ロッテリア
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ロッテリアはハンバーガーを中心とするファーストフードチェーン店。
株式会社ロッテリア(LOTTERIA Co.,Ltd.)の、日本国内店舗数は587店。(2006年9月現在) 2006年6月現在、岩手県・島根県には店舗がない(かつては存在したが撤退)。アジア地域にもハンバーガーチェーンを韓国790店、台湾6店、ベトナム16店で展開(2006年1月現在)している。
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[編集] 概要
[編集] 独自ハンバーガーチェーン創業
1972年、ロッテグループのファーストフード事業としてロッテリアを創業。1号店は1972年9月に東京都日本橋高島屋で開店。 名前の由来はグループ企業のロッテ(Lotte)とカフェテリア(Cafeteria)を組み合わせた造語でLotteriaとも表記される。アメリカのチェーンストアを参考に、同一ブランド商標ロゴ・全店均一価格・マニュアル化した接客サービスを取り入れたチェーン展開を実施する。 1980年代初頭までは同業他社(マクドナルド他)のハンバーガー・チーズバーガー類と、ほとんど変わりないメニュー構成だったが、イタリアンホットサンドやエビバーガーの登場以降、他社チェーンとの差別化を進めていくようになった。
[編集] 積極的な新メニュー投入
独自メニューとして、小エビをコロッケ状にしたもの(パティという)をバンズに挟んだ「エビバーガー」が有名である。1977年にロッテリアによって独自に開発された。その後、競争相手のモスバーガーやマクドナルドも類似のメニューを発売した。
他にも、シェーキ類で様々な変り種のソース、特に全般的に甘酸っぱいソース類を各種発売するなど、他社チェーンとの差別化に余念が無く、一風変わった味覚を提供していて、店舗限定でキムチシェーキも発売された。しかし、しばしばその傾向が先鋭化し過ぎて、予想だにしないような季節限定メニューを発売する事もあり、色々な意味で目が離せないチェーンではある。1987年には、マクドナルドの「サンキューセット」に対抗して「サンパチトリオ」をメニューに追加し低価格競争を行った。
ロッテリアのコーヒーはこだわりの抽出方法が「コーヒー専門店と同等」と、評価されている。雑味の原因となる渋皮を取り除いたコーヒー豆を使用していることと、きめ細かなマシンメンテナンスを絶えず行っていることがその秘訣と言われる。実際、一部店舗を除いて、コーヒー豆を注文を受けてから専用のマシンで挽いて出している。また、ホットコーヒーなどのホットドリンクを店内で飲む場合には、商品を従来の紙コップではなく、陶器製マグカップで提供する店舗も存在する。
[編集] ロッテリア転換・新業態
2004年7月には、「居心地のいい・雰囲気のいい空間」をモットーと、コンセプトにしたlotteria plus+(ロッテリアプラス)が東京都高田馬場にオープン。今後その店舗を増やす予定と発表されたが、現在「新生ロッテリア」新ロゴ採用をした店舗改装を2006年度から実施しているため、出店(ロッテリアからの転換)は事実上凍結され、2006年現在15店舗で展開。
[編集] REVAMPによるロッテリア経営再建
2005年11月末日、元ユニクロ幹部2人が設立した企業再生会社REVAMP(リヴァンプ)と資本提携し、経営再建に乗り出す。REVAMPから33.4%(推定)の出資と役員を受け入れる方向で調整に入った。 ロッテリアの株式は現在、ロッテ本体とグループ企業が100%保有している。REVAMPを引受先とする第三者割当増資を実施。REVAMPの持ち株比率は重要事項の拒否権を持てる33.4%以上となる見通し。3―5年でロッテリアの再生にメドをつけたうえで、ロッテグループが株式を買い戻すとみられる。
