華麗なる一族 (テレビドラマ 2007年)
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『日曜劇場・華麗なる一族』(にちようげきじょう・かれいなるいちぞく)は、山崎豊子の小説『華麗なる一族』を原作とするテレビドラマ。2007年1月14日から同年3月18日までTBS系列で、毎週日曜日の21:00-21:54(JST、初回と最終回は22:24まで延長)に放送された。
TBSの開局55周年記念番組としても位置付けられており、全10回の放送だった。
主演はSMAPの木村拓哉が務め、連続ドラマでは2005年4月期の『エンジン』以来となり(単発を含めるならば、『HEROスペシャル』、2006年7月3日放送以来半年振りとなる)、同枠では2003年1月期の『GOOD LUCK!!』以来、4年振りに登場する事になる。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 概要
原作および、これまでの映画・ドラマでは、阪神銀行頭取の万俵大介が主役だったが、この作品では大介の長男で万俵財閥の主力企業である阪神特殊製鋼の専務を務める鉄平が主役に変更されている。
ドラマの時代設定は1960年代の神戸。物語は旧神戸銀行と旧太陽銀行の合併(旧太陽神戸銀行、現三井住友銀行)及び1965年に発生した山陽特殊製鋼倒産事件をモデルにしたものといわれている。劇中の阪神銀行は、実在の阪神銀行(現みなと銀行)とは関係ない。また、原作では鉄平が勤務する会社名は「阪神特殊鋼」となっているが、本ドラマでは「阪神特殊製鋼」と変更されている。これも、実在の阪神特殊鋼(大阪市)とは関係ない。
[編集] 登場人物
[編集] 万俵家
- 万俵鉄平 (34) - 木村拓哉
- 万俵大介の長男で、父・大介がオーナーを務める万俵財閥の主力企業、阪神特殊製鋼専務。B型。父の意向に反して東京大学工学部冶金学科(現・マテリアル工学科)に進み、卒業後はマサチューセッツ工科大学へ留学した経験も持つ技術者でもある。7年前、かつて鶴田芙佐子と交際していたが、芙佐子が自分の前から姿を消した後、父・大介と高須相子によって閨閥結婚であったが、元通産大臣で有力代議士の大川一郎の長女・早苗と結婚し、早苗との間に長男・太郎を設けるなど良好な関係を築いている。理想と情熱を合わせ持ち、仕事にかける志は高い。阪神特殊製鋼の将来を考え、巨額の予算が必要となる高炉の建設を計画する。しかし、父・大介と帝国製鉄の和島所長の妨害により突貫工事を余儀なくされ、爆発事故を招く。
- 大介が祖父に似すぎている鉄平を快く思っていない事から、大介に愛されていないと感じていた。その上仕事面での不協和音も合わせ、確執を更に深まることになる。また志乃が生前に残した手紙から祖父・敬介が父親であること、芙佐子は自分の妹であることを知る。
- 大同銀行を陥れるために見せ掛け融資を行い、阪神特殊製鋼を潰そうとした大介を告訴するため妻子と共に万俵家を出て裁判に挑み、銭高を出廷させ有利に持ち込ませるが、阪神特殊製鋼の管財人となった帝国製鉄の和島所長により裁判を取り下げられ役員を解雇される。
- 万俵早苗 (30) - 長谷川京子
- 鉄平の妻。元通産大臣・大川一郎の娘で、閨閥結婚で万俵家に嫁いできた。夫・鉄平との間には長男・太郎を設けるなど、元は大介と相子の策略による閨閥結婚であったが良好な夫婦関係を築いている。しかし、独特の空気になった万俵家に嫌悪感を感じている。鉄平が万俵家を出るとき、太郎を連れて実家に帰るよう言われるが、最後まで鉄平についていった。
- 万俵太郎 (4) - 荒木崇秀
- 鉄平・早苗夫妻の長男で大介・寧子の孫。両親の愛をいっぱいに受け、のびのびと育った一粒種。
- 万俵大介 (60) - 北大路欣也
