都営バス
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都営バス(とえい-)は、東京都が経営する公営バス。都バスとも呼ばれる。東京都交通局内にバスを担当する「自動車部」(都営地下鉄は「電車部」)がある。
東京都特別区や青梅市を主な営業エリアとする一般乗合バス事業の他、渋谷・南千住両営業所に集約配置されている観光用車両(5台)及び乗合用車両の転用による貸切バス事業も行っている。
経営効率化のため、2003年4月より早稲田営業所杉並支所、2004年4月より江戸川営業所臨海支所、2006年4月より南千住営業所青戸支所において、それぞれ東京都が出資する民間事業者・はとバスへの業務管理委託を行っている他、2003年より江東・江戸川・深川の各営業所が江東区の中学校登下校用貸切スクールバスの運行を受託している(年度によりうち2営業所が運行)。また、リフト車以外のホイールベースはすべて短尺(三菱は-K、いすゞは-Lなど)である。
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都営バスの一般車両:虹01仕様・いすゞ・キュービックLV288L
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都営バスの青梅地区の車両 日野・ブルーリボンHT2MLAA
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目次 |
[編集] 沿革
都営バスの歴史は、関東大震災により罹災した東京市電の代替輸送手段として、1924年1月18日に東京市電気局が暫定的に乗合バス(市営バス)事業を開始した事に始まる。
当時の車体は、明治初期の乗合馬車を連想させ、またこの乗合馬車の御者を明治期の落語家・4代目橘家圓太郎が高座でものまねした事が受けて以来、乗合馬車自体を「円太郎」と呼んでいたのに因み、この乗合馬車然とした市営バスも、「円太郎バス」と呼ばれる様になった。
この頃、既に東京市内には東京乗合自動車の経営する乗合バスが運行しており、好成績を上げ市電の強敵となっていた。同社のバスは青色(実際は深緑色)に塗られていたため「青バス」と呼ばれ、また車掌に10代後半から20代後半までの女性を採用し、彼女達の制服の襟が白色だったので、「白襟嬢」と呼ばれ注目を集めていた。
東京市は、これに対抗して当初ワンマン運転だった乗合バスに女性車掌を採用した。こちらは制服の襟が赤色だった事から、彼女達は「赤襟嬢」と呼ばれる様になる。こうして、市営バスも好成績を上げてくると、当初の営業期限を延長して営業を続ける事となり、やがて恒久化が決定された。
1942年2月1日、東京市は陸上交通事業調整法に基づき、市営バスのライバルであった「青バス」を東京地下鉄道から買収した。また同社のライバルであった東京高速鉄道傘下の「黄バス」こと東京環状乗合自動車並びに城東乗合、王子電気鉄道、そして京王電気軌道と東京横浜電鉄のバス部門と東京地下鉄道系列であった葛飾乗合自動車のそれぞれの旧市内路線、さらに東京地下鉄道が運行していた「東京ユーランバス」を買収した。これで、東京市は天王洲~渋谷駅~新宿駅~池袋駅~赤羽駅~荒川大橋~千住新橋~小松川橋~今井橋に囲まれた東京中心部の乗合バス事業を独占する事となった。
1943年10月1日には東京都制が施行され、東京市電気局は東京都交通局と改称した。同時に「都バス」の名が誕生した。
1949年に、休止中の遊覧バス事業を新日本観光(現・はとバス)へ譲渡した。
2000年4月からは、増収対策の一環として、車体に広告を貼り付けるラッピングバスが登場した。
[編集] 営業所
都営バスでは以下の12営業所と7支所の体制で営業している。各営業所と支所には所属車両の識別などのためにアルファベットの略記号が設けられている。記号は制定当時、品川を基点に時計回りの順番に付けられたが、その後の統廃合や移転によりその順番はバラバラになっている。
