みんなのうた
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
みんなのうたは
- NHKの音楽番組。本項目で記述する。
- サザンオールスターズの1988年のヒット曲。みんなのうた (サザンオールスターズ)を参照。
- 2002年・2003年の「27時間テレビ」のサブタイトル。
- バラエティー番組「10カラット」のコーナー
- ミドリカワ書房のアルバム
みんなのうたはNHKのテレビ、ラジオ(海外向けを含む)で放送されている5分間の音楽番組。
目次 |
[編集] 概要
1961年に第1回「おお牧場はみどり」が最初の曲として放送され、2006年に45周年を迎えた。NHKの中でも特に長寿番組のひとつである。これまでに1000曲を超える歌が紹介、放送された。ちなみに、番組のタイトルロゴはスタート当時から全く変わっていない。
基本的に5分の放送枠で2分強の曲(オリジナル、または「みんなのうた」用に編集されたもの)を2曲放送するが、1997年からは1曲丸ごと放送するパターンが加わった。2006年現在、新曲の放送枠は2系統あり、過去に放送した曲を再放送する枠も4系統(テレビ・ラジオ共通の再放送2系統、ラジオ単独枠2系統)ある。新曲・再放送曲ともに、2ヶ月ごとに差し替えられていく。
放送枠は多数ある(詳しくは#放送時間等を参照)。5分のミニ番組のため、緊急ニュースなどのプログラム変更で休止となったり、逆にフィラーとして差し込まれることもある。
[編集] 視聴者層
本来は未就学児~10代を想定したものと思われる。童謡風の歌のほか、10代の少年・少女の心理を歌ったものも多かったからである。しかし長寿番組になるにつれ、年齢が上がっても視聴し続けたり、一度卒業したものの再び視聴を始める大人のファンも多い。もともと、親など子供に連れ添って視聴する大人の視聴者も多かった。
1970年代には子供への認知度は抜群で、フジテレビのひらけ!ポンキッキとともにテレビでの子供向けの歌の発信源の双璧であった。また、他のテレビの歌と違い、学校行事などでも大っぴらに歌われた。
しかし、近年は子供向け番組と連続した時間帯の放映ではほとんどなくなっている。このため、学生や社会人にとって再放送を見る事が出来なくなっており、認知度も低下したと思われる(その他いろいろと問題はある)。
[編集] 曲
最初期には既存の童謡や外国の民謡が多かったが、現在はみんなのうたのために書き下ろされたオリジナル曲が中心となっている。
ビートルズ、カーペンターズといった、日本人にもなじみ深い洋楽アーティストの曲に日本語の歌詞をつけた物もかつては数多く存在した(「オブラディ・オブラダ」、「シング」など。他にもアバの曲の日本語バージョン等が放映されていた時期もある)。
「リンゴの森の子猫たち」はNHKで放送されたテレビアニメスプーンおばさんのエンディングテーマでもあった。この他にもNHKのテレビアニメのテーマソングが使われた例がある。
[編集] 映像
テレビ放映では、歌に合わせたアニメーションの映像が流れ、それもファンの間では人気となっている。
また、歴史的に実写の映像も多い(「切手のないおくりもの」「スシ食いねェ!」のように歌手自ら出演するケースもあり)。かつては歌にちなんだ日本各地の名所の映像が多かった。
[編集] 歌い手
他の音楽番組とは違い、歌手本人が映像出演した一部例外を除き歌手には一切スポットを当てず、ただ歌のみを放送するというスタイルを貫いている。
メジャーデビューを果たした者や、大御所と言われるベテランの歌手はもちろん、一般には知られていないような歌手や、歌手というより俳優や声優として知られている人が歌っているのも特徴である。
中には、ブレイク前にこの番組で歌を披露している歌手もいる。 例をあげると、
- 森山直太朗(「高校3年生」、インディーズ時代・直太朗名義の歌)
- 花*花(「赤い自転車」、インディーズ時代の歌)
- Something ELse(「反省のうた」、「ラスト チャンス」の発表前)
- GO!GO!7188(「むし'98」、「こいのうた」のヒット前)
など。
[編集] 番組の与えた影響
この番組からは、「山口さんちのツトム君」「サラマンドラ」「切手のないおくりもの」「ビューティフル・ネーム」「一円玉の旅がらす」「WAになっておどろう~イレアイエ~」といった大ヒット曲も生まれた。
「ビューティフル・ネーム」は1979年・「国際児童年」協賛歌としてNHKのスポットでもたびたび流れていた曲だが、多くの人に歌詞を覚えてもらおう、との意図からこの番組に取り上げられた物と思われ、当時絶頂期だったゴダイゴ人気に合わせる形で、更にレコード売り上げ等を助長させる結果をもたらした。
「WAになっておどろう~イレアイエ~」は長万部太郎(角松敏生)率いる覆面バンドAGHARTAの楽曲であり、長野オリンピックの前年・1997年発表という時期の良さも手伝い、世界平和へのメッセージと解釈され世論に後押しされる形で一躍同オリンピックのテーマ曲に抜擢された。そして海外マスコミを通じて世界に認知された他、並行してV6にもカバーされた。当時、NHK「みんなのうた」のプロデューサーが初めてこの曲のデモテープを聴かせてもらった時、「心の底からこの仕事をやっていて良かった・・・これだ!!と思ったことは今でも忘れません」と語っている。1998年長野オリンピックの閉会式でAGHARTAと選手が一体となったライヴ演奏が中継された。 この例は、この番組の楽曲が意外な方向に発展していった、最たるものといえるだろう。