- 関西有数の都市銀行・阪神銀行頭取にして、阪神特殊製鋼の非常勤取締役。新・東洋銀行頭取。万俵家の家長。AB型。先代万俵敬介が創立した阪神銀行を全国第10位の都市銀行にまで発展させ、同じく先代が設立した万俵鉄工を近代的な設備を備えた阪神特殊製鋼へと発展させた。また、阪神銀行、阪神特殊製鋼など十数社を傘下に持つ万俵財閥の総帥でもある。しかし、自宅では妻・寧子と愛人・相子を同居させ、“妻妾同衾”という生活をしており、晩餐の時に妻の席に座った者がその日、大介と一夜を共にするのが大介・寧子・相子の暗黙の了解となっている。大蔵省が進める金融再編を前に「小が大を喰う合併」を成し遂げ、何としても阪神銀行を守り抜く為にあらゆる手段を画策する。息子の鉄平が敬介の子ではないかという疑念から、鉄平に冷たい態度を取り、次男である銀平に後継者としての期待をかける。
- 万俵寧子 (54) - 原田美枝子
- 大介の妻で、鉄平、銀平、一子、二子の母。高須相子に家事万端を仕切られている。この為に屈辱的な生活を強いられている。華族(公家・嵯峨子爵家)の出身で、万俵家より貧乏華族でもいいからとにかく華族から妻をもらいたいということから、巨額の結納金と引き換えに家を救う為、万俵家の大介の元へ嫁いだ。これも閨閥結婚であった。内気な性格が災いし、高須相子が家内を取り仕切るようになってからは正妻とは名ばかりの有名無実化している。子供への愛情は格別である。
- 高須相子 (39) - 鈴木京香
- 大介の執事兼愛人。15年前に万俵家に家庭教師としてやって来る。学生時代にアメリカに留学し、そこで結婚・離婚を経験するなど不遇な人生を歩んできた。しかし、万俵家に入り込んでからは、人並み外れた政治力で大介の妻・寧子を差し置いて万俵家を仕切るなど、絶大な力を発揮する。大介がその勢力を拡げるために、息子や娘を政財界の有力な人物と結ばせる政略結婚のアイデアも産み出した。相子と大介との間に子どもはいない。阪神銀行と大同銀行の合併成立の後、大介に手切れ金を渡され、万俵家を後にする。
- 万俵銀平 (31) - 山本耕史
- 大介の次男。父と同じ慶應義塾大学経済学部卒。阪神銀行本店営業部貸付課長で、将来の阪神銀行頭取候補でもある。端麗な容姿と明晰な頭脳、そしてやや諦観気味の精神を持つ。万俵家を傍観者のように見つめている。父、大介に対しては敵わない、と諦めな気持ちを常にもって大介の片腕として傍に居る。兄、鉄平のことを自分に無いものを持っている人として尊敬をしており、慕っている。故に、鉄平の高炉建設にも応援をしており、また敵わないと思っていた父に、兄鉄平ならば勝てるのでは、と万俵家の未来にも期待をしていた。母・寧子には息子らしい感情を持っている。
- 万俵(安田)万樹子 (24) - 山田優
- 大阪重工社長の令嬢で、後に銀平の妻となる。大学時代に妊娠し、宝塚の病院でその子を堕ろした経験を持つ。銀平は妻である万樹子に愛はなく冷めた結婚生活を送り、そして、義父である大介と高須相子の関係や歪んだ万俵家の秘密を知ってしまい、万樹子も相子と大介の仕掛けた閨閥結婚の犠牲者になる。その後、銀平の子を妊娠するが「堕ろしてしまう事だ」と言われてしまったため、飲酒を重ね流産をした。その後、万俵家に嫌気が差し、実家に帰った。
- 美馬中 (44) - 仲村トオル
- 一子の夫であるが、冷えた結婚生活を送っている。エリート大蔵官僚で、現在は大蔵省主計局次長。閨閥結婚のため、妻となった大介の長女である一子に対しては必要以上の愛情は無く、夫婦の関係は冷め切っている。そして、義父である大介の愛人の相子にも接近する野心家である。大介は美馬を良い様に利用しているが、美馬も政界に打って出るときの選挙資金の調達に大介を利用しようと考えている。東洋銀行成立後、永田に銀行局長の座を約束され、富国銀行が東洋銀行を飲み込む合併を進める指示をされ、自らの出世と保全のため、大介を裏切る事になる。
- 美馬一子 (29) - 吹石一恵
- 大介の長女で中の妻。中との間に長男・宏を設けるが、愛の無い結婚生活を耐え忍んでいる。自分自身が不幸せな結婚生活を送っている為、妹の二子と一之瀬四々彦の交際が発覚したが、反対することはなく逆にこの交際を応援している。一子と美馬中との結婚は、大介と相子が一番最初に企んだ閨閥結婚である。美馬との生活に嫌気がさし、実家の万俵家に帰ってきた。
- 万俵二子 (22) - 相武紗季
