猿飛佐助
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
猿飛 佐助(さるとび さすけ)は、戦前の「立川文庫」のヒーローの1人で、上月佐助をベースにした架空の人物とされるが、実際にいたという説もある。忍術使い、今で言う忍者。
信濃の鳥居峠の麓に住む鷲尾佐太夫という郷士の息子。戸隠の山の中で猿と遊んでいるところ、戸澤白雲斎に見出されてその弟子となる。甲賀流の忍者だが、甲賀の里で修行した経験がない。真田幸村に仕え、真田十勇士の1人として知られる。彼のライバルにして仲間に、霧隠才蔵がいる。大阪夏の陣で徳川方に敗れた後、幸村と共に薩摩に落ちのびたという。
流派が出身地の戸隠流ではなく、甲賀流とされているのは、豊臣方は甲賀忍軍(対する徳川方は伊賀忍軍)を諜報活動に用いた、と言われている事によると思われる。
忍者ものの文学、講談などでは群を抜くヒーローで、のちに戦後になって、彼のキャラクターを借りた猿飛やサスケなどとして、白土三平、その他の小説家、漫画家により繰り返し再創造されていった。
「立川文庫」での原作者が愛媛県今治市出身の山田阿鉄一族であることから、今治駅前に猿飛佐助の銅像が立つ。
目次 |
[編集] 架空説と実在説
司馬遼太郎の「風神の門」によれば明治末期~大正年間に立川文庫の作者達がつくった説を紹介し、猿飛佐助の命名は玉秀斎を中心とした作家グループ達がおこなったとの説を補筆している。それを司馬氏は「なかば真実かもしれない」と理解を示した上で、「すでに江戸時代には大阪の庶民の間でかたりつがれていた」とする岡本良一氏の異説を紹介し「淡海故録」および「茗渓事蹟」を出典に三雲新左衛門賢持の子、三雲佐助賢春が猿飛佐助であると実在説を支持している。それ以外にも伊賀下忍・下柘植ノ木猿の本名が上月佐助である事から、上月佐助こそが猿飛佐助であるとの実在説もある。 実在にしろ、架空にしろ立川文庫最大のヒーローとして庶民に親しまれて来た事には変わりなく、存在が曖昧であるからこそ、想像する楽しみがあるとし「実在か架空かを断じる事こそが野暮である」と考える人もある。
[編集] 日本テレビ系ドラマ 猿飛佐助
放送期間:1980年5月11日~1980年10月5日/毎週日曜 20:00~20:55/全17話
1980年に『西遊記II』の後番組として、同スタッフによりドラマ化された。この作品も、前作の『西遊記シリーズ』同様、特撮が見所であったが、ナイターシーズンの放送のため、放送の休止が度々あり、視聴率は伸び悩んだ。その後、この枠では中国の古典に材に取った『黄土の嵐』が放送された。
2005年にDVD-BOXがリリースされた際に『猿飛佐助 -The Jumping Monkey-』という商品名になっていたのは、映像化が多く同名タイトルとの差別化の為と思われる。
[編集] スタッフ
[編集] 出演
- 猿飛佐助:太川陽介
- 真田幸村:川崎麻世
- 三好清海入道:宍戸錠
- 白雲斎:辰巳柳太郎
- 服部半蔵:小池朝雄
- 霧隠才蔵:倉田保昭
- くの一ホタル:秋野暢子
- 徳川家康:西村晃
- 豊臣秀頼:川崎龍介
- 大久保長安:岸田森
日本テレビ系 日曜20:00枠 | ||
---|---|---|
前番組 | 猿飛佐助 | 次番組 |
西遊記II | 黄土の嵐 |
[編集] 関連キャラクター
[編集] 猿飛
- 猿飛エツ子(石ノ森章太郎『さるとびエッちゃん』)
- 猿飛八宝斎(細野不二彦『さすがの猿飛』)
- 猿飛肉丸(細野不二彦『さすがの猿飛』)
- 猿飛あやめ(空知英秋『銀魂』)
- 猿飛佐助(杉浦茂『猿飛佐助』)
- 猿飛佐助(上条明峰『SAMURAI DEEPER KYO』)
- 猿飛アスマ(岸本斉史『NARUTO』)
- 猿飛・三代目火影(岸本斉史『NARUTO』)
- 猿飛佐助(カプコン『戦国BASARA』)
- 猿飛佐助(『新釈 眞田十勇士 The Animation』)
- 猿飛猿助(藤子不二雄A『忍者ハットリくん』)
- 猿飛佐助(モンキー・パンチ『MUSASHI -GUN道-』)
- 猿飛佐助(亜樹新『新生真田十勇士』)
- 猿飛佐助(『まんが猿飛佐助』)
- 猿飛佐助(原哲夫『花の慶次』)
[編集] サスケ
- 大猿サスケ(白土三平『サスケ』)
- うちはサスケ(岸本斉史『NARUTO』)
- 妖精サスケ(篠塚ひろむ『ミルモでポン!』)
- からくり忍者サスケ(『がんばれゴエモン』)
- ニンジャレッドサスケ(『忍者戦隊カクレンジャー』)
- ロジャー・サスケ(アルファ・システム『式神の城2』)
- 流サスケ(黒岩よしひろ『サスケ忍伝』)
- サスケ(古賀亮一『ニニンがシノブ伝』)
- 佐助(坂本あきら『BEHINDMASTER』)
[編集] 外部リンク
カテゴリ: 文学の登場人物 | 架空の忍者 | 日本テレビのテレビドラマ | 日本テレビの時代劇 | 1980年代の特撮作品 | 国際放映作品