ビョルン・ボルグ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ビョルン・ボルグ |
|
---|---|
基本情報 |
|
英語名 | Björn Borg |
フルネーム | Björn Rune Borg |
愛称 | アイス・マン |
国籍 | スウェーデン |
出身地 | 同・セデーテイェ |
生年月日 | 1956年6月6日 |
身長 | 180cm |
体重 | 72kg |
利き手 | 右 |
バックハンド | 両手打ち |
ツアー経歴 |
|
デビュー年 | 1972年 |
引退年 | 1983年 |
ツアー通算 | 65勝 |
シングルス | 61勝 |
ダブルス | 4勝 |
生涯通算成績 | 662勝205敗 |
シングルス | 576勝124敗 |
ダブルス | 86勝81敗 |
4大大会最高成績 |
|
全豪 | 出場なし |
全仏 | 優勝(1974・75・78-81) |
全英 | 優勝(1976-80) |
全米 | 準優勝(1976・78・80・81) |
優勝回数 | 11(全仏6・全英5) |
キャリア自己最高ランキング |
|
シングルス | 1位 |
ダブルス | ?位 |
Template |
ビョルン・ボルグ(Björn Borg, 1956年6月6日 - )は、スウェーデン・セデーテイェ(首都ストックホルム近郊の町)出身の元男子プロテニス選手。ジミー・コナーズ(アメリカ)やジョン・マッケンロー(アメリカ)らと並んで、男子テニスの黄金時代を築いた名選手のひとりである。全仏オープンに4連覇を含む6勝、ウィンブルドン選手権で5連覇を達成した。4大大会通算「11勝」は、ロッド・レーバー(オーストラリア)と並ぶ男子歴代3位タイ記録。
ボルグは重いトップスピン(順回転のボール)主体のグラウンド・ストロークを得意とし、当時のウッド・ラケットを80ポンドのぎりぎりの硬さに張っていた。コート上で常に冷静沈着なことから“アイス・マン”(氷の男)と呼ばれていた。
1974年の全仏オープンにて、18歳の若さで4大大会初優勝。全仏では通算「6勝」を挙げて男子歴代1位となり、フランスの往年の名選手アンリ・コシェ(1901年 - 1987年)の「4勝」を上回った。1976年にウィンブルドン選手権で初優勝し、1980年7月5日に同選手権で大会「5連覇」を達成した。ジョン・マッケンローとの「3時間55分」に及ぶ決勝戦はテニス史上最高の名勝負として語り継がれている。しかし翌1981年の同選手権決勝でマッケンローに 6-4, 6-7, 6-7, 4-6 で敗れ、大会6連覇を逃した。ウィンブルドン選手権の男子シングルス連覇記録は「6連覇」が最高であるが、これは大会黎明期にウィリアム・レンショー(イギリス)が最初期のテニス・トーナメントのシステムで樹立したものである。
全盛期には、赤土コートの全仏オープンと芝生コートのウィンブルドン選手権をそれぞれ3年連続(1978年-1980年)で優勝した。全仏とウィンブルドンという対照的なコートで連続優勝した男子選手は、1980年のボルグが最後である。しかし全米オープンでは4度の準優勝に終わっている。1976年と1978年はジミー・コナーズに、1980年と1981年はジョン・マッケンローに決勝で敗れている。
ビョルン・ボルグは1983年1月に、26歳の若さで突然の現役引退を表明した。1987年に国際テニス殿堂入りを果たしている。その後1990年夏に、全盛期に使用していたウッド・ラケットで現役復帰を試みたが、失敗に終わった。現役引退後は、下着ブランド事業の失敗などのトラブルに数多く見舞われたこともあり、公の場にあまり姿を見せていない。
ボルグはウィンブルドン選手権での全盛期に、芝生コート「41連勝」の最多連勝記録を樹立したが、これは2006年にスイスのロジャー・フェデラーによって破られた。
[編集] 4大大会優勝
- (全米オープン準優勝4度:1976年、1978年、1980年、1981年)
年 | 大会 | 対戦相手 | 試合結果 |
---|---|---|---|
1974年 | 全仏オープン | マニュエル・オランテス | 2-6, 6-7, 6-0, 6-1, 6-1 |
1975年 | 全仏オープン | ギレルモ・ビラス | 6-2, 6-3, 6-4 |
1976年 | ウィンブルドン | イリ・ナスターゼ | 6-4, 6-2, 9-7 |
1977年 | ウィンブルドン | ジミー・コナーズ | 3-6, 6-2, 6-1, 5-7, 6-4 |
1978年 | 全仏オープン | ギレルモ・ビラス | 6-1, 6-1, 6-3 |
1978年 | ウィンブルドン | ジミー・コナーズ | 6-2, 6-2, 6-3 |
1979年 | 全仏オープン | ビクトル・ペッチ | 6-3, 6-1, 6-7, 6-4 |
