IWGPジュニア・ヘビー級王座
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IWGPジュニア・ヘビー級王座は、日本のプロレス団体である新日本プロレスが管理する王座(タイトル)。新日本プロレス認定の「プロレスリング競技者規約 ・ IWGP各選手権ルール」第二条第二項によって体重100kg未満の選手を対象としている。
[編集] 概要
IWGPジュニア・ヘビー級王座はIWGPとして認定するタイトルとしては、1985年末に認定されたタッグ王座に次いで1986年に創設された。その背景にはIWGPリーグ戦のゴタゴタで、本来の目的であったIWGPヘビー級王座の認定が立ち遅れていたため、ヘビー級王座に先駆ける形でタッグ王座の方を先に「見切り発車」的に認定せざるを得なかった事情がある。
当時の新日本プロレス(以下、新日)はWWF(現:WWE)との契約切れが迫っていた時期で、何としても団体を象徴する最高峰のシングルベルト(ヘビー級のベルト)を創設したいと考えており、結果的にジュニア・ヘビー級のシングルベルトは翌年の1987年に創設される事となる「ヘビー級王座」への橋渡し的な役割を担う形となった。
また、当時の新日マットは初代タイガーマスクが去った後という時期でもあり、ジュニア・ヘビー級の選手層が薄く、実質的にはザ・コブラ(現:ジョージ高野)と越中詩郎の二強の戦いとなった。1986年の新春シリーズで「IWGPジュニア・ヘビー級王座決定リーグ戦」が開催され、ザ・コブラを破って優勝した越中が初代王者となった。
その後、第一次UWFの崩壊で新日マットに出戻り参戦となった高田伸彦(現:高田延彦)との激闘によってジュニア戦線に注目が集まるようになり、山崎一夫・小林邦昭・馳浩らの参戦で人気は不動のものとなった。その後デビューした獣神ライガー(現:獣神サンダー・ライガー)を中心に激闘が展開され、現在まで継承されている。
[編集] 歴代王者
注:王者が王座返上した場合は、王座決定戦によるタイトル移動。それ以外は、すべて前王者に勝利してのタイトル移動。※は防衛失敗。
- 第27代から第29代まではジュニア8冠王座、第29代から第31代まではジュニア7冠王座。
- 第36代王者は右腕骨折のため王座返上、シコシスを暫定王者に認定。
- 第45代王者は、11人参加のニュージャパン・ランボー(2分時間差入場のバトルロイヤル)で王座決定戦が行われ、優勝してのタイトル獲得。
レスラー | 防衛回 | 獲得日付 | 獲得した場所(対戦相手・その他) | |
初代 | 越中詩郎 | 1 | 1986年2月6日 | 両国国技館、ザ・コブラ |
第2代 | 高田伸彦 | 6 | 5月19日 | 後楽園ホール |
第3代 | 越中詩郎 | 2 | 9月19日 | 福岡スポーツセンター |
第4代 | 小林邦昭 | 1 | 1987年8月20日 | 両国国技館 |
第5代 | 馳 浩 | 3 | 12月27日 | 両国国技館 |
第6代 | オーエン・ハート | 1 | 1988年5月27日 | 宮城県スポーツセンター |
第7代 | 越中詩郎 | 6 | 6月24日 | 大阪府立体育会館 |
第8代 | 馳 浩 | ※ | 1989年3月16日 | 横浜文化体育館 |
第9代 | 獣神ライガー | 2 | 5月25日 | 大阪城ホール |
第10代 | 佐野直喜 | 2 | 8月10日 | 両国国技館 |
第11代 | 獣神サンダー・ライガー | 1 | 1990年1月31日 | 大阪府立体育会館 |
第12代 | ペガサス・キッド | ※ | 8月19日 | 両国国技館 |
第13代 | 獣神サンダー・ライガー | 2 | 11月1日 | 日本武道館、王座返上 |