- 大介の次女。昨春大学を卒業し、花嫁修行に専念している。兄・鉄平と同じく大介と相子の関係は許容しておらず、芯の強い女性である。また、相子には嫌悪感を募らせている。一之瀬四々彦とは密かに交際しており、鉄平も交際を喜び応援しているが、鉄平の会社の阪神特殊製鋼を残すために佐橋総理の甥との婚約を決意し一時は四々彦と別れた。しかし、鉄平の死と阪神特殊製鋼が大介によって売却される事を機に、四々彦と再び交際し、鉄平の写真の前で四々彦とアメリカへ行く決意を話した。
- 万俵敬介
- 阪神銀行の興祖。A型。英雄の気質を持つ情熱的で積極性のある技術者だったが、それ故大胆で好色である。大介の父で、鉄平・銀平・一子・二子の祖父。料亭「つる乃屋」の女将・鶴田志乃の間にも娘・芙佐子を作り、正妻の間には大介を作る。彼の存在が、後の万俵家に暗い影を落とす事になる。
- 将軍
- 万俵家の庭の池にいる金の大鯉。鉄平の祖父・敬介が餌をやる時に手を叩くと現れる。大介が手を叩いても現れない。祖父に酷似していた鉄平に試しで大介が叩かせると現れた。それ以降、親子の悲劇と憎悪が始まったのである。
[編集] 料亭 つる乃家
- 鶴田芙佐子 (32) - 稲森いずみ
- 東京・麻布の料亭「つる乃家」の老女将・鶴田志乃の養女。昔、鉄平とは恋仲だったが、高須相子の圧力を受け、鉄平と別れ7年間海外に向かった。もう二度と戻らないと決心していたが志乃が体調を崩したため、7年ぶりに帰国。鉄平への思いは今なおあるが、鉄平が結婚している事を知り、鉄平に冷たい態度をとる。鉄平とは腹違いの兄妹と思われていたが、実際には叔母・甥の関係。
- 鶴田志乃 (59) - 多岐川裕美
- 「つる乃屋」を営む老女将。必死に養女の芙佐子を育ててきた。しかし、芙佐子が鉄平と付き合っていると聞いた時は何故か猛反対して二人を別れさせた経緯がある。その訳を言うのを長くためらっていたが、死の間際遺言で芙佐子は実は養女では無く、自分の子供で鉄平の祖父で大介の父・万俵敬介の間に身ごもった存在だったことを明かす。第7話で胃がんのため死去。鉄平と敬介を見間違える事がある。
[編集] 阪神特殊製鋼
- 一之瀬四々彦 (26) - 成宮寛貴
- 一之瀬工場長の一人息子で、阪神特殊製鋼社員。鉄平のことを心から尊敬している。鉄平と同じ東京大学工学部冶金学科(現・マテリアル工学科)に進み、卒業後はマサチューセッツ工科大学へ留学した経験を持ち、東大在学中から鉄平を慕っていた。上司である鉄平の妹・二子とは大学時代の付き合いがあり、大学を卒業した二子から好意を抱かれる。後に二子とは密かに交際をする事に。鉄平にアメリカ行きを勧められ二子とともにアメリカへ立つ。
- 一之瀬工場長 (58) - 平泉成
- 阪神特殊製鋼業務担当常務、兼工場長。技術畑の出身で、鉄平が最も信頼している人物。技術偏重で経理面を軽視しがちな鉄平を心配しながらも、二回り年下の鉄平を信頼している。大介の次女・二子の交際相手、一之瀬四々彦の父。破産管財人となった和島により役員が軒並み解雇される中、ただ一人留任。
- 銭高常務 (52) - 西村雅彦
- 3年前に阪神銀行から送り込まれてきた阪神特殊製鋼経理担当常務。阪神銀行頭取である万俵大介の顔色を伺っている。偽融資の事件では万俵大介に責任を被せられ、裁判の際に大介に家族の保障をされ罪を被るよう指示されるが、鉄平の熱意に心を打たれ裁判で借入表を改竄するよう命じたのは万俵大介だと証言する。だが、和島により解雇される。
- 石川社長 - 中丸新将
- 阪神特殊製鋼代表取締役社長。大介の妹・千鶴の夫で義弟にあたるが、鉄平が実質的に経営にあたっているので、所謂お飾り社長。しかし、銭高と同じく阪神特殊製鋼の中では唯一、鉄平に意見できる人物。高炉建設にもあまり乗り気ではなかった。和島により解雇される。
- 荒武玄 - 六平直政
- 阪神特殊製鋼の沖仲仕。当初は、鉄平と対立していたが海に溺れた荒武の仲間を鉄平が救ってから心を開き、突貫工事の人数不足の時には人手を集めてやってきた。高炉が爆発した時、怪我をしている仲間を助ける為、中に入りその直後、爆発、死亡した。爆発の直前、「若(鉄平)、こんなことで高炉建設諦めたらあかんで!」と、鉄平を励ました。
