出前
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出前(でまえ)は、飲食店が自店で提供している料理などの飲食物を希望する顧客宅へ火急に配送するサービスである。
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[編集] 用語
出前は、自店で調理した料理などの飲食物を希望する顧客宅へ配送するサービスである。しかし、同様のサービスであっても、店内に飲食スペースを設けない店や無店舗営業の業者による配送の場合は一般にデリバリーと呼ばれ出前とは区別されるが、「出前専門」という表現をする事もあり厳密に区別されているわけではない。また、パーティー用の洋食や中華料理などの配送はケータリング、祝い事や法事などに用いる和食の弁当や寿司などの配送は仕出しと呼ばれ、区別されることが多い。また、パン、ケーキ、洋菓子などを配送する場合は、配達などとも呼ばれる。出前の場合は、火急に配達することを求める場合が多く、ケータリング、仕出し、ケーキの配達などは事前に予約しておく場合が多いという違いもある。
[編集] 対象商品
出前を行っている飲食店には、寿司、そば、うどん、丼物、ラーメン、中華料理、カレーライスなどを扱う店が多いが、ピザやフライ物などの洋食を届ける場合もある。また、企業の接客用などにコーヒーやジュースなどの飲料を出前する場合もある。出前される飲食物は、配送の都合で内容や量が店舗で出されるものとは異なることがある。
[編集] 出前を行う業種
[編集] 注文
日本においては、注文はほぼ電話による会話だけで行われてきたが、一種の通信販売なので近年はファクシミリをはじめ、店のウェブサイトからインターネット経由で受け付けることが増えている。特に、2000年ごろからインターネットの出前ポータルサイトが普及してきており、中でも夢の街創造委員会が手掛ける「出前館」は、インターネットのない店舗でもインターネットからの受注ができる仕組みを開発し、インターネット出前受注の90%以上のシェアを開拓している。
[編集] 配送
[編集] 料金
配送料金は無料、もしくはあらかじめ飲食物の代金に含まれている場合が多い。このため少量(1人前など)の出前は採算に合わないこともあり、「出前は2人前以上」や「2,000円以上」、「1,000円以下の出前の場合には100円の出前料を頂きます」などとしている店もある。
[編集] 形態
かつては自転車やオートバイで配達するとき、片手でハンドルを持ち片手に岡持ちをさげるアクロバティックな運転がみられた。ホンダ・カブのウィンカースイッチが変則的な取り付け方をしてあったり、自動クラッチを採用しているのはこのような用途を念頭において開発されたためであった。その後は安全のために、出前用の二輪車にスプリングやエアクッションがついた専用の岡持台(出前機)を取り付けるか、三輪で荷台のある車両を使う事が普通になっている。
注文と配達にはバックオーダーや調理場の混雑具合、道路の渋滞(特に夕刻の渋滞は夕食時間帯と重なり出前業界の天敵である)などの理由により、出前には遅延が付きものである。これに対して苦情の電話を入れるとよく「今出ました」と言い訳されるといわれており、このことに例えて物事の遅延に対する安易な応対や言い訳をそば屋の出前と称されている。
飲食物の容器は配送した業者によって、追って数時間後から数日中に回収されることが多いが、近年は使い捨ての容器を用いて回収の手間を省くケースも増えている。
[編集] 配送手段
[編集] 海外の出前
韓国や東南アジア諸国では、これまでは、ごく近隣に徒歩で配達することはあるが、日本のようにバイクなどを使っての配達はまず行われなかった。しかし2002年ごろから、ソウル、香港、上海などでバイクや自動車を使っての宅配が急速に普及してきた。
[編集] 関連項目
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