リングにかけろ
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『リングにかけろ』は、1977年から1983年まで週刊少年ジャンプに掲載された車田正美のボクシング漫画。続編として登場キャラクターの次の世代を描いた続編『リングにかけろ2』もある。日本語の略称は「リンかけ」。「リングにかけろ1」として2004年秋にテレビ朝日でアニメ放映された(後にスカパー・ANIMAXでも放送)。また2006年4月6日に続編の日米決戦篇が放映された。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] あらすじ
主人公の高嶺竜児が姉の菊に学んだテクニックにより、宿敵の剣崎順を倒し世界チャンピオンに輝くまでの軌跡を描いている。
- チャンピオンカーニバル編
- 日米決戦編
- 影道編
- 世界大会編
- ギリシア十二神編
- 阿修羅編
- 世界タイトルマッチ編
[編集] 概要
開始当初は貧しい少年高嶺竜児がボクサーだった亡父を目指して姉の菊の教えを受けて成長していく泥臭いド根性ボクシング漫画で、試合の内容も中学生として現実的な地味なものだったが、途中から路線を変更。実際のボクシングとはかけ離れた必殺技(作中ではニュー・スーパー・ブローと称されている。略してNSBと記載されている場合もある)を持ったボクサー同士が非現実的な戦いを繰り広げる超人バトル漫画へと変貌した。この路線変更は大当たりをして当時のジャンプで1、2を争う人気漫画となり、なんと最終回を巻頭カラーで飾った(その後ジャンプで最終回が巻頭カラーだったのは『ドラゴンボール』と『スラムダンク』のみである)。路線変更後の内容は後に車田が連載した『風魔の小次郎』や『聖闘士星矢』の原型といえる。
登場するボクサーのフィニッシュブローは原理が説明されているものもあったが「なんだかわからないけどすごそうな名前の技」も多く、大ゴマで描かれた必殺技を出したボクサーの背景で対戦相手がはるか上空へ吹っ飛ばされているという構図が多用された。 表現方法はいろいろなものが試され、白黒反転や終盤の「ブーメランテリオス」は同じ絵のコピーを見開き内に無数に貼り付けるという凄まじい描写で波紋を呼んだ。
世界大会編ドイツJr.との戦いにおいては物理学の応用によるフィニッシュブロー破りを描写し、ギリシア12神編ではギリシア神話の神々を対戦相手として登場させるなど、この漫画によって科学、歴史に興味をもった小中学生も多かった。
[編集] 登場人物
[編集] 日本Jr
- 高嶺竜児(たかね りゅうじ)
- 山口県出身。父親がプロボクサーであり、姉・菊に無理やりボクシングのトレーニングを受けさせられていたが、優しく気の弱い性格のためボクシングは好きではなかった。母親の再婚相手から虐待を受けたことをきっかけに姉と共に家を出て上京する。
- 東京で永遠のライバル・剣崎順と出会い、彼とのスパーリングを経験することで本格的にボクシングに目覚める。
- 中学生になると心身ともに立派に成長し,都大会の個人戦では1年生ながら準優勝をはたす。そして剣崎の代役として出場したチャンピオンカーニバルでは見事優勝し日本Jrチャンピオンとなり、その後世界大会などで大将をつとめた。
- 中学卒業後は進学はせず、プロへの道を歩む。そして剣崎同様特例によりプロ入りを果たす。
- フィニッシュブロー:ブーメラン・フック、ブーメラン・スクエア、ブーメラン・テリオス、ウイニング・ザ・レインボー
- 剣崎順(けんざき じゅん)
- 剣崎財閥の御曹司で高嶺竜児のライバル。自他共に認めるボクシングの天才。当初はイヤミな金持ちキャラであったが、中学時代には人間的にも成長していた。
- 痛めた腕の治療のためチャンピオンカーニバルに出場していないので日本Jrチャンピオンの肩書きこそ竜児に譲っていたが、実力では日本Jr最強であった。団体戦では主に副将を勤めていたため、相手チームのボス格と対戦するのは竜児であり、剣崎は相手を圧倒し一瞬で倒すことが多かった。
