久留米工業高等専門学校
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久留米工業高等専門学校(くるめこうぎょうこうとうせんもんがっこう)は、福岡県久留米市にある国立の高等専門学校である。
経営が行政法人に移行したため、正式名称は独立行政法人国立高等専門学校機構久留米工業高等専門学校となる。
通称久留米高専。
目次 |
[編集] 沿革
- 1939年5月 久留米高等工業学校設立(旧制)。
- 1944年4月 久留米工業専門学校に改称。
- 1949年5月 九州大学に包括される。
- 1951年3月 閉校。
- 1958年4月 久留米工業短期大学設立。
- 1961年4月 附属工業高等学校設立。
- 1964年4月 附属工業高等学校を廃止し、久留米工業高等専門学校設立。機械工学科2学級、電気工学科、工業化学科、金属工学科を設置。
- 1966年3月 久留米工業短期大学廃止。
- 1987年4月 金属工学科を材料工学科に改名。
- 1991年4月 機械工学科2学級のうち1学級を制御情報工学科へ改組。
- 1993年4月 専攻科開設。
- 1996年4月 工業化学科を生物応用化学科に改組。
- 2001年4月 電気工学科を電気電子工学科に改組。
- 2004年4月1日 独立行政法人に移行。
[編集] 概要
現在の高専制に移行したのは最初の高専設立から2年後だが、旧工専時代から続く伝統ある高専。
「自立の精神」を設立当初からの教育理念に掲げており、学生は入学と同時に自身の行動に責任を問われる。
学生の活動に対する教職員の関与は極端に少なく、大学同様、学生会行事は学生自らの手で企画・運営が成されている。
また校内放送による学生や教職員の呼び出し等も無く(通常、放送設備の使用は災害等の緊急時のみ)、
各種連絡は掲示板を主とし、キャンパスライフさながらの学生生活を送ることができる。
他高専にはない特徴として車両通学は4年生以上に関しては基本的に認められており、学生課に届け出れば自動車や二輪車で通学することができる。
届出に関する規則は厳格化されたものの、距離制限等は緩いため、殆どの学生に通学資格が与えられる。
当然、運転免許の取得が最低条件となるが、免許の取得自体に制限は存在しない。
雰囲気や制度、規則など、様々な点で大学寄りの高専であるといえる。
[編集] 設置学科
[編集] 学科と主な専門科目
- 機械工学科(A) - 機械設計、流体力学、熱力学、材料力学、破壊力学、制御工学、情報処理など
- 電気電子工学科(E) - 電磁気学、電気回路、電子回路、電気電子計測、電気機器、通信工学、情報処理など
- 制御情報工学科(S) - 情報処理、計算機工学、制御工学、機構学、熱/流体工学、電磁気学、電子回路など
- 生物応用化学科(C) - 生物化学コース(遺伝子細胞工学、生物工学など)、応用化学コース(高分子化学、機能有機材料など)
- 材料工学科(M) - 材料力学、材料物性学、無機化学、加工学、金属物理学、流体力学など
この他、全ての学科で実験や実習に多くの時間が設けられている。
[編集] 専攻科
- 機械電気システム工学専攻(定員12名/学年) - 機械工学科、電気電子工学科、制御情報工学科から進学
- 物質工学専攻(定員8名/学年) - 生物応用化学科、材料工学科から進学
本科の卒業生以外にも、他の高専や短期大学の卒業生、社会人の受け入れを行っている。
[編集] 学科略称の由来
通常、学科の略称には学科名を英語表記した際の頭文字が採用される。
よって他高専の機械工学科はMと略されていることが殆どである。
久留米高専の機械工学科は学校の設立当初から存在する学科であり、
金属工学科の改組によって誕生した材料工学科(M)の設置よりも歴史は古い。
それにも関わらず機械工学科をAと略すには理由がある。
久留米高専の設立当初は、機械工学科Aと機械工学科Bの2クラスが設置されており、
略称を単純にA、Bとしていた。後に機械工学科は1クラスとなり、新たに制御情報工学科が新設されたが、
略称だけは学校設立当初のまま残っている。
[編集] 行事
[編集] 恒例行事
- 高専祭(11月初旬)前夜祭、文化祭、体育祭を行う。4年に一度大高専祭を行う。
- 音楽祭(6月頃)
[編集] 過去の行事
- 予餞会(3月頃)卒業生を送り出す恒例行事であったが、平成17年度以降は行われていない。
