河森正治
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河森 正治(かわもり しょうじ、1960年2月2日 - )は、メカニックデザイナー、アニメ監督・演出家。富山県生まれ。
ゲーム・玩具など様々な分野でも活動している。スタジオぬえ所属。サテライト取締役兼任。
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[編集] 略歴
慶應義塾高等学校在学時、同級生の美樹本晴彦、細野不二彦、大野木寛らとSFアートで知られるスタジオぬえを訪問。慶應義塾大学工学部に進学後、アルバイトとしてデザインを手伝い、そのまま1978年に入社。先輩宮武一貴の薫陶を受け、『闘士ゴーディアン』などの作品で新鋭メカニックデザイナーとして注目され始める。その後、慶応義塾大学を中退。
1982年、スタジオぬえ原作のSFアニメ『超時空要塞マクロス』で初の主役メカとなる可変戦闘機VF-1バルキリーをデザインし、斬新な趣向で一躍脚光を浴びる。また、この作品には企画段階から携わり、構成・演出面でも個性を発揮している。1984年の劇場作『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』では共同監督に抜擢され、24歳の初監督作にして実力を高く評価された。次回作を期待されたが、企画をものにできず1980年代後半は低迷期を過ごす。パイロットフィルムが発表されたアニメ映画『舞夢』も、演出上の行き詰まりから製作中止となった。
1990年代に入り、メカニックデザイナーとして復調。『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』などを経て、1994年、『マクロスプラス』で10年ぶりに監督業に本格復帰する。同年、初期マクロスからのテーマでありライフワークでもある「音楽の秘める可能性」を自ら世界を旅行して感受したカルチャーショックの体験などを踏まえて描ききった代表作『マクロス7』を完成させ、業界内外からも多くの支持を得た。 現在に至るまで「マクロス7」は彼の最高傑作であるとの意見は根強い。
以後、多方面で精力的に活動を続け、『アーマード・コア』シリーズなどゲーム製作にも関与。ソニーのペットロボットAIBOのカスタムデザインも話題となった。映像作家としては『天空のエスカフローネ』(原作)以降、神話伝承世界へ傾倒した作風が見られ、宮沢賢治の半生を描いた『イートハーブ幻想 Kenjiの春』でメカアニメ以外の新境地を開いた。
1995年サテライトの設立に参加。2003年より同社取締役を務め、3DCGを駆使したより複雑なメカニック表現に挑戦している。『創聖のアクエリオン』は破天荒な怪作(快作)として話題を呼んだ。
[編集] 人物
- 「変形の河森」と呼ばれ、ロボットから他形態(飛行機・車)への変形機構デザインをライフワークとしている。平面上の図案に止まらず、自ら試作モデルを作り、立体化を提案するプランナーでもある。この試作にはレゴブロックを用いるが、可動部を綿密に検討するため、デザイン完成まで数年掛かりという場合もある。なお、子供の頃に親から買ってもらったフィッシャーテクニックというブロックはその性質上、可変メカの試作という点ではレゴよりも数段上との事で、あれがあれば楽だけど手に入らないからレゴを使っている、と『アーマード・コア メカニカルガイダンス』に収録されたインタビューで語っている。
- クリエーターとして「他人の真似はしない」「同じパターンは繰り返さない」など、独創性への強いこだわりをもつ。作品ごとに奇抜なアイデアで驚かせるが、人物描写に関してはオーソドックスな演出が多い。
- 架空のメカデザインにも、航空機や自動車など実在物のリアリティーを投影するのが特徴である。これは実際のメカから影響されたものだが、サンダーバードからも影響を受けたと語っている。
- 高速メカアクション(通称板野サーカス)が売りの板野一郎とは、演出のリアリティーを追求するため、実際にふたりで模擬空中戦を体験している。
- 親交の深い映画監督押井守の作品に、印象的な活躍をみせる空挺兵器などを提供している。2006年の実写映画『立喰師列伝』では、押井が河森をモデルに偽インド人の立喰師「河森正三郎」を創り、河森本人が演じることとなった。
