アーロン・ローザンド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
![]() |
クラシック音楽 |
---|
作曲家 |
ア-カ-サ-タ-ナ |
ハ-マ-ヤ-ラ-ワ |
音楽史 |
古代 - 中世 |
ルネサンス - バロック |
古典派 - ロマン派 |
近代 - 現代 |
楽器 |
鍵盤楽器 - 弦楽器 |
木管楽器 - 金管楽器 |
打楽器 - 声楽 |
一覧 |
作曲家 - 曲名 |
指揮者 - 演奏家 |
オーケストラ - 室内楽団 |
音楽理論/用語 |
音楽理論 - 演奏記号 |
演奏形態 |
器楽 - 声楽 |
宗教音楽 |
メタ |
ポータル - プロジェクト |
カテゴリ |
アーロン・ローザンド(Aaron Rosand、1927年 - )は アメリカ合衆国が生んだ名ヴァイオリニストのひとりで、ロマン派音楽の演奏に定評があり、またこんにち忘れられた19世紀のレパートリーを再発掘するのに尽力してきた。インディアナ州出身で父親はポーランド系、母親はロシア系。
わずか3歳で楽才をあらわす。シカゴでイザイ門下のレオン・サメティーニに入門。10歳でフレデリック・ストック指揮のシカゴ交響楽団との共演により、メンデルスゾーンの協奏曲を演奏して公式デビューを果たす。フィラデルフィアのカーティス音楽院でエフレム・ジンバリストに師事。1948年に21歳でニューヨーク・デビューを成功させる。その後はアメリカ国内ばかりでなく、ヨーロッパやアジアにも精力的に演奏旅行を行う。
ニューヨーク、クリーヴランド、ピッツバーグ、ヒューストン、ロンドン、パリ、ミュンヘン、ローマ、ウィーン、ブリュッセル、東京など主要都市のオーケストラと演奏・録音活動にとりくみ、ワシントン・ナショナル交響楽団、バイエルン放送交響楽団、イギリス室内管弦楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団とも共演している。2002年にフィラデルフィアにおいて、生誕75周年記念演奏会でシベリウスの協奏曲を演奏した。2003年には、ミルズ大学音楽学部に自らの名を冠した基金を設立、またこの年のリサイタル風景は録画され、DVDによる発売が計画されている。
ローザンドの演奏は、フランコ=ベルギー楽派の優雅な気品と、ロシア楽派の超絶技巧の追究とをたくみに融合させたものであり、甘美な美音と洗練された趣味によって、19世紀ヨーロッパの古き良き伝統をこんにちに最もよく伝えるヴァイオリニストのひとりと評価されてきた。メンデルスゾーンやチャイコフスキー、ヴィエニャフスキの協奏曲ならびに協奏的作品を得意とするほか、ヨーゼフ・ヨアヒムの≪ハンガリー風協奏曲≫、バンジャマン・ゴダールの≪ロマンティック協奏曲≫、イェネー・フバイの≪ヴァイオリン協奏曲 第3番≫、フランツ・レハールの≪ハンガリー幻想曲≫など、珍しいレパートリーを発掘しただけでなく、真摯な姿勢でこれらの録音にとりくみ、その復活に尽くした。
演奏活動のかたわら、ボルチモアのピーボディー音楽学校やマンハッタンのマネス音楽学校、ザルツブルク・モーツァルテウム・アカデミー夏期講習、ニース音楽学校夏期講座などで教鞭を執ってきた。現在は母校カーティス音楽院ヴァイオリン科教授。日本では、吉田恭子の恩師として知られる。現在も世界各地を精力的に飛び回って演奏活動と教育活動に意欲的に取り組んでいる。1981年を皮切りに、最近では2002年と2005年にはソリストとして、2004年には公開レッスン特別講師として来日している。