丸の内シャトル
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丸の内シャトル(まるのうちシャトル)とは、東京駅の西側:東京都の大手町・丸の内・有楽町地区を周回する無料巡回バスである。日の丸自動車興業が運行し、運行経費は周回ルート沿線の企業・施設の協賛金で賄っている。
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[編集] 概要
東京都心の丸の内地区を中心に、大手町地区から有楽町地区までの範囲を循環するバス路線である。
毎日10時台~20時台まで15分間隔で運行される他、平日のみ8時・9時台は通勤輸送のため丸の内・大手町地区のみの循環運行が行われる。
平日の8・9時台、平日の10時台~20時台、休日のそれぞれで運行経路が変わるほか、近隣でイベントが開催される場合には延長運行が行われることもある。(後述)
無料かつ予約不要であるため、この近辺での移動には便利な交通機関である。
[編集] 運行経路
- 【 】内は通りの名称でバス停ではないので注意。《 》内は停留所がない経由地。
※新丸の内ビルは2004年9月から建て替え工事のため休止、三菱UFJ信託銀行本店前を代替停留所として設置
平日10時台~20時台・休日10時台~20時台
- 三菱UFJ信託銀行本店 →【大名小路】 → みずほ銀行(東京中央支店:旧富士銀行本店) → 東京サンケイビル → 《日本経済新聞社・日本経団連・KDDI大手町ビル》→ 読売新聞 →【日比谷通り】→ 【永代通り】 → パレスホテル → 【内堀通り】 →《和田倉噴水公園》→ 郵船ビル →【日比谷通り】→ 丸の内マイプラザ(明治安田生命保険) → 東京會舘 → 第一生命 → 三信ビル(日比谷三井ビル前) →【晴海通り】→【大名小路】→ 新国際ビル(ビックカメラ前) → 三菱ビル →《丸の内ビル》→ 三菱UFJ信託銀行本店
- 一周あたりの距離:平日4.2km、土曜・休日4.0km
- 休日は三信ビル前が歩行者天国になるため、晴海通りをショートカットし、三信ビルは経由しない。
- なお、日曜日にパレスサイクリングで通行止めになる内堀通りのパレスホテル周辺はホテル関係車両として通行しており、この部分だけ特別に車線が確保されているために休日でもこの付近は運行される。
平日8時・9時台
- 三菱UFJ信託銀行本店 →【大名小路】→ みずほ銀行 → 東京サンケイビル → 《日本経団連》 → 読売新聞社 →【日比谷通り】→ 【永代通り】 → パレスホテル → 【内堀通り】 → 《和田倉噴水公園》 → 【行幸通り】 → 三菱UFJ信託銀行本店
- 一周あたりの距離:2.1km
- 平日8時~10時はパレスホテルから行幸通り経由で三菱UFJ信託銀行本店に直行する。
- 以前は南側でも朝は三菱ビルから丸の内ビルの北側を通って郵船ビルへ短縮していた。
[編集] 主なスポンサー
スポンサーは車両後部に表記されるほか、車内のテレビでは一部企業のCMも放映される(太字)。丸の内という地域柄三菱グループ色が強め。
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ(三菱東京UFJ銀行・三菱UFJ信託銀行・三菱UFJ証券・ディーシーカード)
- 東京海上日動火災保険
- 日本郵船
- 三菱商事
- 三菱地所
- 竹中工務店
- 東京會舘
- ビックカメラ
- 読売新聞社(読売新聞ニュースを車内で放送)
- サンケイビル(産経新聞社ニュースを車内で放送)
- 明治安田生命保険
- 第一生命保険
- 日本政策投資銀行
- パレスホテル(車寄せに停留所を設置)
- みずほフィナンシャルグループ
- 東京電力
- 丸の内熱供給(地域冷暖房)
[編集] 延長運転・経路変更
