水と緑の健康都市
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水と緑の健康都市(みずとみどりのけんこうとし)は、大阪府箕面市止々呂美付近に造成される大規模郊外型ニュータウンである。2007年春、箕面有料道路の開通と同時期に街開き予定である。 愛称は公募により、「箕面森町(みのおしんまち)」に決定した。 なお、計画当初はその都市の性質からエイジレスタウン(エイジレス=「年を取らない」が原意、「年齢による障壁のない用具や社会システム」などの意味もある)とも呼ばれていた。
箕面市により、大阪府との協同で小中一貫校がPFI形式での建設(UFJセントラルリース主体)が行われる。
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[編集] 位置・周辺概要
千里中央から箕面有料道路を経由して車で約15分の位置にある。街の南部には国道423号が通っており池田市や亀岡市にも近い。付近には豊能町の北大阪ネオポリスや光風台、東ときわ台、大和団地・多田グリーンハイツ(川西市)、日生ニュータウン・猪名川パークタウン(猪名川町)などの郊外型ニュータウンがある。また能勢電鉄の妙見口駅へも車で5~10分ほどの距離にある。
[編集] 公共交通機関
箕面森町へのアクセスバスは、現在周辺地域を走っている阪急バスが運行する。
2006年9月に大阪府からバス輸送事業者の公募が行われ、同年11月29日に運行事業者は阪急バスに決定したと発表された。
箕面森町アクセスバスの運行計画の一例を紹介する。
- 運行系統 地区センター~千里中央 25分/14.3km
- 途中停車駅 止々呂美地区、かやの中央(箕面新都心)
- 運行開始日 2007年秋以降
- 運行時間帯 通年運行 6時から23時台
- 運行本数(開設時) 平日通勤時間帯3便/時 その他時間帯2便/時
- 運賃 片道400円(地区センター~千里中央)
このほか、箕面トンネルを経由する系統として、豊能町ほか自治体から北大阪ネオポリス(希望ヶ丘)~千里中央の速達便(現行50分から25分ほどに短縮される予定)の運行が長年懇願され続けている
2007年秋開通予定の止々呂美吉川線により能勢電鉄妙見口駅へ容易く行けることになるため、梅田に行く方法は「直通バス・地下鉄経由で梅田へ」と「能勢電鉄・阪急電鉄経由で梅田へ」の2つが生まれる。ただ、後者の方が乗換も多く所要時間も長くかかり運賃も高くなることから、前者が主流になると思われる。後者に関しては、同道路の開通につけて、豊能町西地区の住民が路線開通を目論んでいるが(この件については府からアンケートがあった)、北大阪ネオポリス~千里中央の速達便開通に比べると、実現の目処はほとんど立っていない。
[編集] ケーブルテレビ
箕面森町エリアはテレビ難視聴地域になるため、箕面森町内における難視聴対策ケーブルテレビ事業者の公募が行われた。事業者選定の結果、2月7日にeo光テレビの進出が決定したと発表された(公募ではJ:COM北摂も応募したが、価格面・工事面などでeo光テレビに敗北した。eo光テレビの常識的勝利ともいえる)。ただ、J:COM北摂の同エリアへの進出については未定である。
[編集] 梅田までの、近隣の住宅地との公共交通機関の比較
昭和高度成長期から現在にかけて、北摂地域郊外にまでニュータウンの建設ラッシュが続いている。ここでは、箕面森町周辺の郊外住宅地~大阪梅田までの公共機関の利便さを比較する。 ※左から順に所要時間(乗換時間含めず)、運賃、最寄駅までの阪急バスの本数
- 箕面森町から
- 北大阪ネオポリスから
- 地下鉄利用(千里中央経由) 約90分 1030円(地区内~千里中央680円、千里中央~地下鉄梅田350円) 16~26便/日
- 阪急利用(池田経由) 約60分 870円(地区内~池田610円、池田~梅田260円) 1便/日
- 豊能町西部(東ときわ台)から
- 猪名川パークタウンから
- 阪急利用 約55分 580円(パークタウン中央~川西330円、川西能勢口~梅田260円) 62~82便/日
- 清和台(清和台中央)から
- 阪急利用 約40分 510円(清和台~川西250円、川西能勢口~梅田260円) 約200~250便/日(阪急川西行160~190+JR川西行44~60便/日)
- 彩都から
- 大阪モノレール利用 約37分 740円(地区内~千里中央390円、千里中央~地下鉄梅田350円) 本数不明
[編集] PFI 水と緑の健康都市株式会社
PFI 水と緑の健康都市株式会社とは、水と緑の健康都市における施設の整備、運営・維持管理を目的とする民間ノウハウによるPFI事業者である。
株式会社大林組、積水ハウス株式会社、株式会社東急コミュニティーの3者により出資・設立され、2005年7月に設立された。
詳しくはこちらのページを参照されたい。
[編集] 問題点
絶滅危惧種に指定されているオオタカの営巣発見やバブルの崩壊などで全体の計画規模が縮小され、本計画の核となるはずだった余野川ダムが中止となり、箕面森町のアクセスを建設理由のひとつして箕面トンネルを建設した結果、箕面滝ほか地上河川の流量が減少するなど、環境の破壊につながり(参考リンク1 )、さらに大阪府住宅供給公社保有土地の資産評価が111億円から1400万円に一気に下がった結果、大きな損失を出した(参考リンク2)結果、本開発を環境破壊や税金の無駄遣いなどとして問題視・疑問視する点は非地元住民を中心に多い。
一方で、箕面森町計画を建設理由のひとつとして箕面有料道路が建設されたため、交通面での恩恵を受けることになる有料道路の北側(箕面市止々呂美地区や豊能町・能勢町等)の地域住民にとっては、箕面トンネルは交通の利便性を高めるだけでなく、災害迂回用道路としても期待されている。また箕面森町完成による人口増は地域活性化に貢献すると考えられており、上記のような一連の報道が結果として土地の資産評価を下げるのではないかと危惧している。また、地元住民の側の意見を充分に反映していない報道が続いているため、報道各社に不信感を募らせている人も多い。一連の計画は、恩恵を受ける側の住民にとっては数十年越しの悲願だからである。なお、大阪府北部で同時に開発が進められている国際文化公園都市は、上記のような批判報道はほとんど行われていない。