増本量
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増本 量(ますもと はかる、1895年1月9日 - 1987年8月12日)は、金属物理学者。広島県安芸郡矢賀村(現広島市東区)矢賀町出身。
農家に生まれ、県立広島中学(現・広島県立国泰寺高校)に進むが中退。約4年、税務監督局に勤めながら私立修道学校(現・修道高等学校)の夜学に通い苦学の末に1922年27歳で東北帝国大学理学部を卒業後、すぐに同帝大の鉄鋼研究所(現・東北大学金属材料研究所)に所属し研究教育に従事した。後に同研究所の所長を務めている。1934年に本多光太郎の下で新KS鋼の発明に携わり、また1937年には電気通信機器などに欠かせぬセンダストの開発を行なうなど、機能材料分野で顕著な功績を挙げた。
1955年、文化勲章受章。出身地の広島市と長年在住した仙台市の両市で名誉市民に推された。日本金属学会では増本の業績を記念し、機能材料に関する研究発展への功績の大きい者に「増本量賞」を授賞している。