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ビートルズの作品

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ビートルズの作品(ビートルズのさくひん)は、ビートルズアルバムおよび出演映画作品の一覧。


個々の楽曲についてはビートルズの曲名一覧を、ビートルズ解散後の動きや各ソロ作品については、ジョン・レノンポール・マッカートニーウィングス)、ジョージ・ハリスンリンゴ・スターを参照のこと。

目次

[編集] ディスコグラフィー

註:各アルバム名をクリックした際に現れる「収録曲」の「A面」「B面」などの表記は、当初、アナログレコードとして発売された際のもの。当時は、各面ごとに収録曲順を考慮したためにあえて記す。現在、英国版オリジナルアルバムは、全てCD化されている。したがって、CDの後半に収録の曲番は、A面の収録曲数に、B面の曲順を足したものとなる。また、オリジナルリリースがCDの場合は、曲順のみ、通し番号で記す。

[編集] 英国版オリジナル・アルバム

  1. プリーズ・プリーズ・ミー - Please Please Me1963年
    ビートルズの記念すべきデビューアルバム。シングルで先行発売された4曲を除く10曲を、ほぼ1日でスタジオでライヴ録音したもの 。正味レコーディング時間は、6~7時間といわれている。
  2. ウィズ・ザ・ビートルズ - With the Beatles1963年
    ボーカルのダブルトラッキングも使いはじめているが、2トラック録音である。彼らの初期作品の中ではラフで泥臭い印象で、当時はヘビーなサウンドに聞こえたことであろう。
  3. ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ! - A Hard Day's Night1964年
    同名映画のデジタルリマスター版が公開されてからは「ハード・デイズ・ナイト」、または原題の「ア・ハード・デイズ・ナイト」と呼ばれることが多い。アルバムのタイトル曲は、リンゴのふと漏らしたつぶやきから決定した映画のタイトルに合わせてジョンが作ったもの。それまでのカバー曲とオリジナル曲で構成されたアルバムとは異なり、初めて全曲オリジナルの構成で発表された。
  4. ビートルズ・フォー・セール - Beatles for Sale1964年
    1964年クリスマス商戦に合わせてツアーの合間に作られたため、1、2枚目のアルバム同様、ビートルズのオリジナル曲にカバー曲を加えて短期間で録音された作品。彼らのアルバムの中ではカントリー色が強い。
  5. HELP! 4人はアイドル - Help!1965年
    レコードではA面、CDでは前半が映画のサウンドトラックである。「悲しみはぶっとばせ」「イエスタデイ」では、セッションミュージシャンが起用されている。タイトル曲「ヘルプ!」は、映画のタイトルに合わせてジョンが作った曲であるが、邦題に反しアイドルとして活動することに対しての息苦しさを(無意識的にではあるが)歌った曲となった。
  6. ラバー・ソウル - Rubber Soul1965年
    このアルバムの収録曲は、ハードなナンバーにはサウンドの変化が起きつつあるものの、この後に聴かれる「サイケ」色はほとんどない。「ミッシェル」や「ノルウェーの森」に代表される、バラード系やアコースティック系の曲が多い。このアルバムで初めてジョージが持ち込んだインドの楽器シタールが、「ノルウェーの森」で演奏されている。ジョンとポール双方の作品も質・数ともにバランスが取れはじめ、ジョージも佳作を出し始めてきた時期の作品。
  7. リボルバー - Revolver1966年
    ロック色の強いアルバムだが、サイケデリックな特徴が出始めた作品でもある。この頃からスタジオテクノロジーも駆使しはじめ、複雑化したサウンドが主流となって、スタジオで出す音をステージで再現することは不可能になった。1966年のコンサートでは本作品からの曲は披露されず、以後ビートルズはコンサートツアーを停止した。
  8. サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド - Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band1967年
    本文参照。
  9. ザ・ビートルズ (ホワイトアルバム) - The Beatles(2枚組)(1968年
    アップルレーベルの初アルバムで、オリジナルアルバムでは唯一の二枚組。ソロ色の強い作品を『ビートルズ』のブランド名のもとにまとめた印象の強い作品で、メンバーの個性の競演とも、あるいは散漫とも評される。30曲収録というボリュームで、曲調はバラードからギターの弾き語り調、ボードビルからハードロックミュージックコンクレート風まで幅広い。
  10. イエロー・サブマリン - Yellow Submarine1969年
    レコードではA面 (CDでは前半) のみがビートルズの作品。メンバーが当初乗り気でなかったので、既録音の余った曲や捨て曲が主に入れられたとも言われている。レコードB面 (同じくCDでは後半) はジョージ・マーティン作曲・編曲による、オーケストラでのサウンドトラック (フィルモグラフィーなども参照のこと) 。
  11. アビイ・ロード - Abbey Road1969年
    ビートルズとしては、実質的に最後に録音されたアルバム。以下、本文参照。
  12. レット・イット・ビー - Let It Be1970年
    1969年初頭のセッションで録音された音源を元に、フィル・スペクターがプロデュース、というよりは同音源にテープ編集やストリングスやコーラスを加えることによって作品としたもの。特に、「ロング・アンド・ワインディング・ロード」では、実際の作曲者であるポール・マッカートニーと、ストリングスやコーラスのダビングをめぐってアレンジ面での意見の衝突があった。
    2003年に曲目が全て一緒ではないが、当時の曲の本来のアレンジに近く編集・リミックスされたアルバムが、2003年11月、『レット・イット・ビー...ネイキッド』として発売された。