2006年1月、リヴァンプ代表玉塚元一が会長兼最高経営責任者(CEO)に就任。 篠崎真吾氏(元マイクロソフト社、現公認会計士)が代表取締役社長に就任。 2006年には、従業員に対して「お年玉」として無料券を配ったほか、グループのロッテのアイス(クーリッシュ)を配布したりと、従業員に対しての扱いがよくなっている。また、「スタンダード50」と呼ばれる従業員向けの重点項目をカラー印刷した冊子を配布するなど、品質面などでの向上をめざしている。また、「Straight Burger LOTTERIA」を新スローガンに掲げ、ロゴマークも一新された。メイトの制服が従来の赤を基調としたものから、白を基調としたものに随時変更し、再度新しい制服(ベストなど)に変更しているところもある。
2006年6月、ロッテとリヴァンプ社は合弁で『クリスピー クリーム ドーナツ ジャパン』(Krispy Kreme Doughnut Japan Co.,Ltd.)を設立。同年12月15日に東京都新宿駅南口に、1号店となる新宿サザンテラス店がオープンした。
2006年11月には、さらに両社合弁で『バーガーキング・ジャパン』を設立し、2007年夏に1号店がオープン予定。バーガーキングは1996年に日本へ進出したが、諸問題で2001年に撤退している。この時、JTから店舗を買収し、ロッテリアに転換した。
ちなみに、JTが展開していたバーガーキングは元をただせば森永LOVE (森永製菓の関連企業、レストラン森永がかつて展開したハンバーガーショップ) の事業を譲り受けたものなので、森永LOVE→バーガーキング→ロッテリアと変遷した店舗もある。また、バーガーキング時代の備品を、ロッテリアの店舗イメージに合わせて継続使用している店舗もある。
[編集] ロッテリアの事業戦略・広報活動
近年は多額な費用が掛かるCM放映を控え、新生ロッテリア改革・店舗改装に積極的に投資している。(過去には新しいエビバーガー登場時には大々的にCM放映を実施していた時期もあった)
2006年秋に吉本興業と業務提携。吉本養鶏チキンを使ったクリスマスメニューや、吉本所属のレギュラーによる商品の共同開発を行い「牛タンシチューとあったかパン」(450円・セット600円)を12月下旬~3月まで期間限定で販売する。また、オリエンタルラジオの出演するTBSテレビのオビラジ®とのコラボレーションで、「ホワイトカレーとあったかパン」を2007年1月26日から、こちらも期間限定で販売する。
[編集] メニュー
- ハンバーガー(130円)
- チーズバーガー(160円)
- てりやきバーガー(230円)
- 半熟タマゴてりやきバーガー(270円)
- ストレートバーガー(270円)
- チーズストレートバーガー(300円)
- エビバーガー(280円)
- フィッシュタルタルバーガー(270円)
- 塩焼きチキンバーガー(300円)
- リブサンド(300円)
- モーニング
- ハム野菜サンド(280円)
- ホットプレスサンド ハム&チーズ(220円)
- ソーセージ&エッグ(220円)
- ソーセージ&チーズ(180円)
- パンケーキ(キッズセットも)(230円)
- ロッテリア シェーキ(210円) ※シェイクとは呼ばない、ほぼ毎年、夏場のシェーキは半額になる。
- バニラ
- 苺ミルク
- 宇治抹茶
- ガーナチョコ
- フレンチフライポテト(S/M/L)(150/230/260円)
- ふるポテ(260円)(粉単品30円)
- バターしょうゆ
- トリプルチーズ
- ハーブ
- ディップポテト(270円)(ソース単品40円)
- バーベキュー
- ハニーマスタード
- クリームオニオン
- ジューシーチキン(200円)
- ジューシーチキンセット(600円)
- チキンセット:チキン1ピース・フレンチフライポテトS・コールスローサラダ・ドリンクR
