地方紙
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地方紙(ちほうし)は、特定の地方を領域とする新聞、もしくは(首都に対する)地方で発行される新聞を指す。特定の地方を領域とする新聞は、ローカル紙やローカル新聞ともいう。対義語は全国紙。
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[編集] エリア
エリアの単位は、一個の都道府県単位で発行される物、都道府県内の一部地域で発行される物、一個の市町村単位で発行される物など、多様である。又、複数の都道府県を領域とする地方紙はブロック紙、一個の県を対象とする地方紙は県紙と呼ばれる事もある。
尚、五~十前後の市町村を領域とした(郡規模、若しくは小さい県規模の)地方紙には、十勝毎日新聞や南海日日新聞などがある。
[編集] 特徴
紙面構成は概して、政治・経済・健康・娯楽(主にスポーツ)・社会・地域の六分野で構成され、この点は全国紙とさほど変わりない。しかし、ニュースの配分が、販売領域とする地方を重点的に置く事が特徴である。
但し、国政、日本経済全体に関するニュースや国際面は、その多くが共同通信社・時事通信社などから提供された記事を掲載する事が多い。ただし、販売地域内出身の政治家やスポーツ選手もしくは販売地域内に本社や大規模工場をもつ企業をクローズアップして記事を掲載することがある。
総じて、関東地方や近畿地方では、全国紙のシェアが大きく(群馬県、栃木県など一部地域に例外あり)、地方紙の読者層は全国紙程は大きくない。しかし、他の地方では圧倒的なシェアを誇る。郷土紙を自認し、全国紙を侮蔑する傾向も有る。記事や社説も、市町村長・知事や地方議会の動向や、イベントに関する内容が多い。政論よりも生活密着、とも言える。
又、テレビやラジオのローカル局を系列会社として経営する地方紙も多い。
地方紙のネットワーク組織として「地域新聞マルチメディア・ネットワーク協議会」「AREA21」「47NEWS」がある。
地方紙の会社が中心となって、「政経懇話会」という勉強会が各都道府県に設立されている。時事問題の勉強と同時に地元政・財・官界要人同士の交流を主な目的としている。会費は年50万円前後。
[編集] ブロック紙
北海道新聞(札幌)、河北新報(仙台)、東京新聞(東京)(中日新聞東京本社)・中日新聞(名古屋)、中国新聞(広島)、西日本新聞(福岡)の六紙は、ブロック紙と呼ばれる。これは、一個の大括りの地方をエリアとする事に因んだ名称である。
公式的にブロック紙と扱われている新聞は、北海道新聞、中日新聞、西日本新聞の三紙となっている。全国紙よりもローカル記事の比率が高くなるが、広範囲の地方を網羅する為、総じて全国紙に準ずる規模となる。
又、本社が所在する都市のローカル紙ともなり易い。例えば、河北新報は東北地方のブロック紙となっているが、仙台あるいは宮城県のローカル紙というイメージがあり、宮城県外での購読者は少ない。
神戸新聞(神戸)については、ブロック紙に含める場合と除く場合がある(兵庫県のみを発行対象としており、兵庫県以外ではほとんど販売されていないため)。一方で京都府と滋賀県を発行対象としている京都新聞(京都)はブロック紙に含まないのが普通である。
[編集] 呼称の由来
「地方紙」「中央紙」の呼称は、第二次大戦中の新聞統制で使われ始めた。首都・東京に本社を置く新聞社の内、全国を網羅する新聞を「中央紙」と呼び、東京とその近辺を領域とする新聞を「地方紙」と呼んだ事が由来である。
[編集] 全国紙との関係
地方紙の中には、特定の全国紙との関係が特に深いところがある。社によっては、事実上その全国紙の子会社化しているケースもみられる。
[編集] 朝日新聞と深い関係の地方紙
[編集] 産経新聞と深い関係の地方紙
- 西日本新聞
- 中日新聞
- 北海道新聞
- いずれも主義・主張はまるで反対だが、販売面(委託販売)を中心に古くから協力関係を結んでいる。特に、スポーツ紙では記事融通を行っている。
この関係は、テレビ西日本のフジテレビ系列入りにも影響を与えた。
- いずれも主義・主張はまるで反対だが、販売面(委託販売)を中心に古くから協力関係を結んでいる。特に、スポーツ紙では記事融通を行っている。
[編集] 日本経済新聞と深い関係の地方紙
[編集] 毎日新聞と深い関係の地方紙
以下は、業務面の提携が中心である。
[編集] 読売新聞と深い関係の地方紙
以下は読売新聞東京本社が1997年から始めた地域紙記事写真配信サービスを受けている新聞
函館新聞、北海民友新聞、プレス空知、釧路新聞、道北日報、北空知新聞、遠軽新聞、網走タイムズ、十勝毎日新聞、盛岡タイムス、石巻日日新聞、岩手日日新聞、いわき民報、大島新聞、長野日報、紀南新聞、信州日報、今日新聞、桐生タイムス、常陽新聞、市民タイムス、岡山日日新聞、大崎タイムス、阿武隈時報、八幡浜新聞、島根日日新聞、八重山毎日新聞、南九州新聞、宮古新報