[編集] 阪神銀行
- 大亀専務 (60) - 武田鉄矢
- 阪神銀行経理担当専務。必死に働く姿が大介に評価され、専務に取り立てられる。裁判では被告側の証人として立つ。大介に他行の裏事情や汚れ仕事を任されている。過去に大亀直属の部下が失敗した時、大介に許してもらった事をきっかけに大介に忠誠を誓う事を決めた。
- 芥川常務 (54) - 小林隆
- 阪神銀行常務、兼東京支店長。阪神銀行は関西がメインの銀行である為、東京の大蔵省や通産省、他行の情報収集を一手に任されているキーマン。マスコミにもパイプを持っている。しかし、鉄平の義父・大川一郎の三栄銀行からの政治献金をマスコミにリークした責任を万俵大介に被せられ、大川の没後は大介によってグループ会社の万俵倉庫へ左遷された。東洋銀行成立のパーティでは帰ってきた。
- 角田支店長 - 田山涼成
- 阪神銀行池田支店長。大介の仕掛けた預貯金ノルマを達成する為に連日徹夜で奔走する。持病の狭心症を知っていた万俵大介の期待にこたえたが、「一人の犠牲を以って、全員の士気を高める」という、大介の思惑通り達成直後、死亡した。
- 速水英二 - 鼓太郎
- 阪神銀行頭取秘書。銀平と同期。銀平とよくバーで飲む。大介には多大な信頼を受けている。
[編集] 大同銀行
- 三雲祥一 (50) - 柳葉敏郎
- 都市銀行第5位、大同銀行頭取。日銀OBで、天下りで頭取に就任。鉄平がマサチューセッツ工科大学に留学中に日銀ニューヨーク事務所駐在参事としてアメリカで知り合い、以来親交を深めている。鉄平のよき理解者である。阪神特殊製鋼への多額融資により生え抜き派から責任を追及され失脚した。鉄平の火葬の日、大介に鉄平の存在を語る。
- 綿貫千太郎 (58) - 笑福亭鶴瓶
- 大同銀行専務。貯蓄銀行時代からの生え抜き派で、日銀からの天下りである三雲頭取のことを快く思っていない。その事から阪神銀行頭取である万俵大介から目を付けられ、合併後の新銀行の副頭取を約束されている。三雲に血判状を提出した時、今までの日銀出身の天下りのせいで生え抜き派の苦労を三雲に語る。新・東洋銀行の副頭取に就任。
- 小島恒夫 - 金田明夫
- 大同銀行常務で、綿貫専務の腹心。綿貫専務と同じく貯蓄銀行時代からの生え抜き派。
[編集] 大蔵省
- 永田大蔵大臣 (63) - 津川雅彦
- 現大蔵大臣。大蔵省事務次官から政界入りし将来を嘱望されていたが、時の総理の経済政策に徹底的に楯ついたために6年間冷や飯を食わされた。その間ずっと大介から経済的援助を受けてきた。しかし、大蔵省が進める金融再編に伴い大介へ経営戦略の転換を迫る。大介との会談では「まだ、大きい石が二つ足らん」と言い、2億を大介に振り込ませた。阪神銀行と大同銀行の合併で東洋銀行が発足した直後、美馬に東洋銀行を富国銀行に飲み込ませるよう指示する。
- 春田局長 - 田中隆三
- 大蔵省銀行局長。金融再編に奔走する。
- 田中検査官 - 伊藤正之
- 大蔵省銀行局検査部検査官。大蔵省主計局次長である美馬中とは同期であるが、美馬中がトントン拍子で出世しているのに対し、ずっと銀行局検査部で主のような存在になっている。阪神銀行の子会社である白鷺信用金庫への就職を約束され美馬の口車に乗る。
[編集] 通産省
- 大川一郎 (60) - 西田敏行
- 鉄平の妻である早苗の父。衆議院議員で、元通産大臣の代議士。娘婿である鉄平の器の大きさを認め、本当の息子のように可愛がっている。鉄平にとっても掛け替えのない父親で、高炉建設実現に向けて通産省や銀行などの根回しをするなどの後押しをしている。しかし、病で倒れ寿命が長くない事を知った万俵大介により、大川の三栄銀行への闇献金疑惑を新聞社にリークされた。そして犯人を見つけられないまま、鉄平と早苗に見守られながら亡くなった。最期まで鉄平を心配し続けた。
- 水谷通産大臣 - 板東英二
- 現通産大臣。大川にたじたじ。
[編集] 帝国製鉄
- 和島所長 (51) - 矢島健一
