今宮純
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今宮 純(いまみや じゅん、1949年2月18日 - )は、モータースポーツジャーナリスト。神奈川県小田原市生まれ。慶應義塾大学文学部図書館情報学科卒業。日本モータースポーツ記者会(JMS)会員。妻はモータージャーナリストで翻訳家の今宮雅子。愛車はルノー・ルーテシア。
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[編集] 経歴
大学時代から自動車研究会に所属する傍ら、アルバイトを兼ねて「カーグラフィック」などの自動車専門誌にレース関連の記事を寄稿。1972年にはヨーロッパへ取材を兼ねたレース観戦旅行に出かけ、F1オランダGPを観戦するが、大学卒業後も就職せず、フリーのジャーナリストとしてレース雑誌を中心に執筆活動を続ける。
1981年からはTBS系で放送された全日本F2選手権・富士GCシリーズのテレビ中継でピットレポーターを務めたほか、世界耐久選手権(WEC)やインディ500のテレビ中継で解説を務めるなど、テレビでの仕事が多くなるが、ちなみにこの頃一緒にピットレポーターを務めていた仲間に安藤優子がいて、ふたり一緒に全日本F2選手権を舞台にした東宝映画「F2グランプリ」(1984年公開)に本人役で出演もしている。
そして1987年にフジテレビがF1の全戦テレビ中継を開始すると同時に解説者として起用され、1994年シーズン終了まで解説を務める。1994年サンマリノGPにおける事故でのアイルトン・セナの死亡が報じられた直後は絶句して言葉にならず、そして号泣しながら『・・・こういう事実から…モータースポーツは続いていくんですね。…来々週はモナコグランプリですが、セナはいませんが、F1は、続いていくわけです!』と、声にならない声で語り、視聴者にも悲劇をリアルタイムで実感させた。
1995年は同じくフジテレビが担当する全日本F3000選手権のテレビ中継で解説を務めるが、ファンからの根強いラブコールに応える形で1996年から再びF1中継の解説に復帰。2003年からはSKY PerfecTV!のフジテレビ721で放送されるF1中継の解説に移り、現在に至る。
また東京中日スポーツが1990年の紙面リニューアルでモータースポーツ面を強化したのに伴い、同紙のスーパーバイザーに就任。現在もその関係は続いている。
[編集] 特徴
- F1中継内では、興奮する余りしばしば実況アナを無視して、川井一仁(かつてはピットレポーター、現在は解説者)と突然専門的な会話を始める事があり、この会話の内容はレーサーの心理や長年の経験から導き出される直感的な物、メカニカルな物であるが、川井一仁の聞き取りにくい、興奮した「今宮さん、***はどうなんでしょうね?」の問いに、的確且つ長年の取材経験から来る珍回答・珍解説は絶品で、中継内では、解説になっていない「あーーダメだーーー」等の“感想”的な発言もあるが、そこも魅力として根強いファンに支持されている。
- 解説中でも涙を流すこともあり、最近では、2006年ハンガリーグランプリにおいて、ホンダが第3期活動で初優勝(100%ワークスチームとして39年ぶり)を遂げた際に、感極まって号泣し言葉に詰まってしまった経験がある。
- 今宮解説の真骨頂は、長年の取材経験と徹底した綿密な取材、クールとホットが混在する所で、知性的で理論的に解説をしていると思えば、瞬間には感情を露わにして興奮していると言う、性格までモータースポーツ的なのかも知れないが、そこが彼の最大の魅力であり、モータースポーツを愛しているのが伝わってくる。
- 反面、その彼の言動が「感情が過ぎる」と批判的な者も少なくないが、特に1995年にF1中継解説を担当していた熊倉重春は、セナ事故死直後の今宮の号泣振りにも手厳しく批判したほどである(これに対しては当時中継現場に同席していた川井が反論する一幕も)。
- ただ、「最近ではピット戦略の多様化が著しい中でCS中継の解説においてしっかりした解説ができない事が多い。」「川井などのほかの解説者と比べると見劣りする。」などと意見しているファンもいる。また、ジンクスを気にする発言や過去の知識を引っ張り出して説明する事も多く、中には「クッとこういう風に─」など擬音を交えて解説するため、ファンから「長嶋みたい。興醒めしてしまう」などの批判もある。
- また「英語を聞き取り訳せないのではないか?」と一部のファンの間で言われており、かつてアラン・プロストに「Is your radio OK?(無線は大丈夫ですか?)」と質問したにもかかわらず、「R」と「L」の発音が誤っていたため「Lady?(女性?)」と嘲笑された経験がある。余談だが、奥さんは英語とフランス語が堪能。
[編集] 主な著書
- F1大百科(勁文社)
- F1ロマネスク(勁文社)
- F1面白クイズグランプリ(講談社)
- F1グランプリパドックパス(講談社)
- F1ドキュメント(山海堂)
- ミスターF1中嶋悟の二十年(小学館)
- モータースポーツジャーナリスト青春編(三樹書房)
[編集] 外部リンク
カテゴリ: F1関係者 | 日本のジャーナリスト | スポーツライター | 1949年生