- 品川自動車営業所・A(東京都品川区北品川1-5-12)
- 所管系統…市01・黒77・橋86・反90・品91・深夜07・井92・直行01・品93・反94・浜95・反96・品96甲・品96乙・東98・井98
- 品川自動車営業所港南支所・Y(東京都港区港南4-7-1)
- 所管系統…虹01・波01・品93・井96・品98・品99・田99
- 渋谷自動車営業所・B(東京都渋谷区東2-25-36)
- 所管系統…都01・都06・学03・学06・田87・渋88
- 渋谷自動車営業所新宿分駐所・B(東京都新宿区西新宿3-19-1)
- 所管系統…都01・CH01・宿74・宿75
- 小滝橋自動車営業所・E(東京都中野区東中野5-30-2)
- 所管系統…学02・橋63・飯62・飯64・上69・高71・早81
- 早稲田自動車営業所・T(東京都新宿区西早稲田1-9-23)
- 所管系統…上58・早77・池86
- 早稲田自動車営業所杉並支所・D(東京都杉並区梅里1-14-22)
- 所管系統…渋66・王78・宿91・品97
- 早稲田自動車営業所青梅支所・W(東京都青梅市森下町554)
- 所管系統…梅01・梅70・梅74・梅76・梅77・梅78
- 大塚自動車営業所・G(東京都文京区大塚1-4-2)
- 所管系統…都02・都02乙・上60
- 巣鴨自動車営業所・P(東京都豊島区巣鴨2-9-8)
- 所管系統…学01・学07・里48・深夜04・茶51・草63・草64
- 北自動車営業所・N(東京都北区神谷3-10-6)
- 所管系統…王40甲・王40丙・王41・王45・王46・王55・王57・深夜02・東43
- 北自動車営業所練馬支所・F(東京都練馬区豊玉上2-7)
- 所管系統…学05・白61・新江62・池65
- 千住自動車営業所・H(東京都足立区梅田2-3-11-101)
- 所管系統…王49・草41・草43・端44・北47
- 南千住自動車営業所・K(東京都荒川区南千住2-33-1)
- 所管系統…都08・里22・東42・上46・南千48・錦37・上26・草64
- 南千住自動車営業所青戸分駐所・K(東京都葛飾区白鳥1-8-1)
- 所管系統…錦37
- 南千住自動車営業所青戸支所・Z(同上)
- 所管系統…上23・有30・墨38・草39
- 江東自動車営業所・L(東京都墨田区江東橋4-30-10)
- 所管系統…都07・錦27・東22・東22乙・門33・上26・亀21・亀23・錦18・陽20・急行05・急行06
- 江戸川自動車営業所・V(東京都江戸川区中葛西4-9-11)
- 所管系統…西葛01・FL01・亀24・亀29・西葛20・西葛27・新小21・新小22・新小29・新小30・葛西24・錦25・葛西21・錦28・臨海28・錦27・錦27-2・深夜03・深夜10
- 江戸川自動車営業所臨海支所・R(東京都江戸川区臨海町4-1-1)
- 所管系統…門21・秋26・西葛26・草24・平23・両28・平28・AL01・新小20・葛西22・亀26・船28・臨海22・錦11・錦22・東20
- 深川自動車営業所・S(東京都江東区東雲2-7-41)
- 所管系統…海01・都03・都04・都05・業10・木11・錦13・東12・東15・東16・門19・虹01・豊洲01・波01
[編集] 営業所の統合及び廃止
都営バスでは、路線網の縮小や運行エリアの変化に伴い、営業所の統合及び廃止が幾度か行われており、特にバスの利用者数が減少に転じた後の1980年代、そして地下鉄網が完備されつつある2000年代に集中して実施されている。
