フィリップス
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フィリップスエレクトロニクス(Philips Electronics)は、電機・家電製品のメーカーで、オランダを本拠地とする多国籍企業である。総合エレクトロニクスメーカーとして、世界最大級の規模の企業である。
本社である Koninklijke Philips Electronics N.V. (英訳表記: Royal Philips Electronics)はオランダのアイントホーフェンに、日本法人である株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパンは東京都港区に所在。
[編集] 概要
1891年創業者ヘラルド・フィリップスが従業員20名の電球工場を設立したのがルーツである。以後、電球を欧州各地に販売して成功し、その後はラジオ受信機、蓄音機、電気通信装置などに拡大し、総合エレクトロニクスメーカーとなった。第二次世界大戦中、ドイツ軍に工場を接収され、また連合軍の爆撃で大被害を蒙った。戦後は一層の多角化をすすめ、1953年には松下電器産業との合弁で松下電子工業を設立している。インダストリアルデザインに凝った製品が多く、その分野でも先駆的存在で、デザイナーを社内に多く擁しているのも特徴である。
日本では、コーヒーメーカーや電気かみそり(シェーバー)の製品販売がメインのため余り知られていないが、照明機器、CT・MRIなどの医療機器、半導体、音響・映像(AV)機器分野で高い技術力を持ち、コンパクトカセット、レーザーディスク、コンパクトディスクなどの開発、提唱元として知られる。
80年代に入ると、経営が悪化したスーパースコープ社を買収し、その関連会社の日本マランツも傘下にした(現在マランツはフィリップスの資本から脱退)。マランツのブランドを利用しデジタルオーディオ製品に注力する。
初期型CDプレーヤーのCD-34は、独自開発のスイングアーム式ピックアップ(弧を描く形でCDを読み取る方式)と、4fsオーバーサンプリング左右独立14bitDAC+ノイズシェイパー+デジタルフィルタという、現在においてはやや見劣りがする構成である。しかしアナログ的なアプローチをした音作りがなされており、特にクラシックファンに人気を呼び、ソニーD-50と並んでコンパクトディスクの普及に大きな役割を果たした。
1980年代後半にはLHHシリーズという高級コンポーネントを自社ブランド(製造はマランツ)でCDプレイヤーやアンプなどを発売し、オーディオマニアに好評を得た。そして最終的に高級オーディオはマランツ、ゼネラルオーディオはフィリップスとブランド分けし、1990年代中盤頃までは同社のデザイン技術を生かしたテレビやラジカセ、ビデオデッキといった民生品を国内向けに生産していた時期もあったが、現在国内でのAV関連は惜しまれつつも撤退している。
近年ではヘッドフォン・インナーイヤフォンが燦坤(サンクン)日本電器によって輸入され、価格以上の高音質ということで、iPodユーザーを中心に好評を得ている。
FIFAワールドカップの公式スポンサーで、オランダプロサッカーリーグのPSVアイントホーフェンの冠スポンサーでもある。
2006年8月、フィリップスは半導体事業部の株式の8割を投資会社に売却すると発表した。半導体部門は家電、モバイル、車載機器の開発も行っており、売却後の同部門は独立企業となる。2006年9月1日、独立新会社NXPが発足。
2006年11月、D&Mホールディングス(デノン、マランツの持ち株会社)に、Hi-Fiオーディオ部門を買収され、完全子会社化された。子会社後の社名は『D&M Premium Sound Solutions』と改められる。