-8801 : 1985年7月
- FM-7/77/77AV : 1985年10月
- X1 : 1985年(発売はスクウェア)
- カセットテープ版。メインBGMがない。
- ファミリーコンピュータ : 1985年12月19日(発売はスクウェア)
- レーザーが弾になるなど、殆ど別物。
- MZ-2500 : 1986年3月
- PC-9801シリーズ : 1986年4月
- MSX : 1986年7月 (移植はコンパイル)
- PC/AT(PC-DOS) : 1987年(米Sierra社より発売)
- Apple IIGS : (米Sierra社より発売)
- Windows95 : 1995年(米Sierra社より発売、内容は別物)
[編集] ゲームシステム
サイドビュー8方向自由スクロールで、敵を自動照準レーザーまたはバリアで接触破壊しながら前進し、兎に角先に進むゲームである。
基本的にエネルギーによるライフ制で、自機は後にも先にも試作機であるテグザーの一機のみ。セーブ機能は無く、どんなに苦労して先に進んでも、エネルギー切れで破壊されればそれまでである。武器は自動照準で自機正面180度の範囲で発射されるレーザー(エネルギーを16発で1%消費する)であるが、バリアボタンを押すと10%のエネルギーを消耗して、敵に一定のダメージを与えながら損耗する(放って置いても一定時間で消滅する)バリアを張る事ができる。また飛行機変形時にはロボット形態で受ける重力(一定の高さ以上にはジャンプできない)の影響を受けずに飛べるものの、自動照準機能は切れ、進行方向にのみレーザーが発射され、これを駆使して前進して行く。
しかし複雑なマップや並み居る敵キャラ(それも見とれてしまいそうな位に美しくアニメーションしている)が行く手を阻み、個性的な敵の行動を見極めて対処しなければ先には進めない。破壊するとエネルギーになる敵キャラクターが在る他、やはり破壊するとエネルギー上限(最大500%)が増える敵もあり、所々に大量のエネルギーを与える隠しキャラ(UFOやチューリップ・ヤマト・ミンメイ人形など)があり、これらを破壊しながら先に進む。各レベルをクリアする毎に最大エネルギー容量が10%ずつ増える。
[編集] エンディングと続編
エンディングは自機が破壊されたときのみ流れるソナタ(月光)で、逆に破壊されないで先に進んでいくと、際限なく裏エリアを彷徨う事に成る。レベル表示は最大99までとなっているが、それ以上は表示が崩れる(レベル114まで進んでも、やはり繰り返し)。
この当時のゲームではゲーム記憶媒体の容量的限界もあって、ユーザーを長く遊ばせるために途中から無限ループとすることは良くあることだったが、本作で無限ループのためにゲームを終了するにはわざとゲームオーバーになるしかないことを逆手にとり、続編のファイアーホークでは「磁力線発生装置の破壊後、試作機THEDERはパイロット諸共ネディアム内で行方不明となった」として、最終的に同試作機が(とんでもない形で)登場する。
[編集] 操作
操作は8方向(テンキーまたはカーソルキー)とレーザーとシールドの2ボタンで、ロボット形態の時は身長の約3倍程度のジャンプが可能で、下ボタンを押すと飛行形態に変形、進行方向と逆方向に方向操作をするか、壁に直角に当たるとロボット形態に変形する。ただし充分な高さが無い場所では飛行形態のまま180度転進しようとする。
レーザーは前方約180度の角度で敵を自動的にロックして発射されるが、壁で遮られていてもロックされる。飛行形態ではレーザーは進行方向にのみ照射される。
バリアは敵に接触したり、溶岩などに乗ったりした場合に受けるダメージを防ぐ事ができるが、代わりにバリアが損耗する。バリアが一定残量以下になったら、再度バリアを張る事ができる。横方向に接触した敵にのみ、バリアは敵にダメージを与えて破壊する事ができる。
[編集] 隠し要素・その他
この時代、テレビゲームにプログラマが若干の隠し要素(裏技)を組み込む事が流行していたが、このゲームにも少なからずその要素が含まれる。
- レベルによっては隠しキャラクター(前出)がマップ上に隠されており、自動照準レーザーでのみ発見できるが、破壊すると大量のエネルギーが手に入る。大抵はレーザーで破壊できる壁の中に埋まっている。
- 各レベル中で、一度もバリアを使わずにクリアすると、ボーナスでエネルギーが100%分追加される他、エネルギー最大値が50%増加する。
- 各レベルで、何もしないで放って置くと誘導ミサイルが大量発生する。しかし何故かレベル2だけはゴラン(赤い球形の敵で、エネルギー最大値が2%増える)が大量発生し、エネルギー最大値を稼ぐ事ができる。
- 暗赤色の敵はレーザーが素通りしてしまうため破壊不可能だが、唯一上から落ちてくる種類の敵だけは、シールドを張ったまま、上からモロに押し潰される格好でキャラクターを重ねる事で破壊できる。(自機が上に載っても破壊は出来ないでダメージを食らうだけ)
また日本国外で米Sierra社によって発売されたPC/AT版は、若干ルールが異なり、一部の敵(パフィン)が8%のエネルギーではなく、2%のエネルギーしか手に入らない。またシールド未発生時の敵接触時のエネルギー損耗が異様に早かったり、ゲームアーツ版には無かった位置に隠しキャラクターがあるなどの差異が見られる。
[編集] 関連項目
- 『ファイアーホーク』
- 1989年に発売された続編(副題はテクザー2)。PC-8801mkIISR以降(サウンドボード2対応)とMSX2(MSX-MUSIC対応)で発売、PC/AT (PC-DOS) に移植された。
- 『アリシアドラグーン』
- 『メジャーハボック』
[編集] 外部リンク
[[Category:MSX/MSX2用ソフト|てくさあ]