1980年代の事例として、まず1980年4月に滝野川営業所(記号:N)及び同所管轄下の昭和町分車庫が北営業所に移転統合された。また、1982年3月には志村営業所(記号:Y)が廃止され、同所の受け持ち路線は王78を除き北営業所に吸収された。1985年には、新宿営業所八王子支所(記号:X)は唯一の所管であった立73系統が自治体からの補助金の計上停止に伴い廃止され、特定輸送のための分駐所となったが、これも同年度末に移管されて廃止された。1987年には船堀にあった旧・江戸川営業所(記号:R)及び同今井支所(記号:U)が廃止され、臨海町に新設された臨海営業所に統合された。
1997年12月19日の都営地下鉄大江戸線新宿開業時には、練馬営業所が支所に降格し、2000年12月12日の全線開業時の再編では、杉並・新宿・目黒の各営業所が支所に降格した。その際、黒10や田70、秋76の各系統が廃止され、都03や橋86、草28(⇒両28)の各系統で経路が短縮された。その後、2003年4月には目黒支所(記号:M)は品川営業所の分駐所となり、杉並支所ははとバスへの管理委託となった。2004年4月には葛西営業所が江戸川営業所に改称され、臨海営業所は同所の支所になると共にはとバスへの管理委託となった。この一連のはとバスへの管理委託の際には大規模な路線の所管換えが行われた(詳細は各営業所記事を参照の事)。また、2005年3月には目黒分駐所が廃止となり、目黒の路線は品川に、車両はほぼ全車両港南支所に転属した。2006年4月には新宿支所が新宿分駐所になり、青戸支所ははとバスへの管理委託となった(錦37系統を除く。なお同路線のためだけに同支所内に南千住営業所青戸分駐所を新設した。)。
[編集] 臨時系統
東京国際展示場(東京ビッグサイト)、国立劇場、江戸川競艇場、晴海会場でのイベント開催時に、周辺主要駅との間に臨時運行される路線である。
[編集] 東京ビッグサイト関連
- 国展01甲1:東京駅八重洲口~(無停車)~豊洲駅前(ビッグサイト発のみ)~(無停車)~東京ビッグサイト(バスターミナル)
- 国展01甲2:東京駅八重洲口~(無停車)~豊洲駅前(ビッグサイト発のみ)~(無停車)~東京ビッグサイト(東駐車場)
- 国展01乙1:東京駅丸の内南口~(無停車)~豊洲駅前(ビッグサイト発のみ)~(無停車)~東京ビッグサイト(バスターミナル)
- 国展01乙2:東京駅丸の内南口~(無停車)~豊洲駅前(ビッグサイト発のみ)~(無停車)~東京ビッグサイト(東駐車場)
- 国展01貸切:東京駅丸の内口~(無停車)~東京ビッグサイト(イベント関係者のみ乗車可:この系統のみ無料)
- 国展02:豊洲駅前~(無停車)~東京ビッグサイト
- 国展03:浜松町駅~(無停車)~東京ビッグサイト
- 国展04:品川駅東口~(無停車)~東京ビッグサイト
- 国展05:錦糸町駅前~(無停車)~東京ビッグサイト
- 国展06:新橋駅前~(無停車)~東京ビッグサイト
- 国展07:東京駅八重洲口~(無停車)~豊洲駅前(ビッグサイト発のみ)~(無停車・有明北橋経由)~東京ビッグサイト(バスターミナル)
- 国展08:東京駅八重洲口~(無停車・有明北橋経由)~東京ビッグサイト(バスターミナル)
- 臨時急行(海01臨時便):東京ビッグサイト~豊洲駅前~門前仲町
- (但し、実際に運行されているのは01~03のみ、04は2007年2月に初運行、05の運行実績はなし、06はビッグサイト完成直後に数回運行されて以来運行していない。02と03も混雑が予測できる大規模イベント時のみ運行される。)
上記はいずれも東京国際展示場(東京ビッグサイト)への臨時路線である。主に深川・品川・港南が担当し、大規模イベント開催時には国展01・02に限り深川営業所を主軸として全営業所(青梅及び杉並・臨海・青戸を除く)から車両を拠出して運行される(その他は国展03が港南・品川が担当し、臨時急行は深川が担当する。)。
最も運行される機会が多いのが国展01系統である。かつて東京駅~晴海会場間に運行されていた臨時バスの流れを汲む路線で、晴海会場の閉鎖に伴いその代替施設として誕生した東京ビッグサイトで開催されるイベント観客のピストン輸送を主任務とする。開催イベントなどの規模や動員数、時間帯等の要因により不定であるが、お盆と年末のコミックマーケット期間中はほぼ確実に運行される。