- 他の日本Jrメンバーがフィッシュブローを新開発していく中、彼だけは同時に開発した二つのブローを最後まで使い続けた。必殺のギャラクティカ・マグナムは主役である竜児のブローを抑えて本作品の代表的なブローとなっている。
- 竜児の姉・菊とはいがみ合っていたがお互い惹かれてもいたようで、後に彼女と結婚する。
- フィニッシュブロー:ギャラクティカ・マグナム、ギャラクティカ・ファントム
- 香取石松(かとり いしまつ)
- 千葉県出身。喧嘩殺法を使い、小柄ながら自分より大きな相手にも立ち向かう。度々SD化して頭身が縮む。天才ばかりの集まった日本Jrの中で彼だけは実力的に1ランク下という感じであった。しかし、日本Jrの戦績を考えると、彼も十分天才といえるだろう。
- 竜児の姉・菊に一目惚れし、アタックを繰り返していた。その際にはギャグムードの時が多かったので真剣さは伝わりにくかったが、ギリシア十二神のペガサス戦や剣崎が菊に求婚したあとの展開を見るに真剣に菊を想っていたようである。
- 菊を巡って剣崎と戦った後、竜児や剣崎には到底自分の力が及ばないとボクシングから足を洗う(階級が違うだろ、というツッコミは野暮)。
- フィニッシュブロー:ハリケーン・ボルト、スパイラル・タイフーン (ギリシアのイカロスのスカイ・トリプル・ダンシングをサルマネ程度だが使用したこともある)
- 志那虎一城(しなとら かずき)
- 京都府出身。実家は志那虎陰流という剣術の道場である。幼少時、父親から課せられた無理な特訓で右腕に致命的な怪我をしてしまい動かすことができないが、右腕の分も鍛え上げられた左のパンチと剣道の見切りを応用した神技的ディフェンスによる攻防を行う。
- 剣道の腕も超一流であり、後に志那虎陰流を継いだようである。
- フィニッシュブロー:ローリング・サンダー、スペシャル・ローリング・サンダー、円月拳
- 河井武士(かわい たけし)
- 新潟県出身。日本Jrきっての美形。優れたピアニストでもあり、ピアノからボクシングへのヒントを得ることが多い。竜児と同じく、姉にボクシングを(ピアノも)習っていた。
- 登場初期は非情な天才ボクサーといった雰囲気であり、温室育ちだったせいか心の弱さも見られたが、竜児との激戦、日本Jrとしての戦いを経て男としての熱い思いや友情に目覚めていった。
- 実はその出生には大きな秘密が隠されていた・・・
- フィニッシュブロー:ジェット・アッパー、ジェット・ラベンダー
[編集] 影道一族
- 影道殉(しゃどう じゅん)
- ボクシングとの間に因縁を持つ影道の総帥。剣崎順の双子の弟。
- フィニッシュブロー:影道雷神拳、影道鳳閣拳、影道龍極破、影道冥皇拳
[編集] ドイツJr
- スコルピオン
- ドイツ軍団を束ねる総統。剣崎に「自分以上の天才かもしれない」と言わせるほどの実力を持つ。
- フィニッシュブロー:スコルピオン・クラッシュ
- ヘルガ
- IQ300を誇るスコルピオンの参謀。フィニッシュブローを持たないがその頭脳を武器として戦う。
[編集] フランスJr
- ナポレオン・バロア
- バロア家五つ子の長男、五つ子の中で彼だけ金髪である。自らのパンチでかまいたちを起こすことができる。
- フィニッシュブロー:デビル・プロポーズ、ロイヤル・デモン・シード
[編集] イタリアJr
- ドン・ジュリアーノ
- マフィアジュニア、シシリアンダンディのボス。試合前の闇討ちで世界大会を勝ち進む。
- フィニッシュブロー:コーザ・ノストラ
[編集] アメリカJr
- ブラック・シャフト
- 全米Jrチャンピオン。
- フィニッシュブロー:ブラック・スクリュー
- ミズ・シャネル
- 女性っぽい姿をしているが、実はオカマ。
- 視線で相手を催眠術に陥れる技を持ち、河合を苦しめた。
