日経新春杯
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日経新春杯 | |
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距離 | 芝2400m |
開催地 | 京都競馬場 |
グレード | GII |
条件 | 4歳以上(国際) |
1着賞金 | 6,000万円 |
負担重量 | ハンデキャップ |
創設 | 1954年1月17日 |
日経新春杯(にっけいしんしゅんはい)は、日本中央競馬会 (JRA) が京都競馬場の芝2400mで施行する中央競馬の重賞(GII)競走である。競走名は優勝杯を提供する日本経済新聞社から冠名が取られている。
目次 |
[編集] 概要
1954年に京都競馬場の芝2400mの重賞として日本経済新春杯の競走名(新聞は題名に入らなかった)で創設された。1979年に現競走名に改称。1984年にはGIIに格付け。1987年からは芝2200mに距離短縮されたが、1995年からは創設当初の現行距離に変更されている。ただし1980年と1994年は阪神競馬場で施行され、1984年はダート2600mに馬場変更された。2006年から国際競走となった。
年明け後に関西圏で最初に迎える芝のGII競走で、春季の中・長距離路線を見据えた馬が一つの起点とする競走となっているが、同時期開催のアメリカジョッキークラブカップや京都競馬の次開催の京都記念が別定重量であるのに対し、当競走はハンデキャップ競走と差別化が図られている。
また1978年に海外遠征の壮行レースとして負担重量66.5キロで出走した有馬記念優勝馬のテンポイントが馬体に故障を生じて競走中止となったことで知られる競走である。同馬は同年3月に死亡したが、その優秀な戦績と故障後に闘病生活を送った悲劇性から年を経た現在でも語り継がれており、「日経新春杯といえばテンポイント」のように結び付ける往年の競馬ファンも少なくない。
出走資格は、サラ系4歳以上(旧5歳以上)のJRA所属の競走馬(外国産馬含む)及び外国調教馬である。
負担重量はハンデキャップ。
総額賞金は1億1,400万円で、1着賞金6,000万円、2着賞金2,400万円、3着賞金1,500万円、4着賞金900万円、5着賞金600万円と定められている。
現在の優勝レイの配色は、紫色の地に黄色文字となっている。
[編集] 歴史
- 1954年 - 京都競馬場の芝2400mの5歳以上(現4歳以上)のハンデキャップの重賞競走、日本経済新春杯として創設。
- 1955年 - 上田武司が調教師として史上初の連覇。
- 1961年
- タイカンとキオーガンヒカリが同着優勝。
- 武田文吾が調教師として2人目の連覇。
- 1978年 - テンポイントがレース中で故障、競走中止。
- 1979年 - 競走名を日経新春杯に変更。
- 1980年 - 阪神競馬場で施行。
- 1981年 - 負担重量を別定に変更。
- 1984年
- グレード制施行によりGIIに格付け。
- 降雪の影響によりダート2600mで施行。
- 1987年 - 施行距離を2200mに変更。
- 1990年 - 混合競走に指定。
- 1994年
- 負担重量がハンデキャップに変更。
- 阪神競馬場の芝2500mで施行される。
- 1995年
- 距離を2400mに変更。
- 阪神・淡路大震災の影響により、施行日を1週順延。
- 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件が「5歳以上」から「4歳以上」に変更。
- 2004年 - 四位洋文が騎手として史上初の3連覇。
- 2006年 - 混合競走から国際競走に変更。
[編集] 歴代優勝馬
回数 | 施行日 | 優勝馬 | 性齢 | 勝時計 | 優勝騎手 | 管理調教師 |
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第1回 | 1954年1月17日 | ダイサンホウシユウ | 牡4 | 2:34.8 | 上田三千夫 | 上田武司 |
第2回 | 1955年1月16日 | フジミツル | 牡4 | 2:30.0 | 栗田勝 | 上田武司 |
第3回 | 1956年1月22日 | ヒヤキオーガン | 牡5 | 2:33.8 | 栗田勝 | 武田文吾 |
第4回 | 1957年1月20日 | ナンバイチバン | 牡4 | 2:30.4 | 大沢真 | 玉谷敬治 |
第5回 | 1958年1月19日 | トツプラン | 牡4 | 2:32.0 | 栗田勝 | 武田文吾 |
第6回 | 1959年1月18日 | タカハル | 牡4 | 2:30.4 | 近藤武夫 | 伊藤勝吉 |
第7回 | 1960年1月17日 | フサリユウ | 牡4 | 2:34.6 | 松本善登 | 武田文吾 |
第8回 | 1961年1月22日 | タイカン キオーガンヒカリ |
牝4 牡4 |
2:30.5 | 栗田勝 松本善登 |
伊藤勝吉 武田文吾 |
第9回 | 1962年1月21日 | ホマレタイコウ | 牡4 | 2:32.6 | 北橋修二 | 松元正雄 |
第10回 | 1963年1月20日 | リユウフオーレル | 牡4 | 2:36.9 | 宮本悳 | 橋本正晴 |
第11回 | 1964年1月19日 | コウライオー | 牡4 | 2:35.8 | 浅見国一 | 吉田三郎 |
第12回 | 1965年1月17日 | オーヒメ | 牝4 | 2:31.7 | 田所稔 | 小川佐助 |
第13回 | 1966年1月16日 | パワーラツスル | 牡4 | 2:33.1 | 松本善登 | 武田文吾 |
