エルメス (機動戦士ガンダム)
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エルメス(ELMETH)はテレビアニメ『機動戦士ガンダム』に登場する架空の兵器。ジオン公国軍のニュータイプ専用試作モビルアーマー。(型式番号:MAN-08、当初はMAN-X8であった)
目次 |
[編集] 機体解説
エルメス | |
型式番号 | MAN-08 (MAN-X8) |
所属 | ジオン公国軍 |
建造 | フラナガン機関 |
生産形態 | 試作機 |
頭頂高 | 85.4m |
本体重量 | 163.7t |
全備重量 | 291.8t |
ジェネレーター出力 | 14,200kW |
スラスター推進力 | 645,200kg |
センサー有効半径 | 245,000m |
装甲材質 | 超高張力鋼 (超硬スチール合金) |
武装 | メガ粒子砲×2 ビット×12 |
主な搭乗者 | ララァ・スン クスコ・アル |
一年戦争末期、ジオン公国軍によってブラウ・ブロが開発されていたが、ニュータイプ専用機と言いつつも一般のパイロットでも操縦が可能なものであった。本機はその思想を更に押し進め、完全なるニュータイプ専用機として開発された。サイコミュシステムを用いて機体本体の制御と機体内部に搭載するビットと呼ばれる小型のビーム砲台の遠隔操作を行う。そのためコクピット内部は必要最低限の操縦機器のみで、その殆どはコンソール類となっている。また高Gによるパイロットへの負荷を軽減するため、機体前部に配置されたコクピットには高性能の緩衝装置が設けられている。
機体前面はパイロット保護のため厚い装甲板で覆われている。スラスター類は機体下部の左右エンジンユニットに設けられた3基のバーニア・ノズルが確認できるのみである。これは耐弾性を向上させるためだとも言われ、腕部などのAMBAC作動肢を持たない本機は、機体内部に高速回転するジャイロを有し、この重心を変化させることによって機体制御を行う。
本体の武装は長距離射撃用メガ粒子砲が2門のみで、機体自体がビットの運用目的に特化したものとなっている。 ビットを無線誘導することで、長距離からの攻撃、もしくは攻撃対象に対して予期せぬ方向からの攻撃が可能である。全長8.4mのビットにはビーム砲が装備され、搭載された小型ジェネレーターによりエネルギー供給を行う。1基のメインバーニアと無数に配置された姿勢制御バーニアにより高い機動性を誇る。ビットにはモノアイが設けられ、捉えた敵機の映像をサイコミュを介してパイロットに伝達する。尚ビットは機体後部の2つの射出口から射出し、一度射出したビットを回収することも可能である。エルメスのビット搭載機数には諸説あり、10機とも12機とも言われている。調整により長距離でのビットの運用も可能だが、パイロットに負担がかかり過ぎる事から断念されている。
3機が製造されており、1号機はパイロットのニュータイプ能力が不十分であったため、暴走したビットの攻撃により爆破されたとされている。2号機はララァ・スン少尉、3号機はクスコ・アル少尉にそれぞれ与えられ、実戦に参加した(ただし、クスコ・アル少尉については諸説あり記録が十分でない)。
[編集] 劇中での活躍
『機動戦士ガンダム』では、ソロモン攻略戦終了後の第39、40、41話に登場。ララァ・スンが搭乗し、ソロモンに駐留している連邦軍艦艇に対し長距離からビットを利用して攻撃、数隻を撃沈する事に成功している。連邦軍は当初ソロモンの亡霊と恐れていたが、エルメスの情報を入手した後は、その機体形状からトンガリ帽子のコードネームで呼んでいた。
その後、ガンダムと交戦するが、ビットが動きを予測されて撃破されるという憂き目を見る(ガンダムのパイロット、アムロ・レイもニュータイプに覚醒していた)。本機もシャア・アズナブルのゲルググをかばってコクピットを直撃され撃墜されている。
映画版『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』でも、ほぼ同様の内容で作品の後半に登場している。また後の劇場版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』では、シャアの回想としてエルメス撃墜シーンがリメイクされている。
小説版『機動戦士ガンダム』においては、ララァ・スンの搭乗機が撃墜された後、クスコ・アルの搭乗機としてエルメスが再び登場している。こちらの機体はエルメスの2号機であるとされ、メタリック・グリーンの塗装が施されている。
[編集] 登録商標
初版のプラモデルでは「エルメス」の名称で販売されていたが、ファッションブランドであるエルメスと名称が被ることから、登録商標の問題のため「ララァ・スン専用モビルアーマー」という名称に変更されている。その後のフィギュア等でも同じ名称で販売されている。また、小説版やゲーム等でララァ・スン以外のパイロットが搭乗することもあることから、BB戦士シリーズのプラモデルは「NT専用モビルアーマー」という名称が使われている。
[編集] バリエーション
- 1号機
- ララァ・スンが搭乗。機体色は緑。
- 2号機
- 小説版『機動戦士ガンダム』において、クスコ・アルが搭乗。MSVにおいても同様の設定である。
- 3号機
- ゲーム『SDガンダム GGENERATION』シリーズにおいて、アクシズの実権を握る前のハマーン・カーンが搭乗したとされている。機体色はキュベレイと同じ白に塗られている。
- 4号機
- ゲーム『SDガンダム GGENERATION モノアイガンダムズ』に登場。ジオン軍の強化人間セレイン・イクスペリが搭乗。システム・セイレーネ搭載スペースが準備されているが、一年戦争中完成しなかったため未実装。ア・バオア・クーでの戦闘後、部隊を売り渡したアイン・レヴィからシグ・ウェドナーをかばって撃墜された。機体色は赤。
後にアクシズ(ネオ・ジオン)が開発したニュータイプ専用モビルスーツキュベレイは、本機の直系の子孫であると言える。
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