- Mr.ホワイティ
- 白人至上主義を唱える南部の白人ボクサー。試合開始直後に剣崎順によって瞬殺される。コミックス・愛蔵版では別の名前で登場していたが、それがKKKのグランド・ウィザード(ボス)と同じことを考慮し名称変更した。
[編集] ギリシアJr
- ゼウス
- 世界最大の闘神・ギリシア十二神を束ねる男。竜児同様カイザーナックルの後継者候補である。
- フィニッシュブロー:ゴッド・イリュージョン
- アポロン
- 世界大会に出場したギリシアチームの大将。竜児をはるかに上回る実力を持つが、十二神の前では彼さえも二軍も同じであるという。
- フィニッシュブロー:ゴッド・ディメンション
[編集] 阿修羅一族
- 孔士(こうし)
- 実は阿修羅一族であった黄金の日本Jr・河井武士その人である。阿修羅としての使命に目覚め、竜児を狙う。
[編集] その他のキャラクター
- 高嶺菊(たかね きく)
- 竜児の姉。竜児をも上回るボクシングセンスを持っており、竜児を鍛え上げる。
- 高嶺豪(たかね ごう)
- 竜児と菊の実父。世界ランカーであったが若くして他界してしまう。
- 高嶺千代(たかね ちよ)
- 竜児と菊の母。富蔵と再婚するがそのことにより苦しい生活を強いられる。
- 富蔵(とみぞう)
- 千代の再婚相手。酒やギャンブルに溺れる日々を送り千代や竜児たちに酷い仕打ちをする。再婚後の苗字が高嶺姓なのかは不明。
[編集] アニメ
[編集] キャスト
- 高嶺竜児:森田成一
- 高嶺菊:田中理恵
- 剣崎順:置鮎龍太郎
- 香取石松:草尾毅
- 志那虎一城:石川英郎
- 河井武士:神谷浩史
- 志那虎の父:阪脩
- 志那虎二葉:井上富美子
- 河井貴子:金月真美
- キャサリン:相沢舞
- ブラック・シャフト:子安武人
- スコルピオン:緑川光
- ヘルガ:結城比呂
- ナポレオン:森川智之
- ドン・ジュリアーノ:黒田崇矢
- 影道殉:櫻井孝宏
- 永田裕志:永田裕志
- 車田正美:車田正美
- リングコール:レニー・ハート
[編集] スタッフ
- 企画:森下孝三、松本慶明、片岡義朗
- 原作:車田正美(集英社JCDX「リングにかけろ1」集英社刊)
- プロデューサー:シュレック・ヘドウィック、木戸睦、吉澤孝男、辻洋
- シリーズ構成:黒田洋介
- 製作担当:松坂一光
- 音楽:上田益
- キャラクターデザイン:荒木伸吾、姫野美智
- 総作画監督:荒木プロダクション
- 美術デザイン:飯島由樹子
- 色彩設計:辻田邦夫
- シリーズディレクター:小村敏明(無印)→貝澤幸男(日米決戦編)
- 協力:東映エージエンシー、集英社スーパージャンプ
- 制作:テレビ朝日
- 製作:東映アニメーション、マーベラスエンターテイメント
- 主題歌:
- オープニング:「明日への闘志」(歌:Marina del ray、作詞:松尾康治、補作詞:車田正美、作曲・編曲:Kacky)
- エンディング(第1期):「TAKE MY SOUL FOREVER」(歌:サイキックラバー、作詞・作曲:YOFFY、編曲:YOFFY、KOISHI)
- エンディング(日米決戦編):「Shining like gold ~思い出の欠片(かけら)~」(歌:Marinadeiray、作詞:車田正美、松尾康治、作曲:Kacly、編曲:大石憲一郎)
[編集] 放映リスト
- 輝ける青春
- さらば黄金の腕
- その名はブーメラン
- チャンピオンカーニバル開幕
- 唸れ!ブーメランフック
- ローリングサンダー
- あした
- 男の意地
- 稲妻とブーメラン
- 運命のゴング
- 勝利への航海
- 結成!黄金の日本Jr.
[編集] 日米決戦編 放映リスト
- 始動!黄金の日本Jr.
- 誓いの旗のもとで
- 出陣!ケンカチャンピオン
- 魂を拳に宿して
- 嵐を突き破れ!
- 誘惑!魔性の目
- 音階を駆けのぼれ!