- 国内最大の製鉄会社、帝国製鉄尼崎製鉄所所長。鉄平の能力に危機感を抱いており、阪神特殊製鋼に対する様々な妨害を行なう。通産省の石橋局長と共に鉄平を妨害する。そして、阪神特殊製鋼の会社更生法の破産管財人となり、鉄平を阪神特殊製鋼から解雇する。
[編集] 閨閥を取り巻く人々
- 小泉夫人 - 鰐淵晴子
- 元駐仏大使夫人。二子と和也の縁談の仲人。
[編集] 高炉建設資金の融資銀行
- 宮本頭取 - 黒部進
- 長期開発銀行頭取。阪神特殊製鋼のメインバンクによる債権会議の議長役。
- 日下部頭取 - 沼崎悠
- 三栄銀行頭取。阪神特殊製鋼の取引バンク。
[編集] 裁判関係者
- 倉石弁護士 - 萩原聖人
- 鉄平の高校時代からの友人である弁護士。裁判時には大介を厳しく追及する。
- 曽我弁護士 - 浅野和之
- 阪神銀行顧問弁護士。
- 裁判長 - 山野史人
- 神戸地方裁判所・裁判長。
[編集] その他
- 山田所長 - 峰岸徹
- 第一製鋼名古屋工場所長。
- 大川一郎の側近議員 - 松尾貴史
- 大川闇献金疑惑を新聞社に止めるよう指示した側近議員。新聞を大川に見せて謝罪した。
- 大垣市太 - 山谷初男
- 丹波篠山に住む猟師。
- 篠山警察署の警官 - 前田吟
- 戦時中の集団血液検査は間違っていたと大介に話す。
他 - 鶴田忍、津村鷹志、渡辺寛二、山田明郷、武野功雄、菅原大吉、かねきよ勝則
[編集] 死亡者
[編集] 原作との相違点
ドラマ化にあたっては、主人公が原作の阪神銀行頭取・万俵大介から、その長男で阪神特殊製鋼専務・鉄平に変更されたこともあり多くの設定等が原作と異なっている。
[編集] 登場人物の設定と関係
- 万俵家の三女・万俵三子、万俵鉄平・早苗夫妻の子どもで長女の京子、三雲祥一大同銀行頭取の娘・三雲志保、美馬中・一子夫妻の子どもで次男の潤はドラマには登場しない。
- 万俵銀平とかつて恋仲だった小森章子とのエピソードは今回のドラマでは無くなっているが、その代わり鉄平が主役に置き換えられた為か、原作には無い鉄平と鶴田芙佐子が過去に交際していたというエピソードが新たに加わっている。
- 一之瀬工場長の息子である一之瀬四々彦は原作では、名前の通り四番目に出来た子どもで四男という設定になっているが、本ドラマでは一人っ子という設定になっている。
- 「つる乃屋」の老女将の鶴田志乃が万俵家の先代の万俵敬介の愛妾だったということを、原作では鉄平はもちろん大介も知っているが、ドラマでは鉄平は知らないことになっている。原作では「つる乃屋」で鉄平は時折、「スカッと遊んで性処理をしたり」という描写があり、先代の敬介も同じように遊んでいたのである。しかし、本ドラマでは鉄平と大介の父子の葛藤と、鉄平と早苗の真実の愛を貫くというテーマもあり、こういう描写は無しになっている。また、鶴田志乃は先代の敬介の初孫で敬介が鉄平を一番可愛がっていたことを知っており、鉄平のことを原作では「ぼんぼん」と呼んでおり、ずっと関西弁を話している。
- 本ドラマでは鶴田志乃が末期に鉄平へ手紙を書き「鉄平は敬介の子ではないか」と直接的な疑念を表現をし、鉄平が大介に対して家族全員の前で「自分は母と祖父の子供ではないか?」と追求することで視聴者には親子の葛藤が理解しやすくなっている。原作では泥酔した鉄平が芙佐子と関係を持とうとした際、芙佐子より「自分は敬介と志乃の娘である」と告白され、「では自分と君は叔母・甥の関係か?」との鉄平の問いに、「それならまだしも、あなたと私は・・・」と芙佐子に絶句され、あくまでも間接的な示唆に留まっている。また鉄平の出生に関して、本ドラマでは大介が鉄平に対して自らの苦悩を直接的に吐露する場面があるが、原作では最後まで「鉄平は自分の子供である」と頑なに言い張り、親子の苦悩は最後まで交わらず、また表面化することが無い。
- 本ドラマで阪神特殊製鋼の沖仲仕で登場する「荒武玄」は、原作では阪神銀行の預金獲得競争を担当する営業担当常務である。
- 大介と相子が仕掛ける二子の縁談相手が原作では、佐橋総理夫人の縁戚に当たる甥という設定の為、姓が違う「細川一也」となっているが、本ドラマでは「佐橋和也」と変更されている。