[編集] 番組構成
番組の構成は非常にシンプルである。
テレビ放送の場合、オープニングキャッチが数秒流れたのちに、曲のタイトル表示と曲本体が演奏数だけ繰り返される(1985~1993年度は曲紹介のナレーションなどは一切無かった)。最後に番組テキストの紹介や意見感想の宛先が表示され、エンドキャッチとともにジングルが流れて番組は終わる。感想募集やエンドキャッチは時間調整に使われ、片方が省略されることもある。
ラジオの場合は、作詞・作曲者などは紹介されず、曲名と歌手名がナレーションされて曲が流れるのみとなっている(かつては作詞・作曲者などの紹介もあったがその時間のため歌の最後がカットされていた)。
過去の曲を再放送する際は、曲冒頭のタイトル画面は新しく作ったものに差し替えられる。
- 番組終了画面が、2006年10月新曲の「ぼくはくま」の映像に変わる。ちなみに、映像の場面は、新曲枠と再放送枠で違う。
- タイトルコール時と、楽曲終了時に、曲の初回放送年月日が表示されるようになる。
[編集] 派生番組
総合テレビの番組「お元気ですか日本列島」では、「みんなのうたリクエスト」のコーナーを毎週金曜日に設け、視聴者から過去に放送された曲のリクエストを募集している。曲の放映に先立ち視聴者から寄せられたメッセージを読み上げるほか、曲にまつわるエピソードを紹介している。曲のタイトル画面は、放送当時のものがそのまま流される(一部例外あり)。
2006年4月より、BSハイビジョンにて「みんなのうたセレクション」が始まった。これは、1998年以降に制作されたハイビジョン作品に限定して再放送するものである。月曜~土曜の朝8:55に放映している。
2006年8~9月には、みんなのうた45周年記念特集番組として、「懐かしのみんなのうた」をBS2で放送中。1961~1971年の曲が放送される。
- 放送曲目:
- 誰も知らない(楠トシエ)
- A・A・B・C~ア・ア・ビ・チ~(弘田三枝子)
ほか
[編集] みんなのうた特別番組
- 5.5 ノッポさんのグラスホッパー物語(グラスホッパー物語 うた:高見のっぽ)
- NHKプレマップ(これってホメことば? うた:ことばおじさんとアナウンサーズ)
- 8.26土曜スタジオパーク(これってホメことば? うた:ことばおじさんとアナウンサーズ)
- 9.24ミュージックエクスプレス(これってホメことば? うた:ことばおじさんとアナウンサーズ)
- 12.31「きょうは一日みんなのうた三昧」(NHK-FM、BS2にて放送) 司会:石川ひとみ
- エカテリーナ(古いお城のものがたり)
- 岡本知高(空へ)
- 中川晃教(セルの恋)
- 高見のっぽ(グラスホッパー物語)
- さだまさし(がんばらんば)
- マイク眞木(ありがとう~こころのバラ~・バラが咲いた・からすと柿のたね)
[編集] 初回放送前に放送されたみんなのうた
- りんごのうた(しいなりんご)→土曜スタジオパーク内で紹介
- とのさまガエル(2who's・石坂浩二)→スタジオパークからこんにちは「石坂浩二」で紹介
- 夢見るジャンプ(平川地一丁目)→たべもの新世紀のテーマソングとして放送
- みんなに知って欲しいこと(白井貴子)→福祉ネットワーク内で紹介
- これってホメことば?(ことばおじさんとアナウンサーズ)→お元気ですか日本列島内みんなのうたリクエストで放送
[編集] 放送時間等
※2006年12月現在
時間帯 | 総合テレビ | 教育テレビ | ラジオ第2放送 | ||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
4:25~ | 再2 /再1 |
- | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
4:55~ | - | - | - | - | - | 再1 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
5:35~ | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | 再1 | 再2 | 再3 | 再4 | 新2 | 新1 | - |
6:25~ | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | 再2 | - | - | - | - | - | - | - |
9:00~ | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | 新1 新2 |
9:55~ | 新1 | 新2 | 新1 | 新2 | ?1 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
10:35~ | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | 再1 | 再2 | 再3 | 再4 | 新1 | - | - |
12:55~ | - | - | - | - | - | - | - | 再1 | 再2 | 再1 | 再2 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
13:45~ | - | - | - | - | - | - | 新2 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
