中華民国軍
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
中華民国軍 | |
---|---|
兵力 | |
徴兵年齢 | 19歳以上 |
徴兵対象総人口 | 19~40歳の男性:5,883,828人(2005年) |
徴兵対象人数: | 男性:4,749,537人(2005年) |
毎年の徴兵人数 | 男性: 174,173人(2005年) |
軍事費 | |
総額(新台湾ドル) | 2600億NTD(2004年) |
GDPに占める割合 | 2.6%(2004年) |
中華民国軍は中華民国(台湾)の軍隊。中華民国憲法第20条の規定により、中華民国では徴兵制が敷かれており、満19歳以上の男子は、20カ月間の兵役義務(2003年までは22カ月)を課せられている。国軍である中華民國軍は、正規軍で約30万人、予備役で約165万人の兵力を擁しており、正規軍の内訳は陸軍20万人、海軍4万5000人、空軍4万5000人である。1949年以降の中華人民共和国との軍事的対立を背景として、中華民国の軍事施設には最新鋭の兵器、軍用機、軍用船が装備されており、2005年度の国防関係予算は国家予算全体の約15%に相当する2,453億元(約7,400億円)となっている。新型戦闘機の数が多く防衛能力は高い。尤も、近年では国防関係予算の削減が行なわれており、政府は特別予算を組むなどして対応している。
目次 |
[編集] 階級
- 将官クラス
- 特級上将(2000年に廃止された)
- 一級上将
- 二級上将
- 中将
- 少将
- 佐官(校官)クラス
- 上校
- 中校
- 少校
- 尉官クラス
- 上尉
- 中尉
- 少尉
- 准尉(現行制度では廃止された)
- 士官クラス
- 一等士官長
- 二等士官長
- 三等士官長
- 上士
- 中士
- 下士
- 兵クラス
- 上等兵
- 一等兵
- 二等兵
[編集] 中華民国軍史
[編集] 建軍期
[編集] 日中戦争期
当時中華民国の指導者であった、国民党主席の蒋介石は親日・反共の立場をとっていたが、西安事件・盧溝橋事件により中華民国軍は帝国陸軍と戦闘状態に入る(抗日戦争)。
中華民国軍は1927年からドイツ陸軍から軍事顧問団を受け入れて軍備の近代化を図っていた。これは日独防共協定締結の1938年頃まで存続した。上海の防衛陣地ゼークト・ラインは有名である。大日本帝国陸軍に比べ装備・士気ともに劣悪な状態であったため、たびたび日本陸軍に敗北、首都南京も遷都せざるを得なかった、という見方がある。その一方、士気は旺盛で、装備も各国の援助で日本より優れていたから、それは間違いである、という見方もある。当時日本では中華民国軍を国民政府軍(国府軍)、あるいは国民党軍と呼んだ。
しかしアメリカからの義勇軍(フライングタイガース)の支援や、中国共産党の人民解放軍(八路軍)のゲリラ戦や、援蒋ルート経由で持ち込まれる連合国軍の支援物資により戦線を膠着状態に持ち込むことに成功する。このため結局日本陸軍は終戦まで中華民国軍に決定的な打撃を与えることはできなかった。
[編集] 台湾時代
第二次世界大戦後、中華人民共和国との国共内戦に敗れ中華民国は台湾へ退避、中華民国軍もそれに従った。そして中華民国軍はアメリカ軍の軍事顧問や極秘に招聘した旧日本陸軍の教官団(白団)による指導を受け再建、その後も福建省金門島付近でたびたび人民解放軍と直接対峙した。1947年(民国36年)に海軍の一部として海軍陸戦隊(海兵隊に相当)を発足させる。
兵器の多くはアメリカより供与されていたが、アメリカが中華人民共和国と国交を結んだ後は自国開発も行うようになった。1979年昭和54年以来、アメリカと国交断絶をして以来、中華民国軍の代表団はアメリカに派遣をしなかったがつい最近(2004年平成16年?)代表団を乗せた潜水艦はアメリカに派遣をしたニュースがあった。
[編集] 陸軍

総兵力約20万人。陸軍総司令部の下には、3個(第6、8、10)軍団司令部、4個(花東、金門、馬祖、澎湖)防衛司令部、後勤司令部、防空ミサイル指揮部、航空特戦司令部、督察長室、陸軍訓練基準則発展委員会等がある。詳細については中華民国陸軍の項目を参照。
[編集] 編成
- 第6軍団 - 軍団本部:桃園中(土歴)。約5万人。
