USEN
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種類 | 株式会社 |
市場情報 | |
本社所在地 | 東京都港区赤坂9丁目7番1号 ミッドタウンタワー |
設立 | 1964年9月7日 |
業種 | |
事業内容 | 放送事業、ブロードバンド事業、カラオケ事業等 |
代表者 | 代表取締役社長 宇野康秀 |
資本金 | 509億600万円(2006年8月現在) |
売上高 | 単体1044億4400万円(2006年8月期) 連結1820億900万円(2006年8月期) |
従業員数 | 単体4159人 連結9715人(2006年8月現在) |
決算期 | 毎年8月 |
主要株主 | 宇野康秀(社長)54.4%(2006年8月8日現在) |
主要子会社 | 株式会社ギャガ・コミュニケーションズ60.06% 株式会社BMB45.6% 株式会社インテリジェンス40% エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社10.83% |
関係する人物 | 宇野元忠(創業者) |
外部リンク | www.usen.com |
株式会社USEN(ゆうせん、英文名称:USEN CORPORATION)は、有線ラジオ放送最大手である。大阪証券取引所ヘラクレスに上場、証券コードは4842。
目次 |
[編集] 概要
同軸ケーブルによる有線ラジオ放送「USEN440」は有線放送業界1位である。440とは一般用チューナーで受信可能なチャンネル数を表すが、未使用チャンネルもあり、ステレオ放送は2チャンネル分消費するため番組数は440より少ない。業務用途ではリース用としてさらに多くのチャンネルが存在する。
全国にケーブルを張り巡らせたノウハウを活用し、新たに光ケーブルを敷設してFTTHによるインターネットサービスプロバイダ事業も行っている。この他、同軸ケーブルを使わずに通信衛星を用いた電気通信役務利用放送「SOUND PLANET」も行っている。
創業当初は当時の社名だった大阪有線放送社の社名が示すとおり、大阪府大阪市に本社を置いていたが、現在は東京都港区赤坂に置いている。また2005年からインターネット(ブロードバンド通信)の商業放送事業「パソコンテレビGyaO(ギャオ)」を展開している。
1998年に社長に就任した宇野康秀(2006年現在も現職)は、リクルートコスモス(現 コスモスイニシア)出身で人材派遣大手のインテリジェンスの創業者であり、現在も同社の取締役会長を務めている。またUSENとインテリジェンスは従来直接の資本関係はない事実上の兄弟会社の関係にあったが、2006年3月にインテリジェンスと学生援護会が合併することを発表したことに伴い、USENが学生援護会の株式を取得したほか、宇野康秀が個人で保有していたインテリジェンス株の大半もUSENに譲渡されたため、現在はインテリジェンスがUSENの子会社となっている。
2005年4月末にナムコから日活の過半数株式取得をすると発表した。しかし、多くの日活社員からUSENとナムコに批判が殺到し、断念する事となった(最終的にインデックスへ譲渡)。
[編集] 沿革
- 1961年(昭和36年)6月1日 - 宇野元忠が個人事業として創業。
- 1964年(昭和39年)9月7日 - 株式会社大阪有線放送社設立。
- 2000年(平成12年)4月1日 - 商号を株式会社有線ブロードネットワークスに変更。
- 2001年(平成13年)4月25日 - 株式会社大阪証券取引所ナスダック・ジャパン(現・株式会社大阪証券取引所ヘラクレス)市場に上場。
- 2005年(平成17年)3月1日 - 商号を株式会社USEN(現社名)に変更。
- 2005年(平成17年)1月19日 - ギャガ・コミュニケーションズの第三者割当増資を引受け、新株予約権を取得し同社を子会社化。
- 2006年(平成18年)7月27日 - 宇野康秀ほかからインテリジェンス株式を取得し持株比率40%に(取得のためにした借入金の返済資金調達目的で8月8日に宇野康秀に対して第三者割当増資)。
- 2006年(平成18年)9月15日 - インテリジェンスを持分法適用関連会社から連結子会社に変更(みなし取得日7月1日)。
