神無月の巫女
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神無月の巫女 | |
---|---|
ジャンル | 百合、ロボット漫画 |
漫画 | |
作者 | 介錯 |
出版社 | 角川書店 |
掲載誌 | 月刊少年エース |
発表期間 | 2004年 - 2005年 |
巻数 | 全2巻 |
テレビアニメ | |
監督 | 柳沢テツヤ |
シリーズ構成 | 植竹須美男 |
アニメーション制作 | ティー・エヌ・ケー |
製作 | 神無月の巫女製作委員会 |
放送局 | UHF |
放送期間 | 2004年10月 - 12月 |
話数 | 全12話 |
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『神無月の巫女』(かんなづきのみこ)は介錯による漫画作品。『月刊少年エース』に2004年から2005年まで連載されていた。また2004年10月よりアニメ(UHFアニメ)化された。
目次 |
[編集] 概要
萌えアニメとしての色彩が濃いが、少女2人の百合的感情を軸に少年1人を交えた、三角関係の愛憎劇をメインストーリーとして、更には巨大ロボットや輪廻転生などの要素も含んだ内容となっている。漫画版とアニメ版では結末が少し異なる。
なお、オロチ衆に苗字が存在せず、名前にも漢字が使われていないのは、原作者曰く姫子と千歌音の関係に主軸を置く為、意味を持たせないとのことである。
本作に先立って発表された十字架トライアングルを原型とする。
[編集] あらすじ
『剣神天群雲』(ケンシンアメノムラクモ)が眠る、今は朽ちて誰もその存在を知らない月の社から物語りは始まる…。
まほろばの村にある私立『乙橘学園』に通っている普通の女子高生『来栖川姫子』、学園のアイドル『姫宮千歌音』、姫子に想いを寄せるもう一人の学園のアイドルで幼馴染の『大神ソウマ』の3人は、平穏な毎日を享受していた。
ある日、日食の黒い太陽が照らす中で16歳の誕生日を迎えた姫子と千歌音は、遠い過去に邪神『オロチ』を封印した陽の巫女と月の巫女ということが判明し、オロチの眷属たる『オロチ衆』に命を狙われる。実はオロチ衆であったソウマ自身も覚醒するが、大事な人である姫子を守る為、オロチ衆に叛旗を翻すのだった。
[編集] 登場人物
ネタバレの内容は編集のコメント部分に記載。
原作者・主要スタッフと製作会社が同じ作品「京四郎と永遠の空」に、この作品の登場人物をモチーフとした主要登場人物が複数存在する(具体的には姫子(ひみこ)・千歌音(かおん)・ソウマ(大神ジン)・ギロチ(ソウジロウ)の4名)
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たるろってのモチーフは厳密にはネココではないと思われるので省きます。また、端キャラまで言及すると乙羽さんなどをモチーフとしたとおぼしきキャラクタもいるのですが、「主要」登場人物(名前のある登場人物)ではないので省きます。
- 来栖川姫子(くるすがわ ひめこ) 声:下屋則子
- 本作の主人公兼メインヒロイン。乙橘学園2年生。どこにでもいる普通の女の子ながら家庭の事情で多少弱気な所があるが、いざという時の行動力はソウマも舌を巻くほど。剣神天群雲に選ばれた陽の巫女でもある。
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家庭の事情:実の両親が亡くなり、引き取られた先の義理の両親(父親)があまり良い人ではなく、虐待気味に扱われた。 その為、髪に触られることに抵抗があったが、作中でソウマが髪に触れたことで克服されている。 中盤まではソウマと良い仲になるものの、最終的には本当に自分が愛しているのは千歌音と悟り、お互い結ばれることとなる。
- 姫宮千歌音(ひめみや ちかね) 声:川澄綾子
- 本作のもう一人のヒロインで月の巫女。家がお金持ちで本人が才色兼備な為、乙橘学園内では非常に人気があり「宮様」(みやさま)と呼ばれている。姫子を心から愛しており、それがきっかけで…。
ちなみに、「宮様」は「おにいさまへ…」のパロディ。
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真の自分の使命を知ってしまい、わざと姫子を挑発して殺される為にオロチ側に付く。最終的には姫子と結ばれるが巫女の使命の為、姫子に転生してまた会いに行くことを約束し、月の社に封印される。アニメ版のラストシーンでは、転生し姫子と再び出会ったと推測される描写がされている。尚原作版では月の社に姫子・千歌音共々封印され永遠に二人きりで暮らす事を選ぶ。
- 大神ソウマ(おおがみ -) 声:間島淳司
- 姫子の幼馴染でありオロチ七の首でもある少年。学園内では、「神様」(じんさま)と呼ばれている。周囲からは千歌音とお似合いと言われているが、彼の本命は姫子。運命に逆らい、オロチ衆と戦う。「今俺に出来ることは、せいぜい地球を救うくらいだけど」という名言を残している。
監督の別名義が「大上相馬」であり、このキャラクターから取ったものである。なので、監督お気に入りのキャラクターだと思われる。
