都営バス港南支所
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都営バス港南支所(こうなんししょ)は、港区港南4丁目の海岸通り沿いにあり、港区南東部、品川区、大田区などの臨海部、埋立地を運行する路線を担当している支所。正式名称は、東京都交通局品川自動車営業所港南支所である。営業所記号は「Y」を用いる。
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[編集] 概要
1990年代の末にお台場方面への路線拡大による車両の回送距離を減らし、台場地区の需要の変動に対応することを目的に、当時の目黒営業所(2001年以降は支所)の分駐所として開設され、目黒支所の分駐所化に伴い品川営業所の管轄(但し、目黒・港南は一体で品川本局とは区別されていた。)となったのち、2005年3月に目黒分駐所廃止に伴い、支所へと昇格した。同支所の記号は廃止された志村営業所(板橋区東坂下)で使用されていたYである。主力路線は、浜松町駅からお台場地区へのアクセス路線である虹01系統である。
本所には本格的な車両点検の施設がなく、日常の検査以外の修理・点検などは品川営業所で行っている、都バスの車庫でありながら2005年3月まで定期券の販売が行われていなかった、など異色の存在である。
[編集] 沿革
品川近辺には古くからの品川営業所があったが、その後目黒営業所の周辺が目黒駅再開発のエリアとなるためかなり以前からこの地に移転させる計画があり、昭和末期には当時目黒営業所が受け持っていた田70(新宿駅 - 港区スポーツセンター)や黒10(東京駅 - 目黒駅)を中心に移管させ、目黒営業所を閉鎖する計画があったほどである。その後当初の計画は消滅したが、冒頭の目的である台場方面の前線基地のほかに、計画が遅れていたが本家である目黒営業所が再開発の開始で閉鎖されたため、その代替施設としての位置付けもある。用地は元々東京都の宿舎として使用されていた場所であり、東京モノレールの線路の下にあるため、車内からも見える。当時は目黒営業所港南分駐所と名乗っていた。2005年3月に目黒分駐所廃止に伴い、支所へと昇格した。車両は旧目黒所属車のうち、大型車は全車両港南支所で引き続き使用され、品川とは東98、黒77用の車両との交換が行われた。しかし目黒が担当していた路線は、一部を除き品川営業所に所轄変更され、反対に埋立地の路線を中心に港南所轄と変更した。なお、品93系統の一部も港南担当便があり、現在も形を変えて目黒駅まで乗り入れている。
[編集] 現行路線
[編集] 波01系統
深川営業所と共管
- 波01:東京テレポート駅 - テレコムセンター駅 - 中央防波堤
- 波01出入:品川駅東口 - 五色橋 - 芝浦埠頭 - フジテレビ - テレコムセンター駅 - 東京テレポート駅
- 2006年4月1日 波01系統の運転を開始する。
かつては海03系統が環境局中防合同庁舎まで運転を行っていたが、2003年に廃止された。その後は、タイム24の貸切輸送を一部環境局経由にして対応していたが、2006年から波01系統として分離独立させることとなった。なお、海03時代とは異なり、環境局の建物前で発着は行わない。なお、日曜日は1日1本のみである。
[編集] 虹01系統
- 虹01:浜松町駅(バスターミナル) - 日の出桟橋 - フジテレビ - 日本科学未来館前 - テレコムセンター駅(←東京ビッグサイト) - 国際展示場駅
- 虹01:浜松町駅(バスターミナル) - 日の出桟橋 - フジテレビ - 日本科学未来館前 -テレコムセンター駅 - 東京ビッグサイト
- 虹01:浜松町駅(バスターミナル) - 日の出桟橋 - フジテレビ(←日本科学未来館前)- テレコムセンター駅
- 虹01出入:港南四丁目(港南車庫)(→東京海洋大学本部→御楯橋) - 五色橋 - 汐路橋 - 日の出桟橋入口 - 浜松町駅(浜松町バスターミナル)
- 備考 東京ビッグサイトのイベント開催に伴う多客時に運行される国展03(浜松町駅 - (無停車) - 東京ビッグサイト)も本系統の臨時増発便と位置付けられ、基本的に港南以外は運用に入らない。ピーク時に品川の応援がある程度である。
生い立ちは田町からレインボーブリッジまでの路線として開通したものであり、経路上は現路線と関連は薄く、系統番号以外は全く別の路線と言える。当初はレインボーブリッジ展望台利用客向け観光路線であったが、次第に通勤路線の色合いが強くなり、平日の運行回数も増え、ルートも直通からダイヤモンドパレス・ピアシティ芝浦などを経由するようになった。また、田町駅は途中で経路変更のため港区スポーツセンター発に変えられた。
しかし、お台場地区の目覚しい発展から路線を設定することとなり、系統番号そのほかを譲ることになる。そして誕生した現在の虹01系統は、浜松町駅からレインボーブリッジ(臨港道路)を渡りお台場へのアクセス手段として機能している系統であり、都営バスの主力路線の一つである。この路線が開通した経緯はフジテレビジョンなどが東京都に対し、通勤のバス路線開設を要請したからである。丁度同局が曙橋(新宿区河田町)からお台場に移転する直前に開通した。当初は品川営業所との共同運行だったが、一年で共管先が深川営業所に変更となった。りんかい線延伸により需要が減り、ダイヤ改正のたびに減回され、近年ではテレコムセンターを経由しない直行便はかなり減らされた末、2006年4月の改変で消滅した。それでもなお、都営バスのイメージリーダー的風格を漂わせている系統である。あまり知られていないが、りんかい線、ゆりかもめに比べて臨海副都心への運賃が安い。