- 2006年(平成18年)9月25日 - ギャガ・コミュニケーションズの子会社「ギャガ・クロスメディア・マーケティング」の全株式を譲受。
- 2006年(平成18年)10月17日 - 株式交換によりギャガ・コミュニケーションズを完全子会社化。
[編集] いろいろな問題
[編集] 初代社長の宇野元忠による問題
初代社長の宇野元忠(中国名:于元忠)は電柱の「無断使用」で知られ、政府の悩みの種として1970年代の歴代内閣の申し送り事項であった。契約してから利用者まで線を引くために迅速な工事をモットーとするのは結構だが、法令上の許可等をとらない工事も目立ち、国会でも「ハエを追い払って一時そのあたりにハエがいなくなったと思ったら、またハエがたかってくるといった、ゲリラ的と申しますか何と申しますか、まことにどうも言語道断な現状にあります(1977年4月27日衆議院逓信委員会)」とまで言われている。 酷い場合には、電線を切断して自社のケーブル架設を優先させた。1985年8月には有線ラジオ法違反で宇野元忠社長他幹部が逮捕されている。このような状況で業務停止命令も受けたがそれには従わなかった。1994年に同社は関係正常化宣言を行い、新規に敷設するケーブルについて電柱の使用に際し事前許可を取る方針に転換するが、以後も電柱使用料の支払などで過去に敷設したケーブルを巡り問題は継続していた。この頃より電柱使用料負担の削減のため商業地域外ではケーブルを撤去しSOUND PLANETへ切り替えるケースが増えている。
その後、宇野康秀が社長に就任してから本格的に事態の収拾が図られ、2000年4月には電力会社・NTT等との間で過去に遡った清算が完了し郵政省(当時)に有線放送ラジオ事業者としての届出を受理されるに至っている。ただ、この点について「現状を追認したに過ぎず本質的な問題解決にはほど遠い」として反発する意見が根強くある。
また、当時はラジオ放送などの「無断再送信」も大きな問題となっていた。在京のFM局等を地方で聴くことが出来るために多くの加入者を獲得していたが1999年12月に番組改編が行われ通常の聴収地域外での再送信は中止された。
[編集] 顧客勧誘問題
- 2004年には有線放送業界2位(だが大きく引き離している)のキャンシステムの顧客に対し、「キャンシステムはつぶれます」と言って加入料や聴取料の大幅割引をして顧客を誘引したことから、公正取引委員会から排除勧告を受けた。事実、このネガティブキャンペーンによりキャンシステムは大きく加入数を減らしている。
- また、各種代理店が大手量販店などの店頭で2等だけが入ったくじを引かせ当選したように見せかけて、SOUND PLANETへの申し込みを勧めるという当選商法に酷似した勧誘を行っており、解約をすると代理店に多額な違約金を払わなければならないなど全国各地で問題となっており、2006年現在も続いている(違約金を払う必要は全くない)。
[編集] サービス残業問題
USENが日活買収を検討している最中、日活労組から強烈な反発を受けた。日活労組側は買収反対の理由として、USENが残業代不払いについて元従業員から訴訟を起こされた事実を指摘している。
[編集] ライブドア関連
- 2006年3月16日にフジテレビが所有するライブドア株を宇野康秀社長個人が95億円で全株買い上げ、フジテレビと業務提携を結んだことを発表した。ライブドア株入手についてUSENが弱いとされているポータルサイトなどをライブドアとの業務提携で拡大させる為だと発表した。この会見について堀江貴文元ライブドア社長は弁護士を通じて「良かった」とコメントしている。
- 2006年4月12日にUSENが現預金など約600億円を有するライブドアの完全子会社化を検討していることを発表。しかし、同社を事実上支配している米系ファンドグループがUSENの財務状況が悪化していることから再建スポンサーとしてのコミットに否定的であり、子会社化は実現が困難な状況になっている。
[編集] 重要な親会社及び子会社の状況(2006.8.31現在)
[編集] 連結子会社
会社名 | 資本金(百万円) | USENの 議決権比率(%) |
主要事業内容 |
株式会社UCOM | 2,830 | 74.4(→48.0) | 電気通信事業(上場準備のため一部株式を売却) |
