Production I.G
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Production I.G(ぷろだくしょん あいじー、株式会社プロダクション・アイジー)は、アニメーションの企画・制作ならびに版権管理を主な事業内容とする日本の企業である。
種類 | 株式会社 |
市場情報 | |
本社所在地 | 185-0021 東京都国分寺市南町3-22-31 |
電話番号 | 042-323-3569 |
設立 | 1987年12月15日(有限会社アイジータツノコとして) |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | アニメーションの企画・制作ならびに版権管理 |
代表者 | 石川光久(代表取締役社長) |
資本金 | 6億5900万円(2006年5月現在) |
従業員数 | 114人 |
決算期 | 5月 |
主要子会社 | 株式会社ジーベック |
外部リンク | www.production-ig.co.jp |
特記事項:日本動画協会正会員 |
目次 |
[編集] 概要
東京都国分寺市に本社・スタジオ、東京都府中市にCGスタジオ「FIX STUDIO」、さらに新潟県新潟市に作画スタジオを構える。押井守監督作品などの劇場作品を制作しており、日本国内だけでなく海外での知名度も高い。
設立からしばらくはオリジナルビデオアニメ(OVA)、アニメ映画、ゲーム用アニメなどを制作の中心にしてきた。1990年6月5日に作品への出資を目的とした子会社「株式会社イング」を設立。2000年9月1日、株式会社イングを名目上の存続会社として株式会社プロダクション・アイジーを吸収合併し、商号はアイジーの名前が継承された。2001年よりテレビシリーズの元請制作にも進出。
傘下にジーベックを持つ。ビィートレインも子会社であったが、後に独立している。
[編集] 沿革
- 1987年 竜の子制作分室としてタツノコプロから独立
- 1987年12月15日 東京都国分寺市に有限会社アイジータツノコを設立。
- 1991年5月 アニメーターを辞めるはずだった小村方宏治が石川の助言を受け、新潟県新潟市に帰郷し、「新潟スタジオ(アイジー新潟)」を設立。
- 1993年9月 有限会社プロダクション・アイジーに社名変更
- 1995年10月 背景美術部門「小倉工房」設置
- 1995年5月 株式会社ジーベック設立
- 1997年6月 ビィートレイン株式会社設立
- 1998年4月 株式会社プロダクション・アイジーに組織変更
- 2005年12月21日 JASDAQに上場
- 2006年2月フジテレビとFILM LLPを共同設立
- 2006年4月 トランスコスモスとamimoを共同設立
[編集] 大株主
平成18年5月31日現在
- 石川光久(32.1%)
- 株式会社電通(11.9%)
- 日本テレビ放送網株式会社(11.9%)
- 佐藤徹(6.1%)
- 石川みちる(4.3%)
- 下地志直(3.5%)
- 後藤隆幸(1.4%)
- みずほキャピタル株式会社(1.3%)
- ゴールドマン・サックス・インターナショナル(0.9%)
- 押井守(0.9%)
[編集] 設立の経緯
テレビアニメ『赤い光弾ジリオン』を制作した「竜の子制作分室」に揃ったスタッフを分散させるのを惜しんで、同分室を率いた石川光久が、同じフロアを間借りしていた後藤隆幸率いる「鐘夢(チャイム)」を合併し、京都アニメーションの援助を受けて、有限会社アイジータツノコを1987年12月15日に設立。出資者は、石川、後藤、八田英明、タツノコプロなどである。
伊吹眞(西堀ひろみ)、内田哲夫らが設立の中心スタッフである。アニメーターはフリーで参加する形となり、次いでフリーで真下耕一主宰のスタジオ「銀河帝国(のちに解散)」で制作を行っていた三本隆二と坂部久明、スタジオムーのアニメーター黄瀬和哉らが追って参加した。
設立当初はシンエイ動画のテレビシリーズを始め、マッドハウスの『銀河英雄伝説』やスタジオディーンのOVA『機動警察パトレイバー』の制作協力を行っていた。しかし、下請け続きの仕事では管理費が取れないと思った石川は、シンエイ動画の下請けを持続させた形で元請制作に乗り出した。
その後は『赤い光弾ジリオン 歌姫夜曲』を皮切りに数多くの劇場映画やOVAを制作した。特に初期は貞光紳也、西久保瑞穂、黄瀬和哉らが先陣を切ってアイジー作品をサポートしていた。
[編集] 社名の由来
IGタツノコ時代、タツノコの名前を入れたのは金融機関の理解を得るためと、タツノコプロの創業者一族の娘と結婚して親戚関係になった石川社長がタツノコプロと喧嘩したくなかったためだったとされる。石川社長は「タツノコ」というネーミングにこだわりを感じており、今までお世話になったタツノコプロへの恩返しのつもりで入れたと語っている。タツノコの名前があったことは社会的な信用も得ることにも繋がった。