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オロチ因子に逆らう代償として、ロボットに乗る度にオロチの呪い(体に紫の鱗が生え、それが体を覆いつくした時、身も心もオロチに侵される)を受ける。剣神天群雲に搭乗したことによって呪いは一気に加速し、完全に呪われてしまうが実兄ツバサの助けもあって解呪し、最後にはオロチに引導を渡した。 作中一貫して姫子の為に尽くし、努力した甲斐もあって中盤いい仲(デート・キスまでこぎつけた)になるが、最終的には振られてしまう(結果的に姫子・千歌音の引き立て役に)。その為、本作で最も悲惨な登場人物(ある意味ネタキャラ)といわれる事も。見せ場が多いことが唯一の救いか。
- ツバサ 声:松本保典
- オロチ衆の首領で一の首。最強の実力は他のオロチ衆にも認められるほど。ソウマとは何か関係がありそうだが…。
CDドラマでは『太陽の勇者ファイバード』、『疾風!アイアンリーガー』等で松本保典が演じたキャラクターの必殺技を披露していた。
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実はソウマの実兄。実父に虐待されているソウマを見かねて父親を刺殺し、少年院に入れられていたが脱走。その後、かなり荒んだ生活を送っていた。最終話では改心してソウマの手助けをする。
ツバサに対して危害を加える者は、誰であろうが許さず報復を加える。
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ギロチの義姉。 オロチ集になった原因は、戦争で人が死ぬのを見すぎてしまった為。
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ミヤコの義弟。 両親は戦争に巻き込まれた際に死亡。以後、ミヤコの義弟になった。
- コロナ 声:植田佳奈
- オロチ四の首。芸能界でアイドルをしているものの、最高順位は68位(レーコに最高69位と言われるのを68位と訂正するのがお約束)という今一つ歌姫としてはパッとしない少女。しかし、仕事に向ける情熱はとても高く、アッパー系の性格。
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自分の意思か無理矢理かは不明だが枕営業に手を染めた経験があり、それがトラウマになっている。 CDドラマでは単に姫子とソウマを消すつもりだったが、ソウマが好みだったので誘惑。だが、結局は拒絶されてしまう。
- レーコ 声:能登麻美子
- オロチ五の首。売れっ子学生漫画家で彼女の漫画『あたしのブレーメンラブ』は姫子も愛読している。コロナとは逆に、ダウナー系の性格。
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なまじ漫画家として成功してしまったが為に、漫画を自分の好きなように描けなくなってしまったというジレンマを抱える。 CDドラマでは姫子と会うが、その際に姫子を思いっきり突き放すようなことを言っている。レーコ自身は、本来もっと殺伐とした漫画を描きたい模様。
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猫耳と尻尾があるのは軍の生体実験の被検体となった為。 CDドラマでは姫子の焼いたクレープを不味いと言い放った。
- 如月乙羽(きさらぎ おとは) 声:西村ちなみ
- 千歌音に仕えるメイド長。姫子に対しては当初あまり良い感情を持っていなかった(姫子が椎茸嫌いなのを嬉しそうにメモするなど)が、最後に千歌音を守ってほしいと姫子に頼む。
- ユキヒト 声:南央美
- カズキと一緒に古代の遺跡を巡っている大学生。恋愛経験は多いらしく、ソウマにアドバイスなどもした。
- 大神カズキ 声:斉藤茂一
- ソウマの兄。厳しくも優しく姫子達を見守る。
- 早乙女マコト(さおとめ -) 声:大谷育江
- 姫子の親友。第一話でオロチ集との戦闘に巻き込まれて怪我をし、インターハイに出られなくなってしまった。一時は姫子との中も険悪になってしまうが、姫子が絡まれていたところを助けたことで和解する。
[編集] オロチ神と剣神天群雲
日本神話が下敷きであると共に、その能力は『冥王計画ゼオライマー』のOVA版に登場する八卦ロボへのオマージュと推測される。
- 嶽鑓御太刀神(タケノヤスクナズチ)
- 一の首・ツバサが使用。外見は武夜御鳴神に似ているが、相違点としては背部にビームウイングが付いており、性能的にも他のオロチロボを寄せ付けない。武器は剣が主体。
- 八雄炬御鎚神(ヤツノオノコシズチ)
- 二の首・ミヤコが使用。オールラウンドに戦えるものの零距離戦を苦手とする。武器は触手状のドリルや放電。更には隠し腕まで備える。
- 飛埜御脚神(ヒノアシナズチ)
- 三の首・ギロチが使用。ギロチ本人は「ギロチ専用ガンギャル」と呼んでいる。右手が異常に大きいが、そこに自分の体を入れて体当たりをする『メガトンナックル』が最大の武器。