第14代 | 保永昇男 | 2 | 1991年4月30日 | 両国国技館、獣神サンダー・ライガー |
第15代 | 獣神サンダー・ライガー | ※ | 6月12日 | 日本武道館 |
第16代 | 野上彰 | 1 | 8月9日 | 両国国技館 |
第17代 | 保永昇男 | 1 | 11月5日 | 日本武道館 |
第18代 | 獣神サンダー・ライガー | 3 | 1992年2月8日 | 札幌中島体育センター |
第19代 | エル・サムライ | 3 | 6月26日 | 日本武道館 |
第20代 | ウルティモ・ドラゴン | 1 | 11月22日 | 両国国技館 |
第21代 | 獣神サンダー・ライガー | 5 | 1993年1月4日 | 東京ドーム、左足首骨折のため王座返上 |
第22代 | 保永昇男 | 6 | 1994年9月27日 | 大阪城ホール、ワイルド・ペガサス |
第23代 | 金本浩二 | 2 | 1995年2月19日 | 両国国技館 |
第24代 | サブゥ- | 1 | 5月3日 | 福岡ドーム |
第25代 | 金本浩二 | 2 | 6月14日 | 日本武道館、米国テネシー州、海外防衛 |
第26代 | 獣神サンダー・ライガー | 2 | 1996年1月4日 | 東京ドーム |
第27代 | ザ・グレート・サスケ | 5 | 4月29日 | 東京ドーム |
第28代 | ウルティモ・ドラゴン | 7 | 10月11日 | 大阪府立体育会館、4度海外防衛 |
第29代 | 獣神サンダー・ライガー | 4 | 1997年1月4日 | 東京ドーム |
第30代 | エル・サムライ | ※ | 7月6日 | 真駒内アイスアリーナ |
第31代 | 大谷晋二郎 | 5 | 8月10日 | ナゴヤドーム |
第32代 | 獣神サンダー・ライガー | 8 | 1998年2月7日 | 札幌中島体育センター |
第33代 | 金本浩二 | 3 | 1999年3月17日 | 広島サンプラザ |
第34代 | ケンドー・カシン | 1 | 8月28日 | 神宮球場 |
第35代 | 獣神サンダー・ライガー | 1 | 10月11日 | 東京ドーム |
第36代 | フベントゥ・ゲレーラ | ※ | 11月29日 | 米国コロラド州、王座返上 |
第37代 | 獣神サンダー・ライガー | 3 | 12月6日 | 米国ウィスコンシン州、シコシス |
第38代 | 高岩竜一 | 2 | 2000年7月20日 | 北海道立総合体育センター |
第39代 | 田中稔 | 2 | 10月29日 | 神戸ワールド記念ホール |
第40代 | 成瀬昌由 | 1 | 2001年7月20日 | 札幌ドーム |
第41代 | ケンドー・カシン | 2 | 10月8日 | 東京ドーム、新日本離脱のため王座返上 |
第42代 | 田中稔 | 3 | 2002年2月16日 | 両国国技館、垣原賢人 |
第43代 | 金本浩二 | 6 | 7月19日 | 北海道立総合体育センター |
第44代 | タイガーマスク (4代目) | 4 | 2003年4月23日 | 広島サンプラザホール、王座返上 |
第45代 | 邪道 | 1 | 10月13日 | 東京ドーム、時間差バトルロイヤルで優勝 |
第46代 | ヒート | 11 | 12月14日 | 名古屋レインボーホール |
第47代 | タイガーマスク(4代目) | 3 | 2005年1月4日 | 東京ドーム |
第48代 | ブラックタイガー(4代目) | 1 | 10月8日 | 東京ドーム |
第49代 | タイガーマスク(4代目) | 1 | 2006年2月19日 | 両国国技館 |
第50代 | 金本浩二 | 1 | 5月3日 | 福岡国際センター |
第51代 | 稔 | 1 | 12月24日 | 後楽園ホール |