本系統は東京ビッグサイトでのイベント開催時を中心時に運行されるため、イベントの規模・動員数や時間帯によって東京駅の乗り場は変更になる(通常は八重洲口の東16乗り場だが、場合によっては道路向い側のヤンマービル前(旧銀ブラバス停留所)となる。)他、途中の運行経路も通常は佃大橋経由だが、道路の混雑状況などにより東16のルート(中央大橋・亀島橋経由)や先代の晴海会場時代のルートである勝鬨橋・銀座経由などに変更されるなど、臨機応変の運行形態となる場合がしばしば見受けられる。専ら急行扱いとなるため停車する停留所は復路のみ豊洲駅(降車のみ)だけであるが、これすらも通過する場合がある(通過となる場合は国展02が運行される。但しバス停は一つ隣の豊洲一丁目を使用する事が多い。)。なお、同じ区間を走る鉄道としてゆりかもめが走っているが、2006年3月27日に有明~豊洲間が開業したため、豊洲と東京ビッグサイトが鉄道で結ばれる様になった。
系統番号は側面方向幕にのみ掲示される場合が多く、前面方向幕は起点~終点表示だけの場合が多い(一部営業所には「急行」の表示がある)。また、「都営バス」「貸切」表示での運行もこの系統に含まれる場合がある様である。
2002年12月1日のりんかい線全通に伴い、定時速達性に優れたりんかい線への相当数の利用客流出が見込まれたため、同月のコミックマーケット関連臨時運行から運行本数の見直しが行われ、小規模のイベントの場合は運行されない事が多くなった様であるが、東京駅直結の抜群の利便性や、他の交通機関と比べて格安な運賃などの要因から、需要は依然として確実に存在している。
なお、ビッグサイト周辺道路整備に伴い、東駐車場に入る臨時バスは現在は運行休止中である。
門前仲町行の臨時急行便は隠れた存在で運行される機会は少ないものの、運行されれば東京メトロ東西線(或いは都営大江戸線)で帰宅する利用者で混雑する。ルートは国展系統の国道357号線の東雲駅前左折ではなく、通常の海01と同じ有明テニスの森経由である。
その後、2006年春に晴海~豊洲埠頭~有明を結ぶ道路が開通し、国展系統もこの道路を利用した新たな系統番号(国展07・08)が登場した。今後国展01・02に代わって運行されるものと思われる。
また、2007年2月の東京マラソンでは観客・参加者の帰宅時にビッグサイト発の便が運行されたが、これらは、東京駅行きルートが交通規制エリア内に入っているため、品川駅行きの臨時急行として運行された。旅客向け案内は「臨時急行」であったが、乗務員向けの時刻表に「国展04乙」と記載されていたため、国展04系統が初めて運行されたものと思われる。ルートはレインボーブリッジ経由であり、方向幕は「都営バス」若しくは白幕で、フロントガラスに行先が記載されていた。この路線で興味深いのは国展系統開通時に当時の運輸省に提出された路線概要では「ビッグサイト~台場駅~品川駅」と記載されており、今回のレインボーブリッジ経由では台場駅を通らないため、やや遠回りルート若しくはかつての海01のルートであった首都高速経由で計画されていた可能性があり、そのためこの時の路線が乙系統とされたと考えることもできる。
[編集] 劇場バス
- 劇02:国立劇場→日比谷→新橋駅前
- 劇03:国立劇場→日比谷→有楽町駅→東京駅南口
- 劇04:国立劇場→平河町→青山一丁目駅→表参道駅→渋谷駅前
- 劇05:国立劇場→半蔵門→四谷駅→四谷三丁目→新宿駅東口→新宿駅西口
- 劇06:国立劇場→九段下→江戸川橋→護国寺→池袋駅東口
これらの系統は、国立劇場の夜公演が終了後に1回のみ運行されている。運賃は通常路線と同じである。劇04は廃止された茶81のルートを使用するため、同路線廃止後もバス停が「降車専用」として使用されている。方向幕は側面のみ経由地と行先・前後面は「劇場バス」である。以前は側面も方向幕に「劇場バス」と表示された時期もあった。なお、これらの系統はほとんど地下鉄と並走するため、且つ地下鉄の方が運賃が安いため、最寄り駅の東京メトロ半蔵門線半蔵門駅まで向かう人が多い。