[編集] 施設
[編集] 一般棟
- 一般教室棟
主に1~2年生が使用する、3階建ての建物。
改修工事により、椅子と机が固定された講義室のような構造に生まれ変わった。
全ての机でLANに接続することができる。また1階には学生課があり、掲示板も設置されている。 ※現在は、何らかの理由でLANが使用できなくなっている。
- 一般研究棟
主に一般科目教員の研究室があり、一般棟と平行して建っている。
化学実験や物理実験、レポート提出以外で学生が立ち入る機会は少ない。
- 管理棟
教員以外の殆どの職員が勤務する場所。校長室や非常勤講師室もある。
一般棟の横に建っている。
[編集] 学科棟
- 機械・材料工学科棟
平成15年度の改修工事により、内部構造が大幅に変更された。
特にガラス張りの教官室は圧巻。1階のホールには応接セットが置かれているが、主な使用者は学生である。
- 電気電子工学科棟
2006年10月現在、改修工事中。機械・材料棟と似た構造になるといわれている。
- 制御工学科棟
他の専門棟と比較して小さな建物で、周りを各学科棟に囲まれている。
- 生物応用化学科棟
比較的新しい、4階建ての建物。改修され、選択科棟と連結された。
1階には貴重品用のロッカーが置かれている。また連結された選択科棟は、屋上にヘリポートのマークがある。
- 専攻科棟
専攻科生のみが使用するわけではないが、この名称が付けられている。
建物の裏側には学生駐車場がある。
- D教室
機械・材料棟と電気棟を繋ぐ部分に存在する講義室群。D1~4の4つの講義室から成り立つ。
一番広い部屋には200名程が収容でき、大学の大講義室のような構造になっている。出口に屋根が無いのが難。
- 実習工場
[編集] 運動施設
- 第一体育館
体育の授業や部活等の他、集会等で使用する。
第一体育館のある場所には以前、講堂が存在していた。
更に昔、講堂は現在の化学科棟の場所にあったのだが、学生が皆でそれを動かしたという伝説がある。
- 第二体育館
体育の授業や運動部(バレー、空手など)が使用。第一体育館よりも少し狭い。
- グラウンド
- 野球場
- プール
[編集] 福利厚生施設
- ウェーブホール
食堂と売店が入った施設。以前は床屋(通称セントコ)も営業していた。
食堂のメニュー数は減るものの、平日であれば長期休暇中も営業しており、非常に便利である。
なお、建物の名称は学生から募集して決定されたものである。
- 図書館
閲覧室の他、小さなホールやLL教室等がある。
- 筑水寮
男子寮のみで、学校の敷地の端に位置する。夏場は虫が多い。
寮には寮生専用の食堂があるが、寮生の評判はあまり良いとは言えない。
- 部室棟
2つの建物が存在するが、うち1つは建て直され、ガラス張りの更衣室となった。
部室棟には学校生活を心から楽しむ者達が数多く存在し、総じて一般学生よりも愛校心が強い。
[編集] その他
- 正門
正門と呼べる場所は存在するものの、通路を塞ぐ物体は存在せず、門の機能を果たしていない。
また夜中になると門自体が点灯するというユニークな機能も付いている。
以前はきちんと深夜0時に閉門していた。
- 太陽光発電設備
機械・材料棟と電気棟の屋上には太陽光発電パネルが設置されており、
機械・材料棟の前のモニタで発電量を知ることができる。
[編集] 立地
久留米市の端、小森野に位置し、九州一の長さを誇る筑後川と宝満川の合流地点でもある。
学校を出て北に向かうとすぐに佐賀県鳥栖市に入り、学生には佐賀県出身者も多い。
以前は久留米市街方面への最寄の交通ルートは小森野橋のみであったが、平成12年に2000年橋が開通した。
公共交通機関からのアクセスはそれほど良いとは言い難いが、車両通学が認められるため、
殆どの学生が自宅から通学している。
[編集] 交通アクセス
(西鉄電車 福岡〜久留米は特急30分)
- 西鉄久留米駅からバス20分、西鉄宮の陣駅から徒歩25分
(JR九州 博多〜久留米は快速40分)
- JR久留米駅からバス10分、徒歩25分、自転車15分
- 九州自動車道久留米ICから車で20分
西鉄宮の陣駅やJR久留米駅から自転車で通学する学生が多い。
[編集] 著名な卒業生
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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