第一次ネオ・ジオン抗争
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第一次ネオ・ジオン抗争(だいいちじネオ・ジオンこうそう)は、アニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』で舞台となったエゥーゴとネオ・ジオンの戦争である。「ハマーン戦争」とも。 また、当初の設定では「第一次ネオ・ジオン戦争」となっていた(名称変更経緯は不明)。更に現在のバンダイビジュアルHP上での『機動戦士ガンダムΖΖ』紹介コメントでは「第一次ネオジオン戦役」となっている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] グリプス戦役でのアクシズ
[編集] ティターンズ壊滅
グリプス戦役終盤、コロニーレーザー周辺のエゥーゴ艦隊はティターンズとアクシズの総攻撃を受ける。僚艦ラーディッシュが撃沈される中、アーガマ艦長ブライト・ノアはコロニーレーザーによる敵艦隊の一挙殲滅を画策する。コロニーレーザーを発射させまいとハマーン、シロッコが自らの MS(キュベレイ、ジ・O)で妨害するものの、カミーユ、シャアらの活躍によりエゥーゴは発射準備が整うまでコロニーレーザーを守り切る。宇宙世紀0088年2月22日、コロニーレーザーが発射されティターンズ艦隊は壊滅的な打撃を受けたが、アクシズは戦いがまだ続く事を察知し、主要な艦を撤退させていたため被害を最小限に食い止めた。シロッコは戦力の回復を狙って撤退しようとしたが、死者の魂を取り込んだΖガンダムの前に撃破され、戦死した。そして、エゥーゴの勝利でこの戦争は終結した。
[編集] グリプス戦役、終戦
三つ巴の決戦に勝利したエゥーゴではあったが、最終決戦においてカミーユやクワトロ大尉、エマ・シーン中尉をはじめとする優秀なパイロットを多数喪失する。また、コロニーレーザーも破壊され、戦力の過半数を失うなど(劇中を見る限り、両軍の艦船はアーガマとムサイ級二隻しか生き残れなかった。)損害は大きく、戦後の主導権を確立するには至らなかった。
最終決戦において戦力の大半を温存したアクシズが、まさに漁夫の利を得る形で主導権を握り、戦いは第一次ネオ・ジオン抗争へと移っていくこととなる。
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[編集] 「ネオ・ジオン」僭称
グリプス戦役終結後、戦力を温存していたアクシズはサイド3(ジオン共和国)などを制圧し、勢力を拡大。アクシズの実権を握る宰相ハマーン・カーンはザビ家再興を図り、ミネバ・ラオ・ザビを掲げ新たなるジオン「ネオ・ジオン」を僭称する。ネオ・ジオンは各コロニーへ進軍し、まずはコロニー制圧を開始した。
[編集] 再び、ニュータイプ出現
宇宙世紀0088年初頭、ジュドー・アーシタはサイド1のスペースコロニー「シャングリラ」にて暮らしていた。同コロニーの福利厚生政策はお世辞にも充実していたとは言えず、また彼の両親は出稼ぎに出たまま不在の状態だったこともあって、ジュドーは学校にはあまり通わず、生活費の捻出と妹のリィナ・アーシタを「山の手の学校」へと通わせる為、仲間達と共にジャンク屋家業に精を出していた。 そんな折、グリプス戦役で疲弊したエゥーゴの巡洋艦アーガマが修理と補給のため、彼の住むシャングリラへと寄港する。ジュドーと仲間のビーチャ・オーレグらは、アーガマに所属するモビルスーツ(MS)Ζガンダムを盗み出し大儲けしようと画策する。彼らは、シャングリラに流れ着いたティターンズの敗残兵ヤザン・ゲーブルと共にアーガマに侵入するが、ジュドーは成り行きからΖガンダムに乗り込んでしまう。ヤザンのクルーに対する横暴に憤りを覚えたジュドーはΖガンダムで戦いを挑み、彼の乗り込むミドル・モビルスーツを撃退する。アーガマの艦長ブライト・ノアは、初めてとは思えぬ操縦でΖガンダムを操るジュドーを見て、彼の行動にかつてのガンダムのパイロット達の面影を重ね、ニュータイプの素養を感じ取る。