かつては新宿コマ劇場や帝国劇場などからのバスも運行していた。
[編集] 江戸川競艇関連
- 艇07:江戸川競艇場前→錦糸町駅前
- 艇08:江戸川競艇場前→新小岩駅前
- 艇09:江戸川競艇場前→亀戸駅前
- 艇10:江戸川競艇場前~平井駅前
- 艇11:江戸川競艇場前~船堀駅前~西葛西駅前
- 艇11折返:江戸川競艇場前~船堀駅前
艇10と艇11は競艇開催時は随時運行されるが、その他は最終レース後の片道のみ運行される。すべて無料で乗車できる。
[編集] 晴海会場関連
晴海埠頭にあった晴海見本市会場への輸送のために、東京ビッグサイト開業までの1996年まで運行された。現在は毎年8月の東京湾大華火祭開催時に運行されている。但し、近年は都営大江戸線開通により晴04のみ運行されており、その運行回数も非常に少ない。東京駅からは都05の臨時便が運行されるパターンが主流となりつつあるが、最近では同路線の増車も減り、完全に地下鉄にシフトしている。
2006年の東京湾大華火祭では、豊洲駅発着便は系統番号を「晴02」として運行されたため、従来設定されていた東京駅発着便は設定自体が完全に廃止され、もしくは東京駅発着便をすべて「晴01」としたと思われる。
[編集] その他
上記の晴04と同じく、東京湾大華火祭開催時に運行される。
[編集] 車両
都営バスでは、いすゞ自動車、日野自動車、日産ディーゼル、三菱ふそうの4社によって製造又は販売された車両を導入している。従来は営業所毎に指定車(品川…日野、渋谷…三菱、小滝橋…いすゞ、など)があったが、ノンステップ車の導入や三菱ふそうリコール隠しによる指名停止処分などにより、近年では指定車種の原則が崩れており、深川や臨海など全メーカーを保有している所も見受けられる。
車両の低床化には平成の初期から取り組み、1990年度に最初の超低床バスであるスロープ付バス「都市型超低床バス」が8両導入され、新宿営業所(現・渋谷自動車営業所新宿分駐所)をはじめとする5営業所で活躍した。その翌1991年には前年度のスロープに代えてリフトを搭載した「リフト付超低床バス」が投入され、1995年度まで投入を続ける。1996年度末に新宿にノンステップバス2台が試験配属される一方、1994年度から試験的に使用されていた「らくらくステップバス」(床面の高さを従来の850mmから650mmにして低床化を図った)にリフトを追加した「リフト付新低床バス」が導入されたが、翌1997年以降のノンステップバス導入で、この1回限りに終わる(リフトなしのタイプは1998年まで継続投入)。1997年度以降はノンステップバスが投入され、純粋なツーステップ一般車は1998年度(実際の投入は1999年2月)の投入を最後に投入されていない(翌1999年度からはすべてノンステップバスに統一された)。
低公害車の導入もかなり早い時期から積極的で、日野のハイブリッドバス「HIMR」を1991年に杉並営業所に試験導入し、翌1992年以降、いすゞのCHASSEや三菱のMBECS、日産のERIPなどの蓄圧式ハイブリッドバスを含め、ハイブリッドバスを数多く導入(日野車以外は1993年以降に導入)。この他、日産といすゞのCNGバスを1994年に南千住と深川に導入し、翌1995年には臨海にも追加、後年には北、新宿にも投入された。その他、かつては旧年式車の低公害化としてLPG併用車に改造した車両も存在した。近年では2003年に深川営業所に燃料電池バスを試験配置した事が話題となった(最初に投入された低公害バスは1972年11月~1978年3月まで試験走行した「電気バス」(いわゆる自家発電をしながらバッテリーなどと併用して走行するバスであった)があったが、試験終了後に低公害車が投入されていないため、1991年まで事実上低公害化はストップしていた。)。