- 色黒なことから「黒河影次」というペンネームを使ったこともある。この人物はマクロスの作品中に隠れキャラとして登場し、様々な災難にあっている。
- 新体道協会発行の「楽天」に関ったことがある。
[編集] 代表作品
[編集] アニメ
- 1979年 - ザ☆ウルトラマン(メカニックデザイン)
- 1982年 - 超時空要塞マクロスシリーズ(原作・監督・シリーズ構成・メカニックデザイン)
- 1992年 - 新世紀GPXサイバーフォーミュラシリーズ(マシンデザイン)
- 1996年 天空のエスカフローネ(原作・シリーズ構成)
- 1996年 イーハトーブ幻想 Kenjiの春(監督・脚本)
- 2001年 地球少女アルジュナ(原作・シリーズ構成・監督)
- 2001年 地球防衛家族(原作・シリーズ構成)
- 2005年 創聖のアクエリオン(原作・シリーズ構成・監督・メカニックデザイン)
- 2007年 OVA創星のアクエリオン -裏切りの翼- (原作・シリーズ構成・監督・メカニックデザイン)
[編集] 特撮
- 1989年 ガンヘッド(メインメカニックデザイン)
[編集] ゲーム
- 1997年 - アーマード・コアシリーズ(コンセプトデザイン・メカニックデザイン)
- 1997年 - マクロス DIGITAL MISSION VF-Xシリーズ(総監修、メカニックデザイン)
- 1998年 超鋼戦紀キカイオー(企画、メカニックデザイン)
[編集] 工業製品
- 2001年 AIBO(ERS-220の外装デザイン)
[編集] 参加作品
[編集] アニメ
- 1978年 闘将ダイモス(メカニックデザイン)
- 1979年 闘士ゴーディアン(メカニックデザイン)
- 1979年 ユリシーズ31(日仏合作アニメの企画・メカニックデザイン)
- 1979年 ザ☆ウルトラマン(メカニックデザイン)
- 1981年 ゴールドライタン(メカニックデザイン)
- 1982年 テクノポリス21C(メカニックデザイン)
- 1983年 クラッシャージョウ(作画、メカニックデザイン)
- 1987年 破邪大星ダンガイオー(メインメカニックデザイン)
- 1989年 - 機動警察パトレイバー劇場版シリーズ(メカニックデザイン)
- 1991年 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY(ガンダム試作1号機・2号機・アルビオンのスタイリング)
- 1993年 モルダイバー(コンセプトデザイン・メカニックデザイン)
- 1995年 GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊(メカニックデザイン)
- 1998年 アウトロースター(メカニックデザイン)
- 1998年 青の6号(メカニックデザイン)
- 1998年 カウボーイビバップ(原案協力・脚本)
- 2002年 しあわせソウのオコジョさん(絵コンテ 白河明治名義)
- 2005年 交響詩篇エウレカセブン(メインメカニックデザイン)
- 2006年 ガラスの艦隊(メカニックデザイン)
- 2007年 キスダム -ENGAGE planet-(メカニカルデザイン)
[編集] 特撮
- 1996年 宇宙船レムナント6(メカニックデザイン)
[編集] ゲーム
[編集] 工業製品
- 1980年 ダイアクロン(タカラの玩具ロボットデザイン)
- 1992年 バトルテック(ボードゲームの日本語版監修)
- 2006年 戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー コンボイ最高司令 (ダイアクロン以来のデザイン監修)
[編集] 出演
- 2006年 立喰師列伝(「中辛のサブ」役)
[編集] 参考文献
- 『河森正治マクロスデザインワークス』 ムービック刊 2001年 160頁
- 『河森正治デザインワークス』 エムディエヌコーポレーション刊 2006年 208頁
[編集] 外部リンク
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