[編集] 米国版アルバム

同名映画のサウンドトラック(英オリジナルはEP盤で発売)に、同時期に発表されたシングル曲を加えLPアルバムとした編集盤。CD化の際には英国オリジナルアルバムに準ずる扱いを受けている。楽曲の発表順では『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の後に位置する。詳細は当アルバムの項目を参照のこと。


これら米国版アルバムは、英国版オリジナルアルバムの収録曲を減らした上で、何枚かのアルバムからピックアップした曲にシングルのうちアルバム未収録、または別バージョンなどを加え、アルバムの数を水増ししたような形で発売された。中には英国よりも先にリリースされることとなった曲もある。

このキャピトル・レコードのやり方にビートルズのメンバーは非常に怒っていたそうで、実際にジョージ・ハリスンはグループ解散後のインタビューで「僕らのアルバムを切り売りするキャピトルのやり方は最低だった」と語っている。また、日本独自の編集盤も含めて契約上、各国さまざまな収録曲目のアルバムやミックス違いのバージョンが、初期から中期にかけて顕著に発売された。後年CD化によって、アメリカ編集盤『マジカル・ミステリー・ツアー』を除き、各国とも曲目・バージョンは英国オリジナルのものに統一された。

近年ではアメリカ編集盤もCD化がなされている。2004年11月『ミート・ザ・ビートルズ』、『セコンド・アルバム』、『サムシング・ニュー』、『ビートルズ '65』の4枚の米国盤が、CDアルバムボックスセット『ザ・ビートルズ ザ・キャピトル・アルバムス Vol.1』として発売。2005年には『ビートルズ VI』、『ジ・アーリー・ビートルズ』、『ヘルプ!(米国編集版)』、『ラバー・ソウル(米国編集版)』の4枚が、『ザ・ビートルズ ザ・キャピトル・アルバムス Vol.2』として発売された。Vol.1、Vol.2とも、CD一枚にモノラル版とステレオ版が収録されている。

[編集] CD化された際に、英国に於いても正式版としてリリースされた作品

前項及び当アルバムの項参照。
英国オリジナルアルバム未収録曲・レアバージョンをまとめたシリーズ。CDアルバム未収録曲を補完する意味合いがある。リンゴがドラムを叩いている「ラヴ・ミー・ドゥ」のシングルバージョン(アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』収録のバージョンでは、ドラムスはセッション・ドラマーが担当)、「シー・ラヴズ・ユー」や「抱きしめたい」のドイツ語バージョン、EP盤としてリリースされた「ロング・トール・サリー」「アイ・コール・ユア・ネーム」などを収録。
同コンセプトの第2弾。英国オリジナルアルバム未収録の「レイン」「ジ・インナー・ライト」「オールド・ブラウン・シュー」や、「アクロス・ザ・ユニバース」のチャリティ・アルバム収録バージョンを収録。

[編集] ベスト盤CD

通称「赤盤」。CD盤では、「抱きしめたい」などについてステレオ・バージョンが収録されている。
通称「青盤」。CD化に際して「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」の観客の歓声のSE(効果音)が除去された。したがって、同曲のイントロのアコースティック・ギターがフェードインの形ではなく、最初のストロークから聞こえる。また、「バック・イン・ザ・USSR」のエンディングのジェット機が飛ぶ様子のSEでは、アルバム『ザ・ビートルズ』での2曲目に位置する「ディア・プルーデンス」のイントロが、アナログのように被さってはいない。
上記の2作は、当時海賊盤レコード対策として発売された。選曲はジョージ・ハリスンによるもの。
「英・米のチャートで1位になった曲をまとめた」というコンセプトで作られたベスト・アルバム。全世界で約2,500万枚の売り上げがあり、現在も売り上げを伸ばし続けている。