- 第249機械化歩兵師団 - 林口。別名「竜虎部隊」
- 第226歩兵師団 - 関渡。
- 第206歩兵師団 - 新竹。
- 予備師団×2個
- 第42装甲旅団 - 林口。
- 第51装甲旅団 - 新竹湖口。
- 防空ミサイル群×1個
- 第62空挺旅団 - 龍潭。快速反応部隊。
- 第10軍団 - 軍団本部:台中。約5万人。
- 第234歩兵師団 - 後里。
- 予備師団×4個
- 第64装甲旅団 - 後里。
- 第95装甲旅団 - 屏東万金。
- 第8軍団 - 軍団本部:旗山。約4万人。
- 第109機械化歩兵師団 - 嘉義内角。
- 第333歩兵師団 - 九曲堂。
- 予備師団×2個
- 第86装甲旅団 - 旗山。
- 第73装甲旅団 - 将軍山。
- 第71空挺旅団 - 燕巣。
- 第298旅機械化歩兵団 - 屏東万金。
- 花東防衛司令部 - 約7千人。
- 予備師団×1個
- 金門防衛司令部 - 約2万5千人
- 独立旅団×3個
- 予備師団×1個
- 馬祖防衛司令部 - 約1万人
- 第193守備旅団
- 第194守備旅団
- 澎湖防衛司令部 - 約1万人
- 歩兵師団×1個
- 第503装甲旅団
[編集] 装備
- M60A3型戦車×460両
- CM11型戦車×450両 - M48H
- CM12型戦車×250両 - M48A5
- M113型装甲兵員輸送車×1,200両以上
- CM-21型装甲兵員輸送車×1,000両以上
- パトリオットミサイル(愛國者飛彈)×200発
- 天弓I型/II型ミサイル×400発
- ホークミサイル(鷹式飛彈)
- AH-1W型攻撃ヘリコプター×63機
- UH-1H多用途ヘリコプター×118機
- CH-47SD型輸送ヘリコプター×9機
[編集] 海軍


兵員数は5万強である。編成としては、海軍総司令部の下に、艦隊司令部・陸戦隊司令部・教育訓練暨準則発展司令部・後勤司令部などが置かれている。詳細は中華民国海軍の項目を参照。
[編集] 編成
- 第1軍区 - 本部:左営。
- 第124駆逐艦隊 - ペリー(成功)級
- 第192水雷艦隊
- 登陸艦隊
- 勤務艦隊
- 潜艇戦隊
- ミサイル快速艇大隊
- 第2軍区 - 本部:馬公。
- 第146駆逐艦隊
- 第3軍区 - 本部:基隆。
- 第131巡防艦隊 - ラファイエット(康定)級
- 蘇澳(中正)基地
- 第168巡防艦隊
[編集] 装備
- 基隆級ミサイル駆逐艦×2隻(今年度2隻追加予定) - アメリカのキッド級
- 康定級フリゲート×6隻 - フランスのラファイエット級のバリアント
- 成功級フリゲート×7隻 - アメリカのオリバー・ハザード・ペリー級のライセンス生産
- 済陽級フリゲート×8隻 - アメリカのノックス級
- 旧米ガピーII級潜水艦×2隻
- 海龍級潜水艦×2隻
- 中和級戦車揚陸艦×2隻 - アメリカのニューポート級
[編集] 空軍
総兵力5万強。空軍総司令部の下には、政治作戦部、作戦司令部、防空砲兵司令部、訓練司令部、後勤司令部等がある。F-16A/B戦闘機100機、経国戦闘機(F-CK-1戦闘機 IDF経国型)130機、ミラージュ2000戦闘機60機、F-5戦闘機100機を保有し、2006年には最新のE-2Hawkeye 2000を導入した。有事の際には、全国56ヶ所の飛行場(空軍基地12ヶ所、国際空港2ヶ所、その他42ヶ所)の外、高速道路も48時間以内に軍用滑走路に転用することができる。
従来は台湾海峡の制空権を維持できるとされてきた。しかし、近年は中国空軍の近代化により、台湾空軍の優勢が揺らいでいるとの見方もある。既にF-5戦闘機が耐用年数を迎えつつあり、台湾国防部はF-16C/Dの導入予算を求めている。しかし、立法院で承認されていないほか、他の兵器購入予算の早期成立を求めるアメリカ政府も売却承認を保留している。また、ミラージュ2000についても運用コストがF-16の3倍にも及ぶため、平時の運用を中止して非常用のみとして保存する案や、将来的にF-16に置き換えることも検討されている。なお、台湾国防部はF-15やF-35にも興味を示しているが、アメリカ政府は今の所、取り合う意向はないようである。そのため、当面はF-CK-1(IDF経国号)の改良も継続されている。詳細については中華民国空軍の項目を参照。