[編集] 高炉建設
- 原作では高炉建設に向けて阪神銀行に融資の依頼をした後、10%減額されてから大介に激怒したが、本ドラマでは鉄平が父・大介に「相子さんは結局、お父さんの愛人じゃないですか」と言ってから融資を減額された。
- 鉄平が10%減額された分の融資分の調達をするに当たって、原作では、協調融資銀行と新規の生命保険会社と大同銀行から調達したという事になっており、この融資に関しては大川一郎は関与してはおらず、鉄平自身で減額された融資分を調達している。本ドラマでは鉄平の義父の大川一郎の紹介で三栄銀行(原作では第三銀行であるが、現在同名の銀行がある為、本ドラマでは変更)からと大同銀行から調達したという事になっている。
[編集] スキャンダルのリーク
- 万俵大介が最初に吸収合併を狙った三栄銀行の不正献金相手は、原作では永田大蔵大臣の政敵・田淵自由党幹事長であるが、本ドラマでは閨閥相手(鉄平の岳父)である大川一郎に変更されている。大介は病魔に倒れ余命幾許も無い大川の利用価値を見限り事件をマスコミにリークするが、これにより大介の冷徹な性格、鉄平との葛藤を強調する効果を出している。また、本ドラマではリークの責任を芥川・常務東京支店長が被せられグループ会社へ左遷されるが、原作では当然そのような場面は無い。
[編集] 裁判
- 原作では、鉄平が倉石弁護士と共に大介を告訴するも、公判が始まる前に阪神特殊鋼の破産管財人となった帝国製鉄の和島所長によって専務を解任され訴訟の原告適格を失っており、親子の裁判シーンは登場しない。
- 本ドラマの裁判では銭高・阪神特殊製鋼常務が証言することにより、結果的に大介を裏切ることになるが、原作では前述のように裁判シーンが登場しない上、銭高は最後まで大介に忠誠を尽くしている。
- また、原作では衆議院で阪神特殊鋼倒産に関する集中審議が行われ大介と三雲が喚問されるシーンがあるが、本ドラマでは先述の裁判がこれに代わるものとなっている。
[編集] 電炉稼動
- 本ドラマでは、鉄平の葬儀の際、阪神特殊製鋼の電炉が稼動し工場より煙が湧き上がることで鉄平への弔意と残された者たちの企業再生にかける意気込みを示すシーンがある。原作では倒産により労働争議が発生する寸前において、停止していた電炉を鉄平の指示により稼動させる事で、社員の人心を高揚させるシンボルとして描かれている。
[編集] 時代考証
- 劇中のトヨタ・ランドクルーザー40系は1960年1月には生産開始されているが、当時はまだ輸出が主力で国内への供給が遅延していたため、あれだけの台数は国内走行していない。
- 自動車がまだ高級品であり、運転免許取得者もまだ現場に多くないはずであるのに、工場構内連絡専用にランドクルーザーを当時でも超高級車であるはずなのに、大量に使っている。(原作では三菱・ジープである。) また、ランドクルーザーは、当時の販売車は本来貨物車であるため、ナンバープレートはいわゆる1ナンバーが正しいが、劇中では乗用車の3ナンバーがつけられている。
- 舞台が兵庫県神戸市であるのにナンバープレートの登録地域表示が「兵」(兵庫ナンバー)又は「神戸」(神戸ナンバー)ではなく「神」(神奈川ナンバー)となっている。
- ハンティングに自動車で山に行けるほど道路整備が進んでおらず、行けたとしても、未舗装で車輌も乗員も泥塗れになった上に、ガソリンスタンドがまだ存在していないため、燃料を携行缶にいれて車載していなければならない。
- 阪神特殊製鋼で使用される形状のヘルメットが、まだ製造されていない。
- 銭高の息子がかぶってる阪神タイガースの帽子が1960年代には存在していないHTマークに黄色が入ったタイプである。
- 大介が相子に手渡した小切手の振り出した銀行の所在地が神戸市中央区栄町通になっているが、当時は生田区栄町通であり、葺合区と生田区が合併して中央区になったのが1980年(昭和55年)である。
- 公衆電話から市外通話はできない。
- 使用している黒電話が600型。