14:10~ | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | 新2 | 新1 |
16:55~ | 新2 | 新1 | 新2 | 新1 | ?2 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
18:55~ | - | - | - | - | - | - | - | 新1 | 新2 | 新1 | 新2 | - | 新1 | - | - | - | - | - | - | - | - |
19:35~ | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | 新2 | 新1 | 新2 | 新1 | 新2 | 新1 | - |
21:50~ | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | 再2 /再1 |
- | - | - | - | - | - | - | - |
23:55~ | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | 新2 |
- 高校野球、国会中継、大相撲、緊急ニュース放送時は休止。
- ラジオ第2の日曜9:00の枠のみ、通常の2回分の放送時間でその月の新曲を全曲放送する。
- 再放送枠3と4(2~4曲)はラジオのみの放送。
- 総合(金)9:55および16:55は、上記枠のレギュラー以外の再放送曲を1~2曲放送。
- 総合(月)4:25および教育(金)21:50は、月替わりで異なる再放送曲を放送。
- 東海地区では教育の12:55~13:00の枠を利用しNHK放送体験クラブを放送することがあるため、その間は休止となる。
- 教育(月~木)18:55~19:00は、近畿地区のNHKで、2007年2月12日から2007年3月1日まで「おやこであそぼ!ふれあいタイム」を放送していた。また、全国で2007年3月19日から春の教育テレビPRで休止している。
各放送枠には短い2曲または長い1曲が入り、短い曲の組み合わせは枠ごとに同じ(違う枠のそれぞれの曲を組み合わせての放送はされない。必ず2ヶ月間同じ曲の組み合わせで放送される)。
- 備考
- 1960年代~1980年代には、総合テレビ月曜~土曜 17:55~18:00にも放送されていた。当時その前後の時間帯は子供向け番組で、この時間が最もよく見られていたと思われる。
- また、月曜~土曜 9:55~10:00は、1976年から1997年までおかあさんといっしょと連続していた時間帯である。この枠は、本来は幼児の視聴者にあわせた時間帯だったが、1998年その枠がなくなり、「みんなのうた」がその名残りで孤立したともとれる。
- 一時期、総合テレビでは新曲、教育テレビでは再放送曲と放送波により分けられていたこともあったが、現在は全放送波で新曲・再放送曲がほぼ完全に混成した編成となっている。
- テレビ放送の場合、放送時間はアナログ・デジタル共通。但し、マルチ編成の時間帯(デジタル教育テレビのみ)は、メインチャンネルでの放送(サブチャンネルでは放送されず)。
- 2000年代前半までは、ラジオ第1やFMの11:50~12:00、18:50~19:00のローカル枠の時間帯のうち、放送局によっては前半の5分間を音の風景と1日おきに放送されたこともあった(その場合、2波とも同時ではなく一方は「みんなのうた」、もう一方は「音の風景」というパターンだった)。
[編集] みんなのうた放送曲一覧
みんなのうた放送曲一覧・みんなのうた年度別放送楽曲一覧を参照のこと。
[編集] アニメーター一覧(絵のみも含める)
- 飯田力
- いしづかあつこ
- 一色あづる
- 伊藤有壱
- 尾崎真吾
- 大井文雄
- 加藤晃
- 木下洋子
- 吉良敬三(きらけいぞう名義あり)
- 葛岡博(くずおかひろし名義あり)
- 倉橋達治
- 久里洋二
- クリーチャーズ
- 小堤一明(こづつみPON名義あり)
- こはなわためお
- 坂本サク
- 芝山努
- 新海誠 (田澤潮と共同で制作)
- 田中ケイコ
- 月岡貞夫
- 佃公彦
- 仲澤崇仁
- 中島潔
- 永島慎二
- 中原収一
- 南家こうじ
- 西内としお
- 西村緋祿司
- はせがわゆうじ
- 林静一
- ひこねのりお
- 福島治
- 古川タク
- 堀口忠彦(とこいった名義あり)
- ほんだゆきお
- 前田昭
- 毛利厚
- 望月智充
- 森まさあき(初期はアニメーションスタッフルームも明記)
- もりやまゆうじ
- やなせたかし
- 若井丈児
- 渡辺三千成
- 和田誠
他
[編集] 実写映像
ここでは、特に1970年代の作品についてあげる(それ以降、今日に至るまで多く実写も用いられている)。日本各地の風物を歌った歌や、10代の心理(友情・希望など)を歌った歌に多く用いられた。前者は「宗谷岬」「僕たち大阪の子供やで」などである。単なる名所紹介に留まらず、当該地域の生活文化(子供たちや大人の生活)の紹介にもなる映像が多かった。大人でも、当該地域の出身者などに、郷里を懐かしむために好まれた。
[編集] 関連項目
[編集] 関連サイト
- 関連する新聞・雑誌記事、曲名やレコードなどの情報などが提供されている。
- 曲名一覧やエッセイ、論考などがある。
- データベース充実のファンサイト。
カテゴリ: 日本放送協会テレビ番組 | 日本のラジオ音楽番組 | NHKの音楽番組 | ミニ番組 | 音楽の一覧 | 子供向け楽曲 | みんなのうた