2005年度(N代車)前期投入車(Z・A代<早稲田>の三井物産の性能虚偽報告によるDPF装着車と入れ替えられた車両)は音声合成の種類で車種を決めている。クラリオン製を使用している営業所・支所は日野自動車のブルーリボンII、レシップ製を使用している営業所・支所はいすゞ自動車のエルガで、車体はJ-BUS宇都宮事業所(旧いすゞバス製造)製のバスを導入している。後期には日産車を指定とする営業所・支所に、初めての新長期(平成17年規制)排出ガス規制適合車の日産車が投入された。2004年度(M代車)と2005年度前期までは新短期(平成16年規制)排出ガス規制適合車、後期以降は新長期(平成17年規制)排出ガス規制適合車の導入になっている。2006年度(P代)は全車西工架装のUD車(PKG-RA274)で大塚・江戸川などUD非指定所まで投入されている。また、CNGノンステップバスも投入されるが、これは2003年度(L代車)以来の三菱ふそう車(PJ-MP37JK改)となっている。
なお、都営バスではこれまで排出ガス規制などで廃車となった車両を資源の有効活用という観点から地方の事業者に売却・譲渡していた。しかし、石原慎太郎知事が地方の環境問題についての指摘を受けた事が発端で、環境対策を抜本的に改革すべきとの意見が高まり、2005年度(平成17年度)からは売却・譲渡を極力認めない事になった(CNGバスは排出ガス規制対象外のため譲渡可能)。但し、人道的支援に於いては例外とされ、実際にスマトラ沖地震による津波の被害でスリランカ国民の足であるバスが津波により被災したため、スリランカ政府の要請もあり、177両の車両がスリランカへ無償譲渡された例がある。
[編集] 局番
都営バスでは、車両の識別のため以下のような車両番号(局番と呼ばれる)が車体側面に付記されている。
S-L111(深川)
最初の英字は、前述した営業所の記号であり、上記例ではSであるため、深川営業所となる。ハイフン後のアルファベットは導入年度、3桁の数字のうち百の位はその車の区分を示しており、1~7は一般車(中型ロング車を含む)、0は貸切車とコミュニティバス、8は中型車、9は特殊車(主に養護学校スクールバス)に割り当てられている。十の位と一の位は通し番号となっているが、42・49のものは使われていない。ただしA414(3代)、C101(3代)など欠番もある。導入年度とアルファベットの関係は以下のようになる。ただし、I、J、O、Q、Uを除く21字が用いられている。年は年度、色は排ガス規制(K-D273,R-A450,N-P535など例外あり:無印、K-、P-、U-、KC-、KK-・KL-、PJ-、PJ-・ADG-(前期:新短期・後期:新長期)、PKG-)を示している。 太字は全車廃車,イタリックは一部廃車
A:1974,1994
B:1974,1995
C:1975,1996
D:1976,1997
E:1977,1998
F:1978,1999
G:1979(一部のみ),2000
H:1980,2001
K:1981,2002
L:1982,2003(S-L111のみ廃車)
M:1983,2004
N:1984,2005
P:1985,2006
R:1986
S:1987
T:1969,1988
V:1969,1989
W:1970,1990
X:1971,1991
Y:1971,1992
Z:1972,1993
[編集] その他
[編集] みんくる
- 1999年(平成11年)1月19日に都営バスが営業開始から75周年を迎えた事を記念して、一般公募により制定されたマスコットキャラクターである(但し名前は交通局が決定)。みんくるには、「みんなのくるま」「とみんのくるま」という意味が込められている(外部リンク:都営バス「みんくるの小部屋」参照)。
- バス停留所の上部やバス車体の側面に掲出している他、2006年末からは、行先表示幕の左側にもステッカーとして貼付されている。
