ドライビングシミュレーター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ドライビングシミュレーター(Driving simulator)とは、コンピュータを用いて、コンピュータのモニタ上で自動車の運転、走行をシミュレーションする物である。
目次 |
[編集] 概要
多くのドライビングシミュレーターには、車窓から見える景色を映す為のモニタ、走行音や衝突音などを再生する為のスピーカー、そして運転をするのに必要なステアリングハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー等の入力装置が搭載されている。
また、類似の物にオートバイの運転をシミュレートするライディングシミュレーター、鉄道車両の運転をシミュレートするトレインシミュレーター、航空機の操縦をシミュレートするフライトシミュレーターなども存在する。
[編集] 使途目的
コンピュータゲーム向けの、運転を楽しむ目的で製作される、アミューズメント用ドライビングシミュレーター、自動車教習所などで教習生が自動車の運転を学ぶ為に使用する、運転練習用ドライビングシミュレーター、自動車や道路などを開発する為に、様々な条件の元で自動車がどの様に走行するかをシミュレートする為の、学術研究用ドライビングシミュレーターの大きく三つに分けられる。
[編集] アミューズメント用
ドライビングシミュレーターはレースゲームの一種ではあるが、派手さや爽快感などよりも、乗り物のリアルな挙動を第一義とするという主旨で作られたものや、日常生活では一般の人が運転をすることが困難な乗り物の運転を行なう、例えばバスなどを目的に作られたものがある。
また、近年ゲーム向けコンピュータの性能が向上するにつれ、より実際の乗り物に近い挙動が体験できる物が徐々に開発されつつある。1990年代後半以降、プロのレーシングドライバーが初体験のコースを覚えるために事前にこのタイプのシミュレータをプレイしてコースへの習熟を図るといった例も多く報告されている(特にジャック・ヴィルヌーヴの例などが有名)。
- 前者のタイプの代表的ソフトウェア
- ハードドライビン(発売:アタリ)1989年
- グランツーリスモ(発売:ソニー・コンピュータエンタテインメント)
- エンスージア プロフェッショナル レーシング(発売:コナミ)
- 後者のタイプの代表的ソフトウェア
[編集] 運転練習用
自動車教習所などで、主に教習生が自動車の運転を学ぶのに使用されているものである。 実車を用いると危険が伴う可能性の高い、急制動の練習。また、地域によっては練習の困難な高速道路や雪路の運転練習。偶然性を必要とする危険予測の練習(危険な場所でどのような事故が発生しやすいかを体験する)などに使用されることが多く、現在は多くの自動車教習所で教習生が一度は使用することのある装置である。
また、運転免許試験場にて、交通違反を犯して処分を受けた人などに、再教育をする目的で設置してあったり、博物館などで交通関連の展示物として、交通安全について来館者に対して学ばせたり、運転免許を持っていない人に、車の運転がどんなものか体験してもらうという主旨で設置してあったりすることもある。
代表的なメーカーはタスクネット株式会社、三菱プレシジョン株式会社、株式会社セガなどである。
また、自動車の走行画面などは表示されないが、運転席に付いている装置が一通り搭載されていて、ビデオを見ながら、運転装置の操作手順を学ぶ為のシミュレーターも存在するが、これはトレーチャーと呼び、一般にはドライビングシミュレーターとは呼ばない。こちらは技能教習の最初に使うことが多い。
[編集] 学術研究用
道路を建設したり、自動車ならびに関連製品を開発する場合に、自動車の走行をコンピュータを用いてシミュレートするためのものである。 実車を用いると危険が伴う実験を行ったり、特定の条件で自動車を走行させる必要がある実験を行ったりする場合に用いることが多い。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
カテゴリ: アプリケーションソフト | コンピュータの利用 | シミュレーションゲーム | レースゲーム | 交通 | 自動車教習所