- ナチュラルボーン マッドネス
- 猛虎、荒ぶる
- スーパースター
- 黒い閃光
- そして少年は世界へと羽ばたく
[編集] ゲーム
1998年6月1日に日本コンピュータシステムより提供のスーパーファミコン用ゲーム。原作の「チャンピオンカーニバル」編から「世界大会」編までを描いており、登場するボクサーは20名+隠しキャラ2名。ボクサーには声が収録されているが、同じ声を流用しているものが多い(ボクサー22名に対し、6名分の声しかない)。サブタイトルが表示される画面がアニメのアイキャッチのようになっている。
当初予定通りに完成していたが、見込み通りの発注が取れずに発売延期を続け、その度にスーパーファミコンのソフト市場がどんどん縮小していったことによりお蔵入りに。結局、通常の流通ではなくゲームソフト書き換えサービスニンテンドウパワー専売ソフトとして世に出ることとなった。タイトル画面やエンディングのクレジットによると、1995年に製作されたようだ。
シナリオモードは「チャンピオンカーニバル」編と「世界大会」編の2部構成になっているが、チャンピオンカーニバルの決勝戦の相手が剣崎、世界大会の第一試合の相手がアメリカというように、都大会や日米決戦を混ぜアレンジしてある(この結果、剣崎はチャンピオンカーニバルの後に腕の治療へアメリカに行ったことになり、世界大会で剣崎の選手登録はしたがアメリカ戦に間に合わず、アメリカのシャフトを倒すと「ヘイ、ジュン!日本の連中の実力はお前の言ったとおりだったな」と言って、剣崎がやってくる)。
エンディングでは原作どおり木々に囲まれた墓地が映される。そこに現れた影道殉と空に浮かぶ黄金色のヘリコプター、そして「TO BE CONTINUED・・?」と表示されるが、3分ほど待つと「作者のこのオレが相手になってやる、光栄に思え!」という台詞と共に、ヘリコプターの中から隠しキャラ「車田正美」が現れる(セルフパロディ作品『リングにこけろ』を基にしている模様)。
勝ち抜きモードは使用キャラクターを1人選び(車田正美の使用も可能)、残り19人全員を倒す。こちらは影道編になっており、20人目の相手は隠しキャラ「影道総帥」となる。
[編集] 登場ボクサー
名前はゲーム中での表記
- 高嶺竜児(日本)
- 剣崎順(日本)
- 香取石松(日本)
- 志那虎一城(日本)
- 河井武士(日本)
- シャフト(アメリカ)
- ジュリアーノ(イタリア)
- ティファニー(フランス)
- フェリスタ(フランス)
- ナポレオン(フランス) - 以上3名は顔グラフィックが色違いの同じ物
- ゲッペルス(ドイツ)
- ヒムラー(ドイツ)
- ゲーリング(ドイツ) - 以上3名は顔グラフィックが色違いの同じ物
- ヘルガ(ドイツ)
- スコルピオン(ドイツ)
- ユリシーズ(ギリシア)
- オルフェウス(ギリシア)
- イカルス(ギリシア)
- テーセウス(ギリシア)
- アポロン(ギリシア)
- 影道総帥(隠しキャラ)
- 車田正美(隠しキャラ)
[編集] キャスト
表記はクレジットタイトルより。協力:青二プロダクションとクレジットされているので、全て同事務所所属の声優であろう。
[編集] サブタイトル
ゲーム中のステージ表記は「BOUT 1」というようになっている。
- おれが男だ! ケンカ石松登場
- 牙をむく猛虎の神技! 志那虎登場
- 姉弟VS姉弟! 河井登場
- 運命の決勝戦!! さらば!!黄金の腕
- 黒い閃光! シャフトの一撃!!
- シシリアン・ダンディー!!
- 華麗なる フランス!!
- リングに咲く 赤いバラ
- 真空の貴公子!! ナポレオン・バロア
- ハリケーンの死角!? 死の法則をやぶれ!!
- 戦慄のS・C・C∞(エス・シー・シー・インフェニット)
- 死のボールレース! ジェット・スクランブル
- 強者の法則!
- 英雄VS天才!! 神への挑戦権をつかめ!!
- ただ一度の奇跡!!
- 墜ちた若武者 涙のレクイエム
- イカルスの翼 神話をよびさませ!!
- 天才の証!! 秘めたる想いを胸に
- さらば 黄金の日本Jr!!
- 挑戦者 あらわる!?
[編集] パチンコ
2006年9月にサミーからタイアップ機として登場した。
[編集] パチスロ
2007年3月に銀座からタイアップ機として登場した。詳細はリングにかけろ1 (パチスロ)を参照のこと。
[編集] 外部リンク
テレビ朝日 水曜26:42~27:12枠 | ||
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SoltyRei | リングにかけろ1 ~日米決戦篇~ |
貧乏姉妹物語 |
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