久留米・鳥栖 テレビ・FM放送所
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久留米・鳥栖 テレビ・FM放送所(くるめ・とす―・えふえむほうそうじょ)は福岡県筑紫郡那珂川町と佐賀県鳥栖市にまたがる九千部山に存在するテレビ、ラジオ放送などの送信所である。
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[編集] 概要
- 地上デジタル放送、地上アナログテレビジョン放送、FMラジオ放送の送信を行っており、福岡県の筑後地方と佐賀県の東部が主なエリアだが、北は福岡都市圏、東は大分県西部、西は佐賀県西部、南は熊本県北部と、九州北部の広範囲の地域に住む世帯が利用する。
- 地上デジタル放送はエリアを同一都道府県に絞るよう定められている。また、佐賀デジタル親局は従来の日の隈山からここに移されている。このため、久留米局は南東と北側に、佐賀親局は南西に、それぞれ指向性をかけなければならなくなった。
- アナログ放送に関しては筑後・佐賀地区はもちろんのこと、福岡都市圏においてもこの電波を受信する世帯が多い。理由として次のような事が挙げられる。
- 元々山の標高が高く、しかも重要な中継局であるため出力も大きく、結果、福岡都市圏でも十分に受信可能である事。
- 1993年6月にVHF局の送信所が福岡タワーに一本化されるまで、各局は自局の局舎横の鉄塔からバラバラに送信しており(NHK福岡放送局=福岡市中央区天神から総合テレビ3ch・教育テレビ6ch,RKB毎日放送(RKBテレビ)=福岡市中央区渡辺通から4ch,九州朝日放送(KBCテレビ)=福岡市中央区長浜から1ch,テレビ西日本(TNC)=福岡市南区高宮から9ch)、綺麗な画像を受けるためにVHFアンテナを何本も立てるより、UHFアンテナ1本ですむ久留米局を受信する世帯が多かった。(福岡市中央区内ではVHFアンテナが最大4つ必要な地区もあった。)
- 福岡都市圏における建造物の高層化で、福岡タワーや鴻巣山(民放UHF局の送信所がある)の電波がゴーストなどの電波障害を受け、受信困難になる地域が増加していること(ただ、デジタル放送では大幅な改善が見込まれる。デジタル放送の送信所はすべて福岡タワーに集約されている)。
- FMラジオに関してはテレビ程の問題点が無い上、出力も福岡本局の方が大きいため、本局を受信しているリスナーが圧倒的であると見られるが、福岡市周辺でも各FM局の福岡親局のある福岡タワー(NHK-FM放送・エフエム九州)や鴻巣山(エフエム福岡)が地形的に遮られ良好に受信できない場合、サブ局としての位置づけで久留米局を受信している地域もある。
[編集] 沿革
- 1964年(昭和39年)に、まずNHKと福岡のVHF民放3社が、九千部山に久留米中継局を開設。
- 当初は耳納山系に設置することも検討されたが、九千部山に設けた方が筑後の広い範囲をカバーできるとして、最終的に九千部山に決まった。
- しかし、県境地域に設けられたこともあり、電波は佐賀県など周辺地域にも広がった。その結果、佐賀県は地元テレビ局がサガテレビ1社のみとなった。
- その後、佐賀県の放送局もこの九千部山に鳥栖市向け中継局を設置した。
- 2006年12月1日、地上デジタルテレビジョン放送開始。久留米での放送が遅れたのは、エリア調整により佐賀県での放送開始に合わせたため。
[編集] 親局と中継局の区分
ここでは、親局と中継局が複雑に入り混じっている。以下に整理する。※はアナログ・デジタル両方。
[編集] 親局
[編集] 中継局
- NHK福岡総合テレビジョン 久留米テレビジョン中継放送局※
- NHK福岡教育テレビジョン 久留米テレビジョン中継放送局※
- RKB毎日放送 久留米テレビジョン中継放送局※
- 九州朝日放送(KBC) 久留米テレビジョン中継放送局※
- テレビ西日本(TNC) 久留米テレビジョン中継放送局※
- 福岡放送(FBS) 久留米テレビジョン中継放送局※
- TVQ九州放送 久留米テレビジョン中継放送局※
- NHK福岡FM放送 久留米超短波中継放送局
- エフエム福岡(fm fukuoka) 久留米超短波中継放送局
- エフエム九州(CROSS FM) 久留米超短波中継放送局
- NHK佐賀総合テレビジョン 鳥栖テレビジョン中継放送局(注:教育テレビアナログ放送の鳥栖局は無く、久留米局を代わりに視聴)
- サガテレビ 鳥栖テレビジョン中継放送局
- エフエム佐賀(FMS) 鳥栖超短波中継放送局
[編集] 地上デジタルテレビジョン放送送信設備
放送局名 | コールサイン | チャンネル | リモコンキーID | 空中線電力 | ERP | 放送対象地域 | 放送区域内世帯数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
久留米デジタルテレビジョン中継放送局(久留米中継局) | |||||||
NHK福岡総合 | - | 17 | 3 | 30W | - | 福岡県西部 | 927,399世帯 |
NHK福岡教育 | 13 | 2 | 全国放送 | ||||
RKB毎日放送(RKBテレビ) | 30 | 4 | 福岡県 | ||||
九州朝日放送(KBCテレビ) | 31 | 1 | |||||
テレビ西日本(TNC) | 29 | 8 | |||||
福岡放送(FBS) | 21 | 5 | |||||
TVQ九州放送(TVQ) | 26 | 7 | |||||
佐賀デジタルテレビジョン放送局(佐賀送信所) | |||||||
