ちゃんぽん
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ちゃんぽん
- 博多地方で作られている、ビードロ細工(ガラス工芸品)の一種。博多チャンポン。
- 中華料理をベースとした長崎県長崎市を発祥とする郷土料理。本項目で詳述。
- 沖縄県の郷土料理。本項目で記述。
- 色々な物を混ぜこぜにする事。混ぜたモノ。本項目で記述。
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[編集] 長崎のちゃんぽん
ちゃんぽんは中華料理をベースとした長崎県長崎市を発祥とする郷土料理。
豚肉、魚介類、野菜など十数種の具材をラードで炒め、豚骨と鶏がらで取ったスープを加えて味を調える。そこにちゃんぽん用の中華麺を入れて煮立て、器に盛る。具沢山の麺料理である。
明治時代中期、長崎市に現存する中華料理店「四海楼」の初代店主陳平順が、当時日本に訪れていた大勢の中国人(当時は清国人)の留学生たちに、安くて栄養価の高い食事を食べさせる為に考案したとされる。太い麺と具材の多さが特徴。他の麺類と大きく異なる点は、麺をスープで煮込む為、中華鍋一つで調理出来る簡易さである。
熊本県天草諸島は天草五橋が開通する1966年まで長崎との船での交流が盛んだった為、「天草ちゃんぽん」と呼ばれる独自のちゃんぽんが存在する。その為天草下島の商工会議所は天草地方の国道3路線(国道266号・国道324号・国道389号)を2006年秋から「天草ちゃんぽん街道」と名付け、天草ちゃんぽんを提供する飲食店の味と接客の質の向上を図る事で天草観光の目玉に据える構想を打ち出している。2007年の開催期間は3月1日~5月31日となっている。
作りやすいことで昔から長崎県内各地に伝わって、独自に発展・定着した料理である。雲仙市小浜の「小浜ちゃんぽん」などが有名である。全国チェーンとなったリンガーハットの影響も大きい。
愛媛県では、八幡浜市を中心として愛媛県南予地方全域にも独自のちゃんぽんが存在している。人口4万人の八幡浜市には、40店以上のちゃんぽん店が存在している。現在、八幡浜商工会議所青年部によって「八幡浜ちゃんぽんメジャー化プロジェクト」が進行中で、3月28日を「八幡浜ちゃんぽんの日」と制定し、2007年には立ち上げの記念式典を開催する。また「八幡浜ちゃんぽんバイブル」という、八幡浜のちゃんぽんを紹介したガイドブックを発刊。「ちゃんぽん」というフィルターを通して八幡浜市のまちを紹介し、「ちゃぽん」を目的に八幡浜市を訪れた観光客の周遊を図り、まちおこしへと繋げる模様。
福岡県北九州市戸畑区では、蒸し麺を使った「戸畑チャンポン」が名物である。蒸し麺は速く出来る事が特徴で、北九州市の名物料理として定着している。
[編集] 沖縄のちゃんぽん
沖縄では「ちゃんぽん」は米飯の上におかずを載せ、これを(どんぶりではなく)平らな皿に盛った料理。 一般に大衆食堂のメニューである。通常はご飯とおかずが分かれている定食よりも安い値段で提供される。
おかずはチャンプルーであることもあるが、これに限らない。
[編集] 形容としての「ちゃんぽん」
ちゃんぽんの料理法から、色々な物を混ぜこぜにする事をしばしば「ちゃんぽん」と言う。多種類の酒を一時に飲む事、酒と一緒に他の物を飲む事等の形容に良く用いられる語である。
尚、この「ちゃんぽん」なる単語は朝鮮語にもあり、同じく「混ぜる」「混ぜた物(料理)」という意味を持つ。また、沖縄県で同じ意味の「チャンプルー」はインドネシア語やマレー語にも存在するが、「チャンポン」と「チャンプルー」は同語源と考えられ、由来としては諸説有る。富山県のJR西日本・高岡駅の立ち食いそば店で、うどんとそばを1つの丼に盛った物を「ちゃんぽん」という名称で販売している、という例も有る。
先ず福建語の挨拶「吃飯」若しくは「吃飯了」(直訳するなら「飯は食ったか?」)から来ているとの説、同じく福建語の「混ぜる」を意味する語から来ているとする説(北京語にはchānの読みで「混ぜる」という字―― 掺;手偏に参――が有る)、或いはポルトガル語若しくはオランダ語の「混ぜる」を意味する「チャンポン」という動詞から、という説が存在する。