台湾有事
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台湾有事(たいわんゆうじ)台湾に外国の軍隊が攻めてきた場合や、台湾における大規模自然災害の発生のこと。とくに、中華人民共和国(中国)の人民解放軍が台湾に侵攻し、中華民国が崩壊する事態を指すことがある。中華人民共和国政府は台湾を「不可分のひとつ」としており、台湾独立派分子に対する「非平和的手段」を取ることを合法化した反国家分裂法を成立させた。台湾が独立を宣言した際に、中華人民共和国が軍事侵攻し有事が勃発するのではないかという推測も一部にある[要出典]。
目次 |
[編集] 台湾有事を巡る動き
1996年に行われた台湾総統選挙で、李登輝優勢の観測が流れると、中国軍は、選挙への恫喝として軍事演習を強行し、基隆沖海域にミサイルを撃ち込むなどの威嚇行為を行ない、台湾周辺では、一気に緊張が高まった。人民解放軍副総参謀長の熊光楷中将は、アメリカ国防総省チャールズ・フリーマン国防次官補に「台湾問題に米軍が介入した場合には、中国はアメリカ西海岸に核兵器を撃ち込む。アメリカは台北よりもロサンゼルスの方を心配するはずだ。」と述べ、米軍の介入を強く牽制した[1]。アメリカ海軍は、これに対して、台湾海峡に太平洋艦隊の通常動力空母インデペンデンスとミサイル巡洋艦バンカー・ヒルなどからなる空母機動艦隊、さらにペルシャ湾に展開していた原子力空母ニミッツとその護衛艦隊を派遣し、クリストファー国務長官は、「アメリカは、必要な場合には、台湾を助けるため、台湾に近づく」と警告した[要出典]。中国軍は、この動きになすすべがなく、軍事演習を中止せざるを得なかった。中国軍は、この事件を受けて、J-7をもとに改良したJ-8やSu-30MKK(J-13)などを導入した。
2005年、中国は、台湾への武力侵攻を選択肢として肯定する反国家分裂法を制定させた。それを受け、人民解放軍に近いとされる閻学通清華大学国際問題研究所所長が、『国際形勢与台湾問題予測』という本を著し、その中で、「台湾独立派は、2008年の北京オリンピック開会式に合わせて、台湾独立宣言を行う可能性が高い」とし、「先制的な軍事攻撃でその意図をくじく必要がある。台湾海峡で軍事衝突が発生すれば、我が国の内需は極限まで拡大し、海外からも投資が流入する。台湾の軍事的な封じ込めに成功すれば、中国は世界第二の強国に躍り出るであろう。」と主張した[2]。
日本政府はこの台湾問題に対して中立の立場を示しているが、2005年、日米の外交防衛担当閣僚が出席して行われた「日米安全保障会議」において、「台湾問題の平和的解決を希望する」とする日米共通戦略目標を発表し、日米両政府が協調して台湾問題への「関心」を表明した。日本国内にはアメリカ軍基地が存在するため、実際に台湾有事が発生した場合、日本国内の基地がアメリカ軍の出撃拠点になるのは確実であり、日本も後方支援などの協力を求められると見られる。そのため、中国側の攻撃が日本にも指向する可能性がある。とはいえ、日本にとっても台湾とその周辺海域の失陥は非常に重要な問題であり、注視が必要な事態である。
[編集] 戦略的検討
台湾側の航空戦力は台湾軍はF-16戦闘機を120機とミラージュ2000を60機、国産のF-CK-1 経国戦闘機を150機、新型レーダーをつけたF-5戦闘機を100機保有している。それに対し、中国側はSu-27172機(J-11)、Su-30MKK100機(J-13)を保有する他、国産のJ-10の配備を始め現在65機を保有している。ただし新型戦闘機はロシア国境にも配備され台湾付近集中ではなく、またJ-10は最新型レーダー採用ができず、ロシア製レーダーの簡易版ジュークRP-35を採用している(『航空ファン』2007/4より)。J-11やJ-13のレーダーも多くは性能をダウングレードして価格を下げた簡易版である。