[編集] 料金と乗降方式
- 都区内と多摩地区では料金体系が異なる。
- 23区内の都営バスのみ有効な一日乗車券が大人500円・小児250円で、都営地下鉄・都電と組み合わせた一日乗車券が大人700円・小児350円で発売されている。当日券は乗車時に運転手に告げればその場で発行されるが、現金でしか受け付けず、また都営地下鉄の自動改札機も通れないので、券面に「有人改札専用」と表記されている。また、バス共通カードも運転手から購入できる。前売り券は定期券売り場などで購入できる。
- 2007年現在でも金券式の回数券が定期券売り場で発売されている。割引額はバス共通カードと同じであるが、こちらは都営バスでしか使用できない。
- 都営バスの定期券「フリーカード」は持参式のため、購入者名が記載されていても購入者から定期券を借りて乗車する事もできる(通常のきっぷは貸し借りを行うと不正乗車になる)。また、1ヶ月と5日間使って1万円の「定額定期券」も発売している。さらに、都営地下鉄と都営バス又は都電荒川線を乗り継ぐ定期乗車券はそれぞれの運賃が10%割引となる。これは都バスの車内アナウンスでも行われている。
- 2000年12月12日から、都営バス間の乗り継ぎのために都営バス専用乗継割引カードを2,000円で発行している。都営バス間を乗り継ぐ際、都区内は乗車から乗車、多摩地区は降車から降車の時間が90分以内であれば、2回目以降の運賃を割り引いてくれる。なお、都電でも使用できるが、都営バスからの乗り継ぎ割引は適用されない。
- 2006年10月25日から都営地下鉄と乗り継ぎする場合に限り、定期乗車券をクレジットカードで購入できる様になった(但し発売場所は都営地下鉄の定期券売り場に限る)。
- 2007年3月18日からサービスを開始するPASMOは、バス利用特典サービス、都営バス間の乗り継ぎ割引、IC一日乗車券などのサービスが開始される。
- 多摩地区の都営バスは、「東京フリーきっぷ」「シルバーパス」「乗継割引カード」「都電・都バス・都営地下鉄一日乗車券」でも乗車できる。但し定期券「フリーカード」及び「都営バス一日乗車券」はエリアが23区内のみのため乗車できない。
- かつて運行していた2階建てバスは台東区と江戸川区からの受託運行のため、「東京フリーきっぷ」などは使用できなかった(2000年12月11日まで運行していた深夜中距離バスも同様)。また、2000年春から2004年春まで運行していた快速バス(東京駅~お台場間)も運行開始当初は「東京フリーきっぷ」などが使用できなかったが、後の経路変更に伴い使用できる様になっていた。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
大手私鉄 | 東京急行電鉄・小田急電鉄・京王電鉄・京成電鉄・京浜急行電鉄・相模鉄道・西武鉄道・東武鉄道・東京地下鉄 |
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中小私鉄・第三セクター等 | 新京成電鉄・北総鉄道・箱根登山鉄道・埼玉高速鉄道・東葉高速鉄道・横浜高速鉄道・首都圏新都市鉄道・伊豆箱根鉄道・関東鉄道・江ノ島電鉄 |
公営事業者 | 東京都交通局・川崎市交通局・横浜市交通局 |
モノレール・新交通システム | 多摩都市モノレール・ゆりかもめ・千葉都市モノレール・横浜新都市交通・舞浜リゾートライン |
バス(発行事業者のみ) | 伊豆箱根バス・神奈川中央交通・関東バス・京浜急行バス・西武バス・東急バス・西東京バス・富士急行・山梨交通・江ノ島電鉄・京王電鉄バス・国際興業・箱根登山バス・船橋新京成バス・小田急バス・立川バス・川崎鶴見臨港バス・京成バス・相模鉄道・千葉交通・東武バスセントラル・日立自動車交通・平和交通 |
相互利用 | JR東日本他(Suica) |
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