ピアノ四重奏曲第1番 (ブラームス)
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ヨハネス・ブラームスが作曲したピアノ四重奏曲第1番(ぴあのしじゅうそうきょくだい1ばん)ト短調作品25は、4つの楽章から構成されるピアノ四重奏曲(ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)である。シェーンベルクによる管弦楽への編曲により原曲共々徐々に演奏される機会に恵まれる曲となっている。
[編集] 構成
この曲は以下の4つの楽章で構成されている。
- 第1楽章 Allegro
- ソナタ形式。ほの暗い第1主題と落ち着いた第2主題により構成される。
- 第2楽章 Intermezzo
- Allegro ma non troppo
- 間奏曲。流れるようなメロディーが続く。
- 第3楽章 Andante con moto
- 緩やかなテンポで牧歌的なメロディーを奏でる所から始まり、中間部では行進曲調で盛り上がる。その後最初のメロディーに戻って静かに終わる。
- 第4楽章 Rondo alla Zingarese
- 「ジプシー風ロンド」。その名の通りハンガリー(ジプシー)を思わせる情熱的な第1主題と、堂々とした第2主題によるロンド。最後は第1主題によって熱狂的に締めくくられる。
[編集] シェーンベルクによる管弦楽編曲版
新ウィーン楽派の1人として知られるアルノルト・シェーンベルクはバッハやブラームスなどの曲をオーケストラ用に編曲している。これは管弦楽法の学習の一環として、また偉大な先輩作曲家への敬意の表現としてである。
シェーンベルクがこのピアノ四重奏曲の編曲を行った理由は私信によれば、この作品が好きだが滅多に演奏されず、しかもピアノ・パートに優れた演奏家がいるとそのパートが強調されるためにかえってまずい演奏になるため、全てのパートが聴こえるように編曲した、ということである。そのため、この編曲では原曲の内容自体は変えていない。
同じ私信の中でオーケストレーションについて、ブラームスの書法を忠実に守り、本人が行ったとしても同じ結果になったようにした、と述べている。部分的にはうなずける箇所もあるが、実際にはブラームスが用いなかったような楽器も編成に導入されており、この言葉をその通りに受け取ることはできない。特に第2、第4楽章では明らかに、シェーンベルクの時代の管弦楽法を駆使した編曲を行っていると言える。主な特徴を次に示す。