聖闘士星矢 天界編 序奏～overture～
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
『聖闘士星矢 天界編 序奏～overture～』（セイントセイヤ てんかいへん じょそう オーバーチュア）は、2004年2月14日に公開された『聖闘士星矢』シリーズの劇場公開作品第5弾。
完全オリジナル作品である同作品の劇場版前4作とは異なり、原作のハーデス編の正式な続編として制作されている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 解説
『聖闘士星矢』のOVA作品の『冥王ハーデス十二宮編』終了後、同作品の好評を受け、実に15年ぶりに制作された劇場版作品。
原作者である車田正美の当初の意向は、アニメ展開の『冥王ハーデス十二宮編』以降の完結後に劇場版に取り組むことであったが、メディアミックス戦略上、映画が先行して制作されることとなった。制作時に車田は、劇場公開という大規模であるからには、前4作のような小規模作品ではなく、原作でもまだ実現していないハーデス編の続編である幻のエピソード・天界編を、それも全3部作という規模で制作することを提案。原作のために温存していた構想を劇場版の原案として提供した。こうして天界編は、従来の劇場版とは異なる『星矢』の公式な物語でありながら、原作よりアニメが先行されるという異例の公開となった。
イメージアップのため、車田は雑誌スーパージャンプに特別編エピソードを書き下ろしている。また映画界でも有数の雑誌上で、編集者が『星矢』ファンという私情混じりの理由ではあるが、特集記事が企画されたほどだった。
こうして鳴り物入りで制作された本作ではあるが、実際に完成した映画は、車田の構想とはほど遠いものとなった。宣伝広告も極度に少なく、しかも東映系劇場でしか公開されなかったため、興業的には芳しくなかった上、旧来のファンからの評価にも厳しい意見が多く、作品自体の評価もファンの間で大きく分かれる結果となった。特に後半において描写が省略された部分が多く、多くの謎を残したまま続編が待たれている。
また映画制作時において、年月経過に伴うレギュラー声優の声質の劣化という、長編作品に避けられない問題が指摘されている。これはOVA『冥王ハーデス十ニ宮編』リリース時から露見しており、一時は本作にあたって声優陣の交替も提案されていたが、制作時間の都合もあり、結局はオリジナルの声優陣で制作されることとなった。星矢役の古谷徹が、テレビアニメ時と決して変わらない演技と太鼓判を押したものの、この声優の問題は、後々の『星矢』のアニメ展開である『冥王ハーデス冥界編』において重く圧し掛かることになる（顛末は聖闘士星矢#声優交代の波紋を参照）。
[編集] あらすじ
冥界での死闘の後。冥王ハーデスの呪いによりすべての力を失った星矢は、アテナ・城戸沙織の介護のもとで静かに生活していた。しかしオリンポス十二神の月の女神アルテミスは、神に抗った星矢の抹殺のため、3人の天闘士（エンジェル）を送り込む。 沙織は星矢の命を救うため、女神の地位と地上世界の支配権をアルテミスに譲り渡す。地上の神となったアルテミスは地上への天罰として人類滅亡を企て、神としての力を失った沙織は自ら血を流すことで人類を守ろうとする。この未曾有の危機に、力を失ったはずの星矢が再び立ち上がり、紫龍、氷河、瞬、一輝もまたアテナのもとへと向かう。しかしその行く手を天闘士たちが阻み、さらにはオリンポス十二神のアポロンまでもが降臨する。全宇宙最強の神を相手に、人類の命運をかけた最大の闘いが始まる。
[編集] ゲストキャラクター
[編集] オリンポス十二神
全能の神ゼウス率いる選ばれた神々による天界軍。
[編集] 天闘士
月の女神アルテミスを始め、オリンポスの神々を守る闘士。人数は不明。天衣と呼ばれる鎧を纏う（語源はブロッケン現象の別名から）。
- イカロス（声：緑川光、井上富美子（幼少時））
- 技：ハイエスト・アルティテュード
- 正体は魔鈴の生き別れの弟、斗馬。幼少時、災害により姉・魔鈴と生き別れになったことで人間の無力さを実感。神に近づく為に天闘士となる。アルテミスに遣えており、多くの神々を倒してきた星矢たち聖闘士を粛清するため、テセウス、オデュッセウスとともに星矢たちを襲う。
- テセウス（声：森川智之）
- アルテミスに仕える天闘士の一人。紫龍、氷河を襲い2人を打ち倒すも、自身も2人の拳によって致命傷を受けており、体内から破裂して死亡した。
- オデュッセウス（声：高橋広樹）
- アルテミスに仕える天闘士の一人。一輝、瞬を襲う。
[編集] スタッフ
[編集] 備考
- 全能の神・天帝ゼウスはスーパージャンプに掲載されたプロローグでのみ存在が示唆されている。
- イカロスは星矢とは比較される位置に配置されている。2人の対比が、演出・シナリオにもよく現れていた（アテナとアルテミスも同様）。
[編集] 関連項目
[編集] 出典元
[編集] DVD
- 『聖闘士星矢 天界編 序奏～overture～』 バンダイビジュアル、2004月。
[編集] 外部リンク
- 劇場版 聖闘士星矢 天界編 序奏～overture～（公式サイト）
- Toru Furuya's Job! 天界編序奏アフレコ日記!（古谷徹公式サイト内）
- 『星矢～冥界編～』声優陣変更について（車田正美公式サイト内）※現在は削除済み
|
|
|
|---|---|
| 漫画・小説 | 無印 - エピソードG - 冥王神話 - ギガントマキア |
| 劇場版 | 第1作 - 神々の熱き戦い - 真紅の少年伝説 - 最終聖戦の戦士たち - 天界編 |
| 人物 | 星矢 - 紫龍 - 氷河 - 瞬 - 一輝 - 城戸沙織 青銅聖闘士 - 白銀聖闘士 - 黄金聖闘士 - 暗黒聖闘士 - 海闘士 - 冥闘士 - 神闘士 - その他 |
| 玩具 | 聖闘士聖衣大系 - 聖闘士聖衣神話 |