[編集] 編成
- 桃園飛行場 - 滑走路3,350m。
- 第8 (828) 戦術戦闘機連隊第8大隊 - F-5E/F×2個中隊。
- 第4偵察中隊 - RF-5E。
- 新竹南寮飛行場 - 滑走路3,600m。
- 第2 (499) 戦術戦闘機連隊第11大隊 - ミラージュ-2000-5×3個中隊。
- 嘉義(水上)飛行場 - 滑走路3,335m。
- 第455戦術戦闘機連隊第4大隊 - F-16×3個中隊。
- 救難中隊 - S-70C。
- 台中清泉崗飛行場 - 滑走路3,600m。
- 第3 (427) 戦術戦闘機連隊第3大隊 - IDF×3個中隊
- 測試基評価中隊 - IDF。
- 岡山飛行場 - 滑走路2,350m。主として空軍軍官学校が使用。
- 基礎教練大隊 - T-34C。
- 戦闘教練大隊 - AT-3。
- 空運教練大隊 - B-1900C。
- 第35海上攻撃中隊
- 台南飛行場 - 滑走路3,356m。
- 第1 (443) 戦術戦闘機連隊第1大隊 - IDF×3個中隊
- 屏東飛行場 - 滑走路2,400m。
- 第6 (439) 運輸反潜連隊
- 第10空運大隊 - C-130H×2個中隊。
- 第20電戦大隊 - E-2T×1個中隊、C-130HE×1個中隊。
- 第6 (439) 運輸反潜連隊
- 台東(志航)飛行場
- 第7 (737) 戦闘訓練連隊第7大隊 - F-5E/F×2個中隊。
- 戦術訓練基発展中心 - F-5E/F。
- 花蓮飛行場 - 滑走路2,700m。
- 第5 (401) 戦術戦闘機連隊第5大隊 - F-16×2個中隊。
- 第12偵察中隊 - RF-16。
- 佳山基地
- 澎湖馬公基地
防空砲兵司令部は、桃園に位置し、4個(北部、中部、南部、東部)警衛指揮部、8個防砲団を管轄している。
[編集] 装備
- F-CK-1戦闘機(IDF、経国型)
- F-16A/B (Block 20) 戦闘機
- ミラージュ2000-5戦闘機(幻象2000-5)
- F-5E戦闘機(中正型)
- C-130H輸送機
- B-1900C輸送機
- E-2T早期警戒機
[編集] 憲兵
憲兵(けんぺい)とは、憲兵司令の管轄に属し主として軍事警察を掌り兼て行政警察、司法警察を掌る兵科の一種である。総兵力約1万5千人。憲兵司令部の下には、4個(第202、203、204、205)指揮部、憲兵学校、憲兵隊、憲兵特勤隊 (MPSSC)、刑事鑑識センター等がある。
[編集] 編成
- 202指揮部 - 指揮本部:台北市。
- 211營-総統府衛戍營。
- 213營
- 222營
- 225營-裝甲憲兵營。反恐機動打擊部隊。
- 228營-炮兵憲兵營。
- 229營
- 239營-裝甲憲兵營。反恐機動打擊部隊。
- 314營
- 332營
- 350營-機場防衛營。
- 203指揮部 - 指揮本部:台中市。
- 240營
- 318營
- 204指揮部 - 指揮本部:高雄市。
- 205指揮部 - 指揮本部:板橋市。
- 320營
- 憲兵隊
- 台北市憲兵隊
- 東區憲兵隊
- 南區憲兵隊
- 西區憲兵隊
- 北區憲兵隊
- 宜蘭憲兵隊
- 基隆憲兵隊
- 板橋憲兵隊
- 桃園憲兵隊
- 中壢憲兵隊
- 新竹憲兵隊
- 苗栗憲兵隊
- 豐原憲兵隊
- 台中憲兵隊
- 南投憲兵隊
- 彰化憲兵隊
- 雲林憲兵隊
- 嘉義憲兵隊
- 新營憲兵隊
- 台南憲兵隊
- 高雄憲兵隊
- 鳳山憲兵隊
- 屏東憲兵隊
- 花蓮憲兵隊
- 台東憲兵隊
- 澎湖憲兵隊
- 金門憲兵隊
- 馬祖憲兵隊
- 刑事鑑識センター
- 化學鑑識組
- 物理鑑識組
- 現場勘查組
[編集] 裝備
- V150S型装甲兵員輸送車
- 雲豹八輪装甲兵員輸送車
- 反裝甲火箭發射器
- T-91 戰鬥步槍
- 120mm迫擊砲
- AT-4反装甲火箭
- SMAW反装甲火箭
- M-82A1M型反物質狙擊槍
- M24A1型7.62mm手動狙擊槍
[編集] 関連項目
[編集] 関連リンク
- 中華民國國防部(中国語)
- 日本周辺国の軍事兵器 - 台湾軍
カテゴリ: 書きかけの節のある項目 | 中華民国 | 中華民国の軍事