海芝浦駅
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海芝浦駅(うみしばうらえき)は、神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)鶴見線(海芝浦支線)の駅。海芝浦支線の終点駅である。
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[編集] 駅構造
1面1線の片側ホームで、終点側の端に改札口があり、簡易Suica端末のみが置かれている。ホームが海(京浜運河)に面している、という非常に珍しい駅である。 ホーム上には一部屋根がある。
- のりば
■鶴見線 | 鶴見方面 |
[編集] 駅周辺
東芝京浜事業所の構内にあり、駅の出口がそのまま工場の門になっているため、東芝の従業員や東芝に用事のある人以外は駅から出ることができない。そのため、「出られない駅」として有名である。
なお、降りることが出来ないと勘違いする人もいるが、切符回収箱や簡易Suica端末・自動券売機が設置されているため、「形式上の」下車は可能である。
[編集] その他
東芝関係者以外は出口(=京浜事業所の守衛所)を出ることができないが、海に面しているという特徴から一般客にも人気があり、近年になって東芝の計らいによって駅構内に「海芝公園」という小さな公園が作られ、ジュースの自動販売機も置かれるようになった。この公園からは鶴見つばさ橋などの見晴らしがよい。
なお、新芝浦駅から海芝浦駅の路線、海芝浦駅の敷地は東芝の私有地となっており、JRも東芝に借地料を支払っている。
当駅はフジテレビ系列で放送されていた交通バラエティ 日本の歩きかたでも紹介された。また、NHKの列島縦断 鉄道乗りつくしの旅~JR20000km全線走破~でも紹介された(このとき旅人の関口知宏は本来入れない東芝工場の敷地内に入って説明を受けていた)。
また、駅のホームが海に面していることから、この駅のホームで釣りをする人もいる。
[編集] 歴史
- 1940年(昭和15年)11月1日 鶴見臨港鉄道の駅として開業。旅客営業のみ。
- 1943年(昭和18年)7月1日 鶴見臨港鉄道の国有化により国鉄の駅となる。
- 1971年(昭和46年)3月1日 無人駅となる。
- 1987年(昭和62年)4月1日 国鉄分割民営化により、東日本旅客鉄道の駅となる。
- 2000年(平成12年) 関東の駅百選に選出される。
[編集] 文芸作品に登場する海芝浦駅
- 笙野頼子の小説『タイムスリップコンビナート』は、「誰だかよくわからない人」からの電話で呼び出されて電車に乗って海芝浦駅へ向う様子を描写したものである。
- 鉄道紀行文作家・宮脇俊三は、『時刻表2万キロ』の旅で初めてこの駅を訪れた後、「どこか旅へ行ってみたいが遠くへ行く時間のない人は、海芝浦駅へ行ってみると良い」とたびたび書いていた。
- 西村京太郎は『運河の見える駅で』という題名で小説を書いている。内容は、日曜日に海芝浦駅を訪れたカップルが事件に巻き込まれる、というもの。
[編集] 駅名の由来
東芝の前身の「芝浦製作所」と、この駅が海に接していることから名づけられた。
[編集] 隣の駅
- 東日本旅客鉄道
- 鶴見線
- 新芝浦駅 - 海芝浦駅