[編集] アーガマ、新生ネオ・ジオンと交戦
それと前後してシャングリラにもネオ・ジオンのコロニー先遣隊・巡洋艦エンドラが入港。同艦を率いるマシュマー・セロは自ら新型MSガルスJに搭乗し、アーガマを襲撃する。しかし、再びΖガンダムに乗り込んだジュドーがこれを退け、その後ブライトやファ・ユイリィの頼みもあり、ジュドーと仲間達はアーガマの乗員となる。
[編集] 新型MS・ΖΖガンダム
志願兵ルー・ルカにより、先駆けてコア・ファイターを受け取っていたアーガマは、シャングリラから出航した後ラビアンローズからエウーゴの最新鋭機ΖΖガンダムを受領。メイン・パイロットとなったジュドーの活躍もあり、ネオ・ジオンとのその後の戦いにおいて、凄まじい力を見せる。
[編集] ムーン・ムーン
アーガマは補給の為、開発時代に作られ既に忘れられたコロニー「ムーン・ムーン」に寄港する。既に入港していたエンドラと交戦状態となるが、アーガマは見事エンドラを撃沈する。
[編集] アクシズ潜入
アクシズに潜入したジュドーは、グレミー・トト配下のニュータイプ少女エルピー・プルの駆るキュベレイMk-IIと交戦(プルは大気圏突入後にアーガマに参加)。アクシズから脱出したアーガマは、月面都市グラナダで補給を受ける。
[編集] 大気圏突入
ネオ・ジオンは、地球連邦本部のあるダカールに工作員を送り込み、事実上地球連邦議会は制圧されている状態だった。各コロニーの制圧をほぼ終えたネオ・ジオンは、ついに地球圏を完全に掌握するため地球への降下を画策する。それに対しエゥーゴはアーガマに追撃命令を下し、アーガマも地球圏へと向かう事となった。
[編集] ダカールでの地上戦
降下したネオ・ジオンにより地球連邦政府のあるダカールは占拠されてしまうが、グリプス戦役によって戦力が疲弊しきっていたエゥーゴと地球連邦軍はこれを食い止めることが出来ず、ネオ・ジオンは旧ジオン軍やティターンズ残党をも配下に収める勢いを見せる。更には、ミネバを担ぎ上げたパレードやパーティーを行い、力を見せ付けた。
一方、地球に降下したアーガマはネオ・ジオンを叩くためカラバと合流。そのため、ガンダム・チームは別行動を取ることとなった。しばらく、砂漠で一年戦争終結よりザビ家復興を待ちつづけていたロンメル部隊や、アフリカ独立開放戦線、グレミーが率いることになった青の部隊等と交戦を続けることになる。
[編集] ブライトとジュドー監禁
アーガマは、地球連邦高官たちに会うためダブリンに向かう。ネオ・ジオンにサイド3を与える事で和平交渉を結び、それに伴いアーガマも武装解除させると言う高官にブライトとジュドーは反発するものの、近衛兵に取り押さえられ地下牢に閉じ込められるが、モビルスーツに襲撃され混乱する最中、ファ・ユイリィに助けられる。
[編集] ダブリンへコロニー落とし
ネオ・ジオンは、マシュマー・セロ率いる部隊により、アイルランドのダブリンにコロニー落としを決行(この時は落下速度が低かったのか、コロニーが落着後もしばらく原形をとどめたまま直立していた。対岸のイギリス本土でも、ブリティッシュ作戦時のオーストラリアに比べて被害は少なかったようである)。その結果ネオ・ジオンは、地球連邦政府にジオン発祥の地であるサイド3の譲渡を認めさせる。
[編集] ネェル・アーガマ就航
