グラディウスII -GOFERの野望-
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ジャンル | シューティングゲーム |
対応機種 | アーケード[AC] ファミリーコンピュータ[FC] X68000 PCエンジン[PCE] プレイステーション[PS] セガサターン[SS] Windows[Win] 携帯電話 PSP |
開発元 | コナミ |
発売元 | コナミ |
人数 | 1~2人(交互プレイ) |
メディア | [FC]2Mbit+64KRAMカセット [PCE][PS][SS]CD-ROM1枚 [PSP]UMD |
発売日 | [AC]1988年 [FC]1988年12月16日 [X68000]1992年2月7日 [PCE]1992年12月18日 [PS]1996年3月29日 [SS]1996年3月29日 [PSP]2006年2月9日 |
『グラディウスII -GOFERの野望-』(ぐらでぃうす つー ごーふぁー の やぼう)(日本国外版はVULCAN VENTURE)は1988年にコナミが発売したアーケードゲームで強制横スクロール型のシューティングゲーム。『グラディウス』の続編。
目次 |
[編集] 解説
『グラディウス』(1985年)の続編としては『沙羅曼蛇』(1986年)、そのマイナーチェンジである『ライフフォース』(1987年)、MSXオリジナルの『グラディウス2』(1987年)などが発売されていたが、アーケードにおける正式なパート2として1988年に満を持して発売されたのが本作である。当時唯一のアーケードゲーム雑誌だったゲーメスト編集部によると1988年春に行われたAOUエキスポにて電撃的に発表され、大きなインパクトを与えたと語られており、ファミリーコンピュータMagazineなどアーケードゲーム誌以外でも大きく誌面を割いて掲載されるなど異例の盛り上がりを見せた。
『グラディウス』の最大の特徴だったパワーアップ要素を多彩にし、ゲーム内容、音楽、美術、全てにおいて格段の改良が行なわれた。続編ものにありがちな蛇足感を見せず、丁寧な完成度が評価され1988年度のゲーメスト大賞を受賞している。コナミ製システム基板TWIN 16 第2弾タイトル。
当初は標準設定で70,000点ごとに残機が増える仕様であったが、プレイ時間が長く売上が上がらない、また永久パターンなどの問題点が発覚。当初は都度対応していたが、最終的には全販売先に対して改修された新バージョンROMが無償配布された。これにより残機追加は150,000点ごとに変更されている。
[編集] 概要
8方向レバーと3ボタン(パワーアップ、対空ショット、対地ミサイル)で自機(ビックバイパー)を操作。全8ステージの変化に富む世界を舞台に戦う。2周目以降も永久に続き難易度が上昇する。
[編集] パワーアップ
前作を踏襲しているのでパワーアップシステムについては割愛。本作ではゲームスタート時に、4種類の異なるパワーアップゲージ構成から1種類を選択する (POWER METER SELECT) 。
カプセル数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
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タイプ1 | スピードアップ | ミサイル | ダブル | レーザー | オプション | ? |
タイプ2 | スピードアップ | スプレッドボム | テイルガン | レーザー | オプション | ? |
タイプ3 | スピードアップ | フォトントゥーピド | ダブル | リップルレーザー | オプション | ? |
タイプ4 | スピードアップ | 2-wayミサイル | テイルガン | リップルレーザー | オプション | ? |
本作から追加されたものは以下。
- スプレッドボム - 放物線を描いて落下し、落下地点で大きな爆風が発生する。爆風にも攻撃能力があり、攻撃力が高い。
- フォトントゥーピド - 自機直下に投下され、地面に到達すると地形に沿って進み敵を貫通する。
- 2-wayミサイル - 上下に放物線を描き投下される。
- テイルガン - ノーマルショットを自機の前後に発射できるようになる。
- リップルレーザー - 自機前方に徐々に広がる攻撃。『沙羅曼蛇』で使用されたものとほぼ同じ。
?(シールドセレクト)は以下の二種類から選択する。
- シールド - 前方のみ防御。耐久力は16発と高い。
- フォースフィールド - 全方向を防御。耐久力は3発。
敵を破壊した際に出現するカプセルにはパワーアップに使用する赤カプセルと、取った瞬間に画面上の敵が全滅する青カプセルがあるのは前作と同じだが、本作では青カプセルは敵だけでなく、敵弾も一掃できるようになった。
[編集] オプションハンター
オプションが最大数(4個)装備された状態で一定時間進行すると警告音が鳴り、オプションハンターが出現。回避に失敗すると、触れられた部分から先のオプションを奪い去られ戦力が低下する。自機のいかなる攻撃でも破壊不能。自機に対して当たり判定がないので重なってもミスにはならないが、オプションを配置する事を含めた緻密な設計図に基づくゲーム攻略が求められる中では致命的な妨害を受けることになるため、以下のような対策がよくとられる。
