デスラー艦
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デスラー艦(デスラーかん)は、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』シリーズに登場する、架空の宇宙戦艦。ガミラス帝国、のちにガルマン・ガミラス帝国の総統デスラーの御座艦で、帝国の大元帥の旗艦でもある。初代、二代目、三代目を通じて、ブルーの艦体色と艦首のデスラー砲という共通の特徴を持つ。
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[編集] 初代デスラー艦
初代デスラー艦は、ガミラス本星の天井都市にあり、ヤマトとの本土決戦における作戦指揮所となっていた総統府が、そのままデスラー砲艦として危急時に脱出できるようになっていた艦艇。別名、旧デスラー艦ともいう。全長はヤマトの半分程度、武装はデスラー砲を除けば大口径レーザー砲3門、ミサイル発射管8門を備えるのみである。デスラー砲発射直後にワープしたり、微速後進しながらワープに入れるなど、ユニークなスペックを備える。地球帰還直前のヤマトの装甲にロケット制御式の銛で穴をあけ、それを通路にして乗り込み白兵戦を挑んだあと、デスラー砲を浴びせるが空間磁力メッキに跳ね返され自滅。失意のデスラーは、怨念とともに自沈装置のレバーを引き、宇宙の闇へ放り出された。
[編集] 二代目デスラー艦
二代目デスラー艦は、白色彗星帝国の大帝ズォーダーの好意により提供された艦。TV版では二代目となるが、劇場版では最初のデスラー御座艦であり、大ヒット作となった第二作目の劇場版アニメ・「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」および、シリーズ最終作の宇宙戦艦ヤマト 完結編(同型艦)に登場する艦という事で、デスラー艦としては最も有名な艦であるという事が出来る。この事が、「デスラー艦」の呼称をやや複雑にしている(「「新型デスラー艦」という呼称について」を参照)。ちなみに劇場公開当時は初代デスラー艦と区別するためか、本艦の設定画には「デスラー戦艦」と書かれていた。当時はそのように紹介している資料本もあったのだが、この呼び名は定着せず、現在ではほとんど使われていない。
デスラー戦法が効率的に使えるよう艦首にデスラー砲とともに瞬間物質移送器が2基つけられている。対空装備として左右のバルジ上に三連装の機関砲が装備されている。なお、ガミラス純正の艦ではないものの、完結編では同型の艦を辺境視察に使用されている。上映された劇中の台詞にはないが、ハイパーデスラー砲に改造されているという説もある。
全長235m、全幅74.6m、自重49500t、最大乗員数50名、最小乗員数2名。
[編集] デスラー戦闘空母
デスラーは『新たなる旅立ち』に於いて、戦闘空母を改装した「デスラー戦闘空母」に乗艦していた。本艦は広義ではデスラー艦と呼べるものであるが、デスラーの御座艦としては唯一赤色(宇宙戦艦ヤマトIIIの回想シーンでは緑色)の艦体であり、この事と宇宙空母としての艦型および作中の呼称から「デスラー戦闘空母」として区別する(→デスラー戦闘空母を参照)。 全長260m、自重は不明だが、5万tクラスではないかという説がある。
[編集] 三代目デスラー艦
三代目デスラー艦は、ガルマン・ガミラス帝国の総統としての御座艦にふさわしい巨大戦艦。「新型デスラー艦」とも呼ばれる。全長1,350mを誇り、兵装としては両翼部に瞬間物質移送器が各1基、回転型大口径パルスレーザー砲塔7基、艦底には惑星破壊プロトンミサイル2基、その艦首には銀河系一の威力と考えられるハイパーデスラー砲が設けられている。エンジン推力は機動要塞ゼスパーゼの放つブラックホール砲にも対抗できる力を持つ。「宇宙戦艦ヤマトIII」では、シャルバート星上空や、太陽制御中のヤマトがボラー艦隊の攻撃を受けているときに、近衛艦隊のデスラー砲艦を引きつれて登場した。機動要塞ゼスパーゼはブラックホール砲のほかに、暗黒星団帝国の自動惑星ゴルバに比せられる堅牢な装甲を誇っていたが、自信満々にデスラーを直接対決に引き込んだボラー連邦首相ベムラーゼを、その要塞もろともハイパーデスラー砲で葬った。
[編集] 「新型デスラー艦」という呼称について
なお、二代目艦と三代目艦は、しばしば「新型デスラー艦」と呼ばれることがある。「デスラー艦」と言えば、テレビ版第一作目の最終話のみに登場する初代(「旧型デスラー艦」とも呼ばれる)よりも、第二作目の劇場版アニメ・「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」での白色彗星戦役に登場する二代目をイメージすること、「III」に登場する艦を模型化したプラモデルの商標名から、「新型デスラー艦」は、通常三代目を指すと思われる。しかし、初代から数えれば、二代目、三代目も「新型デスラー艦」と呼べるものであり、実際二代目艦もそのように呼ばれる事もあるため、本項では、二代目、三代目という名称で混乱を避けた。