- ファミリーパック:ジューシーチキン6本入り(1000円)
- ディップナゲット(240円)(ソース単品40円※ハラペーニョ以外)
- 上記の3ソース
- ハラぺーニョ
- シナモンアップルパイ(150円)
- コールスローサラダ(230円)
[編集] 近年のマクドナルドとの重複
2005年秋、マクドナルドがロッテリアのエビバーガーとほぼ同じえびフィレオを商品化。それに対抗してかどうかは定かではないが、キャンペーンとして、エビバーガーなどを最大半額など大幅値下げした。2006年から、マクドナルドと類似メニューを同期間にキャンペーンすることが多い。
- 宇治抹茶シェーキ・抹茶なでしこ(マックシェイク)
- ピタサンド・ピタマック
- エビバーガー・えびフィレオ
下記は、一部類似。
- チリストレートバーガー・えびチリフィレオ
- ハラペーニョソース(L:バーガーや、サイドメニューのソースに。 M:バーガーの味付けに)
[編集] ロッテリアのサービス・特徴・出店形式・その他
[編集] 高速道路への出店
ロッテリアでは一部のサービスエリアなどに対して出店している。ちなみにいずれの店舗もドライブスルー店ではない。
- 市原サービスエリア店(館山自動車道下り、千葉県市原市)
- 足柄サービスエリア店(東名高速道路下り、静岡県駿東郡小山町)
- 多賀サービスエリア店(名神高速道路下り、滋賀県犬上郡多賀町)
- 針テラス店(名阪国道、奈良県奈良市)
- 三木サービスエリア店(山陽自動車道下り、兵庫県三木市)
- 吉野川サービスエリア店(徳島自動車道下り、徳島県三好郡東みよし町)
- 基山パーキングエリア店(九州自動車道下り、福岡県筑紫野市)
- 基山パーキングエリア上り線店 (九州自動車道上り、佐賀県三養基郡基山町)
[編集] 特徴的な店舗
- 高松駅店
- 1990年に開店したこの店舗(当初はJR四国本社、後にグループのステーションクリエイト香川が経営)はカウンターが改札内と改札外にまたがるという他に例がない形態となった。簡易的な仕切りが当初からあったが、ここを乗り越える不届き者が多かったため、後に本格的なものに変更された。客席は両側にあった。1997年の再開発に伴う駅自体の仮駅舎への移転により、この特徴的な形態は高松駅店では消滅した(店舗自体は現在も現駅舎内で営業している)。また、同様の特徴を持つ店舗は神奈川県相模原市の橋本店にも存在し、店舗がJR橋本駅構内側とバスターミナル側に二分されており、パーティションで仕切られている。この店舗はJR東日本のグループ企業によるフランチャイズ店舗であることが、ダストボックス(ゴミ箱)に使用されているゴミ袋に記載されているのがわかる。
[編集] 無線LANの導入
ロッテリアは、NTTドコモとの提携により順次公衆無線LANサービスの「Mzone」に対応した店舗を増やす方針。2006年10月現在、82店舗のロッテリアに導入されている。
[編集] 店頭販売
一部店舗では、チキンやシェーキ、かき氷などを半額で販売するキャンペーンの際、店頭で販売する。
[編集] 他店応援
夏祭りや花火大会など、ある地域において大規模な催し物が予定されていて、その地域にある店舗のメイトだけではまかないきれない時に、あらかじめ決められた地区の中のメイトが応援に行くことがある。
[編集] クリスマス商戦
ロッテリアでは、毎年クリスマス商戦向けにケーキやチキンを販売。主に、ロッテで販売しているレディーボーデン(Lady-Borden)のロッテリアオリジナルアイスケーキ。デコレーションケーキだから、従業員間では俗に「デコアイス」とも呼び、一種のイベントになっている。加えて、チキンも販売する。これは、通常販売しているものを販売強化するもので、この期間に限り専用の予約用紙が用意され、予約販売もしている。