現代戦では高性能レーダーがない限り戦闘機は実用にならず、これらが実戦においてどの程度戦力になるのか疑問と言われている。他にJ-8、J-7Eなどの旧式戦闘機も数百機以上あるが、エンジンが旧式で航続距離が短く、またレーダー性能が悪く旧式にすぎるため、台湾進行時には使用不可能と一般的には見られている。J-8は1950年代の設計のMiG-21の拡大改良版だが、無理に機体を拡大したため強度が落ち飛行中に機体が破損するなど戦闘機として使用不可能と言われている(田岡の著書より)。また台湾軍は2006年に最新のE-2Hawkeye 2000を導入するなど防空能力が高く、現状では中国軍が台湾に侵攻するのは極めて困難との見方が強い。ただし、台湾国防部はJ-10が台湾に配備されているF-16A/B相当であると評価している[3]。
ただし日本の防衛白書でも中国の近代的装備の急速な増加を懸念材料としている。また、米国の国防省年次報告書でも中国を潜在的脅威としている(何年号何ページ?)[要出典]。もっとも、これは米軍の予算獲得のための広報活動の意味が強く、実際に中国人民解放軍がどの程度の侵攻能力があるかは不明である。とはいえ中国脅威論が論じられる背景には、中国軍の不透明な実態も一因である事も否定できない。
台湾と中国のみで物量戦に至った場合には、双方大量の犠牲を払いつつ台湾が敗北するのではないかという推測もある[要出典]。それに対し以下の二つの考え方があるが、中国本土沖わずか12キロの金門島さえ台湾が占領し中国は手が出せない状態であり(田岡の記事参照)、軍事専門家の多くは、現状では台湾敗北の可能性は低いという見方が多い。
- 現実には中国人民解放軍の能力にはかなりの問題があり、台湾海峡の制空権と制海権を取った上で、数万人分の軍を海峡をこえて上陸させ、かつ補給を続けるのは困難である。以下の田岡の文献のように、中国の兵員輸送能力は2万人程度であり、レーダーや潜水艦等の性能が低いもの多い。通常型潜水艦の多くは1944年に完成したXXI型潜水艦をコピーしたロメオ級潜水艦か明級(改ロメオ級)で、あまりにも旧式で現代戦では役に立たない。漢級原子力潜水艦のうち行動可能なのは2隻のみである。現時点で台湾と中国が戦争となった場合は、米国が参戦する可能性も高い為、そのような台湾有事が発生する可能性は低い。
- 中国軍は近代的装備の質、訓練などにおいては台湾に劣っていると考えられる。そのため、中国側の攻撃はまず弾道ミサイルと巡航ミサイルにより行われる。こうした神経戦はイラク戦争を参考にしたといわれる[要出典]。台湾国防部の発表によれば、台湾対岸には880基の短距離弾道ミサイルと100発の巡航ミサイル「東風10型」が配備されている[4]。通常軍の近代化も急速であり、その片鱗は輸出用の武器、装備などでうかがい知ることができる[要出典]。また、中国軍は全軍の三分の一を台湾対岸に配置している。現状、中国軍がめざすハイテク環境下の局地戦は明らかに台湾を指向したものであり、米英の分析では中国有利となっている。また、揚陸兵力についても強襲上陸はほとんど考えられず、橋頭堡を築いたのちに民間船舶を徴用し、数万単位で師団を輸送可能とする説[要出典]もある。
[編集] 参考
- ^ 「核武制美—朱成虎不是第一位」『博訊』2005年7月17日
- ^ 矢吹晋「ナショナリズム熱中症の中国『バブル大学教授』」21世紀中国総研Webサイト
- ^ 「中國殲10量產 16架部署浙江」『自由時報』2007年1月24日
- ^ 「中國殲10量產 16架部署浙江」『自由時報』2007年1月24日
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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