- 空中戦などの攻撃のゆるいところでオプションハンターが出現するようにタイミングを調節する
- オプションハンターに1つだけオプションをとらせて被害を最小限に抑える
- はじめからオプションを3個までしか装備しない
[編集] 評価
多彩なステージ展開が当時強烈なインパクトをゲーマーに与え、後期シリーズにも大きな影響を残した。シリーズのファンの中では初作『グラディウス1』との間で最高傑作の評価を二分している。
BGMも高く評価されており、特にエンディング曲『Farewell』はいくつものリミックスを生み出した。1面の『Burning Heat』は同社の『ビートマニア』シリーズで使用されている。作曲者はコナミ矩形波倶楽部の古川もとあき、プロフェット深見など。
[編集] タイトル
先に発売されていたMSXの『グラディウス2』の海外名がNEMESIS II。これは『グラディウス』(NEMESIS)の直接の後継作に位置づけられる。そのため本作はVULCAN VENTURE(バルカンベンチャー)という日本国外名で発売されている。
シリーズには「2」と「II」が並存するので、会話の際には明確な区別をする必要がある。よく見られる区別方法としては、「2=に、MSX」「II=ツー、ゴーファー(GOFERの野望、から)」がある。
[編集] ステージ紹介
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
Stage | 内容 | 解説 | 使用曲 | ボス |
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1 | 人工太陽 | ファイヤードラゴンを生む大小8個の人工太陽が浮かぶ、上下無限スクロールステージ。 |
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2 | エイリアン | 網状の障害物を排除しつつ、奇怪な生命体や触手を相手にするステージ。上下2画面分に任意にスクロールする。 |
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3 | 結晶 | 前方から押し寄せる高耐久力の結晶群をかいくぐるステージ。 |
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4 | 火山 | 初代グラディウス1面を思わせる地形の入り組んだステージ。 |
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5 | モアイ | 破壊可能弾を放出する石像群を破壊つつ進むシリーズ伝統ステージの1つ。ステージ後半になるとモアイの攻撃が激しくなり、曲調もテンポアップする。 |
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6 | 高速迷路 | スクロールスピードが通常の2倍近くの特殊ステージ。内部は迷路状。 |
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7 | ボスラッシュ | グラディウス、沙羅曼蛇、ライフフォースに登場したボスと連戦を繰り広げる最終ステージ直前のステージ。ステージ開始前に大量のパワーアップカプセル所持敵が現れる。 |
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8 | GOFER艦内 | 最終面。狭い空間で敵の攻撃を避ける前半戦と、トリッキーな動きで自機を翻弄する破壊不可能な敵を避ける後半戦に分かれる。 |
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[編集] 移植版
[編集] ファミリーコンピュータ版
ファミコン版グラディウスシリーズ3作目。BGMや面構成が大幅に変更されておりオリジナル要素が強い。このためか副題である「GOFERの野望」は付けられておらず、単に「GRADIUS II」という名称で発売されている。
FC版は8ビット機という性能の限界からグラディウス1作目ではオプションは2つまで、沙羅曼蛇ではオプションは3つまでしか装備できずボイスも再現されていなかったが、本作ではカスタムチップVRC4を使用し、オプションが4つ装備可能になり一部のパワーアップ時のボイスも再現されている(2way missile→missile、Ripple Laser→Laserの様に基本である1番の装備名でのみ発音)。
パワーアップ面ではシールドセレクトは無く、フォースフィールドの耐久力は5発になっている。レーザー系は2段階のパワーアップが可能になっており、2段階目は弾速が上がることで連射性能が向上する。また、オプションを4つ装備後にさらに装備しようとすると、一定時間オプションが自機の周囲を回転するローリングオプションになるといった追加要素もある。オプションハンターは登場しない。難易度は2周以上でもほとんど上がらない。
Stage | 内容 | 解説 | 使用曲 | ボス |
---|---|---|---|---|
1 | 人工太陽 | 後半に上下からプロミネンスが吹き出すエリアが追加されている。 |
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2 | ギーガ | 網状の障害物を排除しつつ、奇怪な生命体や触手を相手にする。 |
