リカオン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
?リカオン | ||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
分類 | ||||||||||||||||
|
||||||||||||||||
学名 | ||||||||||||||||
Lycaon pictus | ||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||
リカオン | ||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||
African Hunting Dog |
リカオン(英名 African hunting dog;African wild dog)は、ネコ目(食肉目)イヌ科リカオン属に属する1属1種の哺乳類。アフリカ大陸のサハラ砂漠より南のサバンナ、疎林地帯に生息する。頭胴長76~120cm、尾の長さは30~41cm、肩までの体高60~78cm、体重17~36kg。体毛は黒、茶、白が不規則なパッチ状に混じり、個体ごとに異なる。耳は丸く、尾の先は白い。イヌ属(Canis)と違い前足は第1指がなく4本指であるが、歯の本数は同じ42本である。 学名Lycaon pictusは「色を塗った狼」から。
[編集] 生態
イヌ科のなかでは腐肉を漁らない完全な肉食動物で、パック(pack)と呼ばれる数頭から30頭ほどの社会的な群れを作って生活する。群れは血縁関係のある複数のオスと複数のメスで構成される。一般に群れはオスの数のほうが多い。1ヶ所に留まらず獲物を求めて放浪する。
狩りは朝、夕方早くに行われる。1頭にねらいを定め、群れの成獣全員で長時間獲物を追い詰めて狩る手法をとり、成功率は50%以上ともいわれるが、ハイエナやライオンに獲物を奪われることも多い。持久力は多くのエネルギーを要求し、一日に3kg以上も食べる。リカオンの獲物はヌー、シマウマ、トムソンガゼル、インパラ、リードバックなどだが、住む地方によって異なってくる。
繁殖は主に群れの最上位の雌雄の間で行なわれ、巣穴を作って群れ全体で育児を行う。両親以外の育児を手伝う個体をヘルパーと呼ぶ。 一回の出産で6~16子(平均10子)を生む。
野生のリカオンの寿命は最長11年ほど。
[編集] 個体数
リカオンの狩りが残忍であると思われて狩猟者から駆除されたこと、生息域の開発によって狩りなどの行動に支障をきたしていること、家畜のイヌから感染したジステンバーの流行などの要因で頭数が激減し、現在はタンザニア、ボツワナ、ナミビア、南アフリカなどに3000~5000頭ほどが生息するのみで、絶滅が心配される。
[編集] レッドデータブック カテゴリー
ENDANGERED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
カテゴリ: 生物分類表使用 | Endangered | イヌ科 | 食肉目