丸の内シャトルは沿線地域の催事に合わせて、主催者の依頼で臨時に運行経路を変更することがある。
- 東京国立近代美術館への延長
- 2004年に北の丸公園の東京国立近代美術館で開催された尾形光琳の企画展「琳派展」の来館者輸送のため、8月21日~10月3日の土曜・休日に東京国立近代美術館までの延長運行が実施された。一周あたり約6.8km(土曜)/7.8km(日曜)、所要時間が約45分に延びたため予備車1台が応援に入り、3台体制で運行された。美術館前にある代官町通りの構造上、一度美術館の前を通過し、北の丸公園内で転回して美術館前に停車した。2006年8月19日~10月15日の土曜・休日にも同館で開催された「モダン・パラダイス展」の来館者輸送で実施された。
- 千代田区桜祭りに伴う九段・神田方面への延長
- 2006年4月1日・2日に九段の千代田区役所・靖国神社周辺での観桜と千代田区北東部への回遊に対応すべく、九段下・神田神保町・神田小川町・神田駅方面へ延長運転された。延長部を含めた8の字状の経路(約9.3km)を約1時間で周回、運転士の交替は千代田区役所で行われ、予備車2台が加わった4台体制で運行された。車両には「桜祭り号」のステッカーを掲出、千代田区観光協会と沿線商店会の協賛で靖国通り・外堀通り等に臨時停留所も設けられた。
- 2007年3月31日・4月1日運行分は経路が外神田地区(秋葉原電気街)へも拡大されたことで、一周約10.9km、所要時間が1時間15分に延びたため、専用車・予備車各2台にくわえ、更に東京ベイシャトル仕様車1台が応援に加わり、5台体制で運行された。※chiyoda-day's「千代田区のさくらまつり期間中のイベント一覧」参照
- 東京マラソンに伴う経路短縮
- 2007年2月18日に開催された東京マラソンでは、晴海通りがマラソンコースになった関係で東京會舘・第一生命館・新国際ビルの3か所が休止(土休日は休止される三信ビルを含めると4か所)になり、10時00分から15時30分まで丸の内マイプラザ(明治生命館)~三菱ビルを鍛冶橋通り経由でショートカットした。
※東京国立近代美術館など皇居北側方面へ延長運転する際は、日曜日のみ延長ルートの一部が歩行者天国(パレスサイクリング)になるため、日曜日とそれ以外の延長区間運行日で延長ルートへの出入口及び経路が異なる。(千代田区桜祭りの延長運行では土曜日でも日曜日のルートを適用)
- 日曜日のルート
- 東京サンケイビルを出発後に鎌倉橋交差点から首都高速道路都心環状線の北側に沿って延長区間へ入り、神田橋交差点~読売新聞から通常ルートへ復帰する。日比谷方面へ急ぐ場合はサンケイビル~読売新聞の間を徒歩でショートカットして前のバスに乗り継ぐ必要がある。雨天でパレスサイクリングが中止になった場合の扱いは不明。
- 土曜日および祝日・国民の休日が月曜日~金曜日の場合のルート
- パレスホテル前の大手門交差点から内堀通りへ出入りする。日比谷方面へ急ぐ場合はパレスホテルの手前で降り、停留所があるホテルの車寄せで前の便に乗り継ぐ。
[編集] 運行車両
「低公害」「低騒音」「低床」のニュージーランド・デザインライン製タービン電気バス(ハイブリッドバス)を専属で使用している。なおメトロリンク日本橋開業までは同線で活躍する2台も簡易な装飾を施して丸の内シャトルで運用していた。
- EV-01 CHRISTCHURCH(クライストチャーチ)
- EV-05 ASHBURTON(アッシュバートン)※デザインラインの工場所在地
基本的にはこの2台による運行となるが、定期点検や故障などの際の代替予備、延長運転の際の応援として、MAN製ディーゼルエンジンを搭載したデザインライン製ノンステップバスで運行される場合がある。定期点検の場合は必ず1台はタービン電気バスで運行するように点検スケジュールを調整するが、まれに2台ともディーゼル車になることがある。