週刊ストーリーランド
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週刊ストーリーランド(しゅうかんストーリーランド)は、1999年10月14日から2001年9月13日にかけて日本テレビ系で木曜日19:58 - 20:54に放送されたバラエティ番組である。視聴者から面白い話を募集しアニメ化して放送するという内容だった。
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[編集] 概要
毎週3本か4本の短いアニメを日本語字幕つきで放送した。広く知られた昔話や既存のショートショートなどのほか、視聴者によるオリジナルストーリーをアニメ化することもあった。アニメはすべて一話完結ものだが、シリーズとして何作も作られるものもあった。番組初期から続いたシリーズに「謎の老婆」シリーズがある。これは、謎の老婆から奇妙な品物を買った人が一時は幸せになるものの最後には不幸になる(バッドエンド)、という話である(ごく稀に幸せのまま終わるもの(ハッピーエンド)もあった)。
俳優の西村雅彦と当時日本テレビのアナウンサーだった笛吹雅子が司会を務めた。西村雅彦は芝居で見せるユーモラスな面を一切見せず、番組の進行に徹した。番組には司会者のほかに2~3人のゲストが出演し、アニメの合間に感想と見所を言い合ったが、この合間のシーンには批判もあった(後述)。またバラエティー番組らしく、コマーシャル前とコマーシャル明けに物語の展開がどうなるか、視聴者の関心を惹くように煽るテロップも加えられた。
番組の最後には「あなたの知っている物語を大募集」として視聴者に応募を呼びかけ、採用者には最高で賞金50万円を出した。ただし、この50万円の賞金額は実際の採用者によれば、アニメの製作にすぐにでも使えるほど完成した脚本の応募に対して支払われるというものだった。
タイトルに「週刊」という冠が付いているにも関わらずプロ野球中継で番組が潰される事が多くそれがネタにされる事が多かった。
計56回でレギュラーの放送を終了した。最終回には「スペシャルとして復活します」と言ったものの(その時、いつもは予告を放送するところに、創作過程と見られるアニメが放送された)、2007年現在の時点では復活していない。
抗議が寄せられたり批判もあるものの、感動を呼んだ作品も多数あり、文庫化しているものや再放送された物もある。
アニメの製作陣も第一線で活躍して来たベテランが多く、豪華な声優陣も話題を呼んだ。
なお、これまで「マジカル頭脳パワー!!」など人気番組が数多く放送されたこの時間帯であるが、当番組終了後は「奇跡体験!アンビリバボー」(フジテレビ)や「うたばん」(TBS)の間に挟まれ鬼門枠に転落、視聴率低迷に苦しみ番組打ち切りが続出。ついに2007年春改編で「木曜スペシャル」以来の単発特番枠「モクスペ」に移行することになった。
[編集] 主な作品
[編集] シリーズ物
[編集] 謎の老婆
最も多くの作品が製作されたシリーズ。東京ムービー製作。「笑ゥせぇるすまん」に通じるような部分もある。街角で謎の老婆が不思議な品物(使えない○○や、終わらない○○など、副題のようなものが毎回付く)を販売し、それを買った人が品物の効力によって幸運を得たり不幸になったりするというものである。大抵の場合、最初は品物の力で出世したり利益を得たりといいことが起こるのだが、最後はとんでもない不幸が訪れる(その殆どは買う側の欲張り過ぎ)。ごく稀に幸せを得たり、プラマイ0になることもあった(この場合、買う側は大抵何らかの善行を行っている)。商品と値段が全く釣り合わないことも多い(おにぎりが10万円もする場合など)。老婆の正体や、品物の入手経路などは語られる事はなく不明。1回だけ、通信販売だった事もある。再放送や特別編(話の一部を変えたもの)を除いて27話が放映された。老婆の声は堀絢子が担当。この話に共通するものは、決して買った物を私利私欲に使わなかった者だけが幸せになるという話だった。
[編集] 名奉行・文さん
江戸の町奉行・松山文左衛門(愛称:文さん)がちょっとした小競り合いに際し、面白い裁決を下すというシリーズ。「大岡越前」に通じるような部分もある。全部で12話が放映された。文さんの声は城山堅、ナレーションは島本須美が担当。
[編集] 女警部・神宮寺葉子
警視庁城北署の警部・神宮寺葉子が様々な事件を解決するシリーズ。東京ムービー制作。事件の謎解きをする時、「キーワードは5つ」と言って事件のトリックを解くヒントを必ず提示する。全部で14話が放映された。神宮寺の声は小山茉美、神宮寺の部下・江森の声は中村大樹、ナレーションは銀河万丈が担当。事件の真相を解く速さが半端ではなく、最後の方はあっという間に証拠を見つけて解決してしまったり、現実には到底不可能なトリックを用いたりするなどという半ば強引な展開が多かった。
[編集] 鈴森なんでも相談所
どんな悩み事でも奇抜な発想で解決する「鈴森なんでも相談所」の所長・鈴森太郎を主人公としたシリーズ。ことわざをヒントにした解決方法を依頼人に教えることが多い。全部で8話が放映された。鈴森の声は宮澤正、ナレーションは荘真由美が担当。
[編集] ニッポン人の川柳
いわゆる「サラリーマン川柳」を元にして話を展開させたシリーズ。全部で3話が放映された。ナレーションは青野武が担当。
[編集] 三面記事太郎