また、2005年末には、有名シェフとの監修によるマロンケーキを販売された(一部地域のみ)。2006年度は、ケーキの販売はなく、吉本興業との業務提携により販売される吉本養鶏チキンを販売した。
内容は、ファミリーパック(1000円)と、パーティーパック(2000円)。
[編集] ウィルコムのPHS
ロッテリアでは「社内の通信費を浮かせる」という理由で2006年5月ごろに、大半の店舗と一部の社員(フィールドインストラクター(FI)など)、本社の各部署にウィルコムのPHSを配布した。しかし一部の店舗では、店舗の位置などのため電波状況が芳しくない。そのような店舗にはホームアンテナ(リピータ)が設置されている。ただしあくまで店舗間連絡などの業務用で、店舗内(メイトとの連絡)用ではない(つまり、PHS相互間でしか使えない)。
[編集] 従業員への教育
店長などを除いた、現場で働いている従業員のほとんどをアルバイトが占めている。それらの従業員の事をお互い「メイト」と呼び合わせるように教育させている。「メイト」とは、クラスメイトで使われるのと同じ「仲間」という意味で、明るい職場作りの一環として行われている。社員は1店舗に1~2人程度のため、休みなどで社員不在のときは、社員業務を代わりに行えるよう訓練されたメイトもいる。また、仕事のマニュアルも徹底しており、挨拶の仕方や言葉遣いはもちろん、手洗いなどの衛生管理のことや、ハンバーガー一つの作り方についてなどのそれぞれに、事細かい決まりごとがある。それらはすべて「LOOC」と呼ばれる紙に書かれており、その必要な部分を個人毎にファイリングして使う。
また名札には、どれくらいのスキル(能力)が身に付いているのかを示したアルファベット文字(ランクという)や、スターが付いていることがある。
[編集] 新規事業
ショッピングセンターを展開する、イオンやアピタのフードコートに出店している。
- 横浜八景楼(ラーメン)
- どん太鼓(うどん・そば・丼)
- たこ膳(焼きそば・焼きうどん・たこ焼き)
- 石焼キッチン(石焼きビビンバ・冷麺)
- レディーボーデン アイスクリーム(アイス)
- ハンモック
- クリスピー クリーム ドーナツ
[編集] 関連リンク
- ロッテグループの系列企業のため2005年にグループ企業の千葉ロッテマリーンズがレギュラーシーズンを2位で通過してプレーオフと日本シリーズを戦った時には、一部店舗を除いて「優勝バク進セール」を展開した。日本シリーズ・アジアシリーズ優勝後は祝勝セールを展開した。この時のニュース番組で、ロッテリアに入っていく阪神ファン(日本シリーズで阪神は敗れている)の姿が報道された。また阪神ファンが飛び込むことで有名な道頓堀の戎橋のすぐそばにもロッテリアがあるが、ロッテが阪神を破り日本一になった際は、混乱を避けるため通常より早めに閉店している。
- また、本拠地である千葉マリンスタジアムにも出店している(試合開催時のみ営業)。
- ザ・ヒットパレード:初期(「毎日がベストテン」~「毎日が電話リクエスト」・「電リクほっとアワー」)の番組スポンサー。かつてTBSラジオにて放送されていた。
- 九州青春銀行:「新バーガーを広めたい」ということで、スザンヌとどきどきキャンプが、新バーガー「豆腐ひじきバーガー」が本当にヘルシーなのか実証するために1ヶ月食べ続けるという企画をした。
- ロッテリアサウンドステーション:琉球放送(RBC)ラジオ(現RBCiラジオ)で1984年~1993年に放送されていた当社一社提供のラジオ番組。会員証が発行され、バーガー類注文時に会員証を提示するとドリンクやポテト類の割引サービスの特典が受けられた(沖縄県内の店舗のみ、現在は無効)。
- ロッテリアミュージックスクランブル
- JAF、吉本興業:業務提携を結んでいる。
- レギュラー
- オビラジR
[編集] 外部リンク
- ロッテリア公式サイト
- 韓国ロッテリア公式サイト(韓国語)