再び宇宙へ戻ったアーガマクルーたちに、地球に降下したアーガマに代わる新造戦艦ネェル・アーガマが与えられた。しかしエゥーゴの上層部は「子供」という理由のみで、主力パイロットであるジュドーたちの退艦を命令。一方的な命令に不満を抱いたクルーたちは、ネェル・アーガマを強制出航させ、サイド3を目指す。
[編集] ネオ・ジオン内紛
一連の作戦で戦局は大きくネオ・ジオン側に傾いていたが、ネオ・ジオンも内部は磐石ではなく、単なるザビ家の再興がハマーンの目的ではないことが、急進的な親ザビ派による反発を招き、グレミー・トトを中心にした内乱が勃発。グレミー・トトが自らこそがザビ家後継者(正確にはザビ家のクローン)であると名乗り、グレミー派を立ち上げネオ・ジオンを二分。残ったハマーン派との間で内戦を引き起こす。
[編集] キケロ潜入
ジオン発祥の地「コア3」に接続させる予定の鉱山惑星「キケロ」に潜入したジュドーたちは、過酷な労働を強いられている者たちを説得、協力してネオ・ジオンを撤退させる事に成功。
[編集] ラビアン・ローズ沈む
ネェル・アーガマに、プルツーが駆るグレミー派の巨大MSクィン・マンサが襲撃。しかしラビアン・ローズがその盾となり、艦長代理エマリー・オンスともども撃沈。地球連邦艦隊と合流する予定だったネェル・アーガマは、まずグレミー派を鎮圧することとし、アクシズへ向かう。
[編集] 終戦
混乱極める中、マシュマー・セロ、キャラ・スーン(ネオ・ジオン本隊)、ラカン・ダカラン(グレミー派)など主だったパイロットや戦力も相打ちし消滅。またガンダム・チームもクィン・マンサを倒し、搭乗していたグレミー・トトは戦死する(パイロットのプルツーはネェル・アーガマが保護するも、死亡)。
ネオ・ジオン本隊の最後の砦となったハマーンは、ジュドーに1対1の最後の決戦を挑み激戦のうえ敗れる。ジュドーが救いの手を差し伸べるもののそれを拒み(グレミーの反乱の動きを見逃した事で自軍の敗北を悟り、この出撃の時点で既に死を覚悟していたと見られる)、そしてジュドーに未来を託しながら、キュベレイをモウサ(アクシズの居住ブロック)の壁に激突させ、絶命する。
また、ミネバ自身は影武者であることが判明、これらのことからネオ・ジオンの自滅的敗北によるエゥーゴの勝利という形で第一次ネオ・ジオン抗争は終結した。
[編集] エゥーゴのその後
エゥーゴは、戦闘能力を失った地球連邦軍の正規部隊として組み入れられる形で発展的に解散した(ロンド・ベル隊になったと言われている)。このため、エゥーゴでも有数の艦隊指揮官であったブライト・ノアは後に再び連邦軍の指揮官として活躍することとなり、第二次ネオ・ジオン抗争で再び前線で指揮を取ることとなる。また、第一次ネオ・ジオン抗争最終決戦を戦い抜いたネェル・アーガマは、ラー・カイラム就航までロンド・ベルで運用されたという。
エゥーゴの主力パイロットに成長したジュドー、ルーの両名は、グリプス戦役後中断していた木星エネルギー輸送船団に参加し、ジュピトリスIIで月面フォン・ブラウン市から旅立つ、公式な記録ではないが、彼らと共に戦い抜いたΖΖガンダムも同時にジュピトリスIIに搬入されたという。
[編集] 劇場版Ζでの扱い
なお、2005年に発表された映画版Ζガンダムにおいて、カミーユ・ビダンは精神崩壊せず、アクシズもミネバ・ラオ・ザビを地球へ(極秘裏に)留学させた後にアステロイドベルトへ撤退したことから、映画版Zガンダム以後の歴史上で本抗争は発生しないこととなった(テレビ版ZガンダムからガンダムZZへ繋がる)。
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