イエロー・サブマリン
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イエロー・サブマリン | ||
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ビートルズ の LP | ||
リリース | 1969年1月13日(US) 1969年1月17日(UK) |
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録音 | 1967-8 | |
ジャンル | ロック | |
時間 | 40 分 12 秒 | |
レーベル | Apple SW 153 (US) Apple PMC7070(mono) PCS 7070(stereo)(UK) |
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プロデュース | ジョージ・マーティン | |
レビュー | ||
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ビートルズ 年表 | ||
ザ・ビートルズ (1968年) |
イエロー・サブマリン (1969年) |
アビイ・ロード (1969年) |
イエロー・サブマリン(Yellow Submarine)は、1969年1月17日英国発売のビートルズを主人公にしたアニメ映画のサウンドトラック・アルバム。
目次 |
[編集] 製作過程
映画の企画はマネージャーのブライアン・エプスタインの生前にアメリカの映画プロデューサー、アル・ブロダックスがリー・ヤノフ原作、ジョージ・ダニングの監督で製作する計画を持ち込んだものだった。ブロダックスは、1965年にテレビアニメ番組の「ビートルズ」(1965年9月25日からCBSで毎週土曜の朝に放送。全39話)を制作していた実績を持っていた事から、エプスタインはこの企画に同意し映画の製作に入った。
しかし、この制作期間中にエプスタインが不慮の死を遂げ、ビートルズのビジネス上の混乱、アップルの設立、インドのマハリシ・マヘシ・ヨギの下での瞑想の修行などもあり、サウンド・トラック盤の製作には本腰を入れるには至らない状態であったし、そもそもビートルズ側はアニメ映画の製作には乗り気ではなく、内容にも期待していなかったようだった。 ジョージ・マーティンによれば、「彼らは作った曲の出来が悪いと、「『イエロー・サブマリン』に入れるのにちょうどいい」などとジョークを飛ばしていた」と言う。なお、この場合の「出来が悪い」というのは、第三者からの評判云々ではなく、メンバー達が制作段階で「ダメ」の判断を下した』と言う意味である
ところが、インドから帰国後、制作半ばにあった作品の試写を観ると、彼らの意識は急変した。ブロダックスによると、「イエロー・サブマリン」は、アルバム「サージェント・ペパーズ・・・」をモチーフとし、おとぎ話やサイケデリックやシュールリアリズムなどがミックスされ、「All You Need Is Love(愛こそはすべて)」のメッセージで統一された作品であった。
作品が単なるアニメ映画の娯楽作品ではなく、ポップ・アートを含めた芸術性の高い作品と知ったメンバーは、、アルバム用の新曲を用意し、更には自らも映画のラスト・シーンに登場する事をブロダックスに約束した。
しかし、アルバムの制作にはアップルの設立時期と重なり手が回りきらず、結果として「マジカル・ミステリー・ツアー」の制作時にレコーディングされた作品や、急遽作られた作品のうち3曲や、既発表の「イエロー・サブマリン」と「愛こそはすべて」をA面に収録し、B面には同じくサウンド・トラックを担当したジョージ・マーティンの作品と彼のオーケストラの演奏を収録し、アルバムのハンディを埋めたのであった。
もっとも、音楽の製作過程はたいした問題ではなく、「イエロー・サブマリン」は作品自体が注目され、本国イギリスよりもアメリカで好評を博し、マスコミも高く評価した。(この作品のおかげで、テレビ映画「マジカル・ミステリー・ツアー」の失敗を挽回したともいわれている。) メンバーも、1968年7月17日にロンドンのパビリオンにおいての映画のワールド・プレミア・ショウに出席し、ひさびさに人々の前に姿を現せるなどこの作品を高く評価していたようであった。
ちなみに、この作品は、ビートルズの活動中の作品で、全英、全米共に1位にならなかったアルバムである(全英4位、全米2位、編集盤を除く)。
当時の英国盤にはモノラル盤とステレオ盤の2種類があり、モノラル盤が発売された最後の作品であるが、厳密にはマスターからのモノラル・ミキシングは行われておらず、(本来はこれが普通のやり方であるが)ステレオ・マスターをそのままモノラル化したものである。但し、タイトル曲はすでに1966年のアルバム「リボルバー」とシングル盤で発表されており、「リボルバー」のモノラル盤とステレオ盤でミキシングが微妙に異なっている。 また、「愛こそはすべて」も1967年にすでにシングル盤で発表されており、シングル版と「イエロー・サブマリン」版で2種類のモノラル・ミックスが存在する。(シングル版は3分57秒であるのに対し、「イエロー・サブマリン」版は3分48秒である。) 次作の『アビイ・ロード』はステレオ化の波に飲まれ、ステレオ盤のみの発売となる。
当時の英国盤レコード番号:Apple PMC7070(モノラル盤)/PCS7070(ステレオ盤)
1999年には映画の中で使用されたビートルズの曲だけを収録し、リミックスを施したアルバム『イエロー・サブマリン~ソングトラック~』が発売された。
[編集] 曲目
[編集] Side-A
- イエロー・サブマリン Yellow Submarine (Lennon-McCartney) 2'38"
- オンリー・ア・ノーザン・ソング Only A Northern Sonng (Harrison) 3'23"
- オール・トゥゲザー・ナウ All Together Now (Lennon-McCartney) 2'10"
- ヘイ・ブルドッグ Hey Bulldog (Lennon-McCartney) 3'09"
- イッツ・オール・トゥー・マッチ It's All Too Much (Harrison) 6'24"
- 愛こそはすべて All You Need Is Love (Lennon-McCartney) 3'48"
[編集] Side-B
- ペパーランド Pepperland (Martin) 2'19"
- シー・オブ・タイム Sea Of Time (Martin) 3'00"
- シー・オブ・ホールズ Sea Of Holes (Martin) 2'16"
- シー・オブ・モンスターズ Sea Of Monsters (Martin) 3'35"
- マーチ・オブ・ミーニーズ March Of The Meanies (Martin) 2'17"
- ペパーランド・レイド・ウエイスト Pepperland laid waste (Martin) 2'10"
- イエロー・サブマリン・イン・ペパーランド Yellow Submarine in Pepperiand (Lennon-McCartney arr. Martin) 2'10"
- B面の7曲はジョージ・マーティンの手によるインストゥルメンタル。オーケストラによる演奏でアニメのサウンドトラックとして使用された。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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