- ストーリーの舞台となる1960年代には使われなかったであろう外来語がいくつか登場する。たとえば巨大銀行を意味するメガバンクは1990年代に入ってからだろうし、リークというのも当時から使われていたかどうかはいささか疑問である。
[編集] その他
[編集] スタッフ
- 原作 - 山崎豊子(新潮文庫刊)
- 脚本 - 橋本裕志
- 音楽 - 服部隆之
- ナレーション - 倍賞千恵子
- 企画 - 瀬戸口克陽・植田博樹
- プロデュース - 福澤克雄・石丸彰彦
- 演出 - 福澤克雄・山室大輔
- 挿入歌 - イーグルスのDesperado
GOOD LUCK!!をプロデュースした瀬戸口・植田の両氏が企画として今作にも参加。プロデュースは、演出としてGOOD LUCK!!にも参加した福澤克雄(演出兼任)と世界の中心で、愛をさけぶなどでしられる石丸彰彦。スタッフも豪華布陣となっている。
[編集] サブタイトル・視聴率
全10回。
各話 | 放送日 | タイトル | 関東地区 | 関西地区 |
---|---|---|---|---|
第一回 | 2007年1月14日 | 華麗なる一族 | 27.7% | 30.5% |
第二回 | 2007年1月21日 | 過去の悲劇と真実 | 21.8% | 28.7% |
第三回 | 2007年1月28日 | 引き裂く運命 | 23.5% | 30.8% |
第四回 | 2007年2月04日 | 悲しき裏切り | 23.0% | 27.3% |
第五回 | 2007年2月11日 | 運命を分けた死 | 21.2% | 26.9% |
第六回 | 2007年2月18日 | 万俵家の崩壊 | 23.5% | 30.4% |
第七回 | 2007年2月25日 | 悲劇の高炉爆発 | 21.1% | 29.9% |
第八回 | 2007年3月04日 | 鉄平出生の真相 | 21.6% | 29.5% |
第九回 | 2007年3月11日 | 最終章・前編 最期の父子対決 | 24.9% | 30.5% |
最終回 | 2007年3月18日 | 最終章・後編 決意の死~未来へ | 30.4% | 39.8% |
平均視聴率 関東24.4% 関西30.4%(視聴率はビデオリサーチ社調べによるもの)
初回の関東地区での瞬間最高視聴率は、午後21:27分に鉄平が早苗に「愛してる」といった、30.5%。関西地区は、午後21:22分に鉄平と芙佐子が再会した、34.7%である。さらに、名古屋地区では開始後1分たつとすでに視聴率は25.6%を記録し、午後21:15分には30.8%を記録。
最終回放送の翌日、関西ではちちんぷいぷいによる「6分でわかる最終回」なる特集も行われ、鉄平が雪山に入ってからは文字通りアルプスのごとく視聴率が常に40%を越えていたグラフなども紹介された。関西地区では2006年の紅白歌合戦の視聴率すら上回っており、司会の角淳一は木村の演技を高く評価すると共に「国民的なドラマとなった」、「自分たちぐらいならば血液型の間違いなども多かったのですが・・・」とやや現代の考えではわかりづらかったと言ったことを解説していると共に、「やっぱり人生は運だ!」と評していた。
[編集] その他
- 撮影場所は東京・大阪・仙台・千葉県君津(阪神特殊製鋼のシーン)・静岡市清水(万俵邸のシーン)・北海道富良野(雪国のシーン)などと広範囲に渡っている他、1960年代の街並みを出すために、中国・上海ロケも行なっている。
- 第2話で鉄平が東海道新幹線で東京から大阪に戻るシーンの撮影は、大阪の交通科学博物館に展示されているO系電車の車内で行われた(乗客はエキストラで集められた)。
- ドラマのロケ地は先に述べた交通科学博物館や上海の他、新日本製鐵君津製鐵所(千葉県君津市)、志摩観光ホテル(三重県志摩市)、日本平ホテル(静岡市清水区)、大阪府庁、名古屋市役所など。
- 同局の平日正午枠で生放送されている大型情報番組『ピンポン!』で、同番組司会の福澤朗と主演の木村との対談が実現し、それが2007年1月4日の『ピンポン!』内で放送された。その内容は、役作りや製鉄所でのロケの裏話などのトークが展開していった。
