河北新報
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河北新報(かほくしんぽう)は、仙台市に本社を持つ河北新報社が発行する日刊新聞である。発行部数は約50万5千部(朝刊・2005年)。宮城県仙台市と周辺地域ではセット版(朝・夕刊)他は統合版(朝刊だけ)。1897年(明治30年)1月17日創刊。一力健治郎らが経営難の「東北日報」を引き継ぎ改題した。
宮城県の他、山形県や福島県、岩手県など東北各県でも販売されている。
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[編集] 概要
明治維新の折、薩長から「白河以北一山百文」と蔑まれた東北の意地を見せるべく「河北」と命名した。宮城県を流れる「北上川」の称ではない。
初期は北海道でも販売されていたが、明治期に販売競争に敗れ撤退している。
現在のコーポレート・スローガン「『東』は未来」。1993年から使われている河北新報社のシンボルマークは、グラフィックデザイナーである永井一正氏の作品。
印刷は泉パークタウン内にある河北新報印刷センターで行っている。同センターは超高速タワー型オフセット輪転機を備えている。聖教新聞など他の新聞の印刷業務も引き受けている。
2007年4月1日付より、朝刊1部売りの価格を110円から130円に値上げした。なお、月ぎめ価格(セット版3,925円、統合版3,007円)と夕刊1部売り価格(50円)は変わらない。
[編集] 紙面
1997年には米の栽培と人間生活を扱った連載企画「オリザの環」で新聞協会賞を受賞。又、社会問題化していたスパイクタイヤを全廃に追い込んだのは、河北新報の記事が発端であった事は特筆すべき事項でもある。
宮城県内では70%に迫る高い購読率を誇るため、宮城県のローカル新聞としての性格が強いが、山形県、福島県、岩手県、青森県、秋田県の東北6県でも販売・購読されており、ブロック紙として分類される場合もある。地方の記事だけでなく、首都圏の知識人や文化人を独自に取材した記事が掲載されることも多い。
実際は仙台、宮城からの視点で書かれた記事も多い。なお、宮城県以外の5県では、それぞれの県内のローカル新聞の勢力が強く、河北のシェアはそれほど高くはない(役所、職場等では広く読まれている)。三大ブロック紙(北海道・中日・西日本)などとの記事の交換も行っている。また、近年では東北6県の他県紙(東奥日報、岩手日報、秋田魁新報、山形新聞、福島民報、福島民友)との連携企画も増えている(東北電力が協力している場合は新潟日報も加わる)。
スポーツ関連では、仙台市に本拠地を置く東北楽天ゴールデンイーグルスやベガルタ仙台の記事を多く取り扱っている。場合によって(勝利試合など)はスポーツ面のみでなく1面や社会面、ローカル面でも話題が取り上げられることもある。また数ページを使用した特集記事も時折掲載される。
紙面の論調は、一般的な地方紙と同様に原則として革新側に軸足を置いている。(共同通信からの配信記事が革新側の傾向が強いためその影響が反映されてしまうという事情もある)しかし一方で、官側への媚(特に地方行政の提灯記事)も散見されると言われる。県政翼賛記事と揶揄される。だが、原則としては東北の立場での主張があくまで主軸である。
主に宮城県外向けとなる早版(13版)の締切時刻は、国政選挙や統一地方選挙の翌日など特別な場合を除き、午後10時30分頃である。そのため、選挙の開票状況が紙面に反映されないことが多い(統合版でもあるため、開票結果は翌々日の紙面に掲載される)。選挙が行われた当該地域では、河北新報から配信された速報ファクスを販売店が独自にコピーして、開票翌日の新聞と同時に配ることがある。
[編集] 沿革
- 1897年1月17日:一力健治郎により創刊。
- 1952年:「河北文化賞」創設。
- 1957年:創刊60周年。
- 1987年:創刊90周年。
- 1993年:CI導入。
- 1997年:創刊100周年。
- 2007年:創刊110周年。
[編集] 本社
[編集] 支社
[編集] 総局
- 石巻 石巻市千石町4-42 郵便番号986-0827
- 福島 福島市北町1-10 郵便番号960-8102
- 山形 山形市あこや町3-12-11 郵便番号990-0025
- 盛岡 盛岡市菜園1-6-1 郵便番号020-0024
- 青森 青森市本町1-2-15 郵便番号030-0802
- 秋田 秋田市中通3-2-44 郵便番号010-0001
[編集] 支局
- 宮城県 仙台市泉区・多賀城市・塩竈市・気仙沼市・南三陸町志津川・登米市佐沼・栗原市若柳・栗原市築館・美里町小牛田・大崎市古川・加美町・岩沼市・大河原町・白石市・角田市
- 福島県 郡山市・いわき市・相馬市・会津若松市・白河市
- 山形県 米沢市・酒田市・新庄市
- 岩手県 一関市・釜石市・奥州市水沢・大船渡市・北上市
- 青森県 弘前市・八戸市・むつ市・三沢市
- 秋田県 大館市・横手市
[編集] 関連会社
創業者の一力一族が今でも経営している関連会社が多い。
- 東北放送、河北仙販、河北ビル、河北新報普及センター、他20社。
- 東北野球企業-廃業。
- 三陸河北新報社(宮城県東北部をサービスエリアとし、石巻かほくを発行)旧気仙沼かほくは「リアスの風」と改題。1992年-1999年12月31日には、岩手県釜石市と大槌町、遠野市の一部でエリアに日刊紙「釜石新報」を発行していた。
[編集] テレビ・ラジオ欄(番組表)
(掲載順。特記のないものはフルサイズ)
掲載地域 | 第一テレビ面(最終面) | 第二テレビ面(中面) |
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宮城版 |
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南版 (福島・山形) |
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北版 (岩手・青森・秋田) |
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- 南版において、NHKは福島放送局の番組表となっており、山形放送局のローカル番組については(山形別)の表記がなされている。北版においては盛岡放送局の番組表となっており、NHK教育テレビの青森・秋田ローカル番組(高校野球地方大会など)が組まれる場合も同様の表記がなされる。
- 2003年までは全域で第二テレビ面がなく、宮城版、福島版、山形版、岩手版、青森・秋田版の区分だったが、2004年の紙面刷新で現在の区分に変更された。
- ラジオ・衛星デジタル放送面は全域で共通のフォーマットを使用し、東北六県全てのラジオ局を掲載。ただし、NHKラジオは仙台放送局の番組表となっている(ローカル番組が組まれる場合の注記はない)。AMラジオは系列のTBCラジオの欄だけ枠が大きい。
[編集] 県域面
- 2003年までは、各県ごとに県域面が存在していた(宮城版は日によって異なるが平均で4ページ、他県版は毎日1ページ)。
- 2004年の紙面刷新で、宮城版を除く県域面が廃止され「とうほく交流ワイド」面2ページが新設された(宮城版は「とうほく交流ワイド」面2ページに加えて、県域面「みやぎ」2ページ+「みやぎ地域ニュース」2ページの4ページが別途あり)。河北新報の発表データによると、2005年現在で宮城版以外の発行部数は2万部にも満たず、各県ごとに紙面を差し替える余裕がなくなったためと思われる。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 河北新報(ニュース記事などは一部会員登録が必要のページ有り。)
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