- 大宇邊御蟲神(オオウベノセナヅチ)
- 四の首・コロナが使用。コロナ本人は「ファイナルステージ」と呼んでいる。武器は怪光線や溶解液など。
- 火殊羅御雹神(ホノシュライズチ)
- 五の首・レーコが使用。土偶型の機体で裏表に顔があり、その顔から火炎や吹雪を出して攻撃する。
- 鋳都祓御霊神(イズハラノタマズチ)
- 六の首・ネココが使用。ネココ本人は「にゃーにゃー」と呼んでいる。機体は鈍重ながら、オロチ一とも言える火力が売り。
- 武夜御鳴神(タケノヤミカヅチ)
- 七の首・ソウマ及び千歌音が使用。中盤戦までの主役メカ。若干空中戦は苦手なものの、全体的にバランスの取れた機体。必殺武器は『日輪光烈大撃破』。千歌音の使用時は武器が弓になり、全身の配色も赤に変わる。
- 翼脊深御観神(ヨクセミノミズチ)
- オロチ達を援護する鷹型ロボ。裏設定では八の首として如月乙羽が乗る予定だった。
- 邪神オロチ
- 全オロチロボが合体した姿。怪光線や巨大な剣、噛み付きが武器。
- 剣神天群雲
- 本来は姫子と千歌音が召喚する剣神。全身に剣を装備した機体で、頭部から強力な光線も撃てる。
[編集] アニメ
[編集] 放映時期
2004年10月1日から同年12月17日まで、全12回に渡り放送された(日付は千葉テレビの場合)。
放送局
- ちばテレビ(金曜日24:30~25:00)
- テレビ神奈川(土曜日25:00~25:30)
- テレビ埼玉(木曜日25:00~25:30)
- メ~テレ(水曜日27:08~27:38)
- KBS京都(月曜日25:25~25:55)
- チャンネルNECO(月曜日25:00~25:30)
- AT-X
- ※関西では当初、サンテレビ(放送開始直前のジェネオンのフリーペーパーに書いてあった)で放映予定だったが、急遽、KBS京都へ変更された。
[編集] スタッフ
- 企画:臼井久人、川村明廣、小野光枝、川﨑代治、加藤長輝
- 原作:介錯
- 監督:柳沢テツヤ
- シリーズ構成:植竹須美男
- 脚本:植竹須美男、花田十輝
- キャラクターデザイン/総作画監督:藤井まき
- メカニックデザイン:村田護郎
- デザインワークス/総メカ作画監督:塩川貴史
- 美術監督:安原稔
- 色彩設計:木村聡子
- 撮影監督:齋藤昭裕
- 編集:櫻井崇
- 音楽:窪田ミナ
- 音響監督:岩浪美和
- 音響制作:マウスプロモーション
- プロデューサー:日高功、川瀬浩平
- 制作プロデューサー:中川忍
- 原作協力/アニメーション制作:TNK
- 制作協力
-
- マウス(2・7話)
- フロントライン(3話)
- サンシャイン・コーポレーション・オブ・ジャパン(4・8話)
- ムークアニメーション(6・9話)
- スタジオファンタジア(10話)
- REMIC(11話)
- 製作:神無月の巫女製作委員会
-
- 東芝エンタテインメント
- ジェネオン エンタテインメント
- マウスプロモーション
- メモリーテック
- ティー・エヌ・ケー
[編集] 主題歌
- オープニングテーマ:「Re-sublimity」
- エンディングテーマ:「agony」
- (作詞:KOTOKO/作曲・編曲:中沢伴行/歌:KOTOKO)
- 挿入歌:「Suppuration -core-」
- (作詞:KOTOKO/作曲・編曲:高瀬一矢/歌:KOTOKO)
[編集] 各話サブタイトル
- 常世の国
- 重なる日月
- 秘恋貝
- 思い賜うや
- 夜闇を越えて
- 日溜まりの君
- 恋獄に降る雨
- 銀月の嵐
- 黄泉比良坂へ
- 愛と死の招待状
- 剣の舞踏会
- 神無月の巫女
[編集] 評価
第1話から超展開(前半は普通の恋愛モノに見せておいて、後半突如としてロボットが登場し戦う)であり、第1話ラストシーンは特に強烈で異彩を放つものであった。その為、ここで視聴を止めてしまった者も多く存在する。しかし、最終話まで通して観ると一貫したテーマや豊富な心理描写(特に姫子・千歌音)による感情移入度の高さ、感動的な結末、この作品とマッチしたKOTOKOのOP・EDテーマ、伏線回収の妙などもあり、現在でもファンにカルト的な人気を誇る。
賛否両論であり、観る人を選ぶ作品ではあるがそれ故に、コアなファンも多数存在する作品だといえる。
[編集] ラジオ
- ラジオ神無月
- 放送局:TE-A room(インターネットラジオ)
- 放送時期:2004年10月~2005年3月
- パーソナリティ:間島淳司、下屋則子
[編集] 商品
- コミック
- 主題歌CD
- KOTOKO:『Re-sublimity』(ジェネオンエンタテインメント)
- ドラマCD
- 『神無月の巫女 5.5話 君の舞う舞台』(フィフスアベニュー)
- DVD
- 『神無月の巫女』全6巻(東芝エンタテインメント)
[編集] 外部リンク
- 公式ホームページ
- RADIO KANNADUKI (無料)
- animate.tv Webアニメシアター(本編全話配信/有料・第一話のみ無料)
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