JR九州817系電車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
JR九州817系電車 | |||
---|---|---|---|
両数 | 98両(2両編成49本) | ||
起動加速度 | 2.6 km/h/s | ||
営業最高速度 | 120km/h | ||
設計最高速度 | 120km/h | ||
速度種別 | A24 | ||
編成出力 | 150kW×4=600kW | ||
編成定員 | 168人(立席)+90人(座席)=258人 | ||
全長/全幅/全高 | 20000mm/2950mm/3680mm | ||
編成重量 | 62.0 t | ||
軌間 | 1067mm(狭軌) | ||
電気方式 | 交流20000V 60Hz | ||
制御装置 | VVVFインバータ制御(IGBT素子) | ||
ブレーキ方式 | 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ | ||
製造 | 全車日立製作所 |
817系電車(817けいでんしゃ)は、九州旅客鉄道(JR九州)の交流近郊形電車。 2001年(平成13年)10月6日に営業運転を開始した。
目次 |
[編集] 概要
- ワンマン運転に対応した車両で、座席は木材を混用した転換クロスシートが採用され、表皮の一部に本革を使用している。
- 扉付近の吊り革をサークル状に配置することで、乗降時の扉付近の混雑の緩和を図っている。これは813系の300番台車以降にも採用されている。
- 扉上部に電光掲示板(一行)が設置されており、行き先案内などが行われている。
- 815系を踏襲したアルミ車体(A-train)・IGBT-VVVFインバータ制御車。
- 扉の前のシートは折りたたみ式で、乗務員側でロックがかけられるようになっている。朝のラッシュ時等では混雑緩和のため開かないようになっている。
- 製造番号は基本的には編成毎に同じ番号で揃えられている。また、編成自体にも「Vxxx」の編成番号が与えられている。「V」は817系であることを示し、「xxx」は車両の製造番号に対応している(但し1000番台は「10xx」ではなく「1xx」)。車両に表示される編成番号は「Vxxx」だが、正式な編成番号は筑豊配置車が「VGxxx」、長崎配置車が「VNxxx」、熊本配置車が「VTxxx」、鹿児島配置車が「VKxxx」である。以前は南福岡配置車「VMxxx」、大分配置車「VOxxx」もあった。
[編集] 番台区分
- 0番台
- 2001年に登場したグループ。IGBTはV026~031編成が東芝製、他は全て日立製である。
- 1000番台
- 2003年に登場したグループ。0番台車からの変更点は、以下のとおりである。
- また、IGBTはV108~112編成が東芝製、他は全て日立製である。
- 1100番台
- 2007年に登場したグループ。817系の従来の前面の表示器は左から種別表示器と行先表示器と線区名表示器の3つが設置されていたが、1100番台ではそれらの表示器が1つにまとめられキハ220系200番台や813系1100番台のように大型化された。ただし、車体正面の断面の形状は従来の区分番台と同一である。また、同様に側面の表示器も大型化され、その下の客室窓のタテ寸法がその分縮小された。
- なお、IGBTは全編成日立製である。
[編集] 沿革
- 2001年(平成13年)
- 2002年(平成14年)
- 2003年(平成15年)
- 8月 1000番台12編成(V101~112)が直方運輸センターに配属。これに伴い、同所から0番台10編成(V002~011)が鹿児島総合車両所に、2編成(V012・013)が大分鉄道事業部大分運輸センター(現・大分鉄道事業部大分車両センター)に転属。鹿児島本線・日豊本線の鹿児島・宮崎・大分地区での運用開始。九州新幹線開業に併せて475・457系等の老朽化した急行形電車の置換とワンマン運転区間の拡大が主目的。同区間への新型車両の投入は久しぶりで、717系や713系は国鉄時代の設計であり、前者は475・457系の車体更新で、後者は長崎・佐世保線(南福岡電車区)からの転入であるため、地元からは喜ばれた。
- 10月 川内~鹿児島~延岡間及び南宮崎~宮崎空港間でもワンマン運転を開始。
- 2005年(平成17年)
- 2006年(平成18年)
- 2007年(平成19年)
- 2月26日 1100番台4編成(V1101~1104)が直方運輸センターに配属。
- 3月2日 直方運輸センターから0番台1編成(V015)が熊本鉄道事業部熊本運輸センターに転属。