株式会社BMB | 11,638 | 46.0 | カラオケ機器開発、製造販売 |
株式会社ユーズミュージック | 400 | 100.0 | CD,テープ、ビデオの原盤製作 音楽著作権の管理及び開発 |
株式会社メディア | 1,224 | 76.0 | 電話事業 |
KLab株式会社 | 524 | 59.7(→0.0) | 携帯電話向けアプリケーションソフト の企画開発(ノンコア事業として売却) |
株式会社 ギャガ・コミュニケーションズ |
1,076 | 100.0 | 映画配給、映像コンテンツの提供 ビデオ版権及びテレビ版権のライセンス |
株式会社アルメックス | 2,360 | 67.4(→100.0→0.0) | ホテル管理用システム等(ノンコア事業として売却) |
株式会社インテリジェンス | 2,046 | 40.0 | 人材紹介事業、派遣アウトソーシング事業 メディア事業 |
[編集] 関連会社
会社名 | 資本金(百万円) | USENの 議決権比率(%) |
主要事業内容 |
株式会社ポイントツー グループマネジメント |
351 | 49.4 | 経営コンサルティング業 |
株式会社ベネフィットジャパン | 1,048 | 25.3 | コンピュータ機器販売、代理店業務 |
[編集] 組合
組合名 | 出資金(百万円) | 出資割合(%) | 主要な事業内容 |
UD第1号投資事業 有限責任組合 |
6,000 | 49.5 | コンテンツ等に対する投資等 |
フラグシップ1号投資事業 有限責任組合 |
2,000 | 50.0 | 有価証券等に対する投資等 |
[編集] 会社の状況(2006.8.31現在)
- 発行可能株式総数 - 195,977,600
- 発行済株式総数 - 101,710,070
- 株主数 - 100,628
[編集] 大株主
株主名 | 持株数(株) | 出資比率(%) |
宇野康秀 | 55,387,600 | 54.46 |
ドイチェバンクアーゲーロンドン610 | 2,799,548 | 2.75 |
エイチエスビーシー ファンドサービスジェイツー |
2,346,310 | 2.31 |
ユービーエスエイジー ロンドンアジアエクイティーズ |
1,798,240 | 1.77 |
アイ・ティー・エックス株式会社 | 1,087,760 | 1.07 |
USEN従業員持株会 | 887,300 | 0.87 |
エスエヌエフイーマック ジャパンアクティブシェホルダーファントエルビー |
654,000 | 0.64 |
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) | 620,130 | 0.61 |
ステートストリートバンクアンドトラスト カンパニー505025 |
602,602 | 0.59 |
ビーエヌピーパリパセキュリティーズサービス パリスアクサジャステックフランス |
577,910 | 0.57 |
[編集] 従業員の状況(平18.8.31現在)
[編集] 企業集団の従業員状況
事業区分 | 従業員数 | 事業区分 | 従業員数 | |
放送事業 | 2,811 | ブロードバンド・通信事業 | 1,363 | |
カラオケ事業 | 1,166 | 店舗事業 | 43 | |
映像・コンテンツ事業 | 322 | 業務用システム・プラント事業 | 632 | |
人材関連事業 | 3230 | その他事業 | 59 | |
全社共通 | 213 |
[編集] USENの従業員状況
区分 | 使用人数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 |
平成18年8月期 | 4,159 | 34.7 | 9.6 |
[編集] 同社の主催する音楽番組
[編集] 関連項目
[編集] 備考
- 「USEN」は、「有線」のほか、「United Sensational Entertainment Network」の意味も持つ。
[編集] 外部リンク
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