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3 | 火山・水晶 | アーケード版の3面と4面を統合したステージ。前半は上下に地殻のある火山地帯。後半は多数の水晶が出現する。 |
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4 | モアイ | 破壊可能なイオンリングを放出する石像群を破壊しつつ進む。 |
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5 | ボスラッシュ | 過去シリーズのボスと連戦を繰り広げる。ステージ開始直後に前衛としてパワーカプセルを所持する敵が大量に現れる。 |
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6 | 敵基地 | 前半は狭い基地内で敵の総攻撃。中盤は高速スクロール地帯。後半に出現するクラブは破壊可能。 |
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7 | ゴーファー | 巨大な生命の内部のようなステージ。 |
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[編集] その他移植版
ファミコン以外のハードではアーケード版に忠実な移植が行われている。
- X68000
- 画面の解像度がオリジナルと違う(256×256ドットモード使用)が、ブート画面のCPU・メモリチェック画面や、安全地帯の再現などの努力が行われている。オリジナル基板ではMPU(MC68000)が2基搭載であったが、本移植版ではMPUが1基であるにも拘らず、ほとんどストレスなく動作する。FDD2枚での供給であったが、HDDインストールや、2MB以上のメモリ搭載の機種には全データをメモリ上にロードすることに対応していた。これにより、ゲーム中はFDDのロード時間から解放され、快適にプレイすることが出来た。オプション設定でロゴを海外版である「VULCAN VENTURE」に切り替えることにより、ゲームオーバー時にコンティニューする事が可能。MIDI楽器(ローランドMT-32系、SC-55系)にも対応している。
- PCエンジン(SUPER CD-ROM²)
- デモとオリジナル面を追加。オリジナルの多重スクロールも一部それらしく再現している。
- セガサターン(グラディウス DELUXE PACK)
- 画面の横サイズを拡大して合わせたり、処理落ちの再現をしている。
- プレイステーション(グラディウス DELUXE PACK)
- セガサターン版とほぼ同等。プレイステーション2で起動させるとグラディウスIIが正常に動作しない。グラディウスは問題なく動作する。またプレイステーション3ではグラディウスIIも問題無く動作する。
- Windows95(グラディウスDELUXE PACK for Windows95)
- セガサターン版・プレイステーション版とほぼ同等。X68000版に続くPCでの忠実移植版でもある。
- Pentium 90MHz以上・VRAM2MB以上必須だが、MMX Pentium 166MHz未満のスペックだと多重スクロールする面でBGMが濁って発声される(後述のビデオカードの問題が無い限りプレイに支障はない)。また、ビデオメモリが2M未満だとグラディウスIIIを髣髴させるスピードになる。
- 残念ながらWindows XP以降では正常動作しない。(PC仮想化ソフト上のWindows9x系OS上で動作させる事は可能だが、要調整)
- プレイステーションポータブル(『グラディウス ポータブル』に収録)
- オプションモードでセミオートパワーアップ、時機の当たり判定サイズの変更、画面サイズの変更が可能になっている。また、ゲームプレイ中にポーズメニューからセーブすることでいつでも中断が可能。ロード時はパワーアップを維持したまま復活ポイントから再開できる。
その他、携帯電話版がある。
また、MSXでは「ゴーファーの野望 エピソードII」という、本作をベースにしつつもほぼオリジナルと言っていい作品が発売されている。
[編集] 外部リンク
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本編 | グラディウス - グラディウスII - グラディウスIII - グラディウス外伝 - グラディウスIV - グラディウスV |
沙羅曼蛇 | 沙羅曼蛇 - ライフフォース - 沙羅曼蛇2 - 沙羅曼蛇 ポータブル |
MSX・X68000 | グラディウス2 - ゴーファーの野望EpisodeII - ネメシス'90改 |
携帯 | ネメシス - ネメシスII - ジェネレーション - NEO - NEO IMPERIAL - グラディウス ポータブル |
パロディウス | パロディウス - パロだ! - 極上 - 実況 - セクシー - 究極 - パロウォーズ - パロディウス ポータブル |
その他 | コズミックウォーズ - ソーラーアサルト(リバイズド) - オトメディウス |
関連 | ビックバイパー(開発史) - ロードブリティッシュ |