ベルガマスク組曲
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『ベルガマスク組曲』(- くみきょく、仏語:Suite bergamasque)はドビュッシーのピアノ曲。
親しみやすい曲想で知られる。とりわけ第3曲「月の光」はドビュッシーの作品のなかでももっとも有名であり、単独での演奏機会も多い。
1890年ごろに作曲されたが、1905年に改訂版が出版された。初期作品であり、和声法や旋律の感覚およびピアノの書法に、グリーグ、マスネ、フォーレなどの先人の影響がまだはっきり認められる。
ポール・ヴェルレーヌの詩集「艶なる宴 Fêtes galantes」に収録されている詩「月の光 Clair de lune」に"Que vont charmant masques et bergamasques"(現われたる艶やかな仮面喜劇者たちとベルガモの踊り子たちは)という一節があり、タイトルはここからの引用であるとされる。同じ詩にはドビュッシーがその初期に単曲として歌曲を作曲しており、当時彼の心を射止めていたヴァニエ夫人に献呈されている。そしてその歌曲は改訂され、前述のヴェルレーヌの詩集による歌曲集「艶なる宴」に収録された。[1][2]ただしこの組曲内の「月の光」は、この歌曲版とは全く異なる音楽である。
当初ドビュッシーは「仮面 Masques」(前述の詩に基づく)および「喜びの島 L'Isle joyeuse」をこのベルガマスク組曲の中に編纂しようとしたが、出版社の都合でそれらは単体で出版された。
ベルガマスクとは、おそらく「ベルガモ風の」という意味よりも、「古雅な」「貴族的な」「宮廷風の」といったニュアンスが重視されている。またベルガモ舞曲という言葉は音楽学的に忠実ではない。例えばメヌエットのリズムが3拍子を基本としながらも各拍の間の音数の多さからほとんどそれを認識できなかったり(それによって本来遅めのテンポであるメヌエット本来の様式を保ってはいるが)、パスピエに従来とは異なる拍子を採用しているのもその一例である。ヴェルレーヌの詩の解釈をドビュッシー流に音楽的散文で綴ったとみるのが妥当である。
- ^ なお同じ詩にはフォーレが作曲した歌曲もあり、こちらは後にオーケストレーションが施され、彼の劇音楽「マスクとベルガマスク」(ルネ・フォーショワの台本によるヴェルレーヌの詩をモティーフとした劇作品)に収められている(同曲の組曲版では省略)。一般的には歌曲ではこちらの方が有名である。
- ^ 前述のヴェルレーヌの詩ではmasquesは仮面劇の人物たち、bergamasquesはベルガモ風ではなく「ベルガモ舞曲を演じる人たち」と解釈するのが一般的である。
[編集] 構成
以下の4曲からなる。
- 前奏曲(Prélude)
- ヘ長調。始まりと終わりが非常に壮観であり、組曲の冒頭にふさわしい。全体的に大胆な変化に富んでいる。
- メヌエット(Menuet)
- イ短調。典型的なバロック舞曲にほかならないが、3拍子のリズムはあまり認識できない。緊張と緩和の対比が印象的である。
- 月の光(Clair de Lune)
- パスピエ(Passepied)
- 嬰ヘ短調。終曲であり、再びバロック舞曲によっている。パスピエは一般に4分の3拍子だが、この曲は4分の4拍子である。旋律に二拍三連が多用されている。
[編集] 編曲
「月の光」は、ストコフスキーのオーケストラ用への編曲により、ディズニー映画「ファンタジア」に利用された。公開版ではほとんど削除されているが、DVD版では復活されている。同じく「月の光」のオーケストラ版は、映画「オーシャンズ・イレブン」にも使われている。そのほかに、冨田勲版やみんなのうた版もある。詳しくは、当該項目を参照のこと。
[編集] 外部リンク
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