公共車両優先システム(PTPS)を導入しており、信号の優先制御を経路上で実施しているため対応した機器を搭載する必要があることと、レインボーブリッジの前後に長い勾配がある関係で主に補助ブレーキの強化を実施した専用車両が投入されている。港南車は日野・ブルーリボンのHIMRやリターダを搭載しているHU2Pノンステップバス、深川車はいすゞ・キュービックのCNG車が主に使用され、専用車は前面にヨットやレインボーブリッジなどのイラストを貼り付けて区別している。この路線の専用車は通称「虹バス」と呼ばれる。なお、本路線を題材としたコンピューターゲームとして『東京バス案内』がある。(ゲームの車両はいすゞキュービック)
東京ビッグサイト発着便に、たまに通常とは異なる方向幕(テレコムセンター経由が前面・側面に入っている)を使用している便があるが、この幕は少し前までは存在したテレコムセンターを経由しない直行便と区別するためのものである。このため、全便がテレコムセンター経由となっている今日ではどちらの方向幕でも経路は同じである。
[編集] 品93系統
品川営業所の記事を参照にされたい。
[編集] 井96系統
- 井96 大井町駅東口→青物横丁→都立八潮高校→天王洲アイル(パークスクエア)→南馬場→青物横丁→大井町駅東口(天王洲アイル循環:反時計回り)
- 1994年7月21日:品91折返系統を改称、井96系統とする
- 2002年2月25日:天王洲橋→青物横丁間を南馬場経由とする
- 2005年3月28日:品川営業所から港南支所へ所管変更
井96系統は大井町駅を出発後、青物横丁を基点に反時計回りで天王洲地区を経由し再び青物横丁から大井町駅へ至る、いわゆるラケット型の循環路線である。1992年9月に品91折返系統として、大井町駅と天王洲地区のアクセス向上を目的に開通したが、当初は平日のみの運行だった。その後大井町駅に関係する系統の再編により、井96系統として独立。さらに2002年2月には品91・品98系統の再編に伴う補強として、大井町方面行きの南馬場経由化、土曜休日の運転開始・ダイヤ増発が行われ、段階的に規模を大きくしてきた路線である。2005年3月に港南分駐所の支所格上げに伴い品川営業所より移管され、現在は主に中型ロングのノンステップバス(日野HR)によって運行されている。
ダイヤは品川営業所時代に上記の経緯で拡充され、2002年12月のりんかい線全通にもほぼ影響を受けなかったものの、港南支所移管時に大幅減便され、特に土曜休日は終日毎時1 - 2本まで減回されている。
[編集] 品98系統
- 品98甲:品川駅東口 - 天王洲橋 - 2号バース - 大田市場
- 品98乙:品川駅東口 - 天王洲橋 - 2号バース (←安田倉庫) - 大井埠頭バンプール(→方向:朝のみ、←方向:土曜夜1回のみ)
- 品98丙:品川駅東口 - (急行) - 大田市場 平日・土曜早朝1本のみ(市場定休日は運休)
大田区を走行する唯一の都営バス路線。大井埠頭のコンテナターミナルや東京中央卸売市場大田市場への通勤・用務を目的としている。かつては東京港野鳥公園・大井埠頭中央公園を経由して大井町駅まで直通していた。この路線には早朝の5時台に市場関係者の利用があることから、品川駅から直行の急行便が設定されており、各停便と走行ルートが異なっている。かつては3本運行されていたが、現在は1本のみである。品川駅東口発は5:32(2006年現在)であり、始発電車に乗ってこの時間に間に合うエリアは非常に限られる。梅78と並んで都営バス屈指の乗車困難路線とも言われており、物理的に間に合わない分だけ梅78よりも乗車困難と言える。
[編集] 品99系統
- 品99:品川駅東口→港南四丁目→東京入国管理局→品川火力発電所→京浜運河→品川埠頭→港南四丁目→品川駅東口(品川埠頭循環)
- 品99折返:品川駅東口 - 港南四丁目 - 東京入国管理局
- 品99出入:品川駅東口 - (無停車) - 港南四丁目(港南車庫構内)
- 1964年:品川駅東口 - 品川埠頭で運転を開始する。
- 1998年10月17日:目黒営業所に移管する。
- 2000年12月12日:目黒営業所の支所格下げに伴い、港南分駐所所管に変更する。(もとから目黒港南担当ではあった。)
- 2004年4月1日:品川駅東口 - 港南四丁目 - 東京入国管理局を新設する。
同系統は昭和39年に運行開始された。目黒営業所港南分駐所開設と同時に目黒(港南)に移管し、現在に至る。
[編集] 田99系統
- 田99 品川駅東口 - 五色橋 - 芝浦埠頭 - (港区スポーツセンター→)田町駅東口
- 1998年4月17日:品川営業所から目黒営業所に移管する。
- 2000年12月12日:目黒営業所の支所格下げに伴い、港南分駐所所管に変更する。(もとから目黒港南担当ではあった。)
- 2002年12月1日:虹02系統(品川駅東口 - 東京テレポート駅)の廃止に伴い、日中の運転を開始する。
- 2002年4月1日:品川営業所に移管する。
- 2004年4月1日:経路変更を行う。(品川駅東口近辺、田町駅東口近辺など)
- 2005年3月28日:港南支所に移管する。
- 2006年4月1日:潮路橋経由から芝浦埠頭経由に、港南中学校経由から浜路橋経由に変更する。
設定当初は、朝夕のみの運行であったが、2002年12月の虹02系統(新)の廃止により、日中の運行が開始された。
また、2004年4月に田町駅東口の交通広場完成に伴い、ルートの変更を行った。
[編集] 備考
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