創立時にタツノコプロから資本金の2割の出資を受けていたものの、当時の苦境にあったタツノコプロは積極的にアイジーに仕事を回すだけの余裕がなかった。しかしながらその「タツノコ」と名のついた会社名であるため関連会社と勘違いする人が増えてきた。そういった勘違いによる不快感が徐々にスタッフ(特に進行やデスク)に現れ出し、また業績が盛り返したタツノコプロ側からの要請もあり、社名から「タツノコ」の名を外す動きが始まる。石川社長は名前を変えることにショックを受けていたが、受諾し、名義変更に至った。この社名変更と同時に、タツノコプロと京都アニメーションから受けていた資本金も返上している。
"IG"という社名は、社長の石川と副社長の後藤のイニシャルから命名したものである。三本隆二によると、当初石川社長は「"アイジープロダクション”はどうだ?」と提案したが、進行をやっていた寺川英和から「逆("プロダクションアイジー")の方がいいんじゃないですか?」と言われ、そのネーミングにしっくりきた石川社長は寺川の提案を受諾し、現社名にしたとされている。また三本によれば、IGタツノコを設立する際、石川社長に会ったときに社名を聞いたところ、既に社名を決めていたにもかかわらず「キンカクシ」というデタラメの社名を教わったことがある。
[編集] 現在放送中
[編集] TVシリーズ
[編集] 放送・公開予定
[編集] TVシリーズ
- 『ウェルベールの物語 ~Sisters of Wellber~』(2007年春~) - 実制作はトランス・アーツ。
[編集] 主な作品
- 1987年 TV 『赤い光弾ジリオン』 - タツノコプロ作品だが、事実上のデビュー作と言われる。
- 1987年 TV 『エスパー魔美』 - 現在の『クレヨンしんちゃん』に繋がるシンエイ動画グロス請けの第一号作。
- 1988年 OVA 『赤い光弾ジリオン 歌姫夜曲』 - 自社名義でのデビュー作。
- 1988年 OVA 『機動警察パトレイバー』 - 奇数巻を担当。
- 1989年 劇場 『機動警察パトレイバー the Movie』 - 以後一貫して押井守作品の制作を担当。
- 1990年 劇場 『「エイジ」』
- 1992年 OVA 『電影少女 -VIDEO GIRL AI-』
- 1992年 劇場 『風の大陸』
- 1992年 劇場 『Talking Head』 - 押井守監督の実写作品。アニメパートを担当。
- 1993年 劇場 『機動警察パトレイバー 2 the Movie』
- 1993年 OVA 『ぼくの地球を守って』 - 「Production I.G」名義の第一号作。
- 1994年 OVA 『爆炎CAMPUSガードレス』
- 1994年 TV 『ブルーシード』 - 制作能力の問題で葦プロダクションとの共同制作。XEBEC設立の契機となる。
- 1995年 劇場 『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』
- 1996年 OVA 『ブルーシード2』
- 1997年 劇場 『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』『Air/まごころを君に』
- 1998年 GAME 『ゼノギアス』
- 1999年 GAME 『やるドラ』シリーズ4作品
- 1999年 劇場 『アキハバラ電脳組 2011年の夏休み』
- 1999年 GAME 『エースコンバット3 エレクトロスフィア』 - 挿入部アニメパート制作と佐藤大のシナリオを採用。
- 2000年 劇場 『人狼 JIN-ROH』
- 2000年 GAME 『スキャンダル』やるドラシリーズ5作目。PS2ソフト。
- 2000年 劇場 『BLOOD THE LAST VAMPIRE』 - 押井塾で生まれたオリジナル作品。メディアミックス作品となっており、GAME版はやるドラシリーズ6作目にもあたる。
- 2000年 OVA 『フリクリ』 - ガイナックスとの共同制作。
- 2001年 TV 『バンパイヤン・キッズ』 - IG初のオリジナル子供向けアニメ。
- 2001年 OVA 『怪童丸』 - 若手スタッフを中心に作られたオリジナル企画。
- 2002年 劇場 『ミニパト』
- 2002年 GAME 『サーヴィランス 監視者』 - ムービー担当。
- 2002年 TV 『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』
- 2003年 劇場 『キル・ビル Vol.1』 - アニメパート制作。
- 2003年 TV 『魁!!クロマティ高校』
- 2004年 TV 『風人物語』
- 2004年 TV 『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』
- 2004年 劇場 『イノセンス』
- 2004年 劇場 『DEAD LEAVES』
- 2004年 TV 『お伽草子』
- 2005年 劇場 『劇場版 テニスの王子様 二人のサムライ The First Game』