- 3月8日 直方運輸センターから0番台3編成(V014・018・019)が鹿児島総合車両所に転属。
[編集] 所属及び運用
2007年3月現在、以下のとおりである。
[編集] 筑豊篠栗鉄道事業部直方運輸センター(本チク→北チク)所属車
- 所属編成:V001・101~114・1101~1104編成(計19編成)
- 運用線区:鹿児島本線(門司港~折尾、吉塚~博多)、福北ゆたか線
- 門司港~小倉間を除き、2両編成時は駅収受式ワンマン運転を実施。なお、直方~篠栗間で勝野・九郎原・筑前山手は2006年3月までは車内収受式だった。
[編集] 長崎鉄道事業部長崎運輸センター(崎サキ)所属車
- 所属編成:V020~031編成(計12編成)
新製時より2005年2月までは全編成南福岡電車区(本ミフ→北ミフ)所属だった。 - 運用線区:長崎本線(非電化区間除く全線)、佐世保線(全線)、鹿児島本線(荒木~鳥栖:早朝の上り1本のみ)
この鹿児島本線内の運用は、715系の頃から続く珍運用。この他、鳥栖~南福岡間の回送運用が有る。 - 運用線区全区間で、2両編成時はワンマン運転を実施。ただし、長崎本線肥前山口~諫早間及び佐世保線全線は車内収受式、その他の区間は2006年3月に車内収受式から駅収受式に変更された。
[編集] 熊本鉄道事業部熊本運輸センター(熊クマ)所属車
- 所属編成:V012・013・015~017編成(計5編成)
全編成新製時は直方所属であった。V012・013・016・017編成は同所への1000番台車配置、V015編成は、同所への1100番台車配置に伴い転属してきたが、V012・013編成が旧大分鉄道事業部大分運輸センター(分オイ)経由での転入に対し、V015~017編成は直接転入して来た。この為か、側面のロゴ色に若干の違いが見られる(後述)。 - 運用線区:鹿児島本線(鳥栖~八代)、豊肥本線(熊本~肥後大津)
本所の815系とは運用が分離されている。ただし互いに代走することがある。また同系列との併結運用もある。
なお、大分所属時は日豊本線柳ヶ浦~佐伯間で、車内収受式ワンマン運転により運用されていた。 - 運用線区全区間で、2両編成時は駅収受式ワンマン運転を実施。ただし、田原坂駅は乗車券の券売機が設置されていないため、乗車方法が異なる。なお、2006年3月までは全区間車内収受式だった。
[編集] 鹿児島総合車両所(鹿カコ→本カコ)所属車
- 所属編成:V002~011・014・018・019編成(計13編成)
全編成新製時は直方所属であった。V002~011編成は同所への1000番台車配置、V014・018・019編成は同所への1100番台車配置に伴い転属。また、一部の編成は同所所属時に線区名表示器が撤去されている。 - 運用線区:鹿児島本線(川内~鹿児島)、日豊本線(延岡~鹿児島)、日南線・宮崎空港線(南宮崎~宮崎空港)
転属当初は日豊本線での運用が主体だったが、2004年3月以降は在来線特急が廃止された鹿児島本線での運用が主体となり、同線内普通列車のスピードアップが図られている。また編成の向きは、転入当初では本所所属の475・457系等と同様鹿児島本線上での向きを基準としていたため、日豊本線等その他の線区では上下の向きが逆転していたが、2007年3月現在、方向転換が行われ、日豊本線を基準とする向き(クモハ817が713系のクモハ713と同一方向を向く)となった。 - 運用線区全区間で、2両編成時はワンマン運転を実施。なお、鹿児島本線(川内~鹿児島)、日豊本線(国分~鹿児島)間は2006年3月に車内収受式から駅収受式に変更された。
[編集] 車体側面のロゴ色
車体側面のシンボルマークは、下表のとおり地域によって色が異なる。ただし、熊本所属車のうちV016・017編成はロゴ下部に黄色が残されている。V014・015・018・019編成は黒いCT文字であった。(現在は白いCT文字である。)また、運転席横の縦書きの「KYUSHU RAILWAY COMPANY」ロゴは、長崎(旧南福岡)所属車のみ赤色、他車(即ち直方所属の履歴ありの車両)は全て黄色である。
色 | 管轄 | |
---|---|---|
筑豊篠栗鉄道事業部直方運輸センター | ||
長崎鉄道事業部長崎運輸センター(旧南福岡電車区) | ||
熊本鉄道事業部熊本運輸センター(旧大分鉄道事業部大分運輸センター) | ||
鹿児島総合車両所 |
[編集] 関連商品
- TAITO社より発売中の「電車でGO!」シリーズでは、PlayStation2用の「プロフェッショナル2」で鳥栖~佐世保間を運転出来る。