通称「三面記事太郎」と呼ばれる新聞記者の三面記事の内容を紹介するシリーズ。全部で7話が放映された。太郎の声は伊藤健太郎(1~3話)・小野坂昌也(4~7話)が担当。
[編集] その他の主な作品
- 天国からのビデオレター(文庫化)
- 殺し屋ですのよ(星新一のショート・ショート)
- 後に世にも奇妙な物語においてもドラマ化された。
- 流血鬼/絶滅の島(ともに藤子・F・不二雄のSF短編)
- 彼氏の父親を愛してしまった私(原作およびアニメ化用プロット/顛末を記したっぽい小説)
- ちいさな肩たたき券
- 箱入り娘
- 真夏のお葬式
他
[編集] 各話一覧
[編集] 第1回放送
[編集] 「謎のアルバイト」
[編集] スタッフ
- 絵コンテ:やすみ哲夫
- 演出:やすみ哲夫
- キャラクター:関修一
- 作画監督:丸山宏一
- 美術監督:土橋誠
- 音響監督:小林克良
- 効果:横山正和
- 調整:田中章善
- 制作:シンエイ動画
- 制作協力:ベガエンタテイメント
[編集] 声の出演
[編集] 「三つの宝物」
[編集] スタッフ
- 絵コンテ:木村隆一
- 演出:木村隆一
- キャラクター:我妻宏
- 作画監督:我妻宏
- 美術監督:沼井信朗
- 音響監督:高橋秀雄
- 効果:松田昭彦
- 調整:佐藤千明
- 制作:日本アニメーション
- 制作協力:シナジー、サテライト
[編集] 声の出演
- ナレーション:杉本るみ
- ミル:井上倫宏
- ノル:後藤敦
- クル:石田彰
- 主治医:北村弘一
- 王女:山崎和佳奈
- 召使1:里内信夫
- 召使2:松本吉朗
- 女性召使A:進藤尚美
- 女性召使B:角田早穂
- 女性召使C:文月くん
- 門兵:高瀬右光
- 魔術師:掛川裕彦
- 王様:郷里大
[編集] 「乗り込んできた男」
[編集] スタッフ
- 絵コンテ:やすみ哲夫
- 演出:やすみ哲夫
- キャラクター:関修一
- 作画監督:丸山宏一
- 美術監督:中村隆
- 音響監督:小林克良
- 効果:横山正和
- 調整:田中章善
- 制作:シンエイ動画
- 制作協力:ベガエンタテイメント
[編集] 声の出演
[編集] 第13回放送
[編集] 「絶滅の島」
[編集] スタッフ
- 絵コンテ:やすみ哲夫
- 演出:やすみ哲夫
- キャラクター:関修一
- 作画監督:丸山宏一
- 美術監督:土橋誠
- 音響監督:小林克良
- 効果:横山正和
- 調整:田中章喜
- 制作:シンエイ動画
- 制作協力:ベガエンタテイメント
[編集] 声の出演
[編集] 「一番大きなリンゴ」
[編集] スタッフ
[編集] 声の出演
- ナレーション:小林清志
- 王様:徳弘夏生
- 王子:緑川光
- エマ:桑島法子
- セーラ:川澄綾子
- セーラの父:大山豊
- 女A:林玉緒
- 女B:田村ゆかり
- 女C:倉田雅世
- 女D:瀧本富士子
- 女E:渡辺美佐
- 側近A:千葉一伸
- 側近B:中博史
- 側近C:柳沢栄治
[編集] 「危険な贈り物」
[編集] スタッフ
- 絵コンテ:牛草健
- 演出:牛草健
- キャラクター:関修一
- 作画監督:丸山宏一
- 美術監督:土橋誠
- 音響監督:小林克良
- 効果:横山正和
- 調整:田中章良
- 制作:シンエイ動画
- 制作協力:ベガエンタテイメント
[編集] 声の出演
[編集] 抗議や批判
- ゴールデンタイムということからアニメに親しくない世代への配慮として、物語の合間に司会の西村雅彦、笛吹雅子とゲストが物語の感想や見所を話すシーンがあったが、一部のアニメファンからはそうした行為がアニメの純粋性を汚しているとの批判の声があった。
- 2000年1月27日の第13回放送「危険な贈り物」で「ある女の子が好きな男性に手編みのセーター作ったが間に合わず、右腕の袖だけがなかったためその男性の右腕を切断した」と言う結末に「残酷すぎる」と、300通近くの抗議が視聴者から寄せられた。
- 著名な漫画家の作品のアニメ化として、藤子・F・不二雄の絶滅の島がアニメ化された。しかしキャラクターデザインは番組独自の劇画調に変更され、ストーリーや設定も大幅に改変されてしまった。原作は残酷さとブラックユーモアが印象的な作品であったが、このアニメでは残酷な表現もなく教訓じみた内容になり、藤子ファンの反感を買った。(皮肉にも制作を担当したのは、藤子アニメを多く手がけてきたシンエイ動画(実制作はベガエンタテイメント)だった。)
- また、漫画や小説などを原作にしている話では、当時視聴者に脚本を応募していたことから、盗作との誤解が多く存在した。しかしこういった原作が存在する場合は番組の最後に紹介されていた。
[編集] 参加プロダクション
カッコ内は実質制作した企業
[編集] 歴代エンディングテーマ
[編集] スタッフ
- 企画・総監修:五味一男
- 演出:鈴木豊人/小沢太郎/瓜生健/松井昂史/舟澤謙二
- ディレクター:中西健/石尾純
- 構成:元末恵理子/狩野秀樹/森和盛/兼上頼正/浜田悠
- 協力:創輝/モスキート/日本テレビエンタープライズ
- プロデューサー:神蔵克/大武智浩/中谷敏夫/篠崎幸生
- チーフプロデューサー:佐野護顕
- 制作・著作:日本テレビ放送網
[編集] 外部リンク
日本テレビ 木曜20時枠 | ||
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