[編集] CD化になってからの新コンセプトによる作品

  • ザ・ビートルズ・ライヴ!! アット・ザ・BBC - The Beatles Live At The BBC (CD,アナログLPとも2枚組)(1994年)(再発2001年)
BBC音源での初期のライブを収録し、ライブバンドとしてのビートルズの姿を伝える作品。海賊版対策を兼ねている。古い音源であり、一般聴取者がエアチェックした音源も含まれるため、多少音質に難のある曲もある。ジョンの歌う「ハニー・ドント」など貴重なトラックも多数収録。「ベイビー・イッツ・ユー」がシングルカットされた。
同名アニメーション映画の再発(DVDビデオ)に合わせ発表された、映画のナンバーを集めた新しいコンピレーションアルバム。1969年に発表されたアルバム『イエロー・サブマリン』と収録曲が異なるほか、リミックスによって音質の向上と楽曲の現代的な再構築が試みられた。
オリジナルアルバム『レット・イット・ビー』から、フィル・スペクターによる編集やダビングを取り除き、幻のアルバム『ゲット・バック』での本来のテーマにそった形で再制作された作品。
21世紀に入って2つ目となる最新作。元はビートルズの楽曲を元にしたシルク・ドゥ・ソレイユラスベガスでの常駐公演『LOVE』のために作られていたものであるが、正式にアルバム作品となることが確定。ビートルズにおいて初めて、リミックスを音質の調整ではなく作品の再構築の手段とした(一種のマッシュアップとも言える)アルバムとなる。通常盤(CD)とスペシャルエディション(CD+DVD)が発売される。スペシャルエディションDVD(DVD-AudioとDVD music(映像を収録せず音声のみ収録のDVD-Video)のハイブリッド)では、ビートルズ作品初の映像を伴わない5.1chサラウンド音声での発売がされる。

註:LPでリリースされた『ザ・ビートルズ・スーパー・ライヴ!』-The Beatles Live At The Hollywood Bowl(1964年と1965年の同ステージでの演奏曲目を組み合わせたもの。1977年リリース)は、2007年の時点でCD化されていない。

[編集] シングル

イギリスで、リアルタイムリリースされたものに限る。チャートは、アメリカ=米は「ビルボード」、イギリス=英は「メロディー・メイカー」。数字は順位。数字だけのものは、1週だけ1位を指す。
*但し、アメリカでの発売は「抱きしめたい」までが1964年2月以降に発売されたため、英米の同時期発売がなされたのは「キャント・バイ・ミー・ラヴ」以降である。

解散後

  • ベイビー・イッツ・ユー / アイル・フォロー・ザ・サン / デヴィル・イン・ハー・ハート / ボーイズ(1994年
  • フリー・アズ・ア・バード /*アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア /*ジス・ボーイ(こいつ)/ クリスマスタイム・イズ・ヒア・アゲイン(1995年) *はCDシングルのみ収録
  • リアル・ラヴ / ベイビーズ・イン・ブラック /*イエロー・サブマリン /*ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア(1996年) *はCDシングルのみ収録


その他

アメリカのみでのシングルでは、「エイト・デイズ・ア・ウィーク」~2週1(B面は「パーティーはそのままに」)、「イエスタデイ」~4週1)(B面は「アクト・ナチュラリー」)、「ロング・アンド・ワインディング・ロード」~2週1(B面は「フォー・ユー・ブルー」)などがある。また、ドイツでは「シー・ラヴズ・ユー(ドイツ語盤)/抱きしめたい(ドイツ語盤)」、日本では「恋のアドバイス」「ツイスト・アンド・シャウト」など、カナダの「オール・マイ・ラヴィング」など、各国独自のシングルも存在する。
イギリスでのオリジナル・シングルレコードは全てがCD化され、ボックスセットも限定発売された。これらのコレクターズ・アイテムについては現在ほとんど入手は難しい。

[編集] フィルモグラフィー

主演作品
ドキュメンタリー風のアイドル映画。次作と共にカンヌ映画祭グランプリ受賞監督リチャード・レスターの初期の傑作としても知られる。
  • HELP! 4人はアイドル - Help!1965年
前作と同じくレスター作品。リンゴが中心となる映画で、前作とは違い完全フィクション映画である。
  • マジカル・ミステリー・ツアー (映画) - Magical Mystery Tour1967年
監督・脚本などすべてビートルズが自主制作したTV映画。サイケ色の強いロードムービー
アニメ作品。声を当てているのは声優だが、メンバーもラストで映像出演している。
ドキュメンタリー・映像作品
  • レット・イット・ビー - Let It Be1970年
アルバム制作過程を追ったドキュメンタリー。ポールはこれを利用して再びライヴ活動をしたかったようだが、皮肉にもバンド崩壊の様子を後世に伝える作品となってしまった。上記4作品はDVD化されているが、当作品のみ未発売である。
アンソロジーシリーズの映像版。当時の貴重な映像や、メンバー他関係者のインタビューで構成されている。
その他

1966年の日本公演を収録した『武道館コンサート』などがビデオ化されている。ほか、「ペイパーバック・ライター」「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」「ハロー・グッドバイ」「ヘイ・ジュード」「レボリューション(シングルとは別テイク)」などのプロモーションフィルム(ビートルズが製作したものが世界初とされる)が存在するが、これらは現在まで未発売である。

[編集] 書籍

アンソロジー・プロジェクトの書籍版で、唯一の公式な自伝といえる作品。各年代のメンバーの発言を中心に、貴重な未発表写真などを加え編集されている。無名時代から絶頂期、解散に至るまでの経緯がメンバー自身の言葉で語られている。

[編集] 追記

メンバーのソロ作品として発表された作品のうち、ビートルズ時代にデモが作られたり、ビートルズとしては未発表となった主なもの。

ジョン・レノン
  • 「チャイルド・オブ・ネイチャー」
    ジェラス・ガイ」(『イマジン』収録)の原曲。インド滞在中に作曲され、「ホワイト・アルバム」のレコーディングセッションおよび「ゲット・バック・セッション」でも演奏されている。
  • イマジン」(アルバム『イマジン』収録)
    『Let It Be ....Naked』のBonus Discにわずかながら収められている。
  • 真実が欲しい」(『イマジン』収録)
    1969年のビートルズのゲット・バック・セッションでジョンとポールが演奏を試みている。


ポール・マッカートニー
  • 「テディ・ボーイ」(『マッカートニー』収録)
    ゲット・バック・セッションで演奏、お蔵入りになったプロモーション盤『ゲット・バック』にも収録されていた。『ザ・ビートルズ・アンソロジー3』収録。
  • 「アナザー・デイ」(ソロ・シングル)
ゲット・バック・セッションでポールのピアノ弾き語りが演奏されている。
  • 「メイビー・アイム・アメイズド」(『マッカートニー』収録)
    ゲット・バック・セッションでポールのピアノ弾き語りが演奏されている。
  • 「バックシート・オブ・マイ・カー」(『ラム』収録)
    ゲット・バック・セッションでポールのピアノ弾き語りが演奏されている。
  • 「コズミカリー・コンシャス」(『オフ・ザ・グラウンド』収録)
    1968年、インド滞在時に書かれたサイケ色の強い曲。ビートルズでの演奏は不明。


ジョージ・ハリスン


リンゴ・スター
  • 「ティキップ・オブ・ア・カロライナ」
    ゲット・バック・セッションの最中に演奏。この一部が『Let It Be...Naked』のBonus Discに収められている。

[編集] CM等のオンエア曲

解散後数十年が経過し、オリジナル曲を耳にすることは減りつつも数々のアーティストによりカヴァーされている。この項では、近年、CM等で採用されたビートルズの作品のみを列記する。

  • アクロス・ザ・ユニバース (Across The Universe)、NTT東日本“ひとりじゃない”篇 (2004年) [1]
  • ハロー・グッドバイ (Hello Goodbye)、日本公文教育研究会 (2004年[2]
  • プリーズ・プリーズ・ミー (Please Please Me)、東京三菱銀行 (2003年)
  • ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード (The Long and Winding Road)、ソニー・ウォークマン (2002年?)[3]
  • マジカル・ミステリー・ツアー (Magical Mystery Tour)、三菱自動車 (2001年?)[4]
  • オブラディ、オブラダ (Ob-La-Di, Ob-La-Da)、ホンダ・ステップワゴン (1996年 - )[5]
  • 愛こそはすべて (All You Need Is Love)、サッポロブロイ (2000年)

[編集] 外部リンク

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