洛星中学校・高等学校
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洛星中学校・高等学校(らくせいちゅうがっこう・こうとうがっこう)は、京都市北区小松原南町33番地にある中高一貫制の男子校。
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[編集] 概要
1952年に中学校が、そして1955年には高等学校が創立される。1831年、ルイ・ケルブ神父がカトリック精神による青少年教育を目的とし、4世紀頃にいたとされる教育者聖ヴィアトールを守護者として、フランスのリヨン市に創立した聖ヴィアトールカトリック修道会が母体であり、進学校でありながらも、厳しいカトリック教育を行う学校として知られる。戦前、中国の四平街にあったミッションスクールが前身。日本では唯一のヴィアトール学園で、神父及びブラザーと呼ばれる会員が現在も教職員と共に活動している。
また数年に一度外国からヴィアトール会の学校の留学生が訪れており、交流が盛んである。自由な校風が特徴的である。しかし、自由な学風が行き過ぎて風紀が乱れているのではないかという指摘もある。また、高校3年生以外についてはクラブ活動への参加が必須となっており、クラブによっては非常に活発な活動が行われている。関西では灘・甲陽学院と並ぶ私学の老舗名門校である。生徒に著名人(故高坂正堯京大教授)の子弟が多いことでも知られる。 また、中学受験において、かつては東大寺学園中学校・洛南高等学校附属中学校と合わせて「御三家」と呼ばれていたが、近年、大学進学成績で他2校に大差をつけられているため、この呼び名が失われつつあるとの声もある。
[編集] 大学合格実績
2005年度は215名の生徒で京都大学合格者数は現役46名、浪人27名で合わせて73名と、全国第5位。自由な学風の京大への進学希望を持つ生徒が多く、かつては270名中100名近い進学数であった。
1983年から導入された中学4クラス・高校6クラス体制(高校入試の実施)は、2004年から中高とも5クラス体制に変更され、高校入試は廃止された。また、東京大学合格者数も東大と京大が併願可能の時は60名以上合格したが、減少傾向にあり、現在は毎年10名以下である。また、卒業生の約2割が京大や国公立医学部に進学する。
[編集] 制服
京都の他の私立中・高が制服を次々ブレザー型にモデルチェンジしていく中にあって、洛星は今日まで、創立以来伝統の制服を堅持してきた。上着は金ボタン5個、紺色の詰襟学生服。下は、同じ色の学生ズボンである。型は標準と異なって、上着には袖ボタンと胸ポケットがなくステッチが入り、ズボンはツータック。5月はじめから11月中ごろまで約半年続く「夏服期間」は、夏服として、学校指定の赤みがかった茶色、両胸ポケットつきカッターシャツに冬と同じ型・色で薄い生地の学生ズボンを着用することも通常許される。右胸ポケットふたには校章の刺繍が入るが、かつては刺繍ではなく、校章バッチを装着した。靴は白地または黒一色の運動靴、もしくは黒の革靴をはく。
カトリックの教義との関係で、はじめの頃の校則は極めて厳格であった。生徒は、坊主ではなかったが常に髪を整えることが求められ、紺色の制帽をかぶった。制服はオーダーメードで詰襟がきつめだった。襟の内側にカラー・左襟に校章、そして右襟には大きな金文字の学年章(中学が1,2,3、高校はI,II,III)を装着して、各生徒の所属学年がいつ誰にもわかるよう管理された。夏服期間でも涼しくなると冬の詰襟上着しか着用できなかった。制カバンは、グレーの手提型で重いものであった。他に校章の入ったポケッタブルバッグとスポーツバッグもあった。
だが、時代が変わり、最近は服装指導がしだいに緩和されてきた。制帽は自由化され、「夏服期間」だが涼しい時期用にセーター・ベストも制定されて冬服の代りに着用してよいこととなった。レディーメードとなった冬上着の詰襟はサイズにゆとりができた。制カバンも、持ちやすい型にモデルチェンジされた。
[編集] クラブ活動
文化系と体育系、同好会がありクラブの種類は、60種ほど。各クラブ、同好会ともに非常に活発に活動がおこなわれている。文化系は、オーケストラ部、演劇部、謡曲部、茶道部、生物部、写真部、天文部、地理部、美術部(中学)、ECL(中学)、ESS(高校)、歴史部(中学)、無線部(中学)、地学部(中学)、文芸部(高校)、囲碁将棋部(高校)、放送局、新聞局、図書委員会。体育系は、バドミントン部、バスケットボール部、バレーボール部、サッカー部、ハンドボール部、スケート部、野球部、テニス部、ソフトテニス部、卓球部、山岳部、水泳部、陸上競技部、剣道部、柔道部、弓道部、ラグビー部(高校)。最後に同好会は、マイコン同好会、料理研究会、高校歴史同好会、高校ロボット同好会・中学ロボット研究部(下部参照)、アウトドア同好会(高校)、鉄道研究会、サイクリング同好会、囲碁将棋同好会(中学)(下部参照)、ラグビー同好会(中学)、がある。なお、囲碁将棋部は数度の全国大会準優勝を含め、優秀な成績を修めており、ロボット同好会は世界大会2位の成績を修めている。その他、体育系のクラブも数々の優秀な成績を修めている。 中学ロボット同好会は2007年2月28日の中学生徒総会にて同好会からロボット研究部に昇格。同時に申請していた囲碁将棋同好会は多数決の際に棄権者が多く、正しい結果が得られなかったため継続審議とされた。
[編集] 著名な出身者
- 笹岡隆甫 - 華道家
- 北山修 - 九州大学大学院人間環境学研究院教授、精神科医、歌手
- 船越雅史 - 日本テレビ元アナウンサー
- 井上章一 - 国際日本文化研究センター教授(建築史、風俗史)
- 浅田彰 - 京都大学経済研究所助教授(社会思想史)
- 猪木武徳 - 国際日本文化研究センター教授(労働経済学)
- 川勝平太 - 国際日本文化研究センター教授(経済史)
- 品田裕 - 神戸大学教授(政治学)
- 千宗守 - 武者小路千家14代家元
- 田中英夫 - 元衆議院議員、元亀岡市長
- 松井孝治 - 参議院議員
- 豊田勇造 - シンガー・ソングライター
- 玉木正之 - スポーツライター
- 寺谷一紀 - フリーアナウンサー
- 佐山展生 - 経営学者、一橋大学大学院教授
- 畑中鉄丸 - 弁護士
- 天木直人 - 元レバノン大使、『さらば外務省』
- 寺西和史 - 判事
- 津川雅彦 - 俳優(中学中退)
- 宮崎学 - 作家(中学中退)
- 大原康男 - 國學院大學教授、神道学博士
- 大井浩明 - ピアニスト
- 熊木徹夫 - 精神科医、精神病理学者
- 黒木彰一 - フジテレビ・プロデューサー、「SMAP×SMAP」「笑っていいとも!」など担当
- 勝沢賢一 - 香川オリーブガイナーズの選手
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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