第14回 | 1967年1月22日 | タイクラナ | 牡5 | 2:29.0 | 武邦彦 | 武平三 |
第15回 | 1968年1月21日 | リユウフアーロス | 牡5 | 2:29.9 | 宮本悳 | 橋本正晴 |
第16回 | 1969年1月19日 | ダテホーライ | 牡4 | 2:35.6 | 宇田明彦 | 星川泉士 |
第17回 | 1970年1月18日 | キンセンオー | 牡4 | 2:27.6 | 小原伊佐美 | 坂口正二 |
第18回 | 1971年1月17日 | コンチネンタル | 牡5 | 2:35.1 | 津田昭 | 野平富久 |
第19回 | 1972年1月16日 | ケイシュウ | 牡5 | 2:37.0 | 松本善登 | 浅見国一 |
第20回 | 1973年1月21日 | ユーモンド | 牡4 | 2:33.1 | 福永洋一 | 武田文吾 |
第21回 | 1974年1月20日 | ホウシュウエイト | 牡4 | 2:29.4 | 武邦彦 | 日迫清 |
第22回 | 1975年1月19日 | イーストリバー | 牡5 | 2:30.7 | 北橋修二 | 松元正雄 |
第23回 | 1976年1月18日 | ロングホーク | 牡4 | 2:29.3 | 松田幸春 | 松田由太郎 |
第24回 | 1977年1月23日 | ホースメンホープ | 牡4 | 2:27.7 | 小野幸治 | 小林稔 |
第25回 | 1978年1月22日 | ジンクエイト | 牡4 | 2:28.6 | 清水英次 | 福島勝 |
第26回 | 1979年1月21日 | スズカシンプウ | 牡4 | 2:28.5 | 中島敏文 | 上田武司 |
第27回 | 1980年1月20日 | メジロトランザム | 牡4 | 2:27.3 | 武邦彦 | 浅見国一 |
第28回 | 1981年1月18日 | ケンセイグット | 牡4 | 2:29.0 | 西浦勝一 | 土門健司 |
第29回 | 1982年1月24日 | アジシバオー | 牡4 | 2:29.8 | 岩元市三 | 新川恵 |
第30回 | 1983年1月23日 | オーバーレインボー | 牡6 | 2:28.9 | 田島良保 | 土門一美 |
第31回 | 1984年1月22日 | エリモローラ | 牡5 | 2:43.3 | 猿橋重利 | 梅内慶蔵 |
第32回 | 1985年1月20日 | マサヒコボーイ | 牡6 | 2:29.0 | 田原成貴 | 久保道雄 |
第33回 | 1986年1月19日 | フリートホープ | 牡4 | 2:28.9 | 猿橋重利 | 梅内慶蔵 |
第34回 | 1987年1月25日 | フレッシュボイス | 牡4 | 2:16.1 | 田原成貴 | 境直行 |
第35回 | 1988年1月24日 | スピードヒーロー | 牡6 | 2:15.3 | 河内洋 | 崎山博樹 |
第36回 | 1989年1月22日 | ランドヒリュウ | 牡7 | 2:14.4 | 河内洋 | 小林稔 |
第37回 | 1990年1月21日 | トーワトリプル | 牡4 | 2:15.0 | 的場均 | 柄崎孝 |
第38回 | 1991年1月20日 | メルシーアトラ | 牡4 | 2:13.6 | 河内洋 | 小野幸治 |
第39回 | 1992年1月26日 | カミノクレッセ | 牡5 | 2:15.2 | 南井克巳 | 工藤嘉見 |
第40回 | 1993年1月24日 | エルカーサリバー | 牝4 | 2:14.0 | 山田泰誠 | 田中良平 |
第41回 | 1994年1月23日 | ムッシュシェクル | 牡6 | 2:35.5 | 藤田伸二 | 小林稔 |
第42回 | 1995年1月22日 | ゴーゴーゼット | 牡4 | 2:24.8 | 村本善之 | 新井仁 |
第43回 | 1996年1月21日 | ハギノリアルキング | 牡6 | 2:26.7 | 藤田伸二 | 小林稔 |
第44回 | 1997年1月19日 | メジロランバダ | 牝4 | 2:27.6 | 武豊 | 池江泰郎 |
第45回 | 1998年1月25日 | エリモダンディー | 牡4 | 2:26.3 | 武豊 | 大久保正陽 |
第46回 | 1999年1月24日 | メジロブライト | 牡5 | 2:31.4 | 河内洋 | 浅見秀一 |
第47回 | 2000年1月16日 | マーベラスタイマー | 牡6 | 2:24.3 | 武豊 | 矢野照正 |
第48回 | 2001年1月14日 | ステイゴールド | 牡7 | 2:25.8 | 藤田伸二 | 池江泰郎 |
第49回 | 2002年1月13日 | トップコマンダー | 牡5 | 2:26.4 | 四位洋文 | 崎山博樹 |
第50回 | 2003年1月19日 | バンブーユベントス | 牡4 | 2:25.8 | 四位洋文 | 田島良保 |
第51回 | 2004年1月18日 | シルクフェイマス | 牡5 | 2:24.5 | 四位洋文 | 鮫島一歩 |
第52回 | 2005年1月16日 | サクラセンチュリー | 牡5 | 2:29.0 | 佐藤哲三 | 佐々木晶三 |
第53回 | 2006年1月15日 | アドマイヤフジ | 牡4 | 2:26.3 | 福永祐一 | 橋田満 |
第54回 | 2007年1月14日 | トウカイワイルド | 牡5 | 2:27.4 | 安藤勝己 | 中村均 |
[編集] 関連項目
- 京都記念
- アメリカジョッキークラブカップ - 同時期に行われる古馬の重賞競走
- 目黒記念、アルゼンチン共和国杯- 日経新春杯と同じくハンデ戦で行われるGII競走