NHK佐賀総合 | JOSP-DTV | 33 | 1 | 100W | - | 佐賀県 | 342,121世帯 |
NHK佐賀教育 | JOSD-DTV | 25 | 2 | 全国放送 | |||
サガテレビ(STS) | JOSH-DTV | 44 | 3 | 佐賀県 |
- 福岡県側の放送局は全局福岡タワー局の中継局扱い、佐賀県側の放送局は全局親局である。
- 全局2006年12月1日放送開始。開始当初の空中線電力は福岡県側が3Wで、佐賀県側が10W。放送区域内世帯数は福岡県側が349,874世帯で、佐賀県側が210,086世帯。なお、福岡県側は2007年年1月15日に30W(フルパワー)で放送開始。また、佐賀県側は試験放送の段階でフルパワー放送しても大きな問題が無かったと判断されたためか、当初から100Wで放送している模様である。
[編集] 地上アナログテレビジョン放送送信設備
放送局名 | チャンネル | 空中線電力 | ERP |
---|---|---|---|
久留米テレビジョン中継放送局(久留米中継局) | |||
NHK福岡総合 | 46 | 映像300W/音声75W | 映像3.9kW/音声970W |
NHK福岡教育 | 54 | ||
RKB毎日放送(RKBテレビ) | 48 | 映像4.1kW/音声1kW | |
九州朝日放送(KBCテレビ) | 57 | ||
テレビ西日本(TNC) | 60 | ||
福岡放送(FBS) | 52 | ||
TVQ九州放送 | 14 | 映像4kW/音声1kW | |
鳥栖テレビジョン中継放送局(鳥栖中継局) (数字)はアナアナ変換前のもの |
|||
NHK佐賀総合 | 62(26) | 映像30W/音声7.5W | 映像670W/音声165W |
サガテレビ(STS) | 23(28) |
- 鳥栖中継局は、福岡タワー局の地デジ開始のために、チャンネル変更策がとられた。
[編集] FMラジオ放送送信設備
放送局名 | コールサイン | 周波数 | 空中線電力 | ERP |
---|---|---|---|---|
久留米中継局(Love FMは福岡送信所) | ||||
NHK福岡FM久留米局 | - | 83.4MHz | 30W | 140W |
fm fukuoka久留米局 | 82.1MHz | |||
CROSS FM久留米局 | 86.5MHz | |||
Love FM福岡送信所 | JOFW-FM | 76.1MHz | 1kW | 1.85kW |
鳥栖中継局 | ||||
FM佐賀鳥栖局 | - | 79.7MHz | 20W | 100W |
[編集] 送信所
[編集] アナログ放送
- NHKは久留米中継局全波と佐賀アナログテレビの鳥栖中継局を同じ場所(那珂川町)から送信。TVQ・CROSS FMとLove FMはNHKの設備を間借りしている(TVQの鉄塔は別)。
- RKB・KBCとTNCはアナログは共同建設(那珂川町側)、FBSも後からこの施設を利用。
- fm fukuokaは親会社でもある九州電力の業務用無線基地から送信。
- stsアナログは単独で(鳥栖市内側)、FM佐賀はstsの設備を間借り。
[編集] デジタルテレビ放送
- 久留米中継局とNHK佐賀親局はNHK鉄塔のアナログアンテナ上部にデジタルアンテナを全局共同で設置(那珂川町)。従って、佐賀県域のテレビ親局が福岡県に設置される形となった。
- 配置は上部よりNHK佐賀デジタル、NHK福岡・福岡民放デジタル、NHK福岡アナログ。NHK福岡・福岡民放はアナログ同様、デジタルも福岡方面にも送信アンテナを設置。
- 局舎はNHKが久留米・佐賀共同。民放は5局共同でRKB・KBC・TNC・FBSアナログ局舎の北側に建設。
- stsは鳥栖中継局の鉄塔上部にデジタルアンテナを設置。
[編集] 福岡県における佐賀県域局の受信状態
福岡県域局の佐賀県内での受信状態は容易に想像できるが、ここでは特に福岡県内での九千部山に送信所を置く佐賀県域局の受信状態について述べる。
- かつてsts鳥栖アナログ中継局は鳥栖方面だけでなく、福岡県筑後地方はもとより福岡方面でも福岡市南区、那珂川町、春日市、大野城市、太宰府市などの一部地域で受信可能であったが、アナログ周波数変換対策によりUHF28chから23chに変更されてから、TVQ北九州局と同一chの混信により若干受信できる範囲が狭まった(福岡市周辺はもとより鳥栖市周辺でも同様の混信が見られる地域がある)。なお、NHK佐賀アナログ総合鳥栖中継局も、アナログ周波数変更(UHF26chから62ch)によりTNC須恵局の混信があるため、福岡市方面での受信はほぼ不可能となった。
- デジタル放送の佐賀親局については、NHK佐賀とstsは佐賀県方面へ指向性を絞って送信しており、両局では福岡県における法定エリアを筑後川沿いの地域のみとしている。福岡市周辺でこれを受信するのは極めて難しい状態であるとみられている。
- FM佐賀鳥栖中継局についても、やはりかつてのsts同様、福岡県筑後地方はもとより福岡市方面でも受信できる地域がある。条件が良ければ福岡市を越えて糟屋郡新宮町付近まで電波が飛来していることもある。特に福岡県域のJFN系列・FM福岡の自社制作率が非常に高いことから、JFN制作のネットされていない番組をFM佐賀鳥栖局で聴取している福岡市周辺のリスナーも少なくないと思われる。
[編集] 関連項目
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