- 『オールスター赤面申告!ハプニング大賞』で、様々なNG場面集が公開され賞金20万を獲得。
- このドラマとヤマザキパンによるコラボレーションということで、『華麗ぱん(カレーぱん)中辛』というネーミングのカレーパンが、ドラマの開始日の2007年1月14日に合わせて発売された。ちなみに値段は105円(税込み)である。2007年3月18日から甘口と辛口も発売。こちらも値段は105円(税込み)である。
- 日曜劇場のメインスポンサーにトヨタ自動車がある関係で劇中、1950-60年代当時のトヨタ車が登場している。(トヨペット・クラウン、センチュリー(同リムジン)、コロナマークII、ランドクルーザーFJ40)など。
- 公式ページでのキャストの顔写真において、主演の木村拓哉は、トヨペット・クラウンの画像に差し替えられている。詳細はジャニーズ事務所の項を参照。
- 今作で万俵大介役を演じる北大路欣也は1974年に公開された劇場版で、同じく石橋・通産省重工業局長を演じる大和田伸也は1974年版テレビドラマで、共に一之瀬四々彦役で出演した経験がある。
- ちなみに大介役には、当初渡哲也を起用する方向でギリギリまで交渉していたらしいが、結局スケジュールに折り合いがつかなかったという経緯があったと、一部女性週刊誌で報道されている。
- また、重厚なストーリーをも重視する為、ナレーションも導入した。ナレーションには倍賞千恵子を起用。主演の木村自身もモノローグの形でナレーションを担当。ちなみに二人は、ハウルの動く城で主役を演じている。
- 今作では、エンディングで流れる音楽と映像に次回予告を流す手法を取り入れている。これは、主題歌が設定されていない為の措置である。
- 近畿地方を主な舞台にした物語であるが、劇中ではいわゆる標準語での会話が多用されるようである。原作の小説『華麗なる一族』中でも、同作者の『白い巨塔』等と同様、関西弁はほとんど出てきておらず(荒武玄や鉄平宅の使用人などごく少数)、標準語が使われている。そのため、普段は関西弁を話す笑福亭鶴瓶や板東英二、更には相武紗季や吹石一恵も標準語で演じている。
- 黄金の錦鯉「将軍」は、2003年10月に三菱重工の100%子会社である菱明技研(現MHIソリューションテクノロジーズ)が”エンターテイメント魚ロボット”シリーズの3号作品として開発したもので、翌年1月より同社では魚ロボットレンタル事業(「将軍」の性能詳細)を行なっている。同シリーズでは金鯱が愛知万博に出品されている。なお石丸Pによると、「小道具ではなくキャスト扱い。木村さんたちも一目おいていました」とのこと。しかし、視聴者からはいかにもロボットっぽい動きをしていると不評である。
- 2/25放送分で小道具として使われた架空の新聞、「西日新聞」(実在する福岡県のブロック紙・西日本新聞とは無関係)に『公明党も「非武装中立」』という実在の政党名を利用した見出しがあった。
- このドラマは、TBSのみならずJNN各局も力を入れており、中でも放送局がこのドラマの番宣CMを製作し放映するケースも見られた。(北海道放送・毎日放送などで製作・放映された。)
- 最終回放送前夜に、他局であるテレビ朝日の番組SmaSTATIONにおいて木村拓哉が生出演し、司会の香取慎吾からインタビューを受けた。放送では今回の「華麗なる一族」についてのインタビューのほか、本放送の映像を使ったドラマストーリー紹介や、原作のモデルとされた企業や歴史的背景のリポート、原作者である山崎豊子から木村拓哉へのメッセージまで流すという、殆どこのドラマの番宣という内容であった。また、木村はこの番組の中で「今だから笑って言えるけれど、逃げたかった」と話している。
- 台湾の日本専門チャンネル「緯來日本台(VIDEOLAND JAPAN)」で、日本での放送終了後わずか一ヶ月という異例の早さで放送されている。
[編集] 関連項目
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[編集] 作品の変遷
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