超攻速ガルビオン
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超攻速ガルビオン(ちょうこうそくガルビオン)は、1984年2月3日から同年6月29日までテレビ朝日系で全22話が放送された、国際映画社製作のロボットアニメ。
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[編集] ストーリー
西暦2099年、地球は異星人メタルロードのもたらした技術により大きな発展を遂げたが、同時に戦争も引き起こしてまった。地球人の野蛮さを恐れた異星人は、地球全体をバリアで覆って地球人を地球に封じ込めてしまった。 このバリアのために飛行を制限された地球で、飛行機の代わりに発展したのが、地球全土を網羅した高速道路と自動車社会であった。
受刑者であった無宇(ムウ)と麻矢(マヤ)は、恩赦を条件にレイ・緑山の率いる私設警察チーム「サーカス」の新鋭マシン「サーカスI・ガルビオン」を駆って、世界征服を企む秘密組織シャドウと戦う。
[編集] 解説
急遽打ち切りが決定し、22話までの放映となった作品。既に22話の作業は進んでいたため大幅な手直しはできず、最後の数分のみを止め絵とナレーションによる説明に差し替えて物語を完結させるという場当たり的、苦肉の策で結末を迎える形となった。当時リリースされたサントラ盤のライナーノートには2クール以降のストーリー展開の構想が記され、「アニメージュ」誌には大畑晃一のイラスト付き解説が掲載された。
山本正之の楽曲とPCN作画による軽快なオープニングアニメーションが好評であった。ガルビオンの肩部装着ポットからのミサイル発射に伴うカバー乱舞の作画は土器手司によるものである。また主題歌『ロンリー・チェイサー』はトヨタ「チェイサー」のラジオCMに使用された。二宮常雄をメイン作画監督に起用するものの粗悪な海外作画によって、二宮の実力を発揮出来ずに終わる。代わって印象的な作画を残したのはアニメアールで、谷口守泰の描くところの“ヘンリー”等、たがみよしひさキャラと谷口のクセのある画風が巧みにマッチし、吉田徹が華麗なメカ作画に腕を振るった。
[編集] メインスタッフのその後
メインライターを務めた伊東恒久はこの後も『蒼き流星SPTレイズナー』『赤い光弾ジリオン』と良作を手がけるもシリーズ構成作が国際→サンライズ→タツノコと別会社を跨ぎ、ガルビオン、レイズナーと連続して打ち切り、という不運に見舞われた。以後は活動の場を実写作のVシネマ、劇画原作に求めるようになる。その心境は当時発刊のサブカル誌「宝島30」に詳しい。
監督の鴫野彰は『ガルビオン』でのメカ物演出の消化不良を、次作にあたるスタジオぴえろ制作『星銃士ビスマルク』のシリーズ監督において、アニメアールの全面参戦を得つつ払拭することとなり、その後は好調に、ぴえろ作品のチーフディレクターを歴任する。
メカデザインの大畑晃一は、2クール以降のストーリーに予定されていた『マッドマックス』的バイオレンスな世界観を、その後に制作されたOVA『装鬼兵MDガイスト』として本作の総作監、二宮常雄とのコンビで発表し。ダークなトーンを身上とする個性的なアニメ作家の地位を確立して行った。
[編集] スタッフ
- 製作:壷田重三
- 企画:壷田重夫
- プロデューサー:宇都宮恭三(テレビ朝日)/佐久間敏郎
- プランニング・ディレクター:藤家和正
- 総監督:鴫野彰
- 脚本:荒木芳久、菅良幸、藤家和正、山崎晴哉
- シリーズ構成:伊東恒久
- キャラクターデザイン:たがみよしひさ
- メカニックデザイン:大畑晃一
- 総作画監督:二宮常雄
- 美術監督:杉浦正一郎
- 音楽:中島正雄
[編集] 主題歌
OP:『ロンリー・チェイサー』 ED:『メモリー・ララバイ』 (作詞:亜蘭知子/作曲:山本正之/編曲:中島正雄/歌:田中利由子)