1979年 | ウィンブルドン | ロスコー・タナー | 6-7, 6-1, 3-6, 6-3, 6-4 |
1980年 | 全仏オープン | ビタス・ゲルレイティス | 6-4, 6-1, 6-2 |
1980年 | ウィンブルドン | ジョン・マッケンロー | 1-6, 7-5, 6-3, 6-7, 8-6 |
1981年 | 全仏オープン | イワン・レンドル | 6-1, 4-6, 6-2, 3-6, 6-1 |
[編集] 4大大会男子シングルス優勝記録
- 1位:14勝 ピート・サンプラス(アメリカ)
- 2位:12勝 ロイ・エマーソン(オーストラリア)
- 3位タイ:11勝 ロッド・レーバー(オーストラリア)、ビョルン・ボルグ(スウェーデン)
- 5位タイ:10勝 ビル・チルデン(アメリカ)、* ロジャー・フェデラー(スイス)
- 7位タイ:8勝 フレッド・ペリー(イギリス)、ケン・ローズウォール(オーストラリア)、ジミー・コナーズ(アメリカ)、イワン・レンドル(チェコスロバキア)、アンドレ・アガシ(アメリカ)
- 12位タイ:7勝 ルネ・ラコステ(フランス)、アンリ・コシェ(フランス)、ジョン・ニューカム(オーストラリア)、ジョン・マッケンロー(アメリカ)、マッツ・ビランデル(スウェーデン)
- *は現役選手。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- ビョルン・ボルグ - ATPツアーのプロフィール(英語)
- デビスカップ成績表
- 国際テニス殿堂(英語)
男子テニス世界ランキング1位 | |
---|---|
アンドレ・アガシ | ステファン・エドベリ | エフゲニー・カフェルニコフ | ジム・クーリエ | グスタボ・クエルテン | ジミー・コナーズ | マラト・サフィン | ピート・サンプラス | イリ・ナスターゼ | ジョン・ニューカム | レイトン・ヒューイット | マッツ・ビランデル | ロジャー・フェデラー | ファン・カルロス・フェレーロ | ボリス・ベッカー | ビョルン・ボルグ | ジョン・マッケンロー | トーマス・ムスター | カルロス・モヤ | パトリック・ラフター | マルセロ・リオス | イワン・レンドル | アンディ・ロディック | |
|
オープン化以後 | (1968年)ケン・ローズウォール | (1969年)ロッド・レーバー | (1970年・71年)ヤン・コデシュ | (1972年)アンドレス・ヒメノ | (1973年)イリ・ナスターゼ | (1974年・75年)ビョルン・ボルグ | (1976年)アドリアーノ・パナッタ | (1977年)ギレルモ・ビラス | (1978年・79年・80年・81年)ビョルン・ボルグ | (1982年)マッツ・ビランデル | (1983年)ヤニック・ノア | (1984年)イワン・レンドル | (1985年)マッツ・ビランデル | (1986年・87年)イワン・レンドル | (1988年)マッツ・ビランデル | (1989年)マイケル・チャン | (1990年)アンドレス・ゴメス | (1991年・92年)ジム・クーリエ | (1993年・94年) セルジ・ブルゲラ | (1995年)トーマス・ムスター | (1996年)エフゲニー・カフェルニコフ | (1997年)グスタボ・クエルテン | (1998年)カルロス・モヤ | (1999年)アンドレ・アガシ | (2000年・01年)グスタボ・クエルテン | (2002年)アルベルト・コスタ | (2003年)ファン・カルロス・フェレーロ | (2004年)ガストン・ガウディオ | (2005年・06年)ラファエル・ナダル | |
オープン化以後 | (1968年・69年)ロッド・レーバー | (1970年・71年)ジョン・ニューカム | (1972年)スタン・スミス | (1973年)ヤン・コデシュ | (1974年)ジミー・コナーズ | (1975年)アーサー・アッシュ | (1976年・77年・78年・79年・80年)ビョルン・ボルグ | (1981年)ジョン・マッケンロー | (1982年)ジミー・コナーズ | (1983年・84年)ジョン・マッケンロー | (1985年・86年)ボリス・ベッカー | (1987年)パット・キャッシュ | (1988年)ステファン・エドベリ | (1989年)ボリス・ベッカー | (1990年)ステファン・エドベリ | (1991年)ミヒャエル・シュティヒ | (1992年)アンドレ・アガシ | (1993年・94年・95年) ピート・サンプラス | (1996年)リカルド・クライチェク | (1997年・98年・99年・2000年)ピート・サンプラス | (2001年)ゴラン・イワニセビッチ | (2002年)レイトン・ヒューイット | (2003年・04年・05年・06年)ロジャー・フェデラー | |