- 2005年 劇場 『劇場版ツバサ・クロニクル 鳥カゴの国の姫君』
- 2005年 劇場 『劇場版xxxHOLiC 真夏ノ夜ノ夢』
- 2005年 TV 『BLOOD+』 - Production I.G初にして唯一のTVアニメ4クール作品。
- 2005年 TV 『IGPX』
- 2006年 TV 『xxxHOLiC』
- 2006年 劇場 『立喰師列伝』 - 実写とアニメを融合させるスーパーライヴメーションという手法で制作された作品。
- 2006年 TV 『シュヴァリエ ~Le Chevalier D'Eon~』
- 2006年 OVA 『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society』
[編集] その他の作品
[編集] 制作協力
- 『チンプイ』(制作元請:シンエイ動画)※I.Gタツノコ時代
- 『21エモン』(制作元請:シンエイ動画)※I.Gタツノコ時代
- 『新世紀エヴァンゲリオン』(制作元請:タツノコプロ・ガイナックス、各話協力)
- 『爆走兄弟レッツ&ゴー!! (制作元請:ジーベック)
- 『爆走兄弟レッツ&ゴー!! WGP』(制作元請:ジーベック)
- 『爆走兄弟レッツ&ゴー!! MAX』(制作元請:ジーベック)
- 『週刊ストーリーランド』(制作元請:シンエイ動画、各話協力)
- 『メダロット魂』(制作元請:トランス・アーツ)
- 『ラブひな』(制作元請:ジーベック)
- 『地球少女アルジュナ』(制作元請:サテライト)
- 『パラッパラッパー』(制作元請:J.C.STAFF)
- 『フルーツバスケット』(制作元請:スタジオディーン)
- 『テニスの王子様』(制作元請:トランス・アーツ)
- 『あずまんが大王』(制作元請:J.C.STAFF)
- 『カレイドスター』(制作元請:GONZO DIGIMATION)
- 『ARIA』シリーズ(制作元請:ハルフィルムメーカー、デジタルワークス協力)
- 『韋駄天翔』(制作元請:トランス・アーツ)
[編集] 各種映像作品
- 『ONE PIECE』(ジャンプ映画バージョン)
- 『なんちゃってバンパイヤン』(湯浅政明監督による『バンパイヤン・キッズ』のパイロットフィルム)
- 『サクラ大戦活動写真』
- キリンレモン77(CM)
- 『テイルズ』シリーズ(アニメーション)
- 『ワイルドアームズ セカンド・イグニッション』(アニメーション)
- 『ヴァルキリープロファイル』(アニメーション)
- 『ゼノギアス』(アニメーション)
- 『聖剣伝説DS CHILDREN of MANA』(アニメーション)
- 『NAMCO x CAPCOM』(アニメーション)
- 『Peut-Etre Toi』(フランスの歌手ミレーヌ・ファルメールのプロモーションビデオ)
- 『ラジアータストーリーズ』 (CM)
他多数。
[編集] 関連企業
- かつての関連企業
[編集] 主なスタッフ
[編集] 役員
- 石川光久(代表取締役社長)
- 石川みちる(取締役。石川社長の夫人、タツノコプロ創業者の吉田竜夫の三女。タツノコプロではカラーデザイナー、アイジーでは制作の経験)
- 後藤隆幸(取締役・第1スタジオチーフ・アイジー副社長)
- 黄瀬和哉(取締役・第2スタジオチーフ)
- 下地志直(取締役・XEBEC代表取締役)
- 長谷川隆一(取締役)
- 喜田繁(常勤監査役)
- 浜野保樹(東京大学大学院教授、監査役)
- 中浜鐵志(監査役)
[編集] 所属スタッフ
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[編集] OB
[編集] フリー契約スタッフ
[編集] 主要取引会社及び作品参加プロダクション
- シンエイ動画
- スタジオジブリ
- ガイナックス
- ぴえろ
- トランス・アーツ
- J.C.STAFF
- M.S.C
- ピーエーワークス
- アニプレックス
- キングレコード
- バンダイビジュアル
- ビクターエンタテインメント
- マッグガーデン
[編集] 参考文献
- ニュータイプ編集『軌跡―Production I.G 1988‐2002』(2002年、角川書店) ISBN 4-048535-17-X
- 日経BPムック『プロダクションI.Gマガジン』(2005年、日経BP社) ISBN 4822217159
- キネ旬ムック『『千と千尋の神隠し』を読む40の目』(2001年、キネマ旬報社) ISBN 4873765479 - アニメ制作会社スタジオジブリの鈴木敏夫との対談。
- 梶山寿子「雑草魂―石川光久 アニメビジネスを変えた男」(2006年、日経BP) ISBN 4822220648
- 『アニメージュ』(2004年1月号、徳間書店) - インタビュー「この人に話を聞きたい」。
[編集] 外部リンク
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