[編集] キャスト
[編集] 登場メカ
- ガルビオン/サーカスI
- 無宇と麻矢が駆るサーカスの主力マシン。スーパーカー(プロトタイプレーシングカー)形態の「サーカスI」から高機動ロボット形態の「ガルビオン」へと変形する。また、ロードアタッカーと呼ばれる中間形態も用意されていたが、本編には登場しなかった。武装は肩に内蔵されたミサイルランチャーの他、オプション兵器として、ビームバズーカ、ブーストマグナム、など。手持ち武装が追加されるのは中盤からで、それまではキックやパンチによる格闘戦の描写も多かった。
- サーカスII
- サーカス専用トレーラー。サーカスIのメンテナンス機能をもち運転台後部に居住空間を備えたいわば移動基地である。
- ゼクター(ガルビオンII)/サーカスIII
- ガルビオンを支援する、VECTOR W2[[1]]似の新型可変車両。しかし打ち切りにより、その活躍が十分に描かれる事は無かった。ロボット形態では頭部バイザーの奥にパイロットの顔が見えるようになっており、パワードスーツ的な格好良さがある。追加武装パーツ「ウエポンブースター」と合体して「バーストゼクター」となる(21話に登場)。また設定ではロードアタッカー形態のサーカスIと合体するというものもあった。
- メタルバトラー
- シャドウに所属するメアリー・ゴードンの所有する鉱山から発掘された大戦前の設計図を元に、ヘンリーが復元、量産をしたもの。大戦復興後の兵器類を大きく凌駕する性能を有するが、パイロットの精神を崩壊させてしまうという欠点がある。後にムウ達を憎むダントがヘンリーにスカウトされ、その強靭な肉体と精神力でメタルバトラー・バルガスを操るが、武装強化したバーストゼクターとの連携により、敗れる。ヘンリーが最初に復元した機体がラグドル、他にも量産タイプのライアス、グライアンなどがある。
[編集] 放送リスト
- 謎の大組織シャドウ
- グランプリ大爆殺
- 超エンジン大奪還
- 大爆走ゲーム
- 死のニトロ大輸送
- 大暗殺・武器を捜せ
- ブル警官大追跡
- レイ緑山大暗殺指令
- 大噴出! 毒死鉱山
- 大いなる別れ
- 大実験! 野望の兵器
- 大戦慄! 人間狩り
- 大登場! 超秘密兵器(メタルバトラー)
- 恋の戦場大ラリー
- 大電殺! 百万Vの罠
- 地獄軍団・大襲来!
- ブル警官・大恋愛
- 大都会にブルースを・・・
- 基地爆破! 小犬大活躍
- 霧の人工島・大海戦
- 歩くんだ! ロロン
- アマゾネス戦士の恋
[編集] 商品化
プラモデルはイマイ、アリイ、エルエスの3社共同で発売。ロードアタッカーに変形するガルビオン(サーカスIにはならない)をイマイが、非変形の物や他のマシンを3社で分担した。
玩具発売に関しては、正式にガルビオンの名を冠した物は発売されていない。また、発売を予定していたメーカーもタカトクトイスとする説とバンダイとする説があり、はっきりしていない(両社とも関わっていた、という説もある)。雑誌「フィギュア王」にて大畑晃一がガルビオンの製作経緯を語った際にはタカトクトイスとされている。対して、バンダイ説はソース不明、かつ当時のバンダイの提供資料にそのような記述は無い。
正式な物ではないが、サーカスIに変形するガルビオン(ロードアタッカー形態にはならない)の海賊版と思しき玩具がわずかに出回っており、試作金型がタカトクトイス倒産に際して流出した可能性が取り沙汰されている。また、チープトイでも本来ガルビオン商品として製作されていたと思しき物がHERO、JAMから発売されていた。
[編集] 関連事項
テレビ朝日 金曜17時台後半 | ||
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