イランの核開発問題
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大量破壊兵器 | |
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種類 | |
生物兵器 | |
化学兵器 | |
核兵器 | |
放射能兵器 | |
国別 | |
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南アフリカ |
イランの核開発問題とは、イランが自国の原子力発電所及び核関連施設で濃縮ウランの製造を企画していた問題のこと。濃縮ウランとは通常の原子力発電には不要な高レベルにまでウランを高濃縮するもので、核兵器(原子爆弾の製造には90%以上の濃縮が必要)開発などへの転用の用途以外には不要な技術とされる。イランは自ら加盟する核不拡散条約(NPT)の権利を行使しているのであり、核兵器は作らないと主張している。これに対し、非核保有国の核活動を監視している国連機関、国際原子力機関(IAEA)は、イランの主張に再三疑問を呈してきた。
[編集] 経緯
- 1970年 核拡散防止条約(NPT)に発足当初から加盟
- 1980年代 二酸化ウランや六フッ化ウランを入手し、遠心分離器の実験やレーザー濃縮実験を実施。
- 1990年代 テヘランの核関連施設における実験で、少量のプルトニウムの抽出に成功したという
- 2002年 イランの反体制組織が秘密裏に進めてきた核開発を指摘し国際的に問題が表面化、イランが核開発に関連した実験の存在を認める
- 2003年 国際原子力機関(IAEA)定例理事会にて、イランに対する非難決議案を全会一致で採択
- 2005年 マフムード・アフマディーネジャードが大統領に当選、核開発続行の意志を表明
- 2006年 国連安全保障理事会に付託、イランの核開発中止を求める議長声明を採択された
- 2006年7月31日 国連安全保障理事会は、英仏独3カ国が提出したイランに核開発中止を求める決議1695を賛成14、反対1(カタール)で採択した。同決議は8月末までに核開発を中止しない場合、制裁措置を検討することを盛り込んでいる。決議は、制裁措置発動前の暫定措置に関する国連憲章第7章40条に基づいて、「イランが研究・開発などすべてのウラン濃縮・再処理活動を中止し、国際原子力機関(IAEA)の検証を受けること」を要求。「すべての国連加盟国に対し、イランのウラン濃縮・再処理活動や弾道ミサイル計画に資するような資材や物資、